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2017年10月29日日曜日

【記事紹介】「運転手は難聴」伝え 車内に掲示 

毎日新聞からこのような記事がありました。
難聴のあるタクシー運転手さんのお話です。
当初は、難聴であることをカミングアウトせずに勤務していた。
しかし色々とトラブルがあった。
その後、車内に「運転手は難聴です。大きい声でお願いします」という説明書きを
設置した。というニュースです。

過去のことになりますが。長崎屋(今はドン・キホーテグループ)
には1Fに聴覚障害のある人の洋菓子店があったことを記憶しています。
このお店も「聴覚障害者が働いています。紙で注文してください」というお客様に向けた、メッセージ、注意書きがありました。今も長崎屋には同じ形態のお店は入っているのでしょうか?

吃音にも共通しますよね。
・この店舗では吃音のある人が働いています。配慮をお願いします。
・私は吃音があるため、話し方がオカシイと感じるかもしれませんが。ふざけていませんし、からかっているわけでもありません。ご理解のほどよろしくお願いします。仕事はしっかりやります。
・吃音があり、どもることがあります。また吃らないようにいいやすい言葉を発話・発語するため、日本文化の一般常識やビジネスマナーとして話さなければいけないことを実行できない場合があります。失礼なこともあるかもしれませんがご理解のほどよろしくお願いします。
・私は吃音があります説明一覧を名刺と一緒に配布して、相手、お客様に理解してもらう。
・吃音者がコールセンターで働く時は、「この通話内容は録音しています という説明の部分に吃音のある人が応対します。」というメッセージを流すなど。

吃音の人にもこういった、吃音当事者側から、吃音者が勤務している企業団体側から対応してくれるようになれば良いですよね。吃音の無い人も「あっ。吃音のある人が働いているんだね。なるほどね。よし。わかった」となるわけですから。


「運転手は難聴」伝え 車内に掲示
毎日新聞2017年10月29日 12時30分(最終更新 10月29日 12時30分)
 「運転手は難聴です。大きい声でお願いします」。車に乗り込むと、そう書かれたプレートが真っ先に目に飛び込んできた。広島近鉄タクシー(広島市南区)では難聴の運転手が6人在籍し、うち2人が身体障害者手帳を持つ。利用客と円滑にコミュニケーションがとれるように運転手が難聴であることを6人が乗務する車の中に掲示して、行き先の聞き間違いなどのトラブルを防止しているという。【小山美砂】
トラブルが絶えず
 掲示を始めたのは昨年。7年以上同社で働く宗森登美男さん(62)が6年前、勤務中に事故が起きた際に突発性難聴を発症したのがきっかけだった。利用客を乗せて目的地に着き、後部座席のドアを開けたところ、後方から来た自転車と衝突。自転車の30代の女性がぶつかって倒れ、軽い打撲をした。事故の精神的なショックで難聴になったという。「ぼーっとして、警察官の取り調べの声も聞こえなくなった」と当時を振り返る。音がくぐもって聞こえづらくなり、補聴器を使って乗務するようになった。
 当初、客とのトラブルは絶えなかったという。行き先を聞き間違え、全く違うところへ向かった。何度も聞き直して客に怒鳴られたこともあった。その度に「すみません、耳が聞こえづらいんです」と頭を下げた。
 トラブルに悩んでいたころ、長男から「最初から難聴と分かるように掲示したら」と助言された。何度も聞き直して怒られた客に難聴であることを説明したら分かってくれたことも思い出し、客の目につきやすい助手席の後ろに掲示した。
 最初は広告の上に名札サイズで小さく掲示したが、客が気づかないことも多く、昨年から広告を全て外し、大きなプレートに変えた。客が乗り込むと、プレートを指さして難聴であることを説明する。宗森さんは、「難聴のことを事前に知らせることでお客様にもご協力いただける。仕事がしやすい」と効果を実感している。
2種免の門戸拡大
 タクシーやバスなど客を乗せて運転できる第2種免許について、宗森さんの聴力は道路交通法施行規則の基準を満たしている。より耳が不自由な聴覚障害者も、2016年の同規則改正で試験の聴力検査での補聴器の使用が認められ、同免許取得の門戸が広がった。これを受け、同社では障害の有無を問わない採用に積極的に取り組んでいる。仁山功臣(いさみ)社長は「障害の有無を問わない雇用を行う上で、運転手をフォローするために大切な取り組み。お客様のご理解が必要で、全国にもっと広がってほしい」と話す。
より慎重に丁寧に
 宗森さんは「プレートのおかげで助かっている」と笑顔で話す。人より聞こえづらい分、誰よりも慎重に丁寧に運転するよう心がけている。客の目を見て行き先を確認し、今日も広島の街を走り回っている。https://mainichi.jp/articles/20171029/k00/00e/040/209000c

2017年10月4日水曜日

吃音者と働く 職場で吃音者の合理的配慮がうまくいかないのはなぜか?

吃音者雇用ガイドラインです。随時バージョンアップします。
2017年10月4日NHKのハートネットTVで私たちの就活 —吃音とともに生きる— が放送されます。こちらは吃音者が吃音を持ちながら一般枠就労を目指すという内容です。このような吃音者の選択も良いでしょう。しかし合理的配慮がほしいという吃音者もいます。合理的配慮をするから精神障害者保健福祉手帳を持っていてほしい。法定雇用率に計算したいという企業団体や行政機関の採用担当者もいるでしょう。今回の記事は吃音者と職場側の『吃音の認識の違い、情報が共有されていない』がゆえに起こる課題について取り上げます。




―――吃音者の就職活動、吃音者への合理的配慮はニュースになるなど意識が高まっています 検索ワードでも増加してきました しかし大きな課題があった!

吃音者と働く、吃音者と働きたいと考える、企業団体や行政機関が増えてきています。
ここで大きな課題がわかりました。

発達障害者の就労移行支援をする人、障害者枠の採用担当、特に発達障害者の採用担当や職場内での合理的配慮を考える立場の人から、こんな声がありました。

『吃音者がどれくらい吃るのかわからない。面接のときに、私どもります。配慮してほしいと言われて、面接官・採用担当部署もそれを「わかった」というのですが…。そのあとがうまくいきません。』

『採用したあとに吃音当事者が、思ったよりどもる。吃音が中度・重度だったことがわかったのです。これでは仕事になりません。どうしたらいいですか?』


これについて筆者は色々考えました。
なぜ、うまくいかないのか?

1.吃音当事者が言う「私どもるんです。吃音があるんです」
2.面接官、採用担当が考えるまたは知っている吃音のイメージによる「この人どもるんだ。吃音者なんだ。まぁでも面接でも普通に話してるし大丈夫だろう」
この1と2が100%一致していないからです。


吃音者の認識している吃音というそのもの。



吃音 ← ここに認識の違いが生まれることによりトラブルになる。



採用側、雇用側が認識している吃音というそのもの



―――吃音当事者が言う「私どもりますから合理的配慮してください」と面接官や採用担当部署が理解している「吃音、吃るというそのもの」がどういう状態か完全に一致していない


吃音者は「私どもります。吃音があるんです。」
面接官、採用担当「大丈夫ですよ。」
この段階で吃音者は全てが受け入れられたと思い込んでしまう。
面接官、採用担当は、今は上手く話せているからいいか。

そうなのです。
たとえば、発達障害者が就職活動をする場合、エントリシートや履歴書の中に、『私の取扱説明書』、『私はこんなことが苦手ですリスト』、『してほしい合理的配慮・助けてほしいことリスト』などを別途準備してそれを提出します。文書化して見える化します。2018年現在、就労移行支援事業所によっては、就労移行支援事業所、採用側、当事者の間で合理的配慮事項を決定した書類を印刷して保存するという場合もあります。後々の言った言わない問題の回避や採用側(官民企業団体)に採用されたあと上司や同僚に説明する場合に必要、上司が変わった場合、異動した場合などの情報引き継ぎに使うためにも書面化するということです。

発達障害者向けの就労移行支援事業所であれば、就労移行支援事業所の環境がすでに会社という状態になっている場所もあります。上司役の人が数名いて、そのもとで利用者さんが訓練をするという形です。ここでリアルな現実に適応した就労訓練を行います。そこで利用者さんが「自分は何が苦手?何が大変?今日は何を注意された?今度はミスしないようにどういう工夫やアイテムを使う?困ったときは誰に相談する?職場の同僚(他の利用者さん)とはどう接する?上司へはどのタイミングで話しかける?メールで?電話で?言葉遣いは?」という実体験をしながら成長していきます。

利用者さんは実際の会社や職場が再現された環境で、自分の得意不得意を知り、失敗や困難な状況になるまえに避ける方法、アイテムの利用、スマートフォンアプリなどの利用、詳細な順番を書き起こした仕事手順書の作成、困ったときはわからないときは自分で判断しない上司に質問する。報告連絡相談をするということができるようになります。

それでも難しい、失敗してしまう場合は、私の取扱説明書で、「こういう場合、私はミスしやすいです。疲れやすいです。私がこんな行動をしていたらパニックになっているかもしれません。声をかけてください」といったことや「集中したいのでこういう場合は声をできればかけないでください」、「私は一人が好きなので、食事は一人でしたいときもあります。付き合い悪いなと思わないでください」、「感覚過敏があるのでイヤーマフを使っています。ノイズキャンセリングヘッドホンをしています。怒らないでください」などなど色々文章化して、面接官や採用担当者、採用後に働く職場に情報共有します。


上に書いたこと。これが吃音当事者には存在していないのです!!
これが存在していないが故に、面接官・採用担当者、採用担当部署もその後配属される職場も【吃音者がどもった場合にびっくりする】、【思ったより吃音が酷くて仕事にはならない(辞めるように仕向けるということも)】ということになっているようなのです。


この課題を解決するには【吃音状態がどの程度なのか?】を文章に書き起こす必要があります。尺度も必要になります。医療では吃音検査法という尺度があります。しかし働く現場環境を基準にした再現したリアルの尺度は筆者の知る限りありません。医学上の診断では、職場という常にいろいろなことが起こるかもしれない環境は想定されていないからです。
また吃音状態で吃る時に吃る事・発話発語の困難さ以外にどんな外見上の変化があるのか?相手におよぼす影響についても文章にしなければいけません。


―――吃音のこと、吃音状態がでると発話発語がどうなるのか?何秒間吃るのか?合理的配慮とは当事者も相手も「個々の人間ごとに個別の事例ごとに話し合い、お互いに一致した状態」をつくらないといけない 『私どもるんです』→『わかりました』が1番あぶない

・どのくらいの秒数吃るのか?どんな場面が吃りやすいのか?
まずは1番重要なところです。
吃音当事者ごとのどのような仕事・職務で吃るのか?『吃る時間』の見える化が必要になります。
発達障害者の就労移行支援事業所でも吃音者の就労移行支援の中でストップウォッチをつかって、吃る時間の計測が必要になるかもしれません。

●どもることによりどうなるのか?こういったことを見える化文書化すると良いかも
・●●な場面で■■秒吃ります。▲▲秒無音になります。(いろいろな場面を想定して過去を振り返り、文書化すると良い)
これが雇用する側、採用する側が1番知りたいことです。
吃る場面ごと、どれくらいの秒数吃るのか?
そこまで吃るなら発話発語にこだわる必要ないよね。テキストやメールでのコミュニケーションも使ったほうがいいかもしれないと選択肢を考えることができます。

・吃りながら唾液を飛ばしてしまう
だから、職場内でマスクを着用したいと申し出る。

・吃るとき、敬語よりもタメ口、友達言葉を使ってしまうかもしれない
こうなってしまった場合は、怒らないでほしい。触れないでほしい。自分でも悪いという感情はありますと申し出る。

・会社名、人名、お客様の名前、薬品名、モノの名前など言い換えができないときは吃ることがありますと申し出る。

・吃るとき、手足や頭、首が不自然に動いてしまうかもしれない。
このほうが発話発語しやすいのです。それを怒ったり指摘しないでほしい。こうなってしまう時もあるのでよろしくお願いします。

