2019年6月9日日曜日

保護者のみなさま、ひきこもりの引き出し屋に気をつけてください 吃音を苦にしてひきこもりになっている人もいるでしょう

連日、引きこもり関連ニュースが流れています。ひきこもり当事者の方々は自宅でとても強いストレスを感じているかもしれません。午前からお昼のワイドショーが放送している時間は自宅から外出してどこか、安心安全な場所、ひきこもり当事者カフェなどに避難している人もいるかもしれません。

報道各局の中で一部では「ひきこもりの当事者を自宅から連れ出します、引き出します」という業者を取り扱っている場合もあります。

しかし保護者のみなさま。これには気をつけてください。
無理やり、自宅から連れ出す、訓練所(全額自費)に閉じ込めるというのは本当に危険であり、逆効果です。

まずは特定非営利活動法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会
https://www.khj-h.com/

を調べて、自宅から近い場所の支部に連絡をしてみてください。
支部がないという場合は、消去法的ですが東京都の支部や関連団体、池上正樹さんが関連している団体、斎藤環医師が書いている書籍を購入するか、図書館で借りて読んでください。


また、今回、練馬区の事件で、長男の人がTwitter上でこのような投稿をしています。

ひきこもり当事者の中には精神障害であったり、発達障害を持った人もいます。未診断の場合でひきこもりを継続している場合もあります。

内閣府の公表しているデータ → 第2章 ひきこもりと発達障害
https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/handbook/ua_mkj_pdf.html


いずれにせよ、悩んでいるのは自分だけではない。自分の家族だけではない。
これを知ってほしいのです。助けて!と言ってください。SOSを出していいのです。

急がず、ひとりひとり、個々人ごとの、家族ごとの状況に応じてカスタマイズされた支援が必要になります。ソーシャルワークとは何か、パターナリズムとは何か、バイスティックの7原則何かを理解している医療従事者や支援者とつながってください。けして、この事例は過去にもあったから、この人への支援はこれでいいだろう。ということはありません。とくにひきこもり、精神障害、発達障害では、過去の事例がこうだったから、こういう支援でいいだろうというやる気のない支援者や医療従事者にあたってしまうこともありますが、ここは仕方ないと諦めるのではなく、しっかり話を聞いてくれ、自分の希望を実現させてくれる、またはそれに向かってスモールステップアップであったとしても支えてくれる機関につながったほうがよいでしょう。そのためにもしっかりとしている前述した団体、関連団体に連絡することを強くおすすめします。


吃音のある人の中にも、吃音のことで社会からドロップアウトしてしまい、ひきこもりになっている人もいるかもしれません。家族の中にも自分の子どもが吃音で悩んでいる、そしてひきこもりになっているという人もいるかもしれません。そういう場合もまずは前述した団体に連絡してみましょう。またはこちらの団体も関連団体なのでおすすめです http://rakukai.com/aodori/cafe/

2019年5月12日日曜日

【吃音Q&A】吃音のある人の就職活動ガイドライン 吃音者はなぜ就職困難者が多く、一方で成功している吃音先輩は後輩を助けないの?

この記事は随時更新していきます。

人事担当、就労移行支援などに所属する方、行政の方、支援職の方で吃音についてもっと知りたいという場合は
こちらから連絡をお願いします → https://kitsuonkenkyuguideline.jimdo.com/


吃音至上主義(きつおんしじょうしゅぎ)という一部の吃音当事者や家族、それに携わる医療従事者や支援職、教員がもつ差別主義思想についてはこちら
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/12/blog-post.html



記事本文

吃音のある学生、大人の就職活動…。
テレビ、新聞、ラジオ、書籍と幅広く吃音が扱われています。
書籍やドラマ、アニメ作品などでも「吃音をもったキャラ」がそこそこ登場してくるようになりました。

――― 1 吃音のある人の生き辛さ、就職活動を扱った番組の紹介


2017年にはNHKハートネットTVで(残念ながら貴重な映像やテキスト書き起こしが
消滅しています)
https://www2.nhk.or.jp/archives/chronicle/pg/page010-01-01.cgi?recId=0001000000000000%400000000000000000000000-51-162700000000000000000000

2018年にはAbema TVで。
https://www.huffingtonpost.jp/abematimes/stammer-20180613_a_23457526/

テレビ東京系列では 2019年3月30日(土) 27時45分~28時15分に。
https://www.tv-tokyo.co.jp/broad_tvtokyo/program/detail/201903/17690_201903302745.html

日本テレビ系列では 2019年3月3日(日) 24:55に。
http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-126.html


一方でそれらの放送を見た人が吃音のある人達の就職活動の仕方に疑問もつ人もいます
https://anond.hatelabo.jp/20171012000353


――― 2 吃音のある人はなぜ就職活動で失敗するの 一般枠でカミングアウトするの?

吃音のある人、新卒就職活動をする学生、既卒の大人。
どうやって就職活動をしますか?
2020年現在、新型コロナウイルスが世界に暗い影をおとしています。
2020年4月、2021年4月採用の新卒就活はすでに各種新聞やテレビで報道されているように、内定取り消しや新卒採用を行わない、人員整理を検討等の情報が出てきています。
吃音当事者さんで一般枠と障害者枠のダブル新卒就活を真剣に考えている人もいるかもしれません。ダブル新卒就活は選択肢としてアリです。一生に一度の「新卒カード」使える選択肢をすべて、手持ちのカードを使い切って望むか。障害者は嫌だ。精神障害者保健福祉手帳は嫌だ。発達障害と呼ばれるのは嫌だ。というかたは仕方ありませんが。障害受容のできている吃音当事者さんは頑張ってください応援します。



就職活動には5種類あります。
イ 障害や病気、難病をカミングアウトせず、告白せずに一般枠で就職活動をする場合
ロ 障害や病気、難病をカミングアウトして、障害者枠で就職活動をする場合
ハ 特別強力なコネを使い一般枠や障害者枠で就職する方法
ニ 自分で起業して働く方法
ホ 一般枠なのに吃音カミングアウトしてしまう 

1に書いた吃音を扱った番組でも、数人の男女が「一般枠の就職活動において、エントリーシートや履歴書、面接で吃音当事者であることを伝えています」
しかしこれは一般枠採用では許されません。許容されません。
合理的配慮を行うにあたり、採用、雇用する側に「法定雇用率に計算できる」というメリットがないからです。一般枠採用で想定されている100%の職務内容を遂行できない可能性がある人を一般枠で採用したくないのが本音と建前の世界なのです。

吃音があるとカミングアウト、告白してくるなら「法定雇用率に計算したいので障害者手帳を持ってきてほしい」というのが雇用側の思惑、これがセオリーとなっています。

一方で、発達障害のある人を支援する就労移行支援事業所でしっかりと、「採用、雇用する側は法定雇用率に計算したい」という本音と建前を当事者が教えてもらい『児童、学生時代は自分がお金を払っている側、お客様だったので合理的配慮を受けやすかったこと、一方的な過度過重な合理的配慮でも通用することがあったなど』の事例裏事情を知ります。

『しかし、働いてお金をいただく立場、雇用される立場での合理的配慮は過度過重な合理的配慮が実現されないこと。合理的配慮は【双方の話し合いで実現できることできないことが話し合われ落としどころを確定すること】合理的配慮を当事者、雇用する側、就労移行支援事業所との3者間で書面化すること』などが、吃音業界ではほとんど浸透していないのです。

そうとは知らず玉砕していく、就職活動に失敗する吃音当事者がいることになります。

――― 3 吃音当事者先輩の就職活動実体験、体験談文集、体験談を集めた書籍を信じてしまい一般枠で吃音カミングアウトを繰り返す吃音者がいるのはなぜか?

吃音当事者がなぜ、一般枠で吃音をカミングアウト、告白して就職活動をしてしまうのでしょうか?

