吃音は障害者じゃない。吃音があってもこうやって生きている先輩がいるからそれを見習え。大いに吃りなさい。吃音者に生まれたことを誇りに思いなさい。吃音でよかったと思いなさい。吃音は神様から貰ったギフト。などなどのトンデモ理論がまかり通っているのが現状です。未成年の吃音者や親御さんにそんなことを教えて吃音仲間を故意に増やしたいのかと勘繰ってしまいます。
発達障害(Neurodevelopmental Disorder)だよと教えても聞く耳持ちません。吃音が発達障害であり、精神障害者保健福祉手帳の交付対象なんて死んでも許せないのです。
この自分の子どもが障害者といわれることに抵抗を持ってしまうのは、その父親と母親、祖父祖母、親戚縁者が障害者や社会的障壁がある人にとても厳しい価値観なのだと思います。父親と母親が成長する人格形成期に「障害者は可哀想だ。障害者は幸せではない。障害者なんて税金泥棒だ。障害者は怖い。障害者は気持ち悪い。精神障害者保健福祉手帳を持っている人は頭がオカシイ。」など価値観をもってしまったのだと思います。その視点で自らの子どもの吃音を評価しているのです。
別の視点もあります。障害者に厳しい価値観でなくても障害者に理解があったとしても、父親と母親が社会人として、現実の社会に関わった結果。やはり障害者は経済格差がある。自分自身が働いてる会社は障害者はあまり雇用していない・そもそもしていない・身体障害者しかいない。吃音者が自分の会社に就職活動で来たら採用なんて絶対されない。そんな社会に吃音の自分の子どもが一人で生きていくことができるか心配だ…。このような現実と戦う結果、迷ってしまう親や保護者もいるでしょう。
そうだ。吃音は障害者じゃないと思い込もう!一時ですが気持ちのよい経験ができるかもしれません。しかし吃音当事者は大人になって壁にぶち当たった場合に最悪な状態になります。
2015年現在。就職活動の際に「私は吃音者です。でも頑張ります。」なんてエントリーシートや履歴書に明記すればその時点で「貴意に添えない結果」という名のお祈りメール、お祈り文章を貰うことになるでしょう。
この派閥は吃音が障害者と言われることにとても抵抗があるため、吃音が発達障害である。脳神経になんらかの問題があると周知徹底されることを拒否しています。2014年7月国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報支援センターが吃音を発達障害の定義に加えたことすら、内閣府の政府広報が吃音が発達障害であると告知したことすら、反感を持っています。
挙句に会社に吃音であることが発覚し、発達障害者だとバレて出世街道コースから外れると困るのです。障害者手帳取ってこいよ!なんて言われた日には死んでしまいます。せっかく吃音を上手くバレないように入社して一般枠で仕事をしているのに!!なぜだ!!となるのです。
普段から、吃音が出そうになっても、上手く「言い換え」を行う。「わざと忘れたふりをして相手に言わせる」、「あのー えーっと あれ あれなんだっけ 」などを駆使しながら乗り切る人もいます。電話が鳴っても受けないという人もいます。
その他に年配の吃音者で社会人経験をした2015年現在50代60代70代の方で、自分が会社に入社したときは吃っていても大丈夫だったが、今は吃ることは危険だ許されないだろう。と真実を知っている人もこの派閥にいます。
吃音があって困っているというのは、大人であれば就職できない。ひきこもりニートになっている。親のお金で生活している。生活保護を利用している。親の老齢年金で食いつないでいる。だがしかし、就職したい。だけど新卒で就職に失敗した。職歴が全くない。ハローワークに行っても応募できる仕事がない。応募しても書類選考で落ちる。などの状態です。
本来勉強しなければいけない時期に吃音を一次障害として、二次障害でうつ病や社交不安障害などになってしまい学校に通学できない。結果として勉強すべきときに勉強に打ち込めず、中学卒業の学歴、高校中退の学歴、大学に進学はしたが就職活動を失敗してしまう。といったことが考えられます。
この場合、吃音は発達障害者支援法に定義されている障害者なので公的な福祉支援を使うことができます。学校であれば文部科学省が学校での合理的配慮を提供しています。大学でも発達障害学生支援のマニュアルができています。(2015年現在吃音についてのマニュアルはない。このブログで勝手に作成する予定です。)
吃音当事者、家族であれば適度な距離感を持ちましょう。また、吃音当事者のライフステージや吃音の程度により、公的な福祉支援を使えるということも忘れないで下さい。いつでも自由に自分にあった選択肢を選べばいいのです。
重ねて書きますが「吃音は早期発見早期介入であれば、将来吃音の状態を良い方向にもっていくことができます」これを忘れないで下さい。幼少期に子どもを病院に行かせることができなかった。と後々後悔しないでください。
吃音が障害ではないことを比較するのに「XXX障害よりマシ。障害者は劣っている。障害者手帳や社会保障制度の利用は恥である」などと教える団体があるため、このような吃音業界と関わりたくない距離をおきたいという他団体や障害者、その家族はとても多いです。
それぞれは元祖の本家本元から主義主張の対立、運営側、スタッフ側の喧嘩、意思疎通困難により。『じゃあ分裂だ。お前らとは一緒にいられない。新しい団体つくるから!』という歴史を1965年から2017年現在まで繰り返しています。
でもそれって2005年以降の発達障害者の当事者会と似てない?発達障害の当事者会も、喧嘩とか対立とかして1年ももたないで団体が空中分解したり分裂したり、発展的解消とか言いながら、どんどん団体が増えていますよね?