・吃らないようにするため歩きながら話すことがあります。
職場内を歩きながら話したり、壇上でスピーチや説明するときにスティーブ・ジョブズ氏のようにあっちこっちに歩き回りながら話すことがあります。



―――しかし、吃音者が合理的配慮を求める、自分の取扱説明書などなどの書類を就活で提出するとなると、一般枠での勤務は難しい(または一般枠で働くにしても法定雇用率に計算したいから障害者手帳はもっていてほしいと言われる)、障害枠での採用になるのではないか?という場面も想定される

発達障害向けの就労移行支援事業所では当たり前の説明なのですが。吃音業界では全く共有されていない情報です。

就職活動には、障害をオープンにして働く「オープン就労」、障害を持っていることを完全に隠して働く「クローズ就労」の二種類があります。クローズ就労の人でも精神障害者保健福祉手帳を持っている人はいます。クローズ就労の場合でも通院、服薬、ソーシャルスキルトレーニング、発達障害特性により仕事をミスしないようにいろいろなアイテムやアプリを使い頑張るという人もいます。頼りになるのは自分自身ということになります。

※クローズ就労の人でも精神障害者保健福祉手帳を取得できることを考えると、吃音者も吃音が軽度でも精神障害者保健福祉手帳を取得できることがわかります。医師がどうやって申請書類を書くのか?吃音の困りごとを理解しているかが重要になりますね。


オープン就労の場合は基本的に障害者枠採用になります。ただし、職場では合理的配慮をしっかりしてくれます。

クローズ就労の場合は一般枠で働きますが、苦手なこと失敗しそうなことがあっても、全部自分自身で解決しないとなりません。弱みを見せることはできません。

発達障害向けの就労移行支援事業所ではオープン就労の場合の履歴書の書き方、自分の取扱説明書などの書き方について丁寧に教えてくれます。しかしクローズ就労の場合、障害や病気、苦手なこと合理的配慮してほしいことは書いてはいけませんと指導します。もちろん書いていいのですが、一般枠でこのような応募者があった場合不採用になるということを就労移行支援事業所はよく理解しているからです。(このへんは今後変化してほしいとは思いますが、現実はそう甘くないようです。精神障害や発達障害を発見する採用試験がビジネスモデルになっている現状もあります)


さて、ということは。
吃音者も『吃る時間・吃る場面』を克明に文書化した私の取扱説明書を提出するということになれば一般枠採用が大変困難になるのではないかということになります。しかし吃音者は障害受容ができない人もいますので、障害者枠を受け入れないという場面もあります。今後、障害者雇用をする企業団体、行政機関、障害者就労を支援する団体、就労移行支援事業所、障害者向け就活サイトなどが吃音者の実態を知り、どうしたらいいか考えることも必要になるかもしれません。


以上 この記事はバージョンアップします。


関連記事
全文テキスト化 私たちの就活 吃音とともに生きる ハートネットTV
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2018/03/tv.html

2017年6月12日月曜日

【吃音Q&A】吃音は発話発語の障害 そして相手、聞き手の時間を奪う障害 吃音者への合理的配慮 障害者雇用か一般枠雇用か?

吃音は発語発話の障害だけではない
相手の、聞き手の時間も奪ってしまう、消費されてしまう障害だ。

関連記事 【随時更新 吃音Q&A】人事採用担当者の方へ 吃音者雇用ガイドライン 働く吃音者への合理的配慮とはなにか? 吃音者を採用する場合はどうしたらよいのか? 吃音者採用事例 雇用事例について

吃音業界とは関係のない人からの貴重な意見です。
発達障害児者当事者会や発達障害児者の診療をする医療従事者、支援者、就労移行支援事業、障害者就職転職エージェントなどからの新たな視点です。当事者研究方式や障害に関係なく、吃音業界と全く関係のところからは吃音業界がハッと思う意見が飛んできます。筆者もこれを指摘されたときは最初は理解できませんでしたが。たしかに自分が吃音者ではなければそう思っても仕方ないなと気付きをえました。


吃音とは吃る障害である。そう。それで正解です。私たち吃音者もそれはそうだと考えていました。

しかし、他の障害者や医療従事者、支援者、就労移行支援事業の職員、障害者枠就職転職エージェントからの新しい意見がありました。


「吃音のある人って100%吃りながら話すのを最後まで待ってほしい!と合理的配慮を要求してくる人いるけど。それって無茶だよね。お互いの歩み寄りや落とし所というのを無視している発言ともとれるよね」

「合理的配慮ってお互いに話し合ってどこまではできて、ここはできない。合意形成も必要だよね」

「相手や聞き手にも仕事はあるのだから、無理に話すことにこだわらなくてもいいよね。コミュニケーションツール、手段は色々あるのだから。吃ることにこだわりを持つのはなぜなんだろう?」

「100%吃りまくるから、私の発言を全部待ってというのは正直に言って無理だと思う。逆の立場だとどう思う?」



厚生労働省が合理的配慮のガイドラインを公開しています

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000083347.pdf

(4)過重な負担
○ 合理的配慮の提供の義務は、事業主に対して「過重な負担」を及ぼすこととなる場合を除く。事業主は、過重な負担に当たるか否かについて、次の要素を総合的に勘案しながら個別に判断する。
① 事業活動への影響の程度、 ②実現困難度、 ③費用・負担の程度、
④ 企業の規模、 ⑤企業の財務状況、 ⑥公的支援の有無

○ 事業主は、過重な負担に当たると判断した場合は、その旨及びその理由を障害者に説明する。その場合でも、事業主は、障害者の意向を十分に尊重した上で、過重な負担にならない範囲で、合理的配慮の措置を講ずる。


吃音者が話すことを、発話発語を吃りまくって吃り倒すのを話相手、聞き手は最後までずっと黙って聞いていないといけないの?

① 事業活動への影響の程度
吃音者が「私はドモリなんだから、吃りまくるからよろしく。絶対に私の言いたいことを先取りしないでね。言いたいことを「これのこと?」とか割り込んでこないでね」

こんなケースもこれから出てくるでしょう。

事業活動へはどの程度の影響を与えるでしょうか?
定型発達者、健常者が報告連絡相談などを上司に終える時間が1分とします。
しかし吃音者は吃りまくりで3分毎回かかるとします。
これは事業活動への影響がでると考えられます。
筆者も過去に採用担当者から言われたことがありますが、「トヨタ生産方式って知ってる?ジャストインタイムって知ってる?ムリムダムラの排除って知ってる?キミの話し方って時間のムダだと思わない?」と言われたことがあり何も反論できませんでした。

確かに時間は大切です。仕事場、ビジネスでは時間は重要です。何時までにあげないと、完了させないといけない仕事は吃音当事者にもありますし、話の聞き手も同様です。お客様だって早く目的を用事を達成したいと思っているはずです。吃音で吃ることによりロスタイムがどんどん増えれば、その分、1日の想定された就業時間が延長することになります。


たとえば0.1秒や1秒で命が危ない仕事や危機管理や危機回避が必要になる仕事もそれです。陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、警察官、皇宮警察、消防士、救命医師、救命看護師、旅客業のパイロット、航空管制官などです。0.1秒1秒の単位で状況が一変するような仕事は吃音者のどもってしまう時間が影響します。

公共交通機関など運転手や駅構内で安全確認、アナウンスや乗降者確認をする場合もそうです。「ドアしまります、駆け込み乗車はおやめください」などが「どどどどどどどっどどどっどア閉まります。かかかかかかかかかかかかか駆け込み乗車はおやめください」となると電車の発車時刻に影響がでます。

自衛隊では吃音者を不採用疾患として公開しています。それに近い職務である警察官や皇宮警察も公開されていないけれど採用時の暗黙のルールがあるかもしれません。

これは別記事でも書きましたが。
自衛隊がダメなら警察や消防なども本音と建前ルールがあるかもしれません。
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/11/blog-post.html
吃る時間が自分だけではなく、相手やお客さん、一般市民の「生命の危機」に影響を与える職業も吃音者は難しいでしょう。吃ってしまうその一秒一秒が危機につながる場合です。そう考えると銃火器など武器を使用する仕事、緊急救命医師、外科医なども吃音者には難しいかもしれません。ドクターX大門未知子が手術中に吃ってしまい、手術時間に影響を与えたら患者が死ぬかもしれません。技術があって失敗しなくても、時間経過に勝てないのです。
警察や自衛隊が「とまれ!撃つぞ」という警告をするにしても、吃ってしまい警告する時間に影響を与えて、危機回避できない場合もあるかもしれません。

例えば防衛省の防衛省訓令第一号があります。航空身体検査に関する訓令です。ここでは「不合格疾患等」という項目に一般に言われる自閉症などの発達障害、吃音や気分(感情)障害や既往歴が不合格の基準として明記されています。海幕衛第8931号は海上自衛隊の身体検査です。こちらでも不合格疾患として「精神と行動の障害」、「吃音」が明記されています。陸上自衛隊達第 36―1号は陸上自衛隊の身体検査です。こちらでは具体的に吃音という項目はありませんが「脳神経・精神」の検査項目があります。
このような検査を見れば、行政職員でさえこのような基準があるなら、民間でも存在するはずだ、いや表向き存在しないとしていても裏ではあるはずだろうと思います。2013年に北海道で自殺した吃音者も警察官になりたいという夢があったとのことでしたが、どうしても面接で落ちてしまうことを繰り返したそうです。警察内部の採用活動基準については不明ですが、自衛隊でNGなら警察や消防でも難しいのではないかと思いました。
他にもこのような研究報告が独立行政法人労働政策研究・研修機構から発表されています。
吃音で困っていても、適切なソーシャルワークや、支援機関につながることができず、困難な状況に陥っているようです。

NHKのプロフェッショナル 仕事の流儀「真夜中の東京スペシャル」でも消防士の人がこのような貴重な発言をしている。吃音者だと難しいかもしれない。
http://www.nhk.or.jp/professional/2017/0227/index.html
「1秒で助かる命、亡くなる命」
東京の下町、葛飾区。ここにも夜を駆ける1人の男がいる。本田消防署一部大隊長、八巻信也(57)。消防一筋38年、この道のスペシャリストだ。八巻は消防隊の指揮官、80名からなる隊員たちはその号令1つで動くことになる。担当する葛飾区は、古い木造住宅がひしめく下町。年間150件もの火事が起こる都内有数の火災多発地域だ。この消防署の隊員たちに徹底されているのは、スピードだ。どんな夜中でもひとたび出場命令が下れば、彼らは1秒を争い消防車に乗り込み、1分以内に飛び出していく。
八巻は言う。「スピード、スピード、スピード。安全なんてのは当たり前。1秒たったら燃えなくてもいいものが燃えちゃってるかもしれない、1秒早けりゃ助けられたかもしれない、1秒遅くなったら死んでしまうかもしれないっていう。私は災害ってそういうことだと思ってるんですよね」
八巻はいつでも走る。大隊長という立場ながら、火災現場では煙の中に飛び込み火元を確認し、周囲を走り回り、延焼の危険を察知し、消火指示を出す。一旦、鎮火と要救助者がいないことを確認すれば、すぐさま消防車の撤退を決め、新たな火災に備えさせる。全ては「1秒のため」だ。
基本の勤務は朝8時半から翌朝8時半までの24時間。心休まる時間などない。八巻たち消防隊員は1秒でも早く災害に対応できるよう、神経を研ぎ澄まし、準備をしている。
そして1か月半にわたる密着取材で見えてきたのは、消防の仕事の多様さだ。火災はもちろんのこと、水難事故、孤独死の現場、そして電車への飛び込み事故など、私たちの生活で起きるあらゆる災害に彼らは真っ先に駆けつける。命の可能性がわずかでもある限り、救助活動を行うのも消防隊員の任務なのだ。しかし、助けられる命よりも亡くなってしまう命に立ち会うことの方が圧倒的に多い。八巻は、そんな現場の最前線に38年居続けている。そして最後、自分の信念をこんな言葉で表現していた。
「かけがえのない命というのは多分消防をやっていれば、意味がわかると思います。命は1回なくなっちゃったら、無になってしまう。取り返しのつかないもの。だから助けなくちゃいけないんでしょうね。自分たちが助けられるなら、助けなくちゃいけない」