これはシンプルな答えです。
発言力のある、社会的に成功している吃音者当事者先輩たちの体験談や講演内容を信じてしまうからです。このような成功体験を吃音当事者の子ども、学生、そして家族保護者が信じてしまうのです。自分も同じことができるはずだ。うちの子どもも同じことができるはずだ。発達障害業界でも一昔前は似たようなことがありました。それを未だに吃音業界は実行しているのです。そもそも人間は一人ひとり異なるというシンプルな視点が欠落してしまっているのです。

※社会的に成功している吃音者とは
これは国公立大学を卒業している、有名私立大学を卒業している、医師、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、教員免許、言語聴覚士、公認心理師、一部上場企業で働く、地方公務員として働く、国家公務員として働く、準公務員として働く、研究者として働く、自分で社長をやって経営しているなどなどのメンツです。

社会的に成功している吃音者当事者先輩たちは、就職活動で困っている吃音当事者後輩を助けるでしょうか? いいえ。助けません。就職活動で困ってる後輩を堂々と切り捨て、見捨てます。そして、「私は堂々とどもって仕事をしてる、私は吃らないように方法を編み出した、私のようにやらないからだ、私のように勉強しないからだ、私のように努力しないからだ、私は結婚している、私は子どもが孫がいる、私はマイカーを数台持っている、私は自宅やマンションを購入している、私は 私は 私は自慢話、etc etc 成功体験ばかりを延々とエンドレスリピートされます」こんなひどい仕打ちをしてきます。

社会的に成功している吃音者のみが参加できる、スタッフとして活動できる「小学生、中学生、高校生、大学生を対象にした吃音団体もあります」

ここの運営手法が秀逸なのは、メーリングリスト上で「Aさんは国立大学に進学しました、Bさんは私立大学に進学しました、Cさんは医学部に入学しました、Dさんは言語聴覚士になりました、Eさんは学校教員になりました、Fさんは公務員になりました、Gさんは東証一部上場に正社員として働くことになりました、Hさんは研究者になりました、Iさんは結婚しました子どもができました」と実名でどこのだれが、どこの学校に進学したか、どの企業に採用されたか、どのような国家資格を取得したのか、どこに所属しているのか。これらをメーリングリストに毎回毎回流してくるのです。吃音当事者間で『ヒエラルキー形成、マウンティング、格付け』が行われていることになります。
(もちろん参加しているスタッフの中には特に医療従事者などの資格を持つスタッフは、これが異常、オカシイことであると気づいている人もいるでしょう。なぜマウンティングするのか、なぜヒエラルキーを生むようなことをするのか、と気づいているけれどそれを指摘できないという状態に陥っているかもしれません。その場合は、まず、時間が経過するのを待ちましょう。先輩方も人間という生命体ですからいずれは引退していくことになります。若い世代や新しい価値観を持った人が増えてくれば変化します。すぐに変化させたい場合は、別に新しいグループや団体を作ってもよいでしょう。)

そして最終学歴卒業後に、就職できなかった吃音当事者、ひきこもりニートになってしまった吃音者当事者、社会的に地位の低いとされる職業や非正規職員として働く吃音当事者が『小学生、中学生、高校生、大学生を対象にした吃音団体』に参加しにくい雰囲気つくり、空気を醸成していくのです。本当に困っている人はその場に行くことが苦痛になったり、気分が落ち込んだり、自然とフェードアウトしていく仕組みが作られているのです。恐ろしいことです。こういうものも 吃音至上主義 です。

本来、精神障害、発達障害、身体障害、知的障害に関係なく、どのような人も参加できる、安心安全な当事者会、親の会、保護者会、全国団体であることが望ましいです。
しかし吃音業界は安心安全な会の運営という意識が欠如しているのです。


そして就職活動がうまくいかない後輩のために、自分が所属する組織、企業団体の人事担当、人部を説得してくれるなんてことはしません。

『私の働く「・・・・官民企業団体名・・・・」は吃音があっても働けるよ、人事を説得したら応募しておいで』という篤志のある素晴らしい吃音当事者先輩は存在しません。みなさん。『自分はこうだった。私はこうだった。キミもできるはず。努力しろ。勉強しろ。乗り越えろ。吃音を治せ。吃音を治すな』などなど自慢話ばかりです。本当に優れた先輩なら困っている後輩吃音者を助けます。でも「私の就職体験」などの自慢話で終わることが多いです。

精神科医師、社会福祉士や精神保健福祉士なら誰もが直感で『これは価値観の押しつけだ、パターナリズムだ、バイスティックの7原則が守られていない。』とわかるわけです。成功している人も、成功していない人も、それぞれが別人格でひとりひとり異なり、支援方法は完全に異なること、過去の事例で似たようなことがあったから、今、相談支援している人も似たような内容でいいやではなく、しっかりと当事者と向き合い個別の支援計画を考えるわけです。


また、吃音業界に所属する医療従事者は「吃音のある人に対して、学校に行くこと、就職することがゴールである」という価値観を持ってしまっている人もいます。精神科医師、そこに隣接する社会福祉士、精神保健福祉士ならそういう強制、強要、価値観に誘導するということはありません。これも吃音業界の不思議な部分です。「今の安定した生活を継続する」という選択肢は出てきません。学校に行かせること、就労させることがゴールになっているのです。

成功している吃音者が困っている後輩の吃音当事者「就職できないよ。どうしようどうしよう」とテレビ取材などに出演しても『よっしゃー、俺が、私が働いている会社に来い! 人事部を説得したぞ。一般枠採用だぞ! みんなうちへこい!』とならないのは、そもそも吃音があって成功していると成功体験を発表している当事者は『実際のところ所属組織において吃音があることをカミングアウトしていない。堂々とどもっていない、どもらないように話しているのではないか? 後輩吃音者にカッコつけるために創作を発表しているのでは』と思います。吃音に限らず障害当事者のコミュニティではまぁまぁあることです。カッコつけたい。評価されたい。など理由があります。

本当に堂々とどもってカミングアウトしているならば、マスコミ取材で吃音が扱われれば、堂々とどもって働いている吃音者がいる企業団体が、それらを情報発信するはずです。先進的な企業としてバズるはずなのです。そして何よりも、就職活動で困っている吃音当事者が『ありがとう先輩! このXXXと企業は組織はすごいですね』となるはずですし。インターネット上に『どもりまくってOK、一般枠採用でOK、法定雇用率なんて知りません!』という企業団体がリスト化されても良い頃です。しかしそういうモノは一切出てこないのです。


――― 4 自他分離をしっかりしよう 吃音当事者も保護者家族も 自分は自分、私は私、あの人の事例はあの人個別の事例だと認知を改めましょう そして使える選択肢、カード、機会を堂々と使っていきましょう 吃音至上主義という差別主義にも気をつけて

自他分離という言葉を知っていますか?
自分とそれ以外の人は、異なるもの、自分と他の人は違う人です。
しかし自他分離ができていないと、「自分が考えていることは他人も同じように考えている。自分も同じことができるかも。相手と自分自身の境界線が曖昧になる」などのことです。これができていないと、成功している吃音者先輩に自分もなれる。成功している吃音者先輩のように私の吃る子どもも将来絶対に成功する、幸せになると勘違いしてしまう可能性もあります。自他分離ができていないと誰かにコントロールされたり、誰かをコントロールしてしまうこともありえます。

人間という生命体は生まれた国家や保護者、保護者の裕福さ、生活レベル、学校に行くことができたか、できないか、イジメを受けたか、受けないか、不登校になったかならないか、ひきこもりになっているか、なっていないか etc etc

生まれ育った環境や成長過程で関わってきた人間関係、保護者家族が裕福なのかそうではないのか? 更に保護者家族、親類縁者の精神障害や発達障害へのイメージがどのようなものか? 障害のある人はかわいそうな人なのか? などなどの価値観によって大きく変化します。

自他分離ができていないと、「特別に、その人だから、その人が生まれた家だから、その人が育ってきた環境だから、その人が出会ってきた人間関係……略」そういう条件があったという客観的な認識ができず、その人のその環境、親の収入、その人間関係、……だからこそ成功した吃音者になれたということが理解できず。なぜか自分も成功した吃音者になれると思い込む勘違いすることになるのです。さらにそこに吃音至上主義による障害者やマイノリティへの差別の心があれば、それも受けれ入れてしまうでしょう。

吃音のある当事者の保護者にも東証一部上場企業の役員に名前を連ねている人もいます。こういう場合はその保護者が「吃音を持った子どものために、不労所得を獲得できるように不動産や株式証券をのこすために準備している裕福な保護者さん」、「転入や学部変更などを駆使し何度も大学や大学院(果ては医学部にまで)に通わせる裕福な保護者さん」という事例まであります。これは保護者がお金持ちの場合ですね。保護者がお金持ちの場合は、飛行機や新幹線を頻繁に使って、吃音を診療する病院として有名な国立障害者リハビリテーションセンター病院に通わせるというゴリ押しもできます。

