2016年12月10日土曜日

【保護者・当事者必見】吃音者、吃音の子ども、病院にいくタイミングとは 障害者手帳を取得するタイミングとは デメリットは何?初診日問題について

保護者の方、当事者の方へ。
吃音業界では知られていない。または隠匿されている現実を書きます。


下記2リンク 時間がある時にお読みください。
【別記事紹介】 吃音の子どもを育てる立場の人はどうしたらいいのか? 保護者に向けたガイドライン
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/11/blog-post.html

具体的に吃音で精神障害者保健福祉手帳を取得するために必要なこととは?
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/07/blog-post.html


この記事は最初に「初診日問題」という発達障害業界では当たりまえに知られていることですが、吃音業界ではほとんど知られていないことを扱っています。

記事については【随時更新】しています。

記事前半はデメリットのこと。
記事中盤は吃音者が取得できる可能性のある障害者手帳のお話です。
後半は「吃音があるとわかった場合、吃音以外の発達障害もあるかもしれない?」と考える時間の大切さについて解説します。

吃音者、吃音のある子ども。発達障害者、発達障害のある子ども。(自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群・広汎性発達障害、高機能自閉症)やADHD、学習障害、チック・トゥレット症候群などの発達障害)
いったい、いつ、どのようなタイミングで病院に行けばいいのでしょうか?
障害者手帳はいつ取得すればいいでしょうか?

という話をこの記事でまとめようと思います。

まず最初にみなさまに必ず知っておいてほしいこと。
吃音を病院で診療してもらうことのデメリットです。

この投稿はとても重要なことです。
しかし吃音業界ではこのことがあまりにも周知徹底されていません。筆者は驚愕しています。
吃音を診療する医師や医療従事者も「気軽に吃音のことで病院に行きましょう。相談しましょう」などとアドバイスをしてしまう人もいます。


子どもの吃音で1回でも病院に行ってしまうとどうなるのか?
すでに子どもを病院につれて行ってしまった保護者。
大人の吃音者にはとても厳しい内容が書いてある記事になります。
精神的に大変ショックを受ける場合もあります。

ではこれから下に記述する数々の問題・課題をどう解決するか?後述する障害年金格差は障害者の権利に関する条約にある「平等」な状態とはいえません。それは吃音者や家族だけではなく、他の障害者・当事者や家族や団体と協力して国の政治や企業団体に変化してもらうように運動することです。吃音者が困っていることは吃音者だけが困っていることではないからです。



■1.吃音・吃音以外の発達障害を病院で診療してもらうことのデメリット (吃音も含めて障害者手帳をもらう以前)
とても重要なことです。
まず、日本では「初診日」が発生します。

初診日とは患者がその症状を訴え、障害の原因となった病気や怪我について初めて医師又は歯科医師の診断を受けた日です。しかもたとえその医師が誤診して他の病気だとカルテに記入してもその日が初診日になります。

しかも、この初診日とは診療する医師の担当科は関係ありませんのでご注意を。吃音の場合は耳鼻咽喉科と精神科で初診日が違うのでは?と勘違いする人がいるためです。また、吃音はICD-10コード「F00-F99 精神および行動の障害」の中に含まれているため、法制度上も精神障害者(発達障害を含む)ということになります。


「吃音は障害ではありません。ましてや発達障害ではありません。可哀想な障害者ではありません。頭のオカシイ、犯罪を起こしても無罪という精神障害者や発達障害者と一緒にしないでください」と差別発言を繰り返す吃音当事者や保護者も残念ながら存在しますが。 診断コードにおいて吃音は精神障害扱いです。

ICD-10コード一覧 (東京大学)http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/icd10/
※現在、アメリカ精神医学会の2013年発表DSM-5において、よりいっそう明確に吃音は「神経発達障害」であると分類されました。
※2018年現在、日本精神神経学会がICD11の邦訳案を公開しました。ここでも吃音は「神経発達症群」とされました。より明確に吃音が発達障害の一つの特性であるとされたことになります。
https://www.jspn.or.jp/modules/info/index.php?content_id=622

しかし吃音業界は日本精神神経学会のパブリックコメントに反応せず無視した経緯があります。他団体はしっかり団体として呼びかけや行動をしています。
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/06/blog-post.html 


この初診日が一般に言われる発達障害者、吃音者、吃音のある子どもにどのようなデメリットになるのでしょうか?