はい。正解です。おそらく吃音業界の各団体を運営するスタッフなどにも吃音と発達障害の両方を持った人が多いのだと思います。それに加えて吃音業界は長いあいだセルフヘルプグループであることに誇りを持っており、医療従事者や支援者、ソーシャルワークができる人を参加させないことも影響しています。
発達障害児者の団体でも運営が上手くいっており継続しているところは、国家資格を持った人間がスタッフとして参加していたり団体の運営に関わっています。例えば「吃音は障害じゃない。障害者はかわいそう。障害者は劣っている」なんて発言を当事者会ですれば、即座に国家資格を持っている運営スタッフがそれを注意したり、暴走しないように静止します。これが吃音業界にはなかった。皆無だったというわけです。
吃音業界は本来は団結して、子ども、保護者、医療従事者、支援者、専門家、大学教授、研究者などが1つの団体にまとまっていれば、吃音者の人権、吃音者が使える社会保障制度などの環境が変化していたかもしれません。少なくとも2005年の発達障害者支援法を(意図的または本当に知らずに)見落とすこともなかったでしょう。
話をもとに戻します。
しかし2016年現在、吃音が全くの原因不明というのは間違いです。
現在、吃音は脳、神経発達の疾患であることはわかってきています。
吃音ドクターこと菊池医師が書籍で述べています。少し古い書籍ですが「吃音の基礎と臨床―統合的アプローチ」でも吃音と脳について当時の研究が掲載されています。
ゆえに発達障害である、神経発達障害(Neurodevelopmental Disorders)であるとされています。DSM-5(アメリカ精神医学会 2013年公開)にも神経発達障害群に吃音が分類されました。ちなみに神経発達障害群には、自閉症スペクトラム、注意欠如多動性障害、学習障害、トゥレット・チックも分類されています。吃音と一般に言われる発達障害が併発する人も見られるのはそういう意味なのです。
・菊池良和医師も「吃音は聴覚タイミングエラーで生じる-脳磁図と拡散テンソル解析-」2013年から2016年3月までこのような研究をしている
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-25861566/
・2014年にミシガン大学の Soo-Eun Chang氏(Ph.D.)が
【Research updates in neuroimaging studies of children who stutter.】という研究報告を発表しています。
ミシガン大学の紹介ページ
http://chgd.umich.edu/people/details/soo-eun-chang-ph-d-ccc-slp/
研究報告の要約
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24875668
研究報告によると現在、吃音は脳画像化技術の進歩により、脳の解剖的および機能的な異常の重要な発見が相次いでいるといいます。MRI(磁気共鳴画像装置)、fMRI(機能的MRI)、DTI(拡散テンソル画像法)などの利用により、吃音者の神経学的根拠の重要な手がかりが見つかっているのです。この研究のなかで吃音の子どもとそうでない子どもの脳内神経ネットワークの比較が出てきます。結局、吃音がある場合とそうでない場合は脳の発達に違いが見られるというのです。
この研究報告は子どもの時は吃音なのに、大人になると吃音が消失する場合、大人になっても吃音が継続する場合の判別ができるのではないかと可能性を述べています。例えばガンの腫瘍マーカーのようなものです。今後もよりいっそう、吃音の研究が進むことを願います。子どもの時は吃音なのにどうすれば治る方向に進むのかが判明しれば、どのような治療が必要なのか判明すれば、吃音で苦しむこともなくなるでしょう。
◆4.吃音が発達障害であることを日本政府が決めたわけではない。
吃音が発達障害というのは日本政府が決定したわけではありません。
海外の診断基準を利用しています。
http://matome.naver.jp/odai/2142139170911907401/2143530781869191803
◆5.吃音は治る人もいるし、治らない人もいる。
現在、吃音はたったひとつ「吃音」と言われています。
しかし、今後研究が進めば、吃音には分類があることが判明するでしょう。
A型吃音、B型吃音、C型吃音といった具合です。
そうでないと、幼少期は吃音だったが、大人になってから吃音がなくなった吃音者。
幼少期から大人になってもなお、ずっと、吃音がある吃音者。
吃音と一般的な発達障害の併発。
他人の吃音をマネしたら吃音になった。
吃音は遺伝するのか?家族や親戚縁者の吃音はどうなのか?
これらの説明ができないからです。
さて、結果として、吃音が治った吃音者は吃音の治らない吃音者に対してあれこれ説教をします。
「私はこうやって治した。あなたは努力が足りない。私を見習え。」こんな説教です。
挙句の果てに、自分流で吃音を治した方法を「コンプレックス商法」として吃音が治る方法を販売します。という山師が存在します。
吃音者に接する場合、吃音は治る人もいるし、治らない人もいる。
しかし、そのメカニズムや誰がそうで誰がそうでないのかはまだ現在医学では判明していないということを忘れないで下さい。
◆6.吃音を扱うコンプレックス商法や民間の吃音矯正所は意味が無い。
吃音を扱うコンプレックス商法ですが、皆さん不思議に思いませんか?