一方で収入が平均程度、または貧困と呼ばれる家庭では吃音の専門病院に通わせることも困難です。たとえば、吃音が発症してからXヶ月いないに、「●●●●プログラム」を使えば、将来的に子どもの吃音が回復、改善、完治するかもしれないという「その選択肢を、そのカード」が保護者の収入格差によって選択できない可能性もでてくるでしょう。2019年以降は、『親、保護者の収入格差により、吃音を治してあげることができなかったという十字架を一生背負って後悔していく親、保護者がでてくる』可能性もあります。お父さんお母さんが貧乏だったから、子どもに使えたはずの選択肢を提供することができなかった。という十字架です。これも自他分離がしっかりできていれば客観的に考えることができます。病院がなければ自治体や議員にマスコミに申し出る。たとえ吃音が大人になっても継続したとしても、社会保障制度、障害者手帳制度を使おう、使うことは恥でもステイグマでもない。人間という文明社会で使える制度や仕組みを使って生きていこうと考えることができる可能性が高まります。


これらの課題を解決するために、吃音当事者も、吃音のある子どもの親、保護者は既存の吃音当事者団体、吃音業界の団体に入会所属するよりも、既存の大きな発達障害当事者団体、親の会、保護者の会に参加して、発達障害種別による差別、人権の優劣といった吃音至上主義を無くしつつ、発達障害のことも理解して、吃音のことも理解して、お互い協力して「困っている人の権利擁護」を行っていくだと思います。例えば前述した、親保護者の収入格差により病院に通わせることができない場合は、発達障害者支援法(専門的な医療機関の確保等)
【第十九条 都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、前項の医療機関の相互協力を推進するとともに、同項の医療機関に対し、発達障害者の発達支援等に関する情報の提供その他必要な援助を行うものとする。】
に基づき、都道府県レベル、自治体レベルで要望要請書、地方議会で質問してもらうことなどにより問題提起していくことが重要になります。マスコミにも取り上げてもらいましょう。

繰り返してクドイですが自他分離は大切です。
吃音のある子ども、学生、家族保護者は
『無意識のうちに、成功している吃音当事者先輩に僕も私もなれる、うちの子どもも将来は医者や弁護士や公務員、一部上場企業(略)に就職できる!! 精神障害や発達障害、知的障害を持った人は不幸、かわいそう、吃音のある人はそんな人、あんな人たちと一緒になってはいけない、されてはいけない』という価値観を植え付けられていくことになりかねません。自他分離をしっかりしていきましょう。


しかし誤った吃音への価値観、障害者への差別の心、障害者はかわいそう、障害者枠は給与が安い出世ができない、障害者として生きるのは恥である、税金を食いつぶす側になってしまうなどの偏向した価値観をもってしまうと「堂々と一般枠で吃音を持っています!とカミングアウトすること」にもつながります。

本来なら、新卒障害者枠採用という一生に1回だけつかえる、貴重なステータスを使えたかもしれない、その機会を利用できずに、就職できなかった状態で学校を卒業してしまう人もいるのです。


――― 5 吃音のある人、子ども、学生、保護者、家族は消費者庁の解説をよく読んでみよう

吃音のある人は本当に頭が良いのか 社会的に成功した人になれるのか?

吃音業界の不思議の1つに。
吃音のある人は、天才 秀才 優秀 頭の回転が早い すごい先輩がいる論があります。

とくに吃音のある子どもやその保護者向けに「吃音のある子どもはこんなに優秀なんです。安心してください。吃音のある人は優秀です。私は吃音があるのに社長になった。私は吃音があるのに営業トップ成績だ。私は吃音のある人はみな頭の回転がよく優秀な人多いと思う」などなどを表現する吃音当事者、吃音先輩は本当に厄介です。医療従事者や言語聴覚士がこのようなことを言っている場合は本当に事態は深刻です。発達障害業界の精神科医師や言語聴覚士であれば、まずこのような無責任な発言はしません。

吃音を持った人にはとても優秀な人がいる。

総理大臣、議員、王族、医師、弁護士、経営者、取締役、一部上場企業勤務、国家公務員、地方公務員、言語聴覚士、エンジニア、航空自衛隊のパイロット、海上自衛隊の潜水艦乗組員、消防員、救命士、学校教員、精神保健福祉士、社会福祉士、スポーツ選手、レーサー、芸能人、音楽家、表現者――などなど。


こういう偉大な先輩達がいますよ。という説明は本当に困ったものです。

これは吃音以外の発達障害でも全く同様です。

歴史上のあの人物は発達障害があった、2019年現在生きているあの人も発達障害だ。

あの経営者も、あのエンジニアも、あのハリウッドセレブも、あのひともあのひとも(以下略)

だから僕も私も、うちの子どももきっと天才に違いない。有名な人になれるはず。

幸福な人生を送ることができるはず。高い収入を獲得できるはず。

これも結局は自他分離ができていないことになります。

たしかに一時(いっとき)だけはその言葉、その表現に安心する当事者、その家族はいるかもしれません。しかし本当にそうでしょうか?

豊島区にてホームレス支援をするNPO法人があります。

ここの職員さんの話として、「路上生活者をしている人の中に吃音の人がいましたよ。吃ってました。昔は工場やトラック運転手として働いていたそうです」ということでした。

不思議ですよね。吃音のある人のエピソードでは全く出てこない事例です。路上生活をする吃音者、トラック運転手や工場で働く吃音者。みなさんは聞いたことあるでしょうか?

別の事例として、ひきこもり歴ウン十年で父母の年金で暮らすひきこもり当事者の中に吃音のある人がいるという事例もあります。8050問題として今後、報道もされてくるかもしれません。もしも8050問題の当事者とその父母の中に「吃音で困っている人が出てきたら」既存の吃音業界はどのような反応をするのでしょうか? 「うちの団体にこなかったのが悪い、ひきこもっていたのが悪い、だからそんなことになったんだ!」と平然と切り捨てるでしょうか??

実のところ吃音のある人はいろいろなところにいます。たまたま吃音業界の、吃音当事者会に参加できている人がいる一方、そこには参加しない人、または吃音とは別の当事者会に参加している人もいます。精神障害、発達障害を持った人、知的障害を持った人の中にも吃音を併存している人もいます。

―― 吃音のある当事者、吃音のある学生、他の人の体験談を吃音当事者や家族が聞くときはどうしたらいいの?

これはとても重要です。

消費者庁が行った 「打消し表示に関する実態調査報告書」https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170907_0003.pdf があります。



この報告書の中に興味深い表現があります。

テレビやラジオ、インターネットでの通販でよく使われる文言です。

下記の説明を「吃音のある先輩学生、吃音のある先輩、吃音のある社会的に成功している人の話を聞く場合」に思い出してください。体験談集という文書、講演会、親保護者に体験談を聞かせる場合、以下のことを思い出してください。これも自他分離の1つです。



・消費者庁の解説から

体験談型 体験談に関する 注意書き 楽しく ダイエッ ト!! 毎日すっきり起きて、 体重が5kg減り、着られ なかった服がぶかぶか になり、周りからほめら れるようになりました。 



・「個人の感想であり、効果には個人差があります」 ・「個人の感想であり、効果を保証するものではありません」 ・「個人の感想であり、 効果、効能を表すもの ではありません」


非保証型 (体験談を記述 せずに、)効果、性能 等には個人差がある旨や、効果、性能 等を保証するもの ではない旨を述べ る注意書き 10 時間効果が持続!! 



・「結果には個人差があります」 ・「気持ちを表すもので、効果効能を保証するものではありません」



――― 6 吃音のある人はどうやって就職活動をすればよい?