1. 初診日が国民年金を納付する前にあれば、国民年金の障害年金等級(1級、2級)しか申請できない。厚生年金の障害年金で3級程度の障害や困り事があっても国民年金の障害年金に3級は存在しない。

2. 初診日が厚生年金を納付している時であれば、厚生年金の障害年金等級(1級、2級、3級)と国民年金の障害年金等級が該当すれば両方受給できる。事例として成人して厚生年金などの保険料を納付している場合に初診日があれば厚生年金と国民年金の障害年金2級がダブル受給(およそ毎年120万円程度)できるのです。大人になってから運良く厚生年金などの初診日を持っている状態の発達障害当事者はダブル受給している人がいます。生活はとてもラクになります。

3. 厚生年金の3級は配慮があれば仕事ができる程度なので、多くの軽度吃音者はこの部分に該当する。

・健康告知が必要な商品やサービスに加入できない。
●●共済、生命保険、住宅ローンなど健康告知、健康診断、病歴、通院歴を告知する商品に加入できない。
吃音のある子ども、吃音のある大人の家族である。お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、親戚など健常者の人が加入できる1番最高ランクの商品には加入できない。他のグレードの、病気のある人向け、障害者向けの商品には加入できる可能性がある。



この3つが、一生死ぬまで、その吃音者、吃音のある子ども、発達障害者、発達障害のある子どもについてまわります。
よく吃音について書かれた書籍で医療従事者・医師や言語聴覚士などが「幼少期に気軽に病院に行ってみよう。相談しよう」と保護者に思わせるような記述が多く見受けられます。学校で合理的配慮を受けるために、ことばと聞こえの教室に行くために、英語検定試験や高校入試や大学入試で合理的配慮を受けるために、国家資格取得のための試験で合理的配慮を受けるために医師の診断書が必要な場合があります。

しかし「診断書や意見書」を書くということはその医師が「この人は吃音であると診療してしまい、カルテに書いている」のです。そのためこの診断書や意見書を書いてもらう以前に初診日が確定してしまっているのです…。

吃音のある人を診療する療育する立場の人、上手く話せるように訓練する、医療従事者の人、支援者の人の中には

とても気軽に

病院に行きましょう お医者さんに相談しましょう 言語聴覚士に相談しましょう

とアドバイスをする人も存在しますが。
よく考えてください。
お父さん、お母さん、よーく考えてください。


はい。残念ながら、その時点で「初診日」が発生しました!!!
ということになっていまします。


障害年金は、現在、大人の発達障害と言われる、大人になってから発達障害が発見され、運良く仕事をしていて厚生年金保険料を納付しているときに初診日がある当事者は、『厚生年金の障害年金3級を貰いながら、これから仕事や生活ができます』

しかし、大人になってから、発達障害特性で職場でフルボッコにされて退職に追い込まれたあとに病院に行くと、初診日が厚生年金保険料を納付していないので、国民年金扱いの初診日になってしまいます。

現在、発達障害者の中で、障害特性や困り事が全く同様のAさんとBさんがいても、片方は障害年金3級が貰えない、片方は障害年金3級を貰いながら生活しているという収入格差(およそ毎年50万円ほどの3級がもらえていれば一人暮らしできる、職場の同僚とランチや飲み会などにいける、スーツやワイシャツなどをクリーニングにだせる、趣味余暇活動に使えるお金が増えるなどなどの事例)が出てきています。この問題については吃音者だけでは解決できません。他の障害者と協力して政治を動かさないとダメでしょう。国民年金の障害年金3級を創設してほしいと障害者運動をしていくしかないのです。

また、ことばと聞こえの教室など通級指導を利用した履歴でさえ、年金事務所は「そこに通級するということは、子どものときに何らかの障害を疑われていましたよね?その時に初診日があったのではないかと」疑義を呈してきます。年金事務所では疑義が1%でもあると国民年金での申請に切り替えるように指導してきます。そして国民年金の障害年金には等級が該当しませんでした。不受理という結果が告知されます。