世界中で吃音者がいて困っている。
そんな中で吃音を治す方法を知ってる人がいる。
なぜ、医学論文を発表しないのでしょうか?
世界中の吃音者が助かるはずです。
ノーベル賞の医学生理学部門も受賞できるでしょう。
しかしそんなことはしない。
それは簡単です。
吃音者には吃音でずっと困っていてほしいのです。
そのほうがお金儲けができるからです。
本当の篤志家であればその情報を医学論文として発表するはずなのです。
そして世界中に存在する吃音で困っている当事者家族に光を与えるはずです。
吃音者は紀元前から存在するのですが、こうやって吃音者を食い物にする人たちがいるのです。
◆7.吃音は病院のどの科にいけばいいのか?
吃音は耳鼻咽喉科、精神科が一般的です。
しかし病院によっては吃音を治す訓練しかしないところがあります。
吃音は治すものだと思っているので障害者手帳申請書類を書いてくれない医師もいます。
◆8.吃音は保険診療できる。
吃音は保険診療できます。
発達障害者支援法に定義されているとなれば、自立支援医療の精神通院を利用して、所得にもよりますが1割負担で通院できます。
民間の吃音診療所や吃音クリニックは保険診療できません。
保険診療するためには「医師法」や「言語聴覚士法」で「医師の指示がないといけない」と書かれているからです。民間診療所には医師がいるのか?保険診療できるのか?をよく確認しましょう。
保護者が子どもの吃音を心配する心のスキマを狙った吃音症法(吃音商法)にはお金を使わないようにしましょう。
◆9.吃音を診療する病院はとても少ない。
吃音を診療する病院はとても少ないためどうやって見つければいいのかわかりません。
という場合、効果があるかわかりませんが…。
お住まいの都道府県にある言語聴覚士会に問い合わせ、吃音を診る病院はどこにあるか?
と質問してみましょう。※ただしこの場合紹介される病院は「吃音を訓練治療する」ことが多いでしょう。
★【重要】吃音を診療すると表明している病院リスト
http://stutteringperson.blogspot.jp/2016/07/blog-post_24.html
◆10.
子どもの吃音を早期発見後、どこの病院に行けばいいのか?
「吃音は早期発見早期介入であれば、将来吃音の状態を良い方向にもっていくことができます」
と派閥の説明で書きました。これは国立障害者リハビリテーションセンター病院です。
ここに行ける人は行ったほうがよいでしょう。使えるメニューは使い切るべきです。
◆11.吃音を発達障害として診療する病院はどこか?
現状であれば国立障害者リハビリテーションセンター病院です。
ただし、条件があります。
必ず診察のときに『発達障害として診てほしい。障害者手帳がほしい』と伝えます。
民間の発達障害を専門に診ている医師も最近は吃音を発達障害として診断書や障害者手帳申請書類を書くところが東京で出現しています。ありがたいことです。
◆12.吃音は吃音だけだと障害者認定されないというウソ
これも現在インターネット上など間違った情報が拡散されています。
吃音で障害者手帳がもらえるのは「吃音 + ●●」がないといけないというのです。
二次障害が発生していないと取得できないという。これは全くの間違いです。
一般に言われる発達障害であるASDやADHDやLDやチック・トゥレットなどで障害者手帳を持っている人は、その障害名のみで障害者手帳を取得している人もいます。しかも障害者手帳を持っていることをカミングアウトせずに一般枠で頑張って障害特性と戦いながら仕事をしている人もいます。もちろんカミングアウトして障害者枠で働く人もいます。
ということは吃音者も吃音という障害のみで障害者手帳を申請できるのです。うつ病、社交不安障害、適応障害などが併発症とならなくても障害者手帳を申請できます。そもそも二次障害が発生してしまっている状態にまで陥ってしまった当事者がその道程を歩むことになってしまった環境が異常です。適切なソーシャルワークはあったのでしょうか?