「2」でこのように説明しました。


就職活動には5種類あります。
イ 障害や病気、難病をカミングアウトせず、告白せずに一般枠で就職活動をする場合です。
ロ 障害や病気、難病をカミングアウトして、障害者枠で就職活動をする場合です。
ハ 特別強力なコネを使い一般枠や障害者枠で就職する方法
ニ 自分で起業して働く方法
ホ 一般枠なのに吃音カミングアウトしてしまう

まず吃音当事者で就職活動をする人は「一般枠なのにカミングアウトしてしまう」というとてもリスクの高い行動をする人がいます。これは前述したようにさまざまな吃音業界独特の価値観、差別意識、自他分離の欠如、先輩の話を鵜呑みにしてしまう・自分も実現できると思い込む・そのこだわりを変化させることができなくなる、安心安全な会運営ができないなどが関連しています。

発達障害のある人を対象とした就労移行支援事業所では。
まず、イとロの説明をします。これが今現在の日本で実行できる就職活動だからです。そして稀ですがハを使える人もいます。ホは発達障害当事者でも難しくあまり事例はありません。そして可能であれば一般枠と障害者枠の両方で就職活動することを助言してきます。当事者しても一般枠と障害者枠両方で就職活動をすれば可能性が高くなるからです。一応就職活動が解禁される半年前には障害者手帳を取得しておいた無難です。医師、病院とよく相談したり、学校のキャリア支援室、学生支援室、障害学生支援室などと話しあいを重ねましょう。

さらに、エントリーシート、履歴書、「私の取り扱い説明書、私の障害特性説明書、私の障害説明」などの書類の書き方も就労移行支援事業所では教えてくれるので、吃音のある当事者はこういった書類の書き方も勉強することが大切になります。

なぜ日本では「イとロ」が一般的なのか?
これは「一般枠で働く場合、一般枠で成し遂げてほしい、こなしてほしい職務、業務が決められているからです、それに対しての対価として給与を支払うのです。」この場合、はっきり言うと、「吃音でうまく話せません、合理的配慮を希望します」と伝えると企業側としては、こなしてほしい職務、業務を実行遂行できない人には「ご縁がなかった、お祈り、貴意に添えないなど」不採用されてしまいます。応募してきた人を一般的で採用難しい場合、だけども人材としてほしいという場合は非公式な手段で「障害者枠で応募しなおしてくれないかな?」と天の声が聞こえる場合もあります。

「ロ」の重要な部分は、当事者のほうは「これらの合理的配慮を希望する」、そして雇用採用側は「私達が提供できる合理的配慮はココまでです」という話し合いが実現できるかどうかです。

吃音業界の医療従事者や支援者が勘違いしていること、よくある勘違いとして、給与をもらう立場になっても合理的配慮は100%実現される!! と認知している方々がいることです。これは障害者差別解消法が雇用される採用されるときにも完全に再現されるという間違った認識をしているからだと思います。後述のように学校であれば、お客さまの立場であればこれは可能です。しかし給与をもらう場合、働く場合は、【障害者雇用促進法】の重大なキーワードである「話し合い」が必要とされます。一方的な合理的配慮要求をする、吃音があるのに話す仕事、話す業務職務にこだわると採用、雇用側からお断りされることもあります。

障害者雇用促進法の合理的配慮指針
 厚生労働省の説明
 
 ウェブ・サーナの解説

『児童、学生時代とことなり学校側に授業料を支払う立場ではなく、官民企業団体で働く場合は当事者がお金を給与をもらうことになります。この場合の合理的配慮は働く側と採用側、そして就労移行支援事業所やジョブコーチ、その他の支援機関や支援者で話し合って落とし所を決定することができるか? 双方が話し合いどこまで合理的配慮が実現できるかを確定させることが必要になります』このあたりは、リタリコさんが合理的配慮ハンドブックを公開しています。

例えば身体障害の場合はハード面の支援、スロープ設置や設備を変更する、職場内も出入り口に近い席にする、と物理的な支援、合理的配慮で済むことが多いのですが、発達障害、吃音の場合は、当事者ごと、ひとりひとりの症状の特徴、障害の程度により、ことこまかく、個別に合理的配慮について考えることになります。そしてそれが採用雇用側が実行できるのか、実現できるのか。の話し合いになるわけです。

発達障害という障害はコミュニケーションの障害と言われるように、「発達障害当事者と誰か一人以上の人間と読む、書く、聞く、話すというコミュニケーションをする場合に何らかの困りごとが出てきます」

定型発達者(健常者であれば)、「あーあれね。あの話ね。今日の会議で話したこと、結論はこうだった」とあれやこれやそれ。空気、最終的にはどの方針に決定したか? などを理解することができます。発達障害者の場合はこれらが特徴特性によりうまく認識できない人や認識するのに時間がかかる人、間違った認識をもったまま仕事をしてしまう事例もあります。

吃音の場合は(どもることによる発話発語の特徴特性のみに限定すれば)、「相手とのコミュニケーションに、時間経過、相手の時間を使う、相手の時間を奪ってしまうことが想定されます」 こちらは別記事にまとめましたのでこちらをご覧ください
→ 【吃音Q&A】吃音は発話発語の障害 そして相手、聞き手の時間を奪う障害 吃音者への合理的配慮 障害者雇用か一般枠雇用か?

相手に時間を多くとってもらう、聞いてもらう(吃音があるから最後までどもりながらも話し続けさせて → 過度過重な合理的配慮になりかねませんが…)ことにより、相手、職場の同僚、取引先、一般消費者とのコミュニケーション時に発生する総合的な時間が定型発達者よりも多く時間が必要になるのです。 とくにNHKのプロフェッショナル 仕事の流儀「真夜中の東京スペシャル」 は吃音のある人が合理的配慮を希望した場合難しい場合が理解できます。

たとえば生命の危機、命のやりとりをする仕事、業界、専門職の場合は吃音による『吃る時間』は重要になります。ERや緊急手術、ドクターヘリ案件、銃火器をつかう可能性がある職務、緊急車両が通過しますアナウンスをする職務、他国の航空機や船舶と緊急事態になる可能性がある職務です。 1分1秒で「誰かが死ぬ、患者が死ぬ、自分が相手に発砲されて死亡する可能性、自分が相手に発砲しないと自分が死亡する可能性、所属不明機に呼びかける場合、航空管制官、緊急車両が通過する、交差点に入る、反対車線を走行するなどなど」こういう1秒単位で刻々と状況変化する場面で『吃音の合理的配慮として、どもりながら話したい、どもっても最後まで言わせてほしい』というのは過度過重な合理的配慮になります。吃音を合理的配慮するために、事故がおこる、誰かが死ぬ、自分が死ぬ、市民が死ぬ、相手が死ぬというのは大変なことだからです。

吃音当事者先輩の中にも吃音があっても命のやりとりが行われる職務、業務に携わっている人も実際のところ存在しますが、今までは大丈夫であったとしても今後悲しい出来事が起こることもあるかもしれません。


――― 7 精神障害者保健福祉手帳による法定雇用率達成は2019年以降、発達障害者が重宝される、マーケットになると予測されている

2019年2月1日に開催された「発達障害学生白書」出版記念講演

この講演会はNHKの取材、各地の就労移行支援事業所スタッフ、大学教授、医療従事者、発達障害当事者などなどが参加していました。マスコミ報道では重大な部分が報道されませんでしたが。とくに登壇者である、保護者、大学教授、専門家、経営者視点の本音による話や今後の発達障害雇用情勢はリアルなものでした。シビアともいえます。

今後、新卒学生の新卒カードを持っている状態で、なおかつ法定雇用率に計算できる精神障害者保健福祉手帳を持っている状態で、さらに! 求職活動中の成人発達障害当事者がサービス受給者証を利用して通所する就労移行支援事業所で実際に行われている厳しい訓練を大学生時代に受けていることが望ましいという人事業界HR業界からの声が紹介されました。

これは本当に驚くべきことで、人事業界HR業界では「障害者にまで床上手な処女を、ハイスペック障害者を、ステータスマックス、レベル99障害者などなど」の新卒学生を求めていることになります。 なぜ発達障害なのかというと、発達障害の場合は精神障害のように勤怠の安定の課題が無いから(自立した自己管理ができている発達障害者という認識が採用側にあるよう)ということです。とりあえず、平日5日間、または土日も入れて5日間、しっかり朝から夕方まで働いてほしい。それが実現できるのは発達障害者であるという講演会やセミナーを行っている事例もあるからです。

さらにそこに「kaien」で行われているような、本当の実在の職場に近い、厳しい訓練内容をしている就労移行支援事業所で行っている訓練を、大学や高校や高専でやってほしいというのです。新卒採用した障害者枠、発達障害者の新人を「官民企業団体の中で新人教育新人研修したくない、そこにお金や時間や人材をかけたくない」という本音と建前が透けてみえます。

そのため厚生労働省も平成29年に就労移行支援事業所向けのQ&Aにおいて。
大学生でも条件を満たせば最終学年であれば、就労移行支援事業所を利用できるという方針転換をしています。各都道府県と団体向けのみに出した文章のようで厚生労働省URLから探すことができませんでした。申し訳ありません