吃音のある方で障害年金を申請する場合は必ず精神障害や発達障害に特化した社会保険労務士の申請代行をすることをオススメします。病院によってはソーシャルワーカーが記述内容を考えてくれる場合もあります。くれぐれも個人で障害年金申請はしないでください。将来もらえるはずだったものが貰えなくなる可能性が高いのです。


―――健康告知が必要な商品やサービスに加入できないのは。うつ病の人が健康告知が必要な商品やサービスに加入できない問題と同じです。しかし、うつ病の場合は治ることがあるので、医師が治ったと判断したあと5年くらい待てば加入できる場合もあります。

うつを放っておくと、保険に一生入れない?(加藤梨里 ファイナンシャルプランナー)
http://sharescafe.net/47681033-20160131.html

発達障害の場合は、国際的な診断基準で「障害」とされていますのでそもそも、「治った」という状態が存在しません。もちろん当事者が私は治ったと思っていても、世間の基準、生命保険や住宅ローン会社に属する医療従事者はそのように審査はしません。セクシャルマイノリティの当事者も同じ問題があります。障害や性の特性により、「うつ」になる。結果として自傷行為や自殺リスクが高いというのです。これらも将来、変えていかなければいけないでしょう。 

参考情報
私はワタシ ~over the rainbow~(セクシャルマイノリティの人が出演しているドキュメンタリー映画) http://rainbowreeltokyo.com/2017_sp/program/iam_what_iam_over_the_rainbow


もちろん吃音であることを告知しないでウソをついて、偽って加入することはできるかもしれません。しかしその場合は社会的責任や制裁を受ける可能性があるのでよく考えましょう。



―――吃音を含む発達障害者が加入できる保険は何?

・各保険会社の引受基準緩和型/限定告知型の保険商品

・ぜんち共済
http://www.z-kyosai.com/


・株式会社 ジェイアイシー
http://www.jicgroup.co.jp/index.html



これが吃音で病院に行くことのデメリットです。
障害者手帳を取得するかしないか以前にこんなデメリットがあるのです。
吃音を気軽に診療してもらうために。
学校や試験で合理的配慮を受けるために。
資格取得のための実習の際に合理的配慮を受けるために。
障害者手帳を取得するために。

気軽に病院に行ったがために「初診日」が発生します。
お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、親戚のみなさん。
吃音のある子どもの人生をよく考えましょう。

これらを踏まえると、

吃音があっても病院に行かない、ことばと聞こえの教室など通級にも通わせない。

生命保険など健康告知が必要な商品にはあらかじめ初診日が付く前に加入させておく。
初診日が付く前に子ども時代から入れる保険商品があれば加入しておく。

大人になって厚生年金を納付するときになってから、生まれて初めて病院に行って初診日をつける。そして障害者手帳と障害者年金3級をもらって生きていくというルートが考えられます。


また、運良く、現在大人になって働いているときまでに初診日がない吃音者は厚生年金や共済年金を納付しているときに初診日をつけましょう。吃音を指摘されて勤務先や職場などで精神的に大ダメージ、フルボッコにされていたとしても、初診日を発生させてから辞めましょう。勤務先を辞める、退職したあとに病院にいくと国民年金対象の初診日になってしまいます!


この記事に書いてあることが信じられない!!この記事はウソだ!!

と思う人は保険会社や住宅ローン業界、金融業界などにて営業や審査をしている人が親戚や友人、知り合いがいれば、このことを質問してください。正面からお客様センターに問い合わせるのはNGです。そういった電話での相談ですら、現在はお客様対応の品質改善のためなどという名目・理由で録音されているためです。その業界で働く友人知人に対面した状態で会話して質問しましょう。

現在、生命保険会社の申し込み書類を取り寄せると「精神障害や発達障害がありますか?」という質問項目があります。質問項目ではなく、持っている病気や障害をお申し出くださいという項目に発達障害(          )という場合もあります。

発達障害のある人(吃音を含む)がインターネット上に実名で公開すること。吃音のある人向けの体験談の発表などもそうです。健康告知が必要な商品の加入、加入後の支払いの際に影響が出る場合もあります。病歴・障害を隠していてもいざというときに保険金の支払いなどが実行されない、契約を解約される場合がありますのでご注意ください。


■2.吃音で取得できる障害者手帳とはなんですか?