このあたりを読むと、吃りまくる、100%吃るから話し終わるまで待ってくださいと合理的配慮を要求してくる吃音者は難しい事例だと思われる。 ① 事業活動への影響の程度はとても大きい。命の現場に、治安維持や戦争状態、災害救助での吃音者の吃るという発達障害特性は難しいかもしれない。

工場などでも同様です。
指差し安全確認。
後ろ通ります。
XXXを補充します。
XXXを運びます。
などなど、意外に声出し、発話発語しなければいけない部分は多い。
ホウレンソウも1秒でも早く終わらせないと、自分の作業も同僚や相手の作業も遅延することになる。

吃音のアナウンサーがいて、常に吃りまくってニュースを読んでいるのもダメだろう。
これは聞き手、視聴者も時間を多く消費してしまう。また、時間通りに番組が始まって時間通りに番組が終わらないと、毎日の放送予定がどんどんズレてしまう。

「おはようございます。おはようニュース日本です」

「お お お お お お お お お お おは おはようございます。お、お、お、お、お、おはようニュース日本です」
となってしまっては時間消費という視点からだと、朝の忙しい時間にニュースを素早く聞きたい視聴者のほうから困りごとが発生してしまう。

②実現困難度
実現困難度はどうだろうか?
これはとても簡単だ。吃音者が吃って話しているのを黙って聞いていればいいだけである。実現困難か?と言われれば待つことはできる。だが事業活動に影響がでるという視点が絡むとそうではないかもしれない。

③費用・負担の程度
これは全く問題ない。
吃音者への合理的配慮の場合、施設を改修する、バリアフリー化するということは必要ないため大きな費用・負担はそもそも発生しない。(吃音者のために発話発語以外のコミュニケーション手段、パソコンやタブレット、ブギーボードなどを準備するなら少額ですが費用負担が考えられます)
吃音者が吃りまって話すのを待つ時間がもったいないという視点ならばこれは問題になるが……。

④ 企業の規模
例えば企業の規模が大きく部署ごとに部屋ごとに職務ごとに携わる人間が多い企業規模ならば障害者支援担当職員がいたり、大企業ならば、障害者とはたらくには?企業内ガイドラインが作成されている場合もある。

しかし、中小規模ならばそれはどうだろうか?
あまり合理的配慮をするだけの時間や人員が足りないということも出てくるだろう。


⑤企業の財務状況
こちらも中小企業や大企業で変わってくる。
吃りまくる吃音者を説得して、筆談やチャットやEメールを利用してほしい。ブギーボードを購入するとか、タブレットを購入するとか、そのような対応はできる。
受電する架電する電話機の自動音声に「この電話は吃音者が架電しています。受電しています。話し方が変でも気にしないでください」などの音声を入れることは簡単だろう。

接客業や受付だったとしても、「お客様へ 弊社では吃音者が働いています。吃ってしまうこともありますが、ご理解よろしくお願い致します」など目に見える部分に注意書きや看板をたてることはできる。下のリンクのようにスターバックスコーヒーではこのように聴覚障害のある人が働いていますよ。という掲示を行うという事例もある。

がしかし。吃音者は「吃音は障害じゃありません。発達障害や精神障害と一緒にされては困ります。あんな人たちとは一緒にされたくないです。接客の際も店舗内に掲示はしないでほしい」という人もいるので注意が必要です。吃音至上主義という差別主義があるのです。

関連記事 吃音至上主義とはなんですか?どんな差別ですか?


 外部リンクTwitterから
スターバックスでは聴覚障害のある人が、聴覚障害のあることを明かす、または掲示 している。https://twitter.com/i/moments/804168140594630656?lang=ja




吃音者の中には発話発語の際に唾液を飛散させて話す人もいるので、「弊社では吃音者が働いています。マスクの着用をしています。ご理解よろしくお願い致します」という掲示もあるかもしれない。マスクの費用はあまり大きなものではないはずだ。

吃音者への合理的配慮はエレベーターが必要だ。スロープ設置が必要だということではないので、そこまで巨額の費用は発生しないと考える。


⑥公的支援の有無
吃音者を支援するための人員やサービス、補助金などがあるか。
吃音者を限定しダイレクトに支援する人員配置や就労移行支援事業サービスは今のところないと思います。吃音という発達障害は合理的配慮事例や企業団体で働いている場合の事例が極端に少ないのです。吃音がありながらもどもりまくって働いていますという美談はよくありますが。真実かどうかはわかりません。もしも真実なら吃音者が入社しやすい働きやすい企業ランキングなどが作成されるはずです。

しいて言えば、就労移行支援事業所の職員、ハローワーク、ジョブコーチなどが企業団体、公的機関の一緒に働く人の間に入って、困りごとや合理的配慮の相談。トラブルになった場合の解決などには入ってこれるでしょう。

公的支援の一つ、障害者の社会参加のために障害者の法定雇用率があります。
吃音の場合は発達障害者支援法により精神障害者保健福祉手帳を取得できる可能性があります。これにより吃音者を障害者枠で採用し法定雇用率に計算することもできます。しかし、吃音を診療できる医師、耳鼻咽喉科医師、精神科医師が少ないため手帳申請が困難という事例があります。吃音者を採用する官民にかかわらず企業団体の人事部採用担当者は『吃音に対して合理的配慮を提供するから、法定雇用率に計算したいな』という本音を持っていることもあるでしょう。しかし吃音当事者には吃音は障害ではないと思っている人もいるため、正々堂々とどもりながら私は吃音がありますと一般枠採用に応募してくる場合もあります。人事側の本音としては法定雇用率に計算したいという部分が吃音者や吃音業界ではそれを受け入れないという人も数多く存在します。
吃音で吃ることは聞き手、相手、お客さん、職場の仲間の時間を奪ってしまうという新しい視点は今後どうなるか?
吃音者が吃ることは相手、聞き手の時間を奪ってしまうこと。
こんな視点がでてくるのは吃音とは関係のない人と話し合うことの良いところです。
公的機関や企業団体の人事部、人事採用担当者、就労移行支援事業などでもこれからは重要な合理的配慮合意形成の手順になると思います。

私は吃音者だ!!吃って何が悪い!!という吃音者もいれば
私は吃音があるけど、たしかに聞き手の人の時間も大切だよね。このへんを落とし所にしたい。言葉の先取りや私の言いたいことを推測してくれていいですよ。筆談やチャットも利用しましょう。という吃音者も出てくるだろう。

就労移行支援事業の職員や学校の進路指導、キャリアセンター、就職支援課などなども採用する側の本音と建前の情報収集が大変になるだろう。場合によっては吃音者が障害受容や歩み寄りをするように一緒に考えるということも必要になるかもしれない。

就職する就労する吃音者もこの問題を真剣に考えないとならない。
私は吃るので、私が吃っているときは邪魔せず黙って聞いてください。最後まで待ってくださいという合理的配慮を要求したほうがいいのか?
それとも相手側採用側、人事担当者とよく話し合い。どこまでの合理的配慮が可能なのか、歩み寄り、落とし所を決めるのか?
どのような姿勢ならば一般枠や障害者枠で採用されやすいのか?ということもよく調べて研究しなければならない。

吃音者を採用する場合。吃音は軽度でも精神障害者保健福祉手帳3級が取得できることの情報共有、見える化も今後よりいっそう必要になることでしょう。

2017年6月9日金曜日

秋田県由利本荘市 地域おこし協力隊の合格者が後に精神障害者保健福祉手帳所持者とわかった後に合格取り消し

精神障害者、発達障害者、吃音者、精神障害者保健福祉手帳を持っている人にはとっても影響がありそうなニュースが秋田魁新報社から報道されました。

就職活動では障害者手帳を持っている場合ははじめの段階で打ち明けないといけないという意味なんですね。その人のありのまま姿ではなくて、精神障害者保健福祉手帳を持っているかいないかが重要ということなのかもしれません。そもそも障害者手帳を事前に見せなくても、面接で、その状態の男性を判断して合格にしたのだから、本当の意味の、事前情報無しのありのままの男性をみて合格にしたのに。不思議だなと思います。

発達障害児者にもこのニュースは影響ありそうです。そもそも身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っている人は「それを隠してはいけない」ということかと。

また、恐ろしいのは由利本荘市が弁護士と相談した結果として、病気や障害があることを隠して面接に望む、就職活動をするのは虚偽申告にあたるとしている点です。障害者であることろクローズにして働いている障害者には困りますよね。


例えばこれが「話して吃ればバレる吃音者」なら、雇用先の業務命令という形で指定の医療機関で障害や病気がないか診断してもらいなさいということにもつながりますよね。業務命令だから逆らうとペナルティになるし、かと言って病院に行って障害や病気がありますねと言われて、それを報告すれば、配置転換や障害特性に不利な業務を押し付けられて、能力不足による通常解雇という伝家の宝刀を使われそうです。

ただ、改正した発達障害者支援法では、「能力不足による通常解雇をする前に、その人の障害を合理的配慮したのか?」ということで争えるようになったため、裁判では有利です。発達障害支援法改正の10条の雇用管理がそれにあたります。これにより発達障害特性を利用した苦手な業務に配置転換して当事者を蹂躙して血祭りにあげる行為に対抗できることになってはいます。

このニュース秋田魁新報社以外にも大手新聞社が報道してほしいと思います。



◆発達障害者支援法改正後の10条

(就労の支援)
第十条  国及び都道府県は、発達障害者が就労することができるようにするため、発達障害者の就労を支援するため必要な体制の整備に努めるとともに、公共職業安定所、地域障害者職業センター(障害者の雇用の促進等に関する法律 (昭和三十五年法律第百二十三号)第十九条第一項第三号 の地域障害者職業センターをいう。)、障害者就業・生活支援センター(同法第二十七条第一項 の規定による指定を受けた者をいう。)、社会福祉協議会、教育委員会その他の関係機関及び民間団体相互の連携を確保しつつ、個々の発達障害者の特性に応じた適切な就労の機会の確保、就労の定着のための支援その他の必要な支援に努めなければならない。
2  都道府県及び市町村は、必要に応じ、発達障害者が就労のための準備を適切に行えるようにするための支援が学校において行われるよう必要な措置を講じるものとする。
3  事業主は、発達障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の発達障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。




http://www.sakigake.jp/news/article.jsp?kc=20170609AK0005&pak=1&pnw=1&ptxt=%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85&psel=&py1=&pm1=&pd1=&py2=&pm2=&pd2=

 秋田県由利本荘市が、4月に市地域おこし協力隊に合格した長野市の男性(42)の採用を、雇用期間が始まる前に取り消していたことが8日、分かった。男性が精神障害者手帳の交付を受けていることを事前に伝えなかったことなどが理由。市は「弁護士とも相談しており、適切な対応だった」としている。

 市や男性によると、男性は3月、地域おこし協力隊に応募。書類選考と面接試験を経て、4月13日付で合格通知が送付された。雇用期間は6月1日から2018年3月末までだった。男性は5月9日に事前の打ち合わせで市を訪れた際、うつ病で精神障害者手帳を持っていることを初めて担当者に告げた。この報告を受け、市は同日、採用取り消しを決め電話で伝えた。

 その後、市は合格取り消しに関する通知を送付。理由は
・募集要項にある「心身が健康」という点に大きな懸念がある。
・履歴書や面接の際、身体不調などの情報提供がなく、虚偽の書類提出があったとみなされる。
・事実を隠そうとした行為であり、相互の信頼関係維持に負の影響がある―
の3点を挙げた。

 男性は「医師と相談し、服薬しながら日常生活を送っており、健康面で特筆すべき事項はない」と強調。「障害の情報をあらかじめ示させて合否の材料にするのは障害者雇用促進法に違反する。障害者手帳は自ら見せており、虚偽の意思もなかった」などと反論している。

 市はきょう9日から地域おこし協力隊を再募集する 
(喜田良直)

2017年6月7日水曜日

新卒前に学生の身分で公費負担利用できる就労支援は今後必要になるか?