ここにはこのように書かれています。これにより大学生などが最終学年であれば就労移行支援事業所に通所できる可能性を示唆しているのです。しかし、官民企業団体がハイスペックレベル99障害者を所望するという流れ、人事、HR業界からの声が多くなれば、現在の、最終学年の部分が緩和されると筆者は予測しています。ここから逆に考えると「雇用、採用側は軽度でもいいから、ほんの少しの合理的配慮で良い、発達障害当事者をさがしてる」ことになるのです。要は、ここで吃音という発達障害の潜在マーケットが人事、HR業界、就労移行支援事業所業界などで評価されるようになってきています。
就労移行支援の大学在学中の利用)
問13 大学在学中の卒業年度に、就労移行支援を利用することができるか。
(答)
 大学(4年生大学のほか、短期大学、大学院、高等専門学校を含む。以下同
じ。)在学中の就労移行支援の利用については、以下の条件をいずれも満たす
場合に、支給決定を行って差し支えない。
① 大学や地域における就労支援機関等による就職支援の実施が見込めない
場合、又は困難である場合
② 大学卒業年度であって、卒業に必要な単位取得が見込まれており、就労移
行支援の利用に支障がない者
③ 本人が就労移行支援の利用を希望し、就労移行支援の利用により効果的か
つ確実に就職につなげることが可能であると市町村が判断した場合


――― 8 吃音当事者がテレビに出演すること、You Tubeなどで公開する動画は官民企業団体の人事部、採用担当、人事業界、HR業界、新卒学生向けサービス(リクルートやマイナビ)、障害者向けの採用情報サイト(サーナ、クローバーなど)いろいろな人がその動画をみるということも想定してほしい

これは今、障害支援者、就労移行支援事業所スタッフ、社会福祉士、精神保健福祉士、企業の人事担当、障害者向けの就活サイト、人事業界で話題になっています。

自閉症スペクトラムやADHDなどは発達障害としてとても認知されています。学習障害やトゥレット症候群も吃音よりは認知が高いです。

逆に吃音はあまり知られていないため吃音症状や症状の出方、話し方、発話発語のしかた、吃るときに顔の表情はどう動くのか? 吃るときに身体の動きはどうなるのか? 吃るときに白目をむいてしまうのか? しゃべるときに唾液を飛散させてしまうかしまわないか? 相手の目をみて話せるか? 話せないか? 
吃音当時者以外からするとそういうことも気になることになります。

定型発達者、支援者、学校教員、医療従事者、支援職、採用側サイド、労働行政、人事業界が、企業側に味方をする立場の医師や社会保険労務士などが
『あぁ、吃音ってこういう症状か。 こういう人が吃音なんだな。
こういうことで吃音の人はこまっているのか。
こういう話し方が吃音というものか。こういう話かただと電話応対や接客、営業は
まかせられないな。あれ、こういう話し方の人、弊社にいるけど。法定雇用率に計算したいな』

などなどのいろいろな人の思考に利害関係者に影響もあたえるわけです。

意外なことだと思うかもしれませんが。
NHKのバリバラ、ハートネットも当事者や支援者だけが視聴しているのではありません。どういう障害や病気が、どういった症状、特性を示すのか? この確認をするために録画視聴をしているという、視聴者層(人材業界、障害者雇用業界、企業団体側に立つ社会保険労務士や弁護士、人事部・採用・雇用担当など)もいるのです。吃音もつい最近、映画やドラマ、小説で頻繁に出てくるようになり、法定雇用率にも計算できることがわかりました。これにより吃音とはどういう症状なのか? 知りたい層が増えているのです。

また、吃音をカミングアウトしてくる学生や大人の中に「そもそもなぜ吃音をカミングアウトすること、ここに強く執着するこだわりを持っているのか?」と調べている事例もあり、こちらは吃音とASD、吃音とADHD、吃音と学習障害、吃音とASDとADHDなど、複数以上を持っている場合の吃音当事者とはどういうものなのかを調べていることもありました。

とくに「一般枠で吃音カミングアウトをする学生」、「精神障害者保健福祉手帳を所持し、法定雇用率に計算できるのに、過度過重な合理的配慮を実現するようにこだわり、執着をもつ吃音当事者がなぜ存在しているのか?」を調べることにも使われています。これは結局のところ、自閉症スペクトラムを同時に持っている吃音当事者が多いのではないかということにもつながります。

2017年にはNHKハートネットTVで(残念ながら貴重な映像やテキスト書き起こしが
消滅しています)女子学生の吃音当事者や男子学生の吃音当事者が「一般枠に異常な執着、こだわりを発揮した部分は発達障害学生を支援する専門職、医療従事者」から、なぜ吃音のある学生はここまで、カミングアウトや一般枠応募にこだわるのか? なぜ障害者手帳や障害者枠を敵視、蔑視するのか。何かの差別意識があるのではないか? 発達障害学生なら一般枠も障害者枠も同時に就職活動して、納得のいく場合が多いが、吃音の学生は「障害者枠なら、本来希望していた、マスメディア業界に入れたかもしれない、そういう機会があったのに一般枠にこだわるあまりにそれを捨ててしまう」のはなぜなのか?

どこの誰が、こんな若い学生にそういう一般枠でカミングアウトすることがステータスやカッコよさにつながると誤認する・それをしたほうが偉いと教え込んでいるのか? そう思わせてしまうのか? 障害者として働くと惨めだとか、給与が低いとか、出世ができないとか、生活ができないぞと教え込んでいるのか? と次々に疑問が出てきていました。

これは筆者からの解説で「吃音至上主義」の影響でもある。つい最近だと、医療従事者が発達障害児者を差別する文書をネット上に公開したこともあり、その他にも通級指導教室のことばときこえの教室やことばの教室の教員、成功している吃音先輩にこういう考えの方が意外にも多く、障害者枠は負け組である、社会的地位が低い、発達障害を持つ彼彼女らと吃音が同じにされても同じになってもいけないと教え込んでいる一例になると事例紹介をしました。

このような考えが「小学生、中学生、高校生、大学生をあつめたイベント」でも紹介され、子どもや学生、その保護者家族が知らず知らずのうちに吃音以外の人、当事者を下にみる、差別する意識が芽生えてしまっている、これが新卒就職活動をする段階になり、障害者枠を見ない、一般枠でカミングアウトすることにつながっていると説明をしました。

とくに酷い事例になると『発達障害当事者が殺人事件などを起こすと、それみたことか。吃音が発達障害になってはいけない、吃音当事者も人殺しをする人だと思われる、吃音当事者は犯罪をする可能性がある』と思われたどうする? などという発言が普通にでてくることも証拠データをそえて提出したところ、場内は大きなため息や怒りをもつ人もいました。

ただ、これは発達障害業界でもそれなりにあることでした。しかし、吃音のように、ここまで深刻な事例、突出した事例(子どもや家族保護者に積極的に吃音が障害になってはいけないと教え込むのは珍しいことだといいます)それがまかり通ってしまう、それを注意できる医師や言語聴覚士や精神保健福祉士や社会福祉士や看護師が吃音業界、その近くにいないことは深刻な事態だとされています。


――― 9 吃音当事者の中に、自閉症スペクトラムやADHD、学習障害(読み書き計算)、トゥレット症候群、音声チック、運動チック、発達性協調運動障害を持った人いる この時はどう就職活動をする?


※注意 平成から令和の現在ですが。吃音当事者に「自営業」をやれ! と成功体験を押し付ける人がいますが。それはリスクが高いです。まずは障害者枠でもいいので厚生年金を事業主が半分払ってくれる仕事をしてください。そして、経験を積んだら、障害者枠非公開求人で転職してステップアップしてもよいでしょう。本当に自営業はリスク高いです。健康保険も厚生年金もそうですが、一般的な会社員の月収の2倍を稼がないといけません。



吃音当事者の中に吃音以外の発達障害を持った人がいることがわかっています。
普段は自閉症スペクトラムやADHDなどの当事者向けに就労移行支援、医療従事者、支援者として携わっている人からも、最近、クリニックに、就労移行に吃音があると思われる方がいるという連絡もあります。たとえば↓

・ASDやADHDを先に診断されて、そのあと吃音もあるよね。とわかった人は障害受容がしやすく、支援も双方がやりやすい

・吃音があることを診断されて、そのあとにASDやADHDもあるよね。とわかった人は、過去の人生で「精神障害や発達障害のある人を差別していた手前、自分にも自閉症スペクトラムやADHDがあることがわかり、精神的ショックを受ける」場合もある。

・吃音があることをやっと認めて、サービス受給者証や精神障害者保健福祉手帳を取得したまではいいが、障害者枠に応募しても「吃音があるからといって、電話応対や接客をさせないのはオカシイ、差別だ!、人権侵害だ!訴えてやる!通報してやる!」と採用雇用側の相手と喧嘩になる、せっかくの障害者枠なのに就職できなくなる。話し合い、落とし所の存在を理解、認識しない人がいる。(話し合い、落とし所の理解ができない吃音当事者はASDなど吃音以外に発達障害があるのではないかと感じたといいます。とくにすぐ法や通報だとステップを大幅に飛び越える吃音者の事例は発達障害当事者の支援でも一定数存在するといいます)