まず最初に重要なことをお伝えまします。吃音の障害者手帳5級は存在しません。
※最近、吃音で障害者手帳5級を取得しようというデマ、流言飛語があるため。

さて本題に入ります。
吃音で障害者手帳を取得できるというのはなんでしょうか?
この3つがあります。身体障害者手帳4級、精神障害者保健福祉手帳2級、精神障害者保健福祉手帳3級です。

身体障害者手帳の4級は精神障害者保健福祉手帳2級と同程度になるイメージ(あくまで筆者のイメージ)

身体障害者手帳4級   = 精神障害者保健福祉手帳2級
該当する等級無し   = 精神障害者保健福祉手帳3級
・身体障害者手帳4級(家族としか会話ができない)
また身体障害者手帳は『明確な検査数値や可動範囲、喪失など基準があります』
これは言語障害に限らず、どのような身体障害も『この基準を満たしている』ので交付を認めるという形式です。しかし発達障害による精神障害者保健福祉手帳は『日常や学校や職場でどの程度困っているか』が基準になるため軽度吃音者でも取得することは可能なのです。

・吃音を身体障害者手帳に! という意見がありますが。これをしてしまうと軽度の吃音者の選択肢が無くなることになります。なぜなら身体障害者手帳は明確な基準をクリアしなければいけないからです。

・精神障害者保健福祉手帳2級(日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度)吃音が中度から重度、または吃音以外の発達障害を持っている。または適応障害、社交不安障害、うつ病を持っている。

・精神障害者保健福祉手帳3級(日常生活又は社会生活が制限を受けるか、日常生活又は社会生活に制限を加えることを必要とする程度) ほとんど多くの吃音者はここに当てはまることになります。

・吃音と社交不安障害、適応障害、うつがあれば精神障害者保健福祉手帳2級ということもあるかもしれません。

・吃音と自閉症スペクトラム障害、ADHD、LDなどと併存があれば、精神障害者保健福祉手帳2級ということもあるかもしれません。

・医師に困っていること、不利益があること、過去の辛い経験などしっかり話すことが重要になります。それに基づいて医師は申請書類を書くことになるからです。

・吃音を診療する耳鼻咽喉科医師は精神障害者保健福祉手帳の申請書類の書き方をよく理解していない問題もあります。困っていることの表現が理解できないのです。精神科医師なら困っていることを具体的に文書化することができます。精神障害者保健福祉手帳の基準にあった表現方法を理解しているからです。これにより、本来吃音により精神障害者保健福祉手帳2級が取得できたのに、3級になってしまうということもあります。

  関連記事 吃音による精神障害者保健福祉手帳申請書類の書き方


よく吃音業界・吃音当事者の相談などで言われるデマ、ウソ、誤認識「吃音が軽度だと障害者手帳は取得できない」という情報がある。 いいえ!軽度でも取得できるのが発達障害者支援法による精神障害者保健福祉手帳です!

実は発達障害のある当事者で、全然、発達障害があるように見えないのだけど精神障害者保健福祉手帳3級を持っている人がいます。(初診日の関係で厚生年金の障害年金3級をもらっている人もいます)

その人に言わせれば『私と関わるようになって???なことが日々、徐々にでてきて。3ヶ月くらいすればやっぱり変だ!』と思いますよ(笑)という当事者もいます。吃音者も軽度であれば、すぐに吃音とはバレずに時間が経過してから。ある程度人間関係ができたあとに『以前から気になっていたんだけどさ』とその話し方について質問を切り出される場合もあるかもしれません。