日本の社会保障制度だと、18歳未満までが児童と定義されていること。18歳と20歳という「空白の問題、狭間の問題」が取り上げられます。

今回はこのことではありません。
2017年現在、精神障害、発達障害(吃音も含まれる)の雇用、人事業界でいわれている。
「精神や発達障害の人を雇用する場合は、必ず障害受容ができていて、病院に通院している、就労移行支援事業所に通所している、のちのちトラブルがあっても就労移行支援事業所が間に入ってくれる」などの条件を満たした人を最低限の採用ラインにしなさいという説明です。

吃音業界の人々には信じられないことだと思いますが、このようなことは人事業界向けの勉強会や講演会、障害者雇用の採用側に向けた勉強会などでは必ず言われることです。その他にも1%でも合理的配慮を求めるならば、障害をカミングアウトしてくるなら障害者手帳を所持していてくださいね。という暗黙の了解もあります。結局、お客様ではない、お給料を貰う立場になると障害者差別解消法よりも優先されるモノがあるということになります………。(この価値観がもっと変化してほしいところですが)


さて、今回この人事業界の空気の中に、新しく「発達障害の学生は新卒採用する価値がないのではないですか?大学が就労移行支援事業所と同様の訓練をしているなら別ですけど、新卒で採用した発達障害学生を弊社のお金と時間と人を使って訓練するのは正直勘弁してほしい」という人事業界の新しい考えがでてきたことです。


しかし、じゃあ、大学生向けの障害福祉サービス受給者証を利用した就労移行支援事業のメニューと近いものはあるのかな?とインターネット上を検索してもそのようなものは出てきません。受給者証を利用しない、自費の形のサービスならば大学生対象がありました。自費なので保護者などの銭闘力が大切かもしれません。機会の平等から言うと受給者証は使いたいところです。何か理由があるのかもしれません。

株式会社kaien ガクプロ
http://www.kaien-lab.com/gakupro/univ/



企業団体、公的機関の人事部、採用担当が求める発達障害学生になるには?

発達障害があっても大学生時代から就労移行支援事業所と同様のレベルの訓練などを安心安全な場所で実際の職場に近い環境で失敗できて、自己認知、自己覚知やら障害受容をすること。経験により危機回避判断や状況判断、報告連絡相談のタイミング、ダメージコントロールなどを学べたほうがいいのではないかと思います。社会人になってから職場でフルボッコにされて二次障害を発症して自主退職に追い込まれるという悲しい事例は発達障害業界では頻繁に出てくる話です。

しかし大学内部に就労移行支援事業所を作るのはお金の都合上難しいでしょう、上記したkaienのような既存の発達障害に強い就労移行支援事業所が、大学生という身分で障害福祉サービス受給者証を利用して格安で利用できればいいのですが。学生時代から就労移行支援事業所を利用してしまうと「2年間」しか使えない、日数が減ってしまうことにもなります。となると政治のほうで立法措置で専門学校、短期大学、大学、大学院に所属している新卒就活前の2年間は、社会人になってからの2年間には計算しないという運用を考える必要がありそうです。

吃音のある学生の支援困難事例が独立行政法人で公開されている
他にもこのような研究報告が独立行政法人労働政策研究・研修機構から発表されています。吃音で困っていても、適切なソーシャルワークや、支援機関につながることができず、困難な状況に陥っているようです。

・若者サポートステーションなどに訪れるクライエントの中に吃音がある人がいる。
このような人は就職困難者である
http://www.jil.go.jp/institute/siryo/2013/123.html

・大学4年生に未診断の発達障害??、および吃音の学生がいるがどうしたらいいのだろうか?
障害受容はどうなっているのか? 
http://www.jil.go.jp/institute/siryo/2015/156.html


都内の大学によっては、新1年生から発達障害学生を発見するためにプレッシャーをかける場合もある

都内のX大学だと、新1年生のときに、同時並行作業や複数とコミュニケーションしないといけないガイダンスやら共通科目やらを設定して、就職活動と卒業論文と場合によってはアルバイトをしているような状況を経験させて、早めに本人に「気付きをもってもらえれば」という取組をしているところもあります。就活と卒論時期に壁にぶち当たって潰れる前に、新1年生という安心安全な環境での失敗をして気づいてもらうという形ですね。そしてできれば支援や援助につながってほしいという考えだと思います。

総合力が試される、教育改革 発達障害児者はゲームオーバーでは?
文部科学省は2018年から2022年ころまでに学習指導要領の改訂をおこなっていきます。
とくにここで重視されるのはペーパーテストや学力のみではなく。総合力、考える力、モノゴトを色々な視点で見ること、アクティブラーニングなどが重要視されることになります。

と、ここで大変なのは発達障害児者です。
学力だけで突破していけた発達障害児者が、ここで躓く可能性が高まるのです。
高等学校までは発達障害があってもなんとかなるかもしれませんが…。大学入試だと「総合力」がないと合格できない可能性も高まります。大学入試一般枠と大学入試障害者枠なんてモノがでてきたらどうしよう。大学の卒業証書も一般枠卒業と障害者枠卒業なんて区分されたら怖いなと感じるところです。

いずれにせよ、親、保護者の声、支援者の声を届けていかないといけない。現時点ではまだ実際に運用されていないのでどうなるのか未知の世界

企業団体や公的機関が発達障害者に求めるレベルは年々高くなってきていると思います。とくに大学新卒の段階で就労移行支援事業所と同じレベルの訓練を受けている人がほしいという本音がでてきているところから邪推すると。現在公的機関や民間企業には、運良く筆記試験や面接試験を突破したが採用後にトラブルがあった発達障害者いたのではないか?社内ニートや窓際族になっているのではないか?それを防ぐために、もっと大学段階や高校、中学、小学校時代でなんとか発達障害の早期発見早期療育につながらないのか?という意思もあるのかもしれません。発達障害児者のお父さん、お母さんも「自分の働く組織にうちの子どもがきたら絶対に採用されない。なんとかせねば」という感情もあるかもしれません。

特に2018年の精神と発達障害の法定雇用率のことで、人事業界はよく言われる「即戦力の発達障害新卒学生」を求めだしたわけですから。新卒で就活する学生も低額な負担と公費負担で就労移行支援事業所に通所できるようにならないといけないと思います。
就労移行支援事業所以外にもハローワークやサポステや職業訓練校との連携も必要になるでしょう。

採用する側、雇用をする側がそのように武装や採用条件を暗に示してくるとなると、発達障害児者の親、保護者は支援者は団結してこれらと戦う方法を考えたり、採用する側の本音を聞き出して、じゃあそれを解決するために、歩み寄るために、こういった社会保障制度やら就労移行支援事業やらを法律で制定してよ!直接政治に訴える、動く可能性もあるかもしれません。発達障害があるままでも仕事や生活ができる社会に変化してほしいと情報発信することも必要になるでしょう。訓練やら何やらして健常者の言う、健常者の作ったルールに近づいている、歩み寄っている発達障害者が良い発達障害者だというのもなんだか奇妙だと感じます。

吃音業界もこれに乗り遅れないようにしないとなりません。吃音業界と発達障害業界との連携、または融合が必要になるでしょう。

2017年6月6日火曜日

吃音者・吃音のある子どもは就労移行支援事業所や放課後等デイサービス何を基準に選択すればいいの?

吃音のある人。
吃音のある子ども。

障害者基本法や障害者総合支援法、発達障害者支援法によりさまざまな社会保障制度を申請すれば利用できることになっています。障害者手帳がなくても障害福祉サービス受給者証で受けられる就労移行支援事業や就労継続支援、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援などなどがある。もっとたくさんあるが割愛する。

就労移行支援事業所や放課後等デイサービスを選択する上で重要なこと。これはとてもシンプルです。その団体が「有料職業紹介事業許可番号」、「指定障害福祉サービス事業者」を持っているかどうかです。このような許可や免許を持っているのか確認しましょう。

このような許可や免許がなぜ必要なのか?
それは一定水準の支援する内容やメニューの基準を満たしていることの証明にもなります。就労移行支援事業所を開所する際の建物の条件や個人情報保護、職員の質や経験、安全安心の担保にもなります。何かトラブルが起きると苦情申し立て制度があります。第三者評価もあります。また、就労移行支援事業所や放課後等デイサービスを利用するのは基本的に無料または所得に応じた低料金で利用できます。

就労移行支援事業所は当事者は2年間しか使えません。
2年しか使えない制度だからこそ、はじめから実績のある就労移行支援事業所に通所したいと考えるはずです。吃音者や発達障害者向けの就労移行支援事業所であれば、
どのくらい、通所した卒業生が就職できているのか?
継続して長期で働いているのか?
正社員に転換されたのか?
卒業後も相談できるのか?
企業団体の人事採用担当者と太いパイプがあるのか?
どのような発達障害者なら雇用したいという本音を理解しているのか?
それが就労移行支援事業所の訓練にもいかされているのか?
ハローワークや障害者就職転職サイトに掲載されていない独自開拓求人を持っているのか?
XXXXXという発達障害の就労移行支援事業所さんなら積極的に雇用したいという採用側雇用側で良い評価が流れているか?
などが重要でしょう。2年だけ、就労移行支援事業所に通所してもらって、事業者が儲かればいいや的な就労移行支援事業所に通所してしまうことは人生の時間のムダになってしまいます。

吃音の就労移行支援事業所の場合は企業団体などの採用、人事の人がどのようなことを考えているのか?吃音についてどう思っているのかを理解していないといけません。

例えば「面接は特に重要ではない」、「話さない仕事でもしっかりやってほしい」、「話したい・話す仕事をしたいと無理をいう吃音者は避けたい」など色々な本音があることがわかってきています。吃音者はとくに面接練習を重ねるという場合がありますが。面接よりも入社後にどのようにコミュケーションすればいいのか、発話発語以外に筆談やメールやテキストのアイテムをつかったほうがいいのか、どうしたら吃音者と雇用する側が円滑にコミュニケーションできるかを重要視しています。このあたりも吃音者と雇用する側のミスマッチと言われています。

吃音者には現在、『吃音を持っているからという理由で、できない職務や職業があるのは差別だ!』と発言してしまう吃音者もいて、そういう人は採用されないのです。雇用する企業団体側が「これをやってほしい。こちらを真剣に職務として遂行してほしい。たしかに裏方というか会社を土台で支える仕事かもしれないがこれも仕事だよ」と説明しても、吃音者側はそれに歩み寄らずミスマッチになるため不採用通知が出ることになります。

ここらへんの企業団体が求める障害者という部分は吃音業界だけの問題ではないので、吃音以外の発達障害児者と協力して、考えていくことが望まれます。例えば発達障害がありのままでも仕事ができるような未来が今後あるかもしれません。

ただ、現時点の就職活動は雇用する側、採用する側の「してほしいこと」への歩み寄りが大切となっています。過度な自己主張をする就職希望者というのは一般枠でも同様ですよね。「あーそういう仕事したいなら、弊社では無理です。よそへ行ってください」と腹の中で思われてしまえば不採用通知がでてしまうのと同じですね。


放課後等デイサービスは事業者によってさまざまです。2017年1月厚生労働省はとても質の低い悪い放課後等デイサービスのことを問題にしています。テレビ番組をずっと見せ続ける放置療育など驚愕の事業者が存在したようです。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06H86_W7A100C1CR8000/ 

現在、放課後等デイサービスを保護者が評価する口コミサイトなどがありますのでそちらを利用してもよいでしょう。

就労移行支援事業所、放課後等デイサービスに共通することですが、第三者評価をもっと頻繁に行っていくべきだと思います。




2017年現在、吃音者の就労移行支援をうたう団体がでてきましたが。
確認する限り許可や免許は持っていません。利用料も発生しています。

また、利用者さん、大学生などに「利用料」を支払わせている場合もあります。
通常、行政の認可を得ている団体なら「利用料」は発生しません。これは2013年から2015年ころ東京で流行した「発達障害者ビジネス」と共通するところがあります。発達障害者を食い物にしたり、個人情報を集めたり、ネットワークビジネスに誘ったり、病気や障害を治すという(もっと高額な)民間療法や自然療法やセミナーを案内するための入り口であったり、宗教勧誘であったり……。色々なことがありました。現在東京ではそのような危ないビジネスがあるということが発達障害の当事者や保護者に認知されてきておりそのような募集は減っていると思います。募集をしても人が集まらないということです。

2017年1月20日金曜日

失語症と吃音の障害者手帳格差について考える 失語と吃音の当事者団体などは協力したほうがいいのでは? 吃音は失語症よりもとても有利な現状

みなさんは失語症をご存知ですか?