結論。
吃音は吃音のみで障害者手帳を取得できる。
◆13.国立障害者リハビリテーションセンター病院は遠すぎる。
この場合は、政治の力に訴えるしかありません。
お住まいの自治体の都道府県議会に現実を伝え、発達障害者支援法に基いて吃音を診療する
病院を設置してほしいと運動を起こすしかありません。一人では歯がたたないので協力して行ったほうがよいでしょう。
発達障害者支援法第19条
(専門的な医療機関の確保等)
第十九条 都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、前項の医療機関の相互協力を推進するとともに、同項の医療機関に対し、発達障害者の発達支援等に関する情報の提供その他必要な援助を行うものとする。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO167.html
◆14.吃音を診療するために病院に行くとその日が初診日になってしまう。通院歴ができてしまう。
どんな障害にもついてまわるのが「初診日」です。
その名の通り、最初に自分で調子が悪いと思って、最初に行った病院です。
※吃音と正式に診断がついた日ではありません。医師が誤診していたとしても最初に行った病院です。
一般的な発達障害でも初診日問題が話題になります。障害者年金の受給可否について大きく影響します。
◆15.吃音は発達障害者支援法に定義されているため、生命保険や住宅ローンなどのサービスが受けられなく可能性が高い。
生命保険や住宅ローンの申し込みが難しくなります。健康状態を告知する商品全般です。
もちろん嘘をついて申し込むなんてもってのほかです。
吃音のために病院に行けばその時点でアウトです。
子どもの将来が心配であれば、絶対に1回も病院には行ってはいけません。
障害者認定反対派の親・保護者の方も子どもを絶対に病院に連れて行ってはいけません。
◆16.吃音を障害者ではないということは、他の社会的障壁がある人を差別していることになる。
2014年7月に国立障害者リハビリテーションセンター内部にある、発達障害情報支援センターが吃音が発達障害であるとHPに公開しました。2005年の発達障害者支援法ができてから9年後です。
さて、この発表の後。吃音は発達障害者じゃない!ましてや精神障害者保健福祉手帳の精神障害者だなんて死んでもゴメンだ!頭のオカシイ精神障害者!!犯罪行為が無罪になる精神障害者と吃音が同列なんて許せない!せめて言語障害の身体障害者だろ!!!という論調が見受けられるようになりました。
しかしこれは逆に考えれば、他の障害者を馬鹿にして見下していることでもあるのです。
なぜ、その他の社会的障壁のある人達と協力して、
吃音は障害者じゃない・精神障害者じゃないとそう受け取ってしまう自分の感性や価値観を生み出した世の中を変化させようと考えないのか?と不思議です。障害者の人権や経済格差や社会参加の問題こそ単独の当事者で活動するよりも障害種別の垣根を越えた協力が必要なのです。
◆17.吃音者は他の障害者団体から怪訝な、訝しむ感情で見られている。
吃音者は戦後歴史上、派閥抗争を繰り返しています。
例えば障害者認定反対派の派閥であれば、徹底的に障害者は可哀想な存在だ、あなたの子どもは障害者じゃない、吃音があっても活躍している人がいる、私の人生を見習いなさい、吃音者は目も見えるし耳も聞こえる比べればどっちが幸せかわかるでしょう、吃音は神様から貰ったギフトと教えている団体が存在するわけです。
吃音の子どもと保護者は小学校や中学校で、その他の社会的障壁・障害がある子どもの保護者と交流する機会がありますが、「なにか変だな?障害者のこと差別しているのかな?」と思われるのです。そして徐々に距離感が生まれていきます。この道程を通った結果、吃音者とその他の障害者や社会的障壁がある当事者と価値観の違いが生まれます。吃音者と距離をとろうと判断されてしまいます。
◆18.若い世代の吃音当事者が今後の吃音情勢を変化させるかもしれない。
現在、吃音者当事者の中にも、学校教員、看護師、介護士、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士や言語聴覚士や医師の道を目指す若者がいます。彼らは学校で「発達障害」について学ぶ時間があるので、本当は吃音が発達障害であることは知っていますし、吃音以外の障害者や社会的障壁がある人の勉強もしています。障害者認定反対をする吃音者と使える制度を自分で選択して利用しているその他の障害当事者はなぜにこうも違うのかと思考するようになります。この若い世代が日本の吃音情勢を変化させるかもしれません。
◆19.
吃音はその他の一般的な発達障害と併発する人もいる。
吃音は障害者ではない。という障害者認定絶対反対派の人には耳が痛いことです。
吃音は一般的な発達障害(ASDやADHDやLDやチック)と併発する人がいます。
何%かどうかはわかりません。
※このような研究報告もあります
【重要】吃音と発達障害の併存について日本音声言語医学会の学会誌より紹介
http://stutteringperson.blogspot.jp/2016/02/blog-post_23.html
吃音とアスペルガー症候群、高機能自閉症、広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、学習障害、チックなどを併発するのです。
発達性協調運動障害という不器用さを持っている吃音者も存在します。
吃音と発達障害の併発は深刻です。
吃音という発話の障害と、俗に言う発達障害の特性である、相手の考えを読めない、理解できない、自分の感情を上手く表現できない、報告連絡相談というホウレンソウが苦手、スケジュールを組むのが苦手、急な予定変更に対応できない、強いこだわりや執着がある、0か1でしか物事を判断できない、時間を守れない、他人と視線が合わない、目を見て話せない、曖昧な表現がわからない、他人との距離感がわからない、落ち着いて座っていられない、会話をしていても相手が話し終わる前に遮って発言する、聞かれていないことまで話し始める、動きまわってしまう、ケアレスミスが多い、マルチタスク作業ができない、計算が苦手、正義感が強すぎる、などなど。この中から吃音と何かが組み合わさるかもしれません。