このような声があります。
とくに吃音当事者は子ども時代に吃音至上主義を教え込まれていて、精神障害、発達障害のある人を差別しまくっていた価値観をもっている場合、「自分も同じなのか」ということを受け入れることができない。そのままうつ病や適応障害などにつながってしまうこともあるといいます。

また、精神障害者保健福祉手帳を取得するまではよかったのに、吃音があることにより、話す仕事よりもその他のことで頑張ってほしいという採用側の価値観を理解してくれない、接客や営業は館内放送をさせないのは差別で人権侵害だ!と「異常なこだわり、執着、大激怒してキレる、これは人権侵害だから差別として関係各所に通報しまくるという行動力」を見せる吃音当事者がいることも大変で、吃音当事者が支援困難事例が多いことの証拠になってしまっています。発達障害当事者にもとてもよくあることで「法ではこうなっている」ということがすぐ会話に出てくることにより日常生活や社会生活で人間関係の摩擦が起きていて、その後発達障害の診断を経て、ソーシャルスキルトレーニングや病院でのプログラムにより、本音と建前、認知の歪みに気づくことなどを練習し社会適応している発達障害当事者もいます。


もしも、私は、吃音以外に発達障害があるかもしれない。と思う人は、まずは発達障害を専門に診療しているという病院に行ってみましょう。精神科に数回通院し、発達障害診療に実績のある大学病院宛に紹介状を書いてもらうのもよいことです。

子どものころから、たしかになにか他人と違うことが多かった。人間関係の維持が発話発語以外が影響して難しかった。などなど思い当たる節がある場合は、ミネルバ書房の発達障害関連書籍を読んでみてください。ここに実体験や近い事例があれば発達障害特性をじつは持っているのかもしれません。 

もしも吃音以外に困りごと、幼少期より何か他人と違うのではないかと感じている吃音当事者がいれば、または自分の子どもが吃音以外にも何か特性を持っているかもしれない。それが生きづらさになっているのではないかと考える保護者がいれば発達障害を診療する病院に行ってみることも選択肢の1つになります。


――― 10 吃音のある学生、大人はどう就職活動する?
発達障害者向けの就労移行支援事業所に通所すべきか?

吃音のある人で、吃音至上主義に傾注していない染まっていないのならば。発達障害者向けの就労移行支援事業所に通所すべきです。
9番に書いたように吃音のある人には自閉症スペクトラム、ADHD、学習障害(読み書き計算)を同時に持っている人も潜在していると考えます。

吃音という「発話、発語によるコミュニケーション能力に困りごとがある」のと同時に何かがあるのです。

そもそも、吃音のある人が『吃音があっても堂々とどもって就職する。成功した吃音先輩のこと、歴史上の著名な成功した吃音者、現役の成功している吃音者』のことを信じてしまう、その話を真実だと思ってしまう、自分もそれが実行できるはずだと思いこんでしまう。一般枠で「吃音という法定雇用率に計算できるはずの発達障害を持っていることをカミングアウトしてしまう」こと。

これは自閉症スペクトラムの『こだわり』や『素直さ(最初に覚えたことを変化させるのが苦手)』だと考えます。考え方に固執して、それを変化させることができない。これはまさに自閉症スペクトラム当事者の困りごとと同じです。(もちろん、このこだわりが実生活や学業や仕事にプラスに働く場面もあります)

また吃音当事者の中には、ADHD特性や学習障害特性を持った人もいるでしょう。発達性協調運動障害という手足・指、身体的な動きの不器用さを持っている人もいるでしょう。

結局のところ、吃音当事者や家族、そこに関わる医療従事者が見落としている、その他の発達障害特性があり、この見落としている特性と吃音が併存して当事者を苦しめていることになります。しかし吃音の診断しか受けていない。吃音を診療する耳鼻咽喉科医師は発達障害について専門家ではないため、知能検査、心理検査、母子手帳かられんらくちょう、通知表、評定表、教員の評価を客観的に判断するということもできません。

吃音をカミングアウトすれば、相手は理解してくれるはずだ!
という強い思い込み。認知の歪み。実際、就労就職であれば、完全な100%の合理的配慮を相手側にさせることはできません。吃音業界ではお客様としての障害者差別解消法による理念と障害者雇用促進法による話し合いによる合理的配慮実行可否・落とし所の概念が正確に認識されていません。

「自他分離」のことを説明していました。要は自分。成功している吃音当事者先輩が持っている成功体験やそのたまたま、偶然うまくいっている稀有な企業や団体の事例、条件が【私の場合も実現されるはずだ!!】と強く思い込んでしまうことが本当に悲劇だと考えます。

また、「吃音があります」と相手に伝えれば、相手は「100%吃音を理解した」と思い込んでしまう吃音当事者もいます。これも自閉症スペクトラムの症状なのかもしれません。別記事にまとめてありますのでご覧ください。吃音当事者は発達障害者が就職活動で使う「私の取り扱い説明書」をしっかり準備すべきなのです。そして、障害者枠で応募することも選択肢に入れるとよいでしょう。

吃音者と働く 職場で吃音者の合理的配慮がうまくいかないのはなぜか?
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/10/blog-post.html

実際の職場を再現した発達障害当事者向けの就労移行支援事業所であれば、自分と他人、自分と社会、社会の中にいる自分と他人は違う人であることを教えてくれます。必ずしも誰かが実行できた、成功できたその条件を、「あなたが実現できるとはわからない」ことを教えてくれます。

その他にも発話発語によるコミュニケーション不足だけではなく、話しかけるタイミング、その際話しかけて「どのことを、どのように、何がわからないのか、何が終わったことを報告するのか」などを事前にメモにまとめること、自分自身が他人とコミュニケーションをして実際に今話したことで「私はこのように認識し受け止めて、このように仕事をする予定ですが、不備や間違いはあるでしょうか?」と再確認すること。このような視点もあるわけです。

以上のことからも、吃音者を対象にした就労移行支援事業所よりも、発達障害者を対象にした就労移行支援事業に通所するほうが良いと考えます。原則として就労移行支援事業所は2年しか使うことができません。その貴重な2年を、どの就労移行支援事業所に使うか?ここをしっかり考えてほしいのです。官民企業団体には「kaien」という就労移行支援事業所を利用して、問題なく訓練が実行できているならその当事者を採用したいという声は多くあります。それくらい、人事業界、採用側雇用側も【どこの就労移行支援事業所を利用しているのか? そこでの評価はどうなっているのか?】ということを気にしています。例えばkaienであれば企業の人事が見学にきて、優秀な当事者がいればスカウトしていくこともあります。kaien経由で法定雇用率を達成しようとする官民企業団体の採用、人事部、人事担当が一定数いることになります。

たとえば、就労継続支援A型やB型、病院のデイケア、病院の自費診療セミナー、病院の当事者会、ハローワーク、若者サポートステーション、労働局などで学ぶことができることを、提供している就労移行支援事業所は通所するのはよく考えるべきです。2年の利用期限を無駄に浪費してしまうことは避けるべきだと、リスクマネジメントだと考えます。貴重な2年は、現時点で最高の就労移行支援事業所を利用すべきでしょう。

吃音のある当事者も、じゃあ、僕は私はどうしたらいいの?
となるでしょう。そこで重要なのが、相談支援をしてくれる人とつながることです。
発達障害を対象にしている医療従事者、ソーシャルワーカーといわれる人、ハローワークや東京障害者職業センター、東京都のしごと財団などとつながり、ここでまずはご自身の成長を、一歩一歩1ミリ1ミリ進めばいいのです。ご自身の自他分離や障害受容のこと、認知のゆがみがあれば改めて行く。これらが大切になります。

その他に、吃音業界の当事者会、団体だけに参加するのではなく。
発達障害のある人、発達障害業界の当事者会、団体に参加することもオススメです。


――― 11 新型コロナウイルス感染症による2020年以降の就職活動について。吃音のある学生、大人はどう就職活動する?