失語症は高次脳機能障害の1つとされています。(高次脳機能障害と失語症は別だという情報もあります)

慶應義塾大学病院医療・健康情報サイトによるとこのようになっています。失語症の説明も含まれています。
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000269.html

私たちは、朝起きて特に手順など何も考えずに着替えを行い、いつもと同じ道順で職場に行き、様々な仕事で周りの人たちと会話を行い、仕事の計画を立て、それを実行するといったことを行っています。これらは意識して行うこともありますが、こっちの手を通して次に頭を通してなどと着替える順序を考えることは普通しませんし、いつも通っている道を次は右に曲がってその次の信号を左に・・・と考えることもしません。これらの動作は頭の中で無意識の思考として蓄積され必要に応じて適切に引き出されているのです。
高次脳機能では、これらの頭の中での思考過程・記憶・注意能力などが傷害されることにより様々な障害を呈します。高次脳機能障害は脳に傷を受ける病気・怪我であればすべてに起こる可能性があります。その中でも比較的多く見られるのは脳卒中や脳腫瘍、頭部外傷、低酸素脳症、パーキンソン病、神経の変性疾患などです。
高次脳機能障害は大脳の知的活動をつかさどる部分での障害であり、様々な症状の総称です。そのため、言葉や物事認識・理解力の低下などが起こります。ここで比較的遭遇しやすい症状について説明します(図1)。


原因は交通事故や脳卒中などにより、脳に損傷を受けることです。さまざまな症状があらわれます。

国立障害者リハビリテーションセンターの高次脳機能障害情報・支援センターによるとこのようなものが説明されています。

http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/rikai/
記憶障害
・物の置き場所を忘れる。
・新しいできごとを覚えられない。
・同じことを繰り返し質問する。
注意障害
・ぼんやりしていて、ミスが多い。
・ふたつのことを同時に行うと混乱する。
・作業を長く続けられない。
遂行機能障害
・自分で計画を立ててものごとを実行することができない。
・人に指示してもらわないと何もできない。
・約束の時間に間に合わない。
社会的行動障害
・興奮する、暴力を振るう。
・思い通りにならないと、大声を出す。
・自己中心的になる。
これらの症状により、日常生活または社会生活に制約がある状態が高次脳機能障害です。


■さて、今回の記事では失語症は身体障害者手帳の対象、吃音は発達障害として精神障害者保健福祉手帳の対象・場合によっては身体障害者手帳も可能? という問題を考えます。


筆者がこの記事を書こうと思ったキッカケは2016年9月11日に東京都言語聴覚士会が主催開催した言語聴覚の日2016での講演を聞いたことです。 場所は東京の北里大学白金キャンパスでした。

この講演では前半を吃音当事者でありながら言語聴覚士をしている方の話
 講演1( 13時40分~14時30分) (50分)
    「吃音のある言語聴覚士 ~この道を選んだ理由~」
     王子生協病院     本田 裕治 妻 本田愛美
     老健ほくとはなみずき 小林 祐貴

後半は失語症当事者の話でした。
 講演2( 15時00分~15時50分) (50分)
 「失語症になって」            
     丸山 奈津子
         NPO法人和音 田村洋子
     現東邦大学医療センター大森病院 原田紗衣

詳細はコチラのリンクを  (2017年1月20日閲覧)
http://st-toshikai.org/archives/4059

 NPO法人 言語障害者の社会参加を支援するパートナーの会 和音
https://npowaon.jimdo.com/


前半の吃音当事者が言語聴覚士をしている話は、吃音業界で有名な話で、この方以外にも吃音当事者で言語聴覚士という方はそれなりに存在しています。

後半の話が筆者にとって、衝撃でした。


■失語症当事者が泣きながら訴える話 
失語症当事者は話す時に頭で思ったことと口から発話するときに、「意図したことを話せていない、文字を間違えて発音している」のかな?と印象を持ちました。正式に失語症の中のXXXXという症状です。とは説明はなかったように思えます。(記憶が古くなっているので申し訳ありません)


当事者の方は失語症になって生活で困っていること、働くことの大変さ、障害者手帳が取得できないこと(イコール 障害者枠で働けない)、家族が支えてくれること、もっと失語症を知ってほしい

などを話していました。とくに後半は当事者の方が感情が高まり涙を流しながら話をしており本当に大変な状況であることが伝わってきました。(吃音当事者はこういったことはあまりありません。吃音はありのままに吃音を受け入れて社会的に成功する人が美談であるとされることが非常に多いためです。障害者手帳取得も吃音からの逃げだと評価する人もいます)



■??? 失語症は障害者手帳を取れないの?
この部分が筆者が「???」となった部分です。
今回、講演をした失語症当事者の話し方は吃音とは具体的に異なりますが、吃音者である筆者から見ると軽度吃音の人が吃っているくらいの感覚で受け止めました。もちろん、失語症当事者でしかわからない苦しみや悩みがその背景にあると思います。


障害者手帳を取得できないというのが筆者はオカシイと思いました。
なぜなら、吃音の場合は発達障害者支援法に定義されているため、精神障害者保健福祉手帳3級から取得できるわけです。厚生労働省も軽度吃音であっても精神障害者保健福祉手帳は取得できると説明をはじめています。

2016年10月22日吃音啓発の日にて厚生労働省の日詰正文発達障害対策専門官の講演
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/10/20161022.html

吃音は現在、身体障害者手帳4級を「吃音」と明記せずに診断書を書けば通る可能性があるということです。それ以外は日本国内においては、吃音は発達障害者支援法に含まれているため、基本的に2005年以降はその法律に従い、吃音は発達障害として精神障害者保健福祉手帳の対象となっているということになります。


吃音は身体障害者手帳も精神障害者保健福祉手帳も両方可能性があるということになります。


■では失語症はどうなのか?
国立障害者リハビリテーションセンターの高次脳機能障害情報・支援センターのホームページを見るとこのように書かれています。
http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/seido/

障害者手帳
 障害者手帳を所持することで、各種税金や公共料金等の控除や減免、公営住宅入居の優遇、障害者法定雇用率適用等のサービスを受けられます。また、障害福祉サービスを利用することもできます。サービスの対象者や内容は、自治体により異なることがありますので、お住まいの市区町村の福祉担当窓口にお問い合わせ下さい。
 なお、身体症状と精神症状を併せ持つ場合には、2種類以上の障害者手帳を申請することができます。
精神障害者保健福祉手帳
 高次脳機能障害によって日常生活や社会生活に制約があると診断されれば「器質性精神障害」として、精神障害者保健福祉手帳の申請対象になります。申請時に必要な診断書を記載するのは、精神科医である必要はなく、リハビリテーション医や神経内科医、脳神経外科医等も可能です。高次脳機能障害の主要症状と日常生活への影響や困っている点について具体的に記載してあることが重要です。診断書は初診日から6か月以上を経てから作成してもらい、作成日から3か月以内に申請する必要があります。
診断書記入例(高次脳機能障害) (PDF:246KB)
身体障害者手帳
 手足の麻痺や音声・言語障害があり、厚生労働省の定めた身体障害者程度等級表に該当する場合に、身体障害者手帳の申請対象となります。詳細はお住まいの市区町村の福祉担当窓口にお問い合わせ下さい。



そうなのです。
厚生労働省管轄の国立障害者リハビリテーションセンターの高次脳機能障害を扱うページがこのように。 【身体障害者手帳
 手足の麻痺や音声・言語障害があり、厚生労働省の定めた身体障害者程度等級表に該当する場合に、身体障害者手帳の申請対象となります。詳細はお住まいの市区町村の福祉担当窓口にお問い合わせ下さい。】

と明記しているのです。日本国内法では高次脳機能障害による失語症、音声・言語障害は身体障害者手帳の等級表に該当すれば貰える可能性がある。というのです。


身体障害者手帳の音声・言語障害といえば4級と3級がありますが。
4級は吃音の場合「家族しか会話内容が理解できない」とされていますよね。
3級は「発話する器官を喪失」のレベルとされています。
失語症も、ある程度、発話ができていると取得できないことになります。

吃音の場合は身体障害者手帳よりも精神障害者保健福祉手帳を申請できるので、その分格差があることになります。一般に言われる発達障害である自閉症スペクトラムやADHDやLDやチック・トゥレットなどがあります。この当事者の中には精神障害者保健福祉手帳3級を持っているが、障害者枠で就職せず、就職先に発達障害者であること隠して、いわゆるクローズド就職をしている人もいます。困っていることはあるが、いろいろな努力や訓練、服薬などを駆使して働いているが、いざという時のために精神障害者保健福祉手帳を持っている、または仕事中はなんとか定型発達者を装えるが、それ以外では体力(HP ヒットポイント)を使い切ってしまい生活が困難などの人もいるでしょう。

吃音の場合も、訓練や努力、処世術、キャラ設定、演じるなどの方法により吃音があまり人前ででないようになっていたとしても、やはり吃音が出るときはでるのであるから、精神障害者保健福祉手帳3級程度は取得できることになります。


しかし失語症だと、身体障害者手帳で申請しましょうというガイドラインが国立障害者リハビリテーションセンターのホームページ内に書かれているのですから、精神障害者保健福祉手帳を取得できません。


とんでもない格差です。

■障害者手帳制度、そろそろ全体的な見直しが必要なのではないか?
 吃音当事者団体と失語症当事者団体は協力できないの?


失語症当事者団体はどのような政治運動や厚生労働省に対して働きかけをしているのかはわかりません。失語症を診療する医療従事者もこの格差を論じてほしいと思います。

現実問題として、発達障害者支援法に定義されている発達障害のほうが、軽度でも困っていることがあれば精神障害者保健福祉手帳3級は取得することが容易です。

一方、失語症は身体障害者4級ですから、ハードルがとてもとても高いことになります。


これは障害者の権利に関する条約に抵触するのではないかと思います。
障害者手帳制度の中で、失語症当事者と吃音当事者が日本国内で利用できる社会保障制度に格差が存在しているのです。

障害者枠で働きたい→身体障害者手帳に該当すればOKだ→失語症では身体障害者手帳取得できないじゃん→えっ?吃音の人は発達障害だから精神障害者保健福祉手帳3級から取得できるって???