吃音がある場合。その他の俗に言う発達障害が併発していないか?調べたほうがよいでしょう。
吃音による発話だけの困り事ではないかもしれません。
ちなみに吃音者の当事者団体にはASDやADHDを持った吃音者がいます。
とても強いこだわり執着が「吃音は障害者ではない論」につながる場合があります。
そして0か1でしか判断しないため、考え方が違う吃音者とすぐに対立します。
吃音者の団体が派閥抗争や分裂こ繰り返すのはこれが1つの原因かもしれません。
(一般的な発達障害の団体も喧嘩して分裂を繰り返すのと同様です。)
また、他の発達障害者の中にとてもIQが高い人がいるように吃音者にもとてもIQが高く学歴が高く一流企業で働いている人もいます。ただし現在40代?50代?以降の人です。過去のハードルが低い就職活動時代を経験した人に限ります。2015年現在の就職活動システムを経験していない人が学歴だけで入社している場合です。
◆20.人材を雇う企業側は「発達障害を発見する方法を知っている」
2015年現在、企業側は発達障害を発見する方法を知っています。
就職試験に性格診断のようなものが入っていると思います。あれは実は発達障害を発見することにも利用できます。また、発達障害者が障害特性で苦労するミスをしそうな面接やグループディスカッションなどもノウハウがあります。その他に最初から精神疾患・精神疾患発症リスクや発達障害を発見することを目的として採用活動をしている企業にそのようなサービスを提供する企業もあります。
吃音も発達障害者支援法を熟知している人事採用担当なら、発話の仕方から推測するかもしれません。
企業側もリスク人材(精神疾患発症や隠れた障害や会社を訴える行為などをするかもしれない)を採用しないように全力です。たとえ企業のトップが「うちの会社は障害者に理解あるよ」と話していても人事採用担当が全力でブロックします。実は吃音者にも障害者手帳をという派閥に年配の方(現役引退世代)がいるのはこの現実を理解しているからです。真実を知ってしまったからです。自分の世代と2015年現在の就職活動は異なる。しかも障害者を発見するようなことは確かに行っていると気付いているのです。であるならば障害者手帳を持って正面から勝負したほうが有利であると知っているのです。
2015年12月から厚生労働省がストレスチェックを義務化します。
となると、そもそも仕事に影響を与えるかもしれないリスク人材を採用時点でどれだけ入社させないようにするかと躍起になり、ありとあらゆる手段を使うのは目に見えています。
例えば「大いに吃れ、吃音であることを誇りに思え。堂々と吃音者であると打ち明けろ。」なんていう教えをバカ正直に信じて就職活動をすることはリスクが高い自殺行為です。
◆21.就職のとき公務員なら大丈夫だろうという勘違い。
吃音者には迷信があります。
公務員に就職すれば大丈夫だろうと。
確かに、吃音を上手く隠せるタイプの吃音者であればそれは正解です。
または一発目で合格できれば問題ありません。
しかし吃音の重い吃音者が筆記試験突破の後の面接段階で不合格になった場合は「その記録がずっと残ります。」
吃音者が公務員試験を毎年毎年受けるのですが、いつも面接で落ちるという。挙句の果てに「また来たの?」と言われる場合もあります。
でも公務員試験でそんな差別をするわけがないと吃音当事者も親御さんも信じているわけですから、新卒で就職しないままどんどん空白期間のある履歴書ができていきます。そして年齢制限になり現実に打ちのめされるのです。
◆22.就職活動前に吃音があれば、障害者手帳を取得したほうがよい。
高卒で就職するのか大卒なのか院卒なのかわかりませんが。
就職活動の一年半前には障害者手帳の取得をおすすめします。
一般枠の就職活動と障害者枠の就職活動両方を行いましょう。
◆23.履歴書の空白期間は致命傷。障害者枠でもいいから就職を
新卒という肩書は一生に1回しか使えません。
吃音のリスクマネジメントを考えるなら、一般枠と障害者枠の両方で就職活動を行いましょう。
そして就職しましょう。たとえ障害者雇用であっても社会で経験を積むことは重要です。
◆24.発達障害は精神障害者保健福祉手帳なので、雇用されにくい。されても非正規。
日本の法律で発達障害は精神障害者保健福祉手帳に含まれるとされています。
身体障害者と違い、精神障害者保健福祉手帳は二年ごとの更新制の手帳です。
そのため、もしかしたら障害手帳を取得できないかもしれない精神障害者保健福祉手帳所持者を企業側は正規職員として採用することは稀です。2018年から精神障害者保健福祉手帳所持者も雇用義務化の予定ですが、どのように変化するかはその時になってみないとわかりません。
吃音を持つ子どものお父さんお母さんは、ぜひご自身が働いている会社の人事採用担当の部門に吃音者きたら採用するか?吃音者が障害者手帳を持っていれば採用するか?精神障害者保健福祉手帳は採用対象か?と質問してみましょう。
◆25.
吃音者は障害者の法定雇用率に計算できる。
企業の人事採用担当部門の方へ。
御社の方針はわかりません。障害者雇用はあまりしたくない。ましてや発達障害者や精神障害者が難しい。という本音もあるかもしれません。
しかし吃音者は障害者雇用ができます。2016年現在は発達障害として精神障害者保健福祉手帳を持っています。
吃音者にも純粋な吃音者と一般的な発達障害併発のパターンもあります。
扱いが難しいかもしれません。なんとか雇用の道を開拓してもらえないでしょうか?
日本政府も吃音は発達障害と認めています。
障害者雇用をする側が吃音者を雇うとホームページなので告知していけば、障害受容のできた吃音者が応募してくるはずです。
・政府広報オンライン
http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html
◆26.