吃音業界では誤解が多くて残念なのですが―。
精神障害者保健福祉手帳3級は発達障害が軽度でも日常生活でも学校でも職場でもどこでもいいので、困っていることがあれば取得できるのです。
吃音業界では本当に腐ったデマが流れています。
精神障害者保健福祉手帳を取得してしまうと、障害者枠でしか就職できない。一般枠は選べないというデマです。


―――とても発達障害が軽度な人でも精神障害者保健福祉手帳を持っている事実 そして精神障害者保健福祉手帳を持っていることを隠して一般枠で働く人もいます
発達障害特性により困っていることをしっかり書いてくれる病院・医師を探すことが大切に! 吃音業界ではこれが隠されています


はっきり言うと、精神障害者保健福祉手帳を持っていても、一般枠で【障害を隠して、定型発達者のフリをして】応募できます。そして応募先にバレなければそのまま採用されて働くことはできます。これをクローズド就労といいます。発達障害があることをクローズで秘密にして働くことです。

逆の場合はオープン就労といい。発達障害があることを応募段階から明かして、障害者枠で働くことを目的とします。オープン就労は応募者自身が苦手なこと、失敗しそうなこと、配慮してほしいことを職場に伝えます。職場の人も発達障害があることを前提に接してくれます。クローズド就労は障害や苦手なことを一切明かせないので、自分で自分を守る、自分が編み出した処世術で乗り切ることになります。

このように一般に言われる発達障害者が、精神障害者保健福祉手帳3級を持っていても、仕事をする際、一般枠で採用・雇用する側に障害者手帳を持っていることを隠して(クローズド)働いていることを考えれば吃音でも、どんなに軽度な吃音でも、困っていることを医師に伝えて、障害者手帳申請書類に書いてもらえれば取得できることは間違いないのです。現状、筆者の知っているA病院は軽度吃音者でも障害者手帳3級を取得できる事例が増えています。吃音業界側の医師は軽度吃音では障害者手帳を取得できないとか、一般枠で働いているなら障害者手帳を取得できないと言う人もいますが。これは大きな間違いです。発達障害者がクローズドで、一般枠でどうやって就労しているのか? そしてなぜ精神障害者保健福祉手帳3級を持っているのか? を理解していないのです。

そもそも重要なこととして、発達障害は365日24時間、いついかなる時でも、障害特性が出る場合もありますし、出ない場合もありますし、学校や職場ではなんとか乗り切れるけど、私生活、日常生活がムリという人もいます。学校や職場で困っていなくても、それ以外で困っていることがあれば、学校や職場において全力で定型発達者を演じるために毎日体力を使い切り、日常が犠牲になっている場合もあります。日常や私生活が大変ということで精神障害者保健福祉手帳を取得できる事例もあります。

たとえば発達障害のある人は、実家で生活している人もいます。なぜなら、掃除洗濯料理ができない、苦手という場合です。ゴミ出し、お風呂の掃除、トイレの掃除、部屋の掃除も苦手です。これが一人暮らしだとゴミ屋敷になります。水道光熱費であったり、役所・自治体の重要書類を紛失したり忘れてしまいます。学校や職場では全力で発達障害特性と戦いながら定型発達者の世界・ルールに適応しますが、それ以外が疲労で手がつかないということもあるのです。

―――発達障害のある人は、毎日体力(ヒットポイント)を使い切るも
定型発達者の人は日々、365日。毎日、体力・ヒットポイントが100だとして、20から40位を残して生活しています。睡眠をすれば80から100まで回復します。

しかし発達障害のある人の場合、毎日、残りの体力・ヒットポイントは1から10という瀕死の状態です。睡眠をしても50から100くらいと、安定しない回復力です。新しい環境など適応が困難なストレスがあると睡眠をしても効果が少ないという意味です。

発達障害のある人はなぜ体力・ヒットポイントが安定しないのか、毎日瀕死状態まで使い切るのか。
それは学校や職場という定型発達者の世界、ルールに必死に適応するからです。適応しようとするからです。また、身体の「疲れや空腹」を認識できないという特性を持つ人もいます。発達障害のある綾屋紗月さんは「身体が動かない。なぜだ。空腹だったと気付くまでに時間がかかる」という説明をします。