これはもっと取り上げられるべきことだと筆者は感じています。
そして立法措置をしてでも、格差はなくすべきだと思うのです。




障害者権利条約の第四条 一般的義務
外務省より
http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_000899.html

1 締約国は、障害に基づくいかなる差別もなしに、全ての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、及び促進することを約束する。このため、締約国は、次のことを約束する。
(a) この条約において認められる権利の実現のため、全ての適当な立法措置、行政措置その他の措置をとること。
(b) 障害者に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し、又は廃止するための全ての適当な措置(立法を含む。)をとること。
(c) 全ての政策及び計画において障害者の人権の保護及び促進を考慮に入れること。
(d) この条約と両立しないいかなる行為又は慣行も差し控えること。また、公の当局及び機関がこの条約に従って行動することを確保すること。
(e) いかなる個人、団体又は民間企業による障害に基づく差別も撤廃するための全ての適当な措置をとること。

第五条 平等及び無差別

1 締約国は、全ての者が、法律の前に又は法律に基づいて平等であり、並びにいかなる差別もなしに法律による平等の保護及び利益を受ける権利を有することを認める。
2 締約国は、障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとし、いかなる理由による差別に対しても平等かつ効果的な法的保護を障害者に保障する。
3 締約国は、平等を促進し、及び差別を撤廃することを目的として、合理的配慮が提供されることを確保するための全ての適当な措置をとる。
4 障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、この条約に規定する差別と解してはならない。

2016年12月18日日曜日

【重要なお願い】吃音業界は2005年4月から施行の発達障害者支援法を本当に知らなかったのか?なぜ2013年に北海道で吃音看護師が自死したのか

この記事は吃音業界にもともと関わっている、医師、看護師、言語聴覚士、教員、行政職員、吃音当事者、その家族。また、一般の人や普段障害者とは接する機会が少ない人。

そして

一般に言われる発達障害である、自閉症スペクトラム、ADHD、LD、チック・トゥレット症候群、ディスレクシアなどなど。それらの団体に携わる、当事者の方、親御さんや家族、医療従事者、コメディカル、社会福祉や精神保健福祉、学校教員、大学教員、行政職員の方、障害者福祉政策に強い国会議員・地方議員の方などなどにも読んでいただきたいのです。

吃音業界とは関係のないみなさんからの情報提供が必要です。
2005年から発達障害者支援法という法律があり吃音者もそれを利用できる状態だったのです。しかしそれがなぜか誰もが使える状態になっていませんでした。

吃音業界には考え方の違い、派閥抗争が今なお繰り広げられています。
吃音が発達障害や精神障害、精神障害者保健福祉手帳と同じだと言われるのは困る。発達障害や精神障害は内面や心理面に問題があって、それが吃音者にもあると思われたら困るとか、犯罪をしても心神喪失で無罪な奴らと同じにするなという声もでています。吃音者は自身が吃音で困っているのに、他の障害者と同じにされたら困るとか、吃音と●●はここが違うんだ!という選民意識、白人至上主義と同様の吃音至上主義、ナチスドイツのT4作戦(精神障害者大虐殺)、などなどと共通する心を強く持ち、内なる植松を持っている人がいるのです。吃音業界にはこういった考えを持つ人が多いです。

しかし、まず法律や社会保障制度が使えるなら、それを自己決定権で使うか使わないか。「見える化・分かる化・使える化」された状態になることが大切です。

助けてください。助けてください。助けてください。助けてください。助けてください。助けてください。
本当に本当にこれは深刻な事態です。助けてください。
【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

吃音業界や吃音者の当事者団体、それに関わる医療従事者や教員や研究者が2005年当時から『吃音が発達障害者支援法に含まれていることを認識していたはずだ。証拠がある。議事録がある。吃音者の団体にもコンタクトした。吃音業界で有名なXXさんはこれを知っていた』など情報をお持ちの方は、連絡をいただけないでしょうか?

何卒、何卒、よろしくお願いいたします。
筆者は、なぜ2013年に北海道で吃音看護師さんが自死を選択したのか理解できないのです。とても悔しいのです。発達障害者支援法に含まれていることが「見える化・分かる化・共有化」されていれば、自死の選択肢以外にも道があったのではないかと思うのです。

また、北海道の吃音看護師さんの亡くなる数ヶ月前にゼリア新薬工業の新入社員研修自殺事件があったことも2017年に明らかになりました。2013年に2名の吃音のあった人が自死したということになります。 ゼリア新薬工業のニュースはこちら (ただ、ゼリア新薬工業の件は本当に吃音があったかどうかわからないという情報もありますので追加報道を待つことになります)ゼリア新薬の22歳男性「ある種異様な」新人研修受け自殺 両親が提訴


きつ音で生きられる社会を  北海道の看護師さんの家族の方のインタビューです

「自分の気持ちを伝えたい」、そのことがうまくできずに悩んでいる人たちがいます。
「きつ音」のある人たちです。
ことばを発しようとしてもうまく出てこなかったり、繰り返したりしてしまう言語障害で、この症状を持つ人は100人に1人い
るといわれています。
きつ音のある人たちが暮らしやすい社会をどうつくるのか、その取り組みを取材しました。
先月、札幌市できつ音を理解してもらうためのフォーラムが開かれました。
きつ音のある人などでつくる団体が開き、きつ音に悩む人やその家族などおよそ100人が集まりました。
話したくてもうまく話せない症状のきつ音は言葉を覚える幼少期に発症することが多く、その原因や治療法はまだはっきり
とはわかっていません。
今回初めて講演に立った飯山千恵さんは、フォーラムで弟のことを語りました。
千恵さんの弟は、きつ音であることを悩み、3年前みずから命を絶ちました。
34歳で看護師になり病院で働き始めましたが、その4か月後の自殺でした。
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20161212/4904981.html


1. なぜ吃音が発達障害者支援法に2005年から含まれていることが周知されなかったのか?


吃音が発達障害者支援法に含まれているという通知文 2005年4月通知
17文科初第16号 厚生労働省発障第0401008号 平成17年4月1日

文部科学事務次官
  結城 章夫


厚生労働事務次官
  戸苅 利和


通知先
各都道府県知事
各指定都市市長
各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
各国公私立大学長
各国公私立高等専門学校長  殿


発達障害者支援法の施行について

http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0412-1e.html


なぜ、これが見える化されなかったのか!!! 小学校、中学校、学校教員(とくにことばときこえの教室担当者)や国公立の医学部、大学病院、国が管轄する医療機関の医系技官や医師、独立行政法人で発達障害や吃音を研究する方などなど。



このブログの読者の方は他記事でご存知だと思います。
吃音者の派閥抗争です。
吃音業界は特殊な業界で1965年発足の吃音者当事者団体本家から数えると歴史は50年も経過しています。今はそこからどんどん分裂しています。(ある意味、東京や大阪などの発達障害者当事者会が分裂することにも似ているかもしれません。発達障害に携わる専門職や厚生労働省も「なぜ?発達障害の当事者団体は専門職がいない場合トラブルがおきるのか?」ということを調べはじめていますよね。実はそれ、吃音業界がパイオニアとして実行しています) そもそも吃音者に一般に言われる発達障害を持った人がいるという研究報告もあります。

吃音業界の派閥抗争について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

平成 28 年度厚生労働省障害者総合福祉推進事業. 指定課題15. 発達障害者の当事者同士の活動支援の在り方に関する調査報告書(発達障害の当事者団体はトラブルが多いとか分裂してしまうのはなぜ?というのが発端)
http://www.rehab.go.jp/ddis/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E8%B3%87%E6%96%99/%E4%BA%8B%E4%BE%8B%E9%9B%86%E3%83%BB%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8/?action=common_download_main&upload_id=2878

2. 一般社団法人 日本発達障害ネットワーク JDDnet には吃音業界の団体が2団体所属していた過去がある。現在は言語聴覚士協会が所属

JDDネットはみなさんご存知ですか?
発達障害者支援法に含まれている、それぞれの発達障害者当事者団体や親の会、医療従事者・専門職の団体、それを応援する企業などが加盟している大きな団体です。

2005年の発達障害者支援法施行のころに、時を同じくして発足しているようです。
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年1月号
列島縦断ネットワーキング【東京】
日本発達障害ネットワーク(JDDネット)の発足
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n294/n294016.html
この団体には最初の発足時メンバーに「全国ことばを育む親の会(2016現在 言葉を育む会)」が参加しています。
 http://b.zkotoba.jp/ 

また2007年? 2008年?に「一般社団法人 日本言語聴覚士協会」 も参加しています。

https://www.jaslht.or.jp/



厚生労働省のホームページにも過去の資料としてそれが証拠として残っています。
労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会

第5回
2008年9月24日
(平成20年9月24日)
議事録

09/02/04 第9回労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会議事録
第9回労働・雇用分野における障害者権利条約のあり方に関する研究会 
議事録
1 日時
  平成21年2月4日(水)13:30~15:30
2 場所
    厚生労働省共用第7会議室(5階)
 
3 議題
  主な論点ごとの検討
  第1 基本的枠組み
  第2 障害を理由とする差別の禁止
4 資料
  資料1 これまでの整理
  資料2 主な論点ごとの検討
  参考資料1 雇用及び職業についての差別待遇に関する条約(第111
号)について 


資料 PDFデータなど

3 山岡副代表提出資料(PDF:354KB)





3. 吃音に関係する2団体が所属している、していた証拠が厚生労働省のホームページや 月刊「ノーマライゼーション 障害者の福祉」2006年1月号(第26巻 通巻294号) に明記されている。

えっ????


ということは。すでに2005年の時点で「吃音が発達障害者支援法に含まれている。他の発達障害者と完全に同様の社会福祉制度、障害者手帳制度などなど」を希望し申請すれば利用できる選択肢があったということですか????




ここです。

筆者が1番気になっているのはここです。



もしかして。仮の話。変化させることができない過去の話になりますが。
この時点で吃音が発達障害者支援法に含まれていると吃音業界の人々が理解していれば、2013年と2014年はじめに大きくニュースになった、北海道の吃音看護師さんの自死という選択は、回避することもできたのではないですか? 2017年8月に報道によって判明したゼリア新薬工業の新人研修の自死も発達障害者支援法で戦えたのではないのか…。


と筆者は思うのです。


4. 読者のみなさまに重要なお願いがあります

読者のみなさま。

やはり、オカシイぞ。変だぞ。と思いませんか?

なぜ、吃音が発達障害者支援法に含まれていることが、横の情報網でつながらないのかと。


いえ、もちろん、吃音業界の派閥抗争、主義主張の違い、対立、戦争はあってもしかたないのです。吃音業界だけではなく、他の障害や病気も、もしかしたら考えの違いはあるかもしれません。


しかし

しかし

最低限の「義」や「情け」や「最低限のホットライン(赤電話 政府首脳が非常時に直接対話ができるように設置された直通の電話回線)」というものはないのでしょうか? なかったのでしょうか?

吃音が発達障害者支援法に含まれているそうですよ。私たちにはどうでもいいことですけね。まぁ一応、情報だけは伝えますからね。あとはそっちでご自由にしてくださいな。という一報です。

普段は喧嘩していても、派閥抗争をしていても、重大な動きがあったときには情報をお互いに共有し提供しないのでしょうか??

北海道の吃音看護師さんは本当は、自死を選択する前に、「まだ使える武器があるじゃないか。この法律で人権侵害に立ち向かいつつ、もっと理解ある職場さがすぞーーーー!!!障害者手帳も取得しようかな。」と決断する未来もあったかもしれないのです。



とくに一般に言われる、吃音以外の発達障害当事者、その家族。発達障害児者団体など業界の人。支援者でも医療従事者でも社会福祉士でも精神保健福祉士でも、学校の先生、行政の職員、議員の方など関係者のみなさま。



吃音業界、吃音当事者団体には2005年前後に声がけをした。発達障害者支援法に含まれていると情報提供した。●●という吃音当事者団体などは吃音が発達障害者支援法に含まれていることは当時から認知していたはずだ。という証拠をもっていないでしょうか?

証拠があれば情報提供していただけないでしょうか?
JDDネットには「全国ことばを育む親の会(2016現在 言葉を育む会)」が過去に正会員、2017年現在でも「一般社団法人 日本言語聴覚士協会」が正会員となっています。

吃音業界は2014年7月3日に厚生労働省の国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報支援センターが、発達障害者の一覧に「吃音」を追加された日以降に、吃音が発達障害者支援法に含まれていて、社会保障制度や障害者手帳、他の発達障害者と完全に同様のサービスを、希望し申請すれば使えるということを知った!その時初めて知った!!