新聞記者、マスコミなどの方、吃音を取材するときは客観的に
吃音について取材するときに気をつけないといけないことがあります。
それは吃音者の派閥の考えをそのまま報道しないようにすることです。
例えば取材するときには吃音当事者団体のみではなく、厚生労働省の社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室にも取材を行います。そして吃音が「発達障害者支援法」と「17文科初第16号厚生労働省発障第0401008号平成17年4月1日」 により定義される発達障害者であるということを記事やニュースで伝えるようにしましょう。
その他にも、吃音を診療する病院が全都道府県に存在しない事実を報道することも大切です。
吃音を診療診察診断する病院がないことにより、そもそも受けられるはずの公的な福祉や支援を吃音当事者が使うことができないのです。
このような重要な情報を掲載しつつ、例えば吃音者にはそのまま頑張っている人もいる、社会人として活躍していると報道するのが良いことだと思います。また、逆に困っている吃音者やその保護者は「法律で認められた障害なんだ。助けてもらえるのね」というのが伝わるのです。
吃音を取材するときにも、ソーシャルワークやウェルビーイングという言葉を勉強してからのほうがいいかもしれません。本を読んでも理解できない場合は社会福祉学科や社会学を教えている大学の教員などにも取材をしたほうがよいでしょう。
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◆◆吃音(きつおん・どもり)/小児期発症流暢障害(しょうにきはっしょうりゅうちょうしょうがい)はどのような障害なのか?
テキストだけで説明することは難しいのですが、出来る範囲にて書き起こします。
吃音障害は発話の障害です。
うまく言葉を発話できないのです。
また、無理やり言葉を発話するので吃音者は身体の表面上なんらかの意図しない行動が現れます。
◆1.吃音者は常に吃っている訳ではない 吃音=発話できない という認識は間違い
吃音とは「吃音状態」になることにより、吃音が発生します。
「吃音」になってしまう「スイッチ」が入ってしまう、ONになることで、吃音状態の話し方になってしまいます。ここは重要なのでよく覚えてください。これは本当に不思議なことなのですが、どのような状態や環境、人間関係であれば吃音が発生する、発生しないという原因は解明されていません。
よくある勘違いは、吃音者は、常にずっと、いつ何時、いかなる場合でも吃っているということです。吃音者は365日四六時中吃っている訳ではありません。吃音者がスラスラ話しているときと、吃ってしまい上手く話せないときの両方があるとよく覚えてください。非吃音者(健常者)からすれば、『今日はこの人上手く喋ってるな。まさか故意にやってるのか?』、『なんでいつも流暢に話しているのに今日はこんな人が変わったようにオカシナしゃべり方しているんだ?』と思うかもしれませんが、そういうものだと思ってください。吃音者はふざけていませんし、あなたを怒らせようとしているわけでもありませんし、無礼な態度をしているわけでもありません。吃音当事者は意識して吃っているわけではありませんし、吃りたくないのに吃っているのです。
吃音は緊張するから吃るというのもよくある勘違いです。
別に緊張していなくても吃ります。リラックスしている自宅で家族と会話する、恋人、配偶者と会話する場合でも吃ります。
吃音と緊張の関係ですが、鶏が先か?卵が先か?問題と同じかもしれません。
もしもこの世に生まれてから吃音のことを指摘されずに、吃音のことを笑われずに、治そうとされずに育った吃音者がいれば、そもそも緊張は無いはずです。吃音者の吃り方を指摘したことによって、その吃音当事者の記憶に深く刻まれ、怖い体験だとストレス体験だと学習してしまえば緊張につながることはあるかもしれません。
吃音者が吃ってるときは、「今日は調子が悪いんだな」程度の認識でいてもらえるととても助かります。いちいち、「今のしゃべり方はなんだ!?」とか怒らないでください。そういうものだと受け止めてください。学業や仕事の内容で評価をしてほしいと思います。
◆2.吃音者がどもることにより身体上に現れる症状
顔が歪むこと、表情が不自然になること、目を細めてしまうこと、顔がピクピクすること、口を尖らせてしまうこと、口から唾液を飛ばしてしまうこと、相手に唾液を浴びせてしまうこと、コンビニエンスストアのおでん注文で唾液を保温器に入れること、身体の手や腕や足などを不自然に動かすこと、身体のどこかでリズムをとること、眼球が白目をむいてしまうこと、鼻の穴が広がってしまうこと、息遣いが不自然なこと、があります。
あまり現れない吃音者もいれば、複数が当てはまる吃音者もいます。
◆3.連発性吃音(れんぱつせいきつおん)、難発性吃音(なんぱつせいきつおん)ブロック吃音とも、伸発性吃音(しんぱつせいきつおん)の3つがあると言われています。
連発の吃音は発話の際、一文字目が吃ります。
ありがとうございました→ あああああああああありがとうございました。
難発の吃音は発話の際、一文字目を出すのがとても難しくなります。
(口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)……………おはようございます。
伸発の吃音は発話の際、一文字目と二文字目のあいだを伸ばすことがとても多い吃り方です。
場合によっては一文字目と二文字目以外の言葉も伸ばすかもしれません。
いらっしゃいませ→ いーらっしゃいませ いーらっしゃーいまーせ
◆4.吃音障害の症状例
あ アンパンマン
連 あああああああああ アンパンマン
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………あんぱんまん
伸 あーーーーーーんぱんまん あんぱんーーーまーーーん あーーーんぱーーーんまん
い イカリング
連 いいいいいいいいいいいい イカリング
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………イカリング
伸 いーーかりんぐ いかーーーりんぐ いかりーんぐー
う 宇宙船
連 ううううううううううう 宇宙船
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………宇宙船
伸 うーーーちゅうーせーん うちゅうーーーーーせん うーーちゅーーせーーーん
え 江戸
連 えええええええええええ 江戸
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………江戸
伸 えーーーーーーーーど えーーーーーーどーーーーーーー
お お母さん お父さん
連 おおおおおおおおおお母さん おおおおおお父さん
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する) ……お母さん ………お父さん
伸 おーーかさん おとーさーーん おかーーさんーーー おーーーとーーーさーーん
か 解凍
連 かかかかかかかかか 解凍
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………解凍
伸 かーーいとう かーーいとーーう かいとーう かーーいーとーう
き 帰社予定
連 ききききききききき 帰社予定
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………帰社予定