こうしたことが私生活、日常生活に大きく影響します。ゆえに、発達障害によりできないことに私生活、日常生活のことを書けば精神障害者保健福祉手帳を取得できます。診断する医師も、この人は学校や職場で全力で適応している!と知っている一方で、私生活と日常生活がその分割を食う結果になっているとしっかり困りごとをひろってくれるからです。吃音者の場合も、学校や職場で、「普通」と言われる価値観の世界に死に物狂いで適応しているわけですから、学校や職場以外の困りごとで精神障害者保健福祉手帳を取得することは可能なのです。あとはそれをひろって、診断書を書いてくれる理解有る、医師が増えていくことが大切になるでしょう。



発達障害者のクローズド就労の場合
服薬、スマートフォンのアプリ、スケジュール管理、リマインダー、イヤーマフ、静かな環境、人が少ない時間に移動、ソーシャルスキルトレーニング、当事者会で悩みを話す、病院で医師や支援者に相談などなど、余暇活動でストレス発散、仕事や職場ではなんとかなるが帰宅した後は何もできないから家族や他人に助けてもらう、仕事や職場で働く時間の体力・ヒットポイントはあるが使い切ってしまう(仕事や職場以外で定型発達を装うのが精一杯でそれ以外の場所で発達障害特性がでてしまう、飲み会や遊びの誘いを断ることも)いろいろな選択肢を利用して健常者・定型発達者を装い、振る舞い、

(上に書いた数々の努力や訓練、アイテムの利用により)精神障害者保健福祉手帳を持っていることを勤務先に隠して、一般枠で働く当事者も存在します。吃音だって上手く吃らずに話す方法を編み出して頑張っている人が精神障害者保健福祉手帳を取得することはできるはずなのです。



―――最初に吃音の手帳の等級イメージについて述べました。
しかし『吃音で身体障害者手帳を取得すること』は困難です。

現在、吃音とはそもそもICD-10という診断基準で「Fコード」で始まるため、都道府県(例 東京なら 東京都心身障害者福祉センター)、政令指定都市などの障害を審査する部署が吃音を受け付けない。そもそも身体障害者福祉法別表に吃音は明記されていない、さらにFコードである「F98.5 吃音」を身体障害者福祉法で対応するのは困難である。FコードとはF00-F99 精神および行動の障害とされているためです。市区町村の申請窓口にいっても吃音は身体障害者手帳ではないと言われる可能性もあります。

この点は2016年10月22日に厚生労働省の発達障害対策専門官 日詰正文氏が指摘している。吃音で身体障害者手帳を取得するなら、吃音とは書かないで、上手く話せないことを医師に表現してもらうことを指摘した。
2016年10月22日の講演会詳細
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016_10_01_archive.html
講演会詳細 ハフィントンポスト版
http://www.huffingtonpost.jp/takahiro-koguchi/disfluency_b_12614138.html


―――身体障害者の診断をする医療従事者もリスクは避けたい!

身体障害者手帳申請書類を書く、身体障害者福祉法第15条指定医師も『吃音で身体障害者手帳を交付させる書類を書くのは、リスクがあるので、断る』ということも考えられます。15条指定医という資格を剥奪されるかもしれないような危ない橋は渡らないということです。また、医師が記入する障害者手帳申請書類を自治体の担当する部署が吃音ではそれを渡さないということもあるでしょう。精神障害者保健福祉手帳の申請書類で書いてくださいと言われることもあるでしょう。

ゆえに、現在、運良く吃音で身体障害者手帳4級(更新無しの場合)を交付されている当事者はそれを亡くなるまで大切にしましょう。


■3.吃音がある場合、子どもに吃音がある場合。その他の発達障害、自閉症スペクトラム、ADHD、LD、チック、トゥレット症候群、発達性協調運動障害があるかもしれない


別記事 吃音至上主義とはなんですか?