という、テイになっています。


でも本当は、一部で2005年当時から知っていた人もいたのではないかと思うのです。


そこで、吃音業界とは関係のない。第三者からの情報提供が必要なのです。本当は2013年に2名も吃音者が自死する必要はなかったと思うのです。2005年から発達障害者支援法があったのですから。「go.jp」という日本政府ドメインにJDDネットに加盟していた団体も明記されて証拠として残っています。


このブログを読んだ方。吃音業界、いえ、吃音業界よりも、困っている吃音者、助けを求める吃音者、いまも苦労している吃音者、ひきこもりになっているかもしれない吃音者、明日死のうと思っている吃音者、将来の生まれてくる吃音者のために、その家族のために、


情報提供をしていただけないでしょうか?
どこの誰が。どこの団体が。2005年から吃音は発達障害者支援法に入っていたことを知っていたのか?これは歴史を揺るがす大事件です。2005年から法律が知られていれば、自殺しようという決断、ひきこもろうという決断、学校にいくのを諦めようという決断をする吃音当事者が他の可能性を見出したかもしれません。
連絡を待っています。


5. 報道、新聞、テレビ、週刊誌などのみなさま および研修者や大学教員の方へ

報道関係のみなさま。日頃は吃音について取材していただきありがとうございます。吃音が報道されることはとても良い事だと思っています。



さて、吃音はこのブログで指摘しているようにソフトに表現すれば、考え方の違い、所謂派閥抗争をしています。


報道のみなさまには、吃音の記事、啓発活動、イベント紹介などなど取り上げていただいています。とても感謝しています。インターネット、ドラマ、テキスト、ラジオ、テレビなどで取り上げていただき吃音は、2014年ころからやっと認知度があがってきたと思います。単なる取材報道以外にも吃音者が設定として登場する映像作品や文学作品が新たに生まれてくることも楽しみにしています。本当にありがとうございます。



―――しかし吃音に対する取材を今後は吃音者の派閥抗争の歴史、なぜ2005年施行の発達障害者支援法を見落とすことになったのか?その部分の真相究明も同時に行ってほしいのです。

取材する際は福祉学部で講義や資格取得方法を教える教員、教育学を教える教員、障害児教育を教える教員、学部に関係なく社会学を教える教員や研究者の知識も必要になるでしょう。なぜ吃音業界はソーシャルワークがうまくいっていないのか?なぜ当事者同士がすぐに喧嘩して分裂し新しい団体が次々に設立されるのか?このような状況を厚生労働省や文部科学省はどう認識しているのか?と様々な視点からの検証が必要です。

重ねてのお願いです。吃音当事者、吃音業界のみでは調べる事ができません。報道のみなさまのプロの客観的な取材が必要なのです。行政や厚生労働省、文部科学省、内閣府、吃音以外の発達障害者団体や親の会など、医者など医療従事者、言語聴覚士、社会福祉士、精神保健福祉士などにも取材が必要です。

そして、なぜ2005年施行の発達障害者支援法があったのに、自死する吃音者やひきこもりになる吃音者、通学や進学を諦める吃音者がいるのか?取材してほしいのです。2013年の北海道吃音看護師自死以外にもニュースならない吃音者が自死しているのではないかと思います。

※こちらもご覧ください
吃音を取材・報道する調べるマスメディア、研究者、表現者、映画監督などの方々へ
吃音を取材・報道する調べるマスメディア、研究者、表現者、映画監督などの方々へ



2016年11月13日日曜日

【保護者必見】吃音の子どもを育てる立場の人はどうしたらいいのか?どうやって合理的配慮を発動する? 保護者に向けたガイドライン

【随時更新】この記事は長文です。自宅など、時間がある落ち着いた場所でご覧ください。

吃音の子どもがいるお父さん、お母さん、そして家族のみなさんへ。
吃音の情報が溢れておりどうしたらいいのか?と混乱している場合もあるでしょう。

先に結論を書きます。

吃音業界には正式な「親の会」がありません。2019年現在、なんとなく保護者の会、親の会ができつつありますが、吃音至上主義思想を持つ医療従事者を講師に招いたり、吃音と発達障害とは異なるという、障害種別差別や吃音と他の障害や病気の子どもや保護者との壁をつくるべき、分断するべく行動をする場合などを含めこれらを平然と行う事例もあります。くれぐれも吃音のあるお子さん、保護者の方が、吃音以外の障害や病気を持った子ども、当事者、その家族を差別するような価値観を持つことがないように慎重になってほしいと思います。XX障害はかわいそう。吃音はかわいそうじゃない。障害者は施設に居るべき。地域に来てほしくないなどの差別の心をもつようになれば、それはいずれ吃音者にも家族にも返ってきます。

通常、そのほかの発達障害であれば当事者も親も保護者も支援者も医療従事者も全て1つの団体に参加して活動しています。それにより当事者の年齢に合わせたライフステージに合わせた困りごとの相談、それを解決するにはどうするか、障害について専門家を呼び勉強会、子どものためのイベント、親のためのイベント、毎年自治体や議員に要望要請文書を送る、障害のこと世間に向けて情報発信、誤った情報が報道された場合訂正を求める、などなどが行われます。

しかし吃音業界の親の会は、日本各地に分散していたり、吃音の派閥抗争に親自身がすでに巻き込まれており障害者認定反対の親の会などもあり敵愾心が生まれてしまい協力ができないという状況もあります。まず、吃音業界は、行政や議員、議会に要望要請を送ることができる「しっかりとした団体」を起ち上げることがスタートになります。2017年現在親、保護者が子どもの吃音で悩んでいることは残念なことに19XX年からずっと存在します、すでに起きた不幸なこと不都合なこと不利益をうけたこと、保護者の悩みが2017年でも同じ経験が後輩の親、保護者に発生しているのです。これが吃音業界に親の会が存在しない故の課題になります。親の会があり情報共有やこの場合はこうするという経験や情報の蓄積、病院を各都道府県に最低1つ設置してほしい、学校で子どもにこういった合理的配慮をしてほしい。などなどを19XX年当時の親達が声をあげていれば、2017年の親保護者が子どもが辛い思いやぐるぐる思考に陥ることはなかったのです。
(吃音以外の発達障害のある子どもの親の会、保護者や支援者が参加する団体では情報の引き継ぎ、サバイバル術、ハウツー、Q&Aがしっかり存在しており、過去に経験したことを避けるための術を知っています。そのために、親の会、保護者同士が団結して、学校や教育行政、医療機関、障害福祉課など、行政との粘り強い交渉や要望要請をしているのです。吃音の親の会はこういったことができないのです。今の世代が経験した辛いこと嫌なことを未来の世代に経験させないぞ!という価値観がまだ育っていません)


その他の発達障害団体であれば親の会がしっかり機能しているため、まずは吃音を治せるようにしましょう。いまある最高の病院にいきましょう。それで治ればそこで終わりにしましょう。でも、子どもの吃音が継続してしまうなら、他の選択肢、道を考えましょう。吃音で不利益や不都合なことが多いならこんな合理的配慮や社会保障制度がありますから、一緒に考えましょうと、先輩の親や保護者が医療従事者や支援者と一緒に、悩んでいる後輩のお父さんお母さんのソーシャルワークをしてくれるわけです。

これが2017年現在でも吃音業界には存在しないのです。
親の会をなんとかして起ち上げるしかありません。
単独で親の会を起ち上げるより、先に存在している、吃音の団体と協力するほうがよいでしょう。吃音業界は事あるごとに喧嘩、主義主張の違いで分裂していますが、これ以上分裂しても意味はありません。

また、もしもこの記事を見ているお父さん、お母さんのお子さんに吃音以外に発達障害がある場合は吃音業界の当事者団体や親の会以外にも、発達障害児者の団体に参加することを強くすすめます。たとえば東京にお住まいならNPO法人東京都自閉症協会がよいでしょう。吃音業界が持っていないもの、失ってしまったものを全て持っている団体です。当事者、親・保護者、支援者、医療従事者、福祉職従事者、教員、大学教員、議員、行政職員などとのパイプもしっかりあります。地方自治体、行政への意見提出、いざというときに当事者の人権を守る活動もしています。吃音業界のように障害種別や障害程度によって上下関係やヒエラルキーはなく、ライフステージに合わせて、困りごとに応じて丁寧に助けてくれます。情報交換もできます。吃音業界のように派閥抗争もないので安心安全な運営がされています。

繰り返しになりますが、吃音業界が何か変だな? なんでこんなに立ち位置や位置づけにこだわるの? 吃音業界ってそこに参加できている人だけの運営じゃない? 参加できなくて困っている人がいるという視点をなくしている? 吃音のある子どもの親の会、保護者の会に参加したけど「何か他の障害者、精神障害や発達障害のある人やその家族を差別する発言が平然とでてくる。吃音当事者のほうが位が高い偉い優秀だ頭の回転が早い、吃音当事者は彼らと一緒になってはいけない。一緒だと思われてはいけない。精神障害や発達障害のある人はかわいそうだと教えられた。発達障害のある人は内的心理的問題を持った人だと差別発言をしている人が理事や運営に所属しているぞ。おかしいな。変だぞ」などということもあるかもしれません。 などなどの異変や違和感を感じた場合は発達障害業界の団体にも顔をだしてみましょう。発達障害のある子どもの親の会、保護者会、当事者の会などがあります。いろいろな会に行ってみることをオススメします。




インターネットでもありとあらゆる情報が氾濫しています。
中には不正確な情報やコンプレックス商法といわれる商売や情報だけを売りつける情報商材なども存在します。

さらに吃音業界が特殊なのは、「吃音者の派閥抗争」です。
吃音が障害か?障害ではないか?
障害者はかわいそう・可哀想な存在であり、吃音の子どもは障害者ではありませんよ。
吃音を治そうとしてはいけません。病院にいってもいけません。
吃音はできるかぎり訓練して治すべき。良い状態を保つほうが、人生の機会損失を回避できるかもしれないよ。
吃音をカミングアウトするのか?しないのか?
堂々と吃るのか?吃らないのか?
吃らない話し方を、テクニックを身につけるのか?
吃音も他の障害者のように公的な社会保障制度を利用するのか?しないのか?

情報の洪水です。
【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html
2016年11月27日 東大スタタリングが駒場祭で吃音をテーマに演劇を披露 その内容はセルフヘルプの限界を指摘するものだった
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/11/20161127.html
吃音者や吃音当事者の家族にはレイシスト(差別主義者)がいる? 吃音を病気や障害と認められない人々の実態とは? そのワケ
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/07/blog-post_10.html
【保護者必見】吃音者、吃音の子ども、病院にいくタイミングとは 障害者手帳を取得するタイミングとは デメリットは何?初診日問題について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/12/blog-post_10.html

お父さんお母さん、家族全員いったいどうしたら良いのかわからないでしょう。
吃音業界の派閥抗争に巻き込まれないこと、心酔しない、一步ひいてサードパーソン視点・第三者視点から落ち着いて観察するスキルを身に着けないとなりません。

吃音当事者の先輩や吃音当事者学生の話を聞いて、自分の子どもも大丈夫だと安易に判断しないこと。お父さんお母さんが働く企業団体などでも本当にそれが通用するのか? 自ら調べることも重要になってきます。吃音のある当事者が「私は吃音があっても全然平気です。大丈夫です。幸せです!」という発言をしている場合がありますが。それはその当事者だから成立しているのです。特に気になるのは、成功していると体験を発表する吃音者は『所属する組織、会社名や団体名』を公表しているの? という部分です。本当に吃音に寛容な企業団体があるなら、その名称を広く公開してほしいところです。もしも公開していないならば、公開できない理由があるということになります。

吃音のある子どものお父さん、お母さんが働く職場でも、所属する組織の人事部が「吃音は障害じゃないよ。一般枠で採用するよ!」というのか。「いや、できれば障害者手帳を持っていてほしい」というのか。様々だと思います。


―――吃音業界の情報だけではなく、発達障害業界やその他の社会的障壁のある人の業界のことも知ろう

また、吃音業界の関係者だけではなく、他の障害のある子どもの親との交流ができるならば、それをしたほうが価値観が広がります。吃音のある子どもには自閉症スペクトラムやADHDや学習障害を持っている人もいるはずなのに、その事すら早期療育できる時期を逃してしまうことになります。もちろんそういった団体に参加しないように!とすでに参加している親の会、つどい、グループから命令もあるかもしれません…。

吃音を生きる、吃音とともに豊かに生きる、吃音を持ったまま豊かに生きるというのは、もう自分は困っていないし関係ないと思考停止することではありません。

吃音者が困っていることは、他の障害や病気の人にも共通点が多いのです。吃音の障害者認定反対派の主義主張に染まってしまい、その問題から逃げる。目をそらす。私のところは吃音だけだから関係ない。ということになってほしくないのです。

後述しますが初診日問題は吃音の子ども、一般に言われる発達障害の子ども、それ以外の人もみな全員経験することです。だからこそ、吃音はあなた達とは違うから、選ばれた民だからと見て見ぬふりをせずに一緒に協力することも大切になります。

吃音業界と接点を持つということは、ある意味、お父さん、お母さんの人間性が試されると思ったほうがいいかもしれませんね。




1. 吃音は障害か?個性か?社会保障制度は必要ないのか?
この問題は吃音業界では永遠のテーマです。
さて、吃音が障害と決めるのは誰でしょうか?