2020年5月2日オンラインセミナーがkaienにより開催されました。
セミナーの中で。障害者枠は今までの歴史上、景気に左右されないデータがある。障害者枠については、一般枠職員が存在する限り法定雇用率を満たさなければいけないため。雇用情勢が大きく悪化することはないのではないかということでした。一般枠については深刻な影響が報道の通りであると。

現在の障害枠就活は、応募できる案件はあるが。応募しても、面談までの時間、面談が終わっても正式に働けるようになるまでの、待機期間があるため停滞していて、応募できる案件もありつつ、応募者が減っているという事案もあるとのこと。応募者側もコロナ禍のため就職活動意欲が低下している場合ですね。面談はウェブ面談になるそうです。


現在、発達障害のある人で、コロナ禍において、仕事が時給制の人はそこそこ影響を受けている。月給制の人は影響が軽微であるといいます。

ただ、アフターコロナの世界では、テレワークができるスキルを持っている人が企業では採用されやすい。エッセンシャルワーカーは仕事がなくなってしまう。自宅待機になってしまう場合もあると。エッセンシャルワーカーの中でも食品を扱うお店等、生活に直結した業態は別です。

発達障害を持った人は、まずパソコンが使いこなせることが前提になるでしょう。パソコンの基本ソフトを使える。ウェブ会議のソフトやアプリをつかいこなせることもです。また自宅で仕事をする場合。時間の区切り。気持ちの入れ替えも課題になります。部屋がワンルームの場合は、働く区画、寝る区画、食事する区画の分離も大変です。整理整頓や室内に白い布をはって、テントのように区切るということもありえるようです。

その他、出勤しないわけですから、自己管理、体調管理、健康管理も難しいかもしれません。出勤する往復で使っているエネルギー、運動量が消費されないことになるからです。



  筆者としては

吃音のある人は障害者枠での就職活動を真剣に考えたほうがよいでしょう。もちろん吃音業界の先輩では一般枠でないと駄目だという考え方を持っている人もいますが。とりあえず新卒の人は障害枠でもいいから、空白期間無しで社会人になったという履歴をもつためにも一般枠にこだわらないほうがよいでしょうね。と思います。

テレワークができるようにPCスキルをあげることも重要です。


このようなコロナ禍あるからこそ。吃音業界の、一般枠で俺は、私は働いている!!系先輩が一肌脱いで「俺の所属先、私の職場は吃音があっても一般枠で働けるよ!人事採用担当を説得したから大丈夫」と大きな行動を起こしてくれればよいのですが……。期待できませんよね。

吃音の人は発話発語が大変ですね。ビデオチャットの場合の練習もしなくてはいけません。
面談においても、リアルの対面した方法ではなくウェブ面談になりますので。
実際のように「コンコン。失礼します。」という挨拶から始まる面接ではありません。
最初に映像として相手にながれる第一印象。どんな顔をしていればいいのか。ここからもう大変です。

ウェブ会議ソフトなど、ビデオチャットになりますから。PCやスマホの設定。マイクテスト、背景画像、服装、カメラの位置。PC内臓は若干顔が下から撮影される。外付けカメラなら正面も可能。ビデオチャットのため。インターネット環境において、余計なスマートフォンやPC、家電のWi-Fi接続を切ることも大切ですね。

仮に将来テレワークをする業務量が増えてきても。チャットでやるか。Eメールでやるか。ビデオチャットでやるか。ビデオチャットを利用した多人数の会議において、「挙手ボタン」はいつ使うか。「ミュート」をして、余計な背景音が入らないようにするか、会議参加者の上半身しか映像として認識できないなかで(身体の動きがよめないので他人の本当の腹の中を推察することがより困難になりますよね)どういった立ち回りをするのかも訓練や勉強をしないとなりませんね。

2019年5月5日日曜日

吃音のある女性は大丈夫? 風俗店で食い物にされる知的・発達障害者 背景に社会的孤立 毎日新聞より

毎日新聞からの記事です。塩田彩記者も書いてます。記事中に先日、毎日新聞と発達障害当事者協会コラボで行ったアンケートも引用されています
https://mainichi.jp/articles/20190504/k00/00m/040/075000c

【記事追加】
2019年5月5日19時ころ毎日新聞からさらに追加の関連記事がでました。
https://mainichi.jp/articles/20190505/k00/00m/040/167000c



発達障害や知的障害女性が風俗で働かされるのはたまに報道されます。NHKのクローズアップ現代でも報道された過去がありました、しかしログごと消されていて、当時の貴重な報道・情報だったのに残念に思います。

―― 吃音当事者女性は大丈夫??

吃音のある女性の中には、吃音のあることはわかっているけれど、実は吃音以外の発達障害もある人がいるかもしれません。詳細はkaienさんの解説ページをhttps://www.kaien-lab.com/faq/1-faq-developmental-disorders/women/ 何か自分の人生と似ているなと思えば発達障害の診断を考えるのもアリかもしれません。

吃音当事者の女性でも、風俗やお水で働いてしまった、働いてしまったというよりもいつの間にか働かされてしまった経験がある人いないでしょうか。

店舗で働くこととは別に異性との関係でなにかトラブルに巻き込まれてしまった人もいるのではないでしょうか? 学校時代、社会人時代に友人、上司や取引先と不適切な関係を無理やりされてしまったということもあるかもしれません。当時は断れなかったとか、何かの見返り条件とされてしまったこと仕事だからみんなやっていること、誰もが経験していることと説明されて信じてしまうことなどなどもあったかもしれません(何年か経過してから、あれは悪いことだったんだ、私は被害にあったんだと、ふとした瞬間気づくこともあり、その後フラッシュバックが頻繁に起こる、または怒りや悲しみ、なぜあのようなことをしてしまったのか、自責の念が出てくるという当事者女性もいます)

発達障害女性当事者の中には、女性の世界・ルール、女性の多い職場に馴染めない、職場の男性と話していたほうがラクという人もいます。逆にその光景が、女性の世界から見ると「あいつ、いつも男に媚び売りやがって、親しくしやがって」と受け止められさらに女性当事者が攻撃されたり、ハブられたりする例もあります。発達障害女性当事者の一部の例の場合、異性との距離感、パーソナルエリア、パーソナルスペース、ATフィールドを軽く突破していく人もいます。接近しすぎる、身体に触ってしまう。これは異性である男性からすれば「この女の子、僕に気があるのかな、僕のこと好きなのかな」という誤解を招き、人間関係トラブルに発展する場合もあります。または本当は好きでもないけど関係をもってしまうキッカケになる場合もあります。

距離感の問題ですが。小学生や中学生の発達障害女性が、インターネット上、SNS上で出会った男性に会いにいってしまう問題もあります。これは相手の男性に『今日から友達だね。今日から親友だね』と言われる。そして男性から『僕たち親友だよね。今日、こっちに会いにきてよ。遊びに来てよ』というと、その発達障害女性は、保護者のお金、お年玉などをかき集めて、新幹線や飛行機を使ってまで、遠くの、インターネット上でSNS上で知り合ったばかりの男性に会いにいってしまうという事例がいくつか報告されています。
友達、親友の概念が理解できない。近所の、学校で会う、自分の保護者も、相手の保護者もお互いを知っている。こういったものがわからなくて、「友達だね、親友だね。友達が困ってるよ、親友が困っているよ。キミは助けにきてくれないの?本当に友達だよね?」と言われると定型発達の子どもなら『これはおかしい。おかしいかどうかわからないけど親に相談してみる』ということになります。ここで大体オカシイなと保護者もわかるわけです。

逆に小学生、中学生の発達障害女性の保護者さんは。発達障害特性を利用して質問してみるのもよいでしょう。『これから会うお友達にお母さんやお父さんに話してはいけないよって言われていない? もしかしたら今から私とするお話をしてはいけないと言われているかもしれないけど、それは本音と建前のルールがあって、実はみんなお父さんお母さんに話しているよ。それで今日はどこのお友達に会いにいくの? 都道府県はどこ? 何歳の人? 歩いて行くの? 電車でいくの? バスで行くの? 高速バスで行くの? 飛行機で行くの? 洋服はどれくらい持っていくの? お金はいくら必要なの? どうやって購入するの? 』などなどを質問して見破ることができるかもしれません(これは最終局面での緊急手段です)これよりももっと事前に最終局面になる以前に『家族の約束というルール』をつくって 誰かに会いにいくときは、必ず保護者に報告しないといけない。と明文化するのもアリでしょう。


脱線しました。発達障害女性の場合は、女性の発達障害当事者のための書籍が海外版を和訳したもの、日本人が書いたものが今、出版されています。例えば「アスピーガールの心と体を守る性のルール」という書籍もあります。こちらは吃音を含めて、発達障害を持つ全ての女性に読んでほしいものです。

何れにせよ、吃音のある女性当事者の中にも、実は、女性同士のコミュニケーションがうまくいかない。いつの間にかお水や風俗で働いていた。男性と話すほうが楽しい。男性とのトラブルや交際トラブルがよくある。などなどがあるかもしれません。下に紹介する関連記事もご覧ください。同じ経験、似たような体験があれば吃音以外に発達障害もあるかもしれません。