現在、発達障害を研究する人、発達障害の診療をする医療従事者が説明をよくするようになった発達障害が1つだけの純粋者は少ないことという情報です。これは、吃音のある人、吃音のある子どもは、『吃音の診断を受けた』のかもしれませんが。もしかしたら他の発達障害もあるかもしれません。2つなのか、2つ以上併存しているかもしれません。

吃音と自閉症スペクトラム
吃音とADHD
吃音と学習障害(LD)
吃音とチック、音声チック、運動チック
※発達性協調運動障害は身体能力・手先が不器用だったり、力加減がコントロールできないなどがあります。詳細については割愛します

吃音と自閉症スペクトラムとADHDとLDということもあるかもしれません。
下のレーダーチャートのように今後は、Aのさんの発達障害特性はここが強くて
ここはあまり出ていないね。こういう特性があるんだね。ということはこうやって自己分析して、障害特性を防いだり、回避すること、対策もできるかもしれないね。逆に頑張っても無理な部分は受け入れて、得意分野で活躍したり、障害者手帳の利用、社会保障制度の利用、合理的配慮を利用してもいいかもね。

というように、吃音のある人、子どもと保護者ももっといろいろなことが困りごとやライフステージごとにカスタマイズして選択できるようになります。



吃音以外の発達障害について書かれた書籍を図書館で一度読んでみることをオススメします。吃音のある子どものお父さん、お母さんにオススメの書籍はミネルヴァ書房のこのシリーズ書籍です もしも子どもの吃音がわかった場合。もしかしたら他の発達障害もあるかもしれない。これを認識してほしいのです。子どものころに吃音以外にも何かあることがはやく分かっていれば、生きづらさが軽減する可能性もありますし、不利な状況を選ばないようにするという事前の準備や生き方を学ぶこともできるからです。


当事者であれば、子どものころのエピソードがそのまま書籍に書かれている場合もあります。吃音のある子ども親であれば、子ども行動や嫌がる音や洋服がある。忘れ物、衝動性、こだわり、とてつもなく才能がある分野がある、あまりにもできない分野がある、記憶力がすごい、カメラアイやレコーダー特性がある、友人関係を維持できない、ルールや法律に厳格でちょっとした逸脱行為を見逃せない(学校で不正をする友達を許せない→イジメられるなど)、ウソをつけない、定型発達者の世界が平然とウソをつくことがあたりまえなので言うことがコロコロ変化する人間関係や上辺だけやお世辞がわからない、定型発達者は人間関係やパワーバランスを読める・空気を読めるため自身に有利な行動をとることや沈みそうな船から逃げることができる、字が汚い、書き順は関係ない、試験勉強を1回しかしなくても良い点が取れる(記憶の仕方が違う)、国語はできるけど計算がぜんぜんできない、手先が不器用、身体の使い方が不器用(体育の評価が低い)、美術の評価が高い、音楽の評価は高いのに嫌いな音がある……



書くとキリがないのでここでやめておきます。


吃音がある人、子どもと保護者は、吃音業界にはじめにアクセスしてしまう可能性が高い

ここで発達障害(精神障害のある人、精神障害者保健福祉手帳を利用する人)のことを差別する、吃音と発達障害(精神障害)とは異なるという価値観や思想を植え付けられてしまうと、その後の障害受容が困難になります。

吃音至上主義というモノ、差別主義に取り込まれないように、染まらないようにしてください。子ども吃音だったとわかった場合、その他の発達障害もあるのではないか?と考える時間も必要になるのです。

吃音至上主義にハマってしまった、洗脳されてしまったことにより、吃音も自閉症スペクトラムも、ADHDもLDも「なんとかなる」ということで、適切な支援や療育を子どものころ(大きく成長する大切な時期に)受けられずに大人になってしまうということが実際に起こりえるからです。




吃音の他にも発達障害があるかもしれないと心配な場合。発達障害のある人、子どもと保護者さんは。発達障害を診る病院に行くこと。自閉症スペクトラムやADHD、LD、チックを扱う当事者団体、親の会にも参加することを強くオススメします。価値観はいろいろ知ったほうがいいためです。発達障害の業界と吃音業界の価値観の大きな違い、生き方の違い、選択肢の違い、先輩保護者からのアドバイスや情報引き継ぎの多さにも驚くはずです。また、暖かさやふれあいが吃音業界と全く異なることにも驚くでしょう。

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