伸 きーーーしゃよてい きーーしゃーーよてい きーーしゃーーよーてーい
く 車で行きます
連 くくくくくく車で行きます。
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………車で行きます
伸 くーるーまーでいきーす くるまーでいきます くるまーでいきまーす
け 携帯電話
連 けけけけけけけけけけ携帯電話
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………携帯電話
伸 けーーーーーーいたいでんわ けーーいたーーいでーんーわ けいーーたいーーでーんわ
こ 高知県
連 ここここここここここここ高知県
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………高知県
伸 こーーちけん こーちーけん こーーちけーーーん
さ 刺し身ください
連 ささささささささささささささ刺し身 くくくくくくくくくください。
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………刺し身ください
伸 さーしみくーださい さーしーみーください さーしーみーくーだーさーい
し 小論文
連 しょしょしょしょしょしょしょしょ 小論文
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………小論文
伸 しょーー論文 しーよー論文 しょーろーんぶん
す 好きです
連 すすすすすすすすすすす好きです。
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………好きです
伸 好きでーす すーきーでーす すきーです
せ 先生
連 せせせせせせせせせせせせせ 先生
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………先生
伸 せんせー せーんせー せんーせー
そ その節はお世話になりました
連 そそそそそそそそそそその説はおおおおおおおお世話になりました
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………その節はお世話になりました
伸 そーのーせつはーおーせーわーになーりました そーのーせーつはおーせーわーになーりまーしたー
た 助けてください
連 たたたたたたたたたたたたたたたた助けてください
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………助けてください
伸 たーーーーすけてください たーーーすーーてーーくーだーさーい
ち 血が出てる
連 ちちちちちちちちちちちちちちちちちちち 血が出てる
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………血が出てる
伸 ちーがーでーてーる ちーがーでてるー ちーがーでてーる
つ 釣り銭間違ってます
連 つつつつつつつつつつつ釣り銭 まままままままままま間違ってます
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………釣り銭間違ってます
伸 つーりーせーんまちがってます つーりーせーんまーちがーってます
て 電車が止まってしまって
連 でででででででで電車が止まってしまって
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………電車が止まってしまって
伸 でーんしゃがとまーってしまって でーんーしゃーがーとーまーてーしまってー
と トマト
連 ととととととととととととトマト
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………トマト
伸 とーっまと とーまーと とーまーとー
な 生卵
連 ななななななななななな生卵
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………生卵
伸 なーまーたーまーごー なまーたーまーごー
に ニュースで見ました
連 にゅにゅにゅにゅにゅにゅニュースで みみみみみみみみみみみみ見ました
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ニュースで見ました
伸 ニューーースでーーみーまーしーた ニューーーースーーでーーみまーーしたー
ぬ 糠漬け
連 ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ糠漬け
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………糠漬け
伸 ぬーかーづーけー ぬかづーけー
ね ネルソン・マンデラ
連 ねねねねねねねねねねねねねねネルソン ままままままままままままマンデラ
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ネルソン マンデラ
伸 ねーるーそーん まーんーでーら
の 脳死
連 ののののののののの脳死
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………脳死
伸 のーうーし のうーし
は 歯医者
連 ははははははははははは歯医者
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………歯医者
伸 はーいしゃー はーいーしゃー
ひ ひつまぶし
連 ひひひひひひひひひひひひつまぶし
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ひつまぶし
伸 ひーつーまーぶーしー ひつまーぶし ひつまーぶーしー ひーつーまぶーし
ふ フェイスブック
連 ふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇフェイスブック
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………フェイスブック
伸 ふーぇいーすーぶっーく ふぇいーすーぶーっーく
へ 平安京
連 へへへへへへへへへへへへへへ平安京
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………平安京
伸 へーいーあーんーきょう へーいーあーんーきーょーう
ほ 保育園
連 ほほほほほほほほほほほほほほ保育園
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………保育園
伸 ほーいーくーえーん ほーいーくえーん ほーいくえん
ま 漫画
連 まままままままままままままままま漫画
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………漫画
伸 まーんーが まんーがー まんがー
み ミュート
連 みゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅミュート
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ミュート
伸 みゅーとー みーゆーとー
む 蒸し焼き
連 むむむむむむむむむむむむむむむむむ蒸し焼き
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………蒸し焼き