関連記事(外部サイト)
27歳、発達障害で性依存に陥った彼女の真実
「当事者が悩みについて話せる場を作りたい」
https://toyokeizai.net/articles/-/218206

発達障害と性のリアル~「ノー」が言えない、デート3回で興味失う…
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53918



―― 性産業は質問をしてこない女の子 「ノー」を言えない女の子を狙っている

記事中に【「性産業は、話を額面どおり受け止めてしまう障害の特性を見定めて女性たち
を利用する。『仕事だから』と思い込ませるため、被害は表に出にくい」と語る。】があります。これは発達障害の当事者ではよくある、あるあるネタです。それがたまたま風俗、性産業につながってしまうと、親和性が高いのです。スカウトやお店は、普通の健常女性ならここでこう交渉してくる、この仕事はリスク高いから断ってくるなどなどがあるのでわかるのですが、障害当事者女性だと、最初に説明したことをずっと信じてくれる、特に交渉してこない、リスクが高い仕事は普通、別手当て、特別ボーナスがあるはずだと相談してくるはずなのに、相談してこない人がいる…。 こういうこともありスカウトの中には精神障害や発達障害のある人の特性を勉強する人もいます。

記事中に【仁藤夢乃代表(29)は「関わる女の子の3分の1は何らか
の障害があると感じる」と話す】という指摘があります。これは発達障害全般で言えることです。未診断の当事者はかなり多いのです。吃音業界ではタブー視されていますが。路上生活者の中に吃音者がいます。吃音業界の成功している当事者からすれば吃音者の中にある上を見ろ成功者になれ論から総理大臣、王族、アナウンサー、俳優、研究者、学者、教員、芸能人、一部上場企業に就職、公務員に就職、言語聴覚士、医師、精神保健福祉士、社会福祉士などなどになった人がすごい人だと教え込む場合もあります。(とくに吃音のある子どもに吃音者の成功しているモデル、キラキラモデルを教え込む場合は要注意です、その吃音のある子どもは将来「吃音至上主義者」になってしまう可能性もあります)しかし現実に路上生活者の吃音者がいる、社会保障制度を利用している吃音者がいるというのは隠したいことなんですね。これは豊島区のホームレス支援をしている方から聞いたのですが、何人か吃りをもった人がいたということでした。本来は吃音業界がこのように路上生活をして困っている人もカバーしていかなければいけないのですが…。なかなか吃音業界は成功者が成功者同士居心地が良いようにしているため実現は大変困難です。困っている人が困っている話をできないようにしています。障害者手帳を持っている人は参加させないという吃音者の団体やイベントもあります。

また、性産業とは別ですが、発達障害、知的障害女性では【みんなやってるよ、普通だよ】と言われると、本当に実行してしまう人がいるのも事実です。こういうこともあるので幼少期からリアルな性教育、NHKの発達障害プロジェクトで放送したような発達障害のある子ども向けの性教育プログラムなどはもっと、文部科学省など自治体の教育委員会が取り入れても良いと思います。発達障害者支援法の中に性教育について何かをすることを盛り込んでもよいかもしれません。法本体が困難なら通知文運用でも良いです。


―― 性産業は発達障害や知的障害を勉強している場合も想定される

インターネットの発展や、SNSの発展で、誰も気軽にコミュニケーションを取れるようになった昨今です。実は、性産業に携わる、女性をスカウトする立場の人、女性を雇用する立場の人が発達障害や知的障害のある女性をどうやって見つけるか? どうやって働かせるか? と考えているのではないかと思わせる流れもあります。現在、発達障害解説書籍は多く出回っています。また発達障害の特性なども調べればなんとなくわかり、当時者会に参加して実際に会ってみれば真似をする演技をすることも可能な状況です。


そんな中、特に発達障害当事者が集まるイベントや当事者会に発達障害当事者のフリをしてやってきて、そこに参加している女性と連絡先交換をし、その女性の困りごとを丁寧に傾聴し、信頼を勝ち得てから、女性が断れないような状況を作り出してから、水商売、性風俗に紹介していくという事案があるからです。その他にも当事者女性から発達障害当事者向けに処方される処方薬、向精神薬、睡眠薬、コンサータなどのADHD薬を入手して転売するということもあります。

このような状況からも、発達障害当事者会、そして発達障害当事者女性の家族保護者向け、そして小学生中学生高校生大学生の発達障害当事者女性に向けて自己防衛の勉強会やマニュアルの作成も急務ではないかと思います。国や行政レベル、学校レベルでは、性の悩み、問題というのはなかなかスピーディーに動けない場合もあるからです。当事者や家族、国や行政ができることを補いつつやっていければと考えます。



風俗店で食い物にされる知的・発達障害者 背景に社会的孤立 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20190504/k00/00m/040/075000c

障害者の性被害 守りきれない「法の傘」
https://mainichi.jp/articles/20190505/k00/00m/040/167000c


脳内を読み取りことばに変換 米研究グループが成功 NHKニュースより

2019年4月25日にNHKで報道されたニュースです。
テレビでも報道されていました。

脳内の電気信号を読み取り、話し言葉に変化すること、ついに映画の世界で実現されていたような技術が実現されていた、頭に何かの装置をつけて思い浮かべるだけで、自動的にそれを別の音声出力装置から出してくれる――。

記事では『脳梗塞の後遺症や、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALS=筋萎縮性側索硬化症などでことばが出なくなった人とのスムーズな意思の疎通につながる技術として注目されています。』ということですが。
吃音のある人、場面緘黙のある人、高次脳機能障害のある人、手軽に気軽に、メガネをかけるような感覚で使えるようになればいいなと思います。

今後、このような、頭に思い浮かべるだけで、自動的に音声を出力してくれる装置、アイテムが一般的になれば、過去にあった携帯電話の着メロのように、出力する音声を声優のものにしたり、ボーカロイドのように自分で調整した音声に変更したりとできる時代もくるかもしれません。要は、病気や障害の当事者のためだけのものではなく、広く一般社会に普及するほうが先にくるのではないだろうかと思います。病気や障害のある人、当事者向けにアプローチするよりも、ビジネスとして成立させるほうが、結果的に病気や障害のある人が利用しやすい価格帯になるからです。メガネを購入するくらいの価格になればと思います。






NHKとは別記事でコロンビア大学の研究でもこのような記事がありました
https://zuckermaninstitute.columbia.edu/columbia-engineers-translate-brain-signals-directly-speech

脳内を読み取りことばに変換 米研究グループが成功
2019年4月25日 9時13分
脳の中の電気信号を読み取り、話しことばに変換することにアメリカの研究グループが成功し、脳の障害などによってことばが出ない人とのスムーズな意思の疎通につながる技術として注目されています。
この研究成果はカリフォルニア大学のグループが24日、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」に発表しました。
研究グループは、脳内で出される電気信号を検知する装置を人に取り付け、数百の文章を声に出して読んでもらうことで、声に出す際に唇や舌、あごやのどを動かすのにどのような信号が関わっているかをAI=人工知能を使って詳しく解析しました。
そしてこの解析を基に脳内の信号を解読して音声に変換するコンピューターのシステムを作り試したところ、脳内の信号を基に100余りの文章を音声にすることができたということです。
文章によってはほとんどの人が正確に聞き取れたということで、研究グループは、脳の信号を読み取って文章を音声に変換することができたのは初めてだとしています。
研究グループは、現時点では限られた文章しか音声にできておらず、精度を上げる必要があるとしています。
ただ将来的には、脳梗塞の後遺症や、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALS=筋萎縮性側索硬化症などでことばが出なくなった人とのスムーズな意思の疎通につながる技術として注目されています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190425/k10011895801000.html

2019年3月31日日曜日

2019年4月2日の世界自閉症啓発デーTOKYOではスカイツリーが青くなる!?

2019年4月2日の世界自閉症啓発デーTOKYOはスカイツリーが青くなります。
実は東京タワーが設備点検・更新中のためライトアップできません。
しかしスカイツリーさんが青くしてくれるとのこと。
その他、東京都内の自治体建物。
有名な橋も青くなりますよ。

今年の世界自閉症啓発デーフライヤーにも
吃音とトゥレット症候群が発達障害であると説明されています。
障害種別による人権の上下や優劣をつけること、吃音至上主義による吃音者やその家族がが発達障害当事者や家族を差別する事例もありますが。まぜこぜの社会、障害種別により人権に差があるということがなくなるように。違いがあってもお互いを大切にできる日本社会になりますように。

※吃音者が行う差別、吃音至上主義思想についてはこちらを