伸 むーしーやーき むしーやーき むーしーやーきー
め 目薬
連 めめめめめめめめめめめめめめめめめめ目薬
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………目薬
伸 めーぐーすーり めぐーすーり めぐすーりー
も モナコ
連 ももももももももももももももももももももももモナコ
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………モナコ
伸 もーなーこ もなーこ もーなーこー
や 八重桜
連 やややややややややややややややややややや八重桜
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………八重桜
伸 やーえーざーくーら やーえざくら やーえーざーくら
ゆ ユビキタス
連 ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆユビキタス
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ユビキタス
伸 ゆーびきたす ゆーびーきーたーす ゆびーきたす ゆーびーきたーす
よ 楊貴妃
連 よよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよ楊貴妃
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………楊貴妃
伸 よーきひ よーうーきーひ
ら ライオン
連 らららららららららららららららららららライオン
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ライオン
伸 らーいおん らーいーおん らーいーおーん
り 林檎
連 りりりりりりりりりりりりりりりりりりりりり林檎
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………林檎
伸 りーんご りーんーご
る ルーレット
連 るるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるルーレット
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ルーレット
伸 るーーーれっと るーーーーれーーーーっと
れ レンダリング
連 れれれれれれれれれれれれれれれれれれれレンダリング
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………レンダリング
伸 れーーんだりんぐ れーんーだーりんぐ れんだーりんぐ
ろ ローマ帝国
連 ろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろローマ帝国
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ローマ帝国
伸 ろーーーーーまていこく ろーーまーーていこく ろーまてーーいこーーーく
わ ワセリン
連 わわわわわわわわわわわわわわわわワセリン
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ワセリン
伸 わーーせりん わーーせりーーーん わーーせーりーん
を
ん ンジャメナ
連 んんんんんんんんんんんんんんンジャメナ
難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………ンジャメナ
伸 んーじゃめな んーじゃーめな んーじゃーめーな
◆5.吃音が発生する会話事例
1 ファミリーレストランの店員の事例
・どもらない人の会話
「いらっしゃいませ。お客様は何名様ですか? おタバコはお吸いになりますか?」
・どもる人の会話
「……………………いらっしゃいませ。おきゃおきゃおきゃお客様は何名様ですか?
おおおおおおおおおおおおおおタバコはお吸いになりますか?」
「いっいっいっいっいっ いらっしゃいませ。お客様は何名様ですか?おっおっおっおっおっおっおタバコはお吸いになりますか?」
・この事例は吃音者の店員である。
例えば、サービス業務、接客業務であれば、吃ること吃音が発生することは致命的である。
この事例ではお客様が入店した直後の例である。この事例以外にもオーダーを取りに行った際の注文を繰り返す場合や、できた料理をお客様に提供するときに商品名を読み上げるときに吃ってしまい唾液を飛ばしてしまうこともあるかもしれない。
2 会社内での電話応対の事例(外部からの電話応対は会社の顔、代表でもあります。)
・どもらない人の会話
「お電話ありがとうございます。 株式会社アルフォンソ海運、受付担当の山田でございます。」
「営業部の田中でございますね。少々お待ちくださいますか。」
・どもる人の会話
「………………………………お電話ありがとうございます。株式会社アルフォンソ海運、受付担当の山田でございます。」
「おっおっおっおっおっおっおっおっおっお電話ありがとうございます。かかかかかかかかかかかかかかかか、株式会社アルフォンソ海運、うううううううううううううううう受付担当のややややややや山田でございます。」
「営業部のたたたたたたたたたたたたたたたた田中でございますね。少々お待ちくださいますか。」
「…………………………………営業部の………………………田中でございますね。しょしょしょしょしょしょしょしょしょ少々お待ちくださいますか。」
・吃音者は会社で電話受付をすることがとても苦手な場合もある。
社内でもできるだけ電話応対をしないようにするため、同僚や上司から「なぜキミは電話にでないんだ!」と叱責されることも。
かといって電話応対をしたら吃ってしまい、相手に不快な感情や怪訝な感情、不安を与えるかもしれない。
電話応対は社外電話であれば会社の顔である。吃音者はどうすればよいだろうか?
また、電話応対ではなく館内放送も同様である。
3 学校での自己紹介の事例
・どもらない人の自己紹介
「徳川家康です。よろしくお願いします。」
「はじめまして。徳川家康です。よろしくお願いします。」
「松平中学校出身です。徳川家康です。みんなよろしくね。」
・どもる人の自己紹介
「ととととととととととととと徳川家康です。よよよよよよよよよよよよよよよよろしくお願いします。」
「……………………は、はじめまして。徳川家康です。よろしくお願いします。」
「松平中学校出身です。ととととととととととと徳川家康です。みみみみみみみみみんなよろしくね。」
・自己紹介のシーンは吃音者漫画である。「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」押見修造 著
がとてもリアルに吃音者描いているのでわかりやすい。本当にこの作品は気持ち悪いほど吃音を克明に表現している。
http://www.amazon.co.jp/%E5%BF%97%E4%B9%83%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AF%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E5%90%8D%E5%89%8D%E3%81%8C%E8%A8%80%E3%81%88%E3%81%AA%E3%81%84-%E6%8A%BC%E8%A6%8B-%E4%BF%AE%E9%80%A0/dp/4778321804