発達障害の当事者研究を行っている、熊谷晋一郎医師東京大学先端科学技術研究センター准教授の講演会や勉強会で説明される例を紹介します。

※熊谷晋一郎氏の情報
http://www.petitspoissons.com/ped/Int-34J.html

http://todai-umeet.com/article/14570/

「吃音ワークショップ2016in埼玉」(埼玉言友会、NPO法人全国言友会連絡協議会主催)にて講演
http://mainichi.jp/articles/20160918/k00/00m/040/033000c


熊谷氏は「障害とは、障害者個人の中にあるものではなく、世間一般の普通と呼ばれる多数派の人の作ったルールに当てはまらない人」という説明を講演会でよく話します。

障害はインペアメントではなくディスアビリティだというのです。
なんらかの障害が当事者にあり、それが原因で社会参加できないから、普通と言われる健常者の普通に合わせた世界に溶け込むために血の滲むような努力や訓練、手術や服薬などありとあらゆる手段で「普通」に近づかないといけない?

なぜ、障害当事者側はそこまでして頑張らないといけないのでしょうか?
というのが問題として指摘されます。でもそれはおかしいじゃないですか?
社会の側の法律やルール、慣習、道具が変化すればいいのじゃないかというのです。

むしろ、障害当事者が障害と感じないように、多数派が社会の側がもっと包摂するべきではないかといった内容です。


ただ、やはり、0地点から100地点まで急にワープできないように。
1ミリ1ミリ、亀のような歩みで社会に向けた情報発信や障害当事者側と社会の多数派側との対話により歩み寄ることが大切でもあるといいます。

理想の社会に近づくにはスモールステップアップが必要です。
将来、何年後何百年後になるかわかりませんが、障害者手帳という制度そのものが消滅する日がくるかもしれません。


吃音が障害か?障害ではないか?
この問題について他の視点も必要です。
一冊の書籍があります。 『障害を持つ息子へ ~息子よ。そのままで、いい。~ | 神戸 金史』
これを読んでほしいと思います。親の心、内に秘めたる優生思想や相模原殺傷事件のことが扱われています。


2. 吃音の場合はどうなる? 吃音のことを本当はどう思っていますか?
吃音の子どものお父さん、お母さんは、正直、自分の子どもが吃音だとわかるまで。人生で出会った言葉が上手く話せない人、失礼な物言いをする人をどう思っていましたか?
(またはお父さん、お母さん、祖父母、親類縁者の中に吃音者がいる場合もありますが)

お父さんお母さんが出会い結婚する以前。そして子どもが吃音になっていなければ、または子どもが誕生する前はこのような感情はありませんでしたか?

・お店の従業員や駅員さん、接客業の人が言葉遣いを間違えた。いらっしゃいませを言わない。ありがとうございましたを言わない。敬語を使わない。目を見て話さない。発話がおかしい。発話と同時に唾液を飛ばしてくる。
→ムカツク
→この会社は大丈夫なのか?従業員に研修しているのか?
→なぜ、社名、名前、所属を名乗らないのか?
→この人と話すとイライラする
→なぜ主語がないのか?
→敬語使わないなんて人間として終わっている
→お客様センターに苦情を入れてやる クビにすべきだ
→こんな簡単な常識すら持っていないのか?この従業員は?
→上手く話せないなら、話さなくて良い職業を選べばいいのに
→話す時の顔が気持ち悪い
→こんな変な喋り方をヤツに自分の子どもの結婚相手になんかしたくないな(笑)

お父さん、お母さん、本当はこのような気持ちがありませんでしたか?
もしかしたら、その相手の人は『吃音』だったのかもしれません。
今後、このような経験を『お子さん』が体験する可能性もあります。


吃音も吃音者自身、または吃音遺伝子を持っているかもしれないお父さん、お母さん、祖父母、親類縁者のせいではありません。吃音という話し方の特性が、現在の日本の「普通」、「健常者のルール」に当てはまっていないことが問題点です。

本来は社会の側が、吃音者のその話し方吃り方、吃ることによって失礼な話し方もあるかもしれない。けれども、そこを気にしないというのが大切です。しかし現時点の日本社会はコミュニケーション社会、コミュニケーション社会(礼儀、過剰接客など含む)新卒学生の就職活動でもこれが最重要視されています。吃音の子どもの保護者は、社会の側の認識を変化させることも心の中にしまっておいてほしいのです。そして1ミリでもいいのでそれに立ち向かって、100年後なのかいつの時代になるかわかりませんが。未来世代の吃音者のために行動する気持ちも忘れないでほしいのです。もちろんその際は吃音だけではなく、ありとあらゆる障害者、難病者、社会的障壁を持つ人々と連携することも大切になります。


3. 保護者のみなさんの働く場所、雇用されている団体組織は吃音者を許しますか?
繰り返し何度も書きます。それほど重要な事柄です。


この問題も、先ほどの説明、吃音のあったかもしれない従業員問題と共通します。
お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、親類縁者のみなさんが働いている団体は『どもる人を許しますか?』

人事部の人にこのように質問してみましょう。
『最近さ、吃音っていう障害がニュースや新聞、ドラマにでてくるじゃん。こういう人がウチの会社に就職活動で応募してきたら採用する? 不採用?』

お父さん、お母さんが人事部で働いていれば、もっと凄い情報を知っているはずです。
最近、発達障害者を採用時に発見する試験や面接方法が販売されています。それを就職試験のときに紛れ込ませたり、故意に発達障害者が罠に落ちるような面接方法をとる場合もありますよね。(障害者差別解消法が2016春に施行されてからは、人事業界内部でのみ広報されていますのであまり一般には出てきません。2016年発達障害者支援法が改正になりました。この障害者あぶり出しについても指摘があり、今後の改正や差別解消法などで壊滅させる方向になるでしょう)

この原因の1つに、発達障害者を診断するための医学書が一般人も読める状態になっていることです。DSM5というアメリカ精神医学会の診断基準は図書館でも読めます。どのような人が障害を持っているのか?障害が表面化するのか?

それが分かれば、それをあぶり出すためにどのような重圧をかけるか、作業をやらせればいいのか?を逆に考えることができてしまうのです。

吃音の場合は「話せば吃れば即死」するので、一般に言われる発達障害者のように訓練やソーシャルスキルトレーニングなどで普通を装うことができないことも課題と言えば課題です。(一般に言われる発達障害者は診断や障害者手帳を持っていても会社にカミングアウトせずに一般枠で働く人もいます。)

べてるの家、向谷地氏が過去にこのような就職活動で利用できる手法を監修していました。
http://matome.naver.jp/odai/2145136262246904801

ここが1番1番、お父さん、お母さんが衝撃を受ける場所です。
2016年現在、官民問わず大半の企業団体は『不採用ですね』と回答します。
『障害受容をしていて障害者手帳を持っているなら障害者枠で採用する』と回答する場合もあります。

自営業や吃音や吃音以外の社会的障壁が問題にならない業界であればそうではない場合もあります。が、しかし、大半は、『自分の子どもも、自分と同じように普通に育って、大学まで行って、ストレート留年無し新卒で正社員として就職して、自分と同じだけ稼いで、結婚して、幸せになり孫を見せてくれるんだ』とお父さん、お母さんは考えるわけです。しかしサラリーマンは難しいかもしれません。

お父さん、お母さんは吃音があったかもしれない従業員問題とご自身の所属する団体が吃音者を排除するという事実、この2つを経験し、【子どもの吃音を完治させなければいけない】と考えるようになります。

場合によっては吃音とか障害そのものが恥であると価値観をお父さん、お母さんが子ども時代にご両親や周囲の社会から教え込まれて、その価値観になっていると、まずはお父さん、お母さんの精神的な治療が必要な場合もありますが…。

例えば、ダウン症は気持ち悪いとか、ハンセン病は気持ち悪いとか、ユニークフェイスの人は気持ち悪いとか、そのような刷り込みがお父さん、お母さんの育った環境で当たり前であれば、本当にまずお父さんお母さんが価値観を改めないといけないでしょう。


4. 子どもが吃音だとわかってから 次のステップ

・病院探し
・吃音について書かれている書籍を集める
・吃音者の親の会や当事者団体への参加
・吃音業界の主義主張の刷り込み
・成功している、社会的に居場所のある吃音者の大人たちだけを見て、自分の子どもも必ず将来同じ道を歩むことができるという勘違い
・運良く大人になってから消失するタイプだった吃音者と自分の子どもが治らないタイプだったときの衝撃
・子どもが新卒就職活動をし、失敗したときになって、やはり『絶対に吃ってはいけない場合が日本社会にはある』と大混乱する場合
・ウチの子どもの吃音は心配だ。子どものために財産や不動産を残そう。
私達が亡くなっても、生きていけるように


吃音の子どものお父さん、お母さんはたくさんたくさん吃音のことを調べます。
そして、色々な情報を取捨選択しなければいけない状況になります。
吃音を持つ子どもが一方向の価値観を持たないように、状況に応じて臨機応変に対応できるように子育てもしないといけません。いろいろな武器を持つことは現時点、2016年現在の日本では必要です。刀剣1つの武器ではなく、状況に応じて使うことができるようにしておくことが大切なのです。カメレオンのように乗り切るのです。

そして、吃音観の主義主張を変化させることは恥ではないということです。


5. 吃音は純粋吃音者、一般に言われる発達障害も持っている吃音者もいる
ここも重要な部分です。
一般に言われる発達障害である。自閉症スペクトラム、注意欠如多動性障害、学習障害、チック、トゥレット、発達性協調運動障害などと一緒に吃音がある人がいます。


発達障害者の当事者団体を訪問すれば、吃音の人も所属しています。
逆に吃音者の当事者団体や小中高生を集めたつどいなどにも、「この人は、この子どもは吃音だけではないよな。他の発達障害もあるように思える」という人が所属しています。

ただ、前者は障害受容ができている人が多い印象です。
後者の例、吃音者は障害受容がなかなかできない人が多いです。

例えば、発達障害児者でも利用している当事者研究やアサーティブ、レジリエンス、ABA、アドラー心理学、認知行動療法、マインドフルネス、演劇、子どものつどいで成功体験やいろいろな経験を積む、といったものは、何故か吃音業界でも採用され利用しています。しかし、一方で吃音は障害ではありませんと教えてしまう団体もいるので不思議なことです。吃音は障害ではないと教え込む教典があるのに、障害のある子どもが利用する療育を吃音の子どもに行わせているという矛盾…。これは不思議なことです。

発達障害はかわいそうだとか、障害者はかわいそう、難病の人はかわいそう、社会的障壁のある人はかわいそう、吃音が発達障害者支援法に入っていることは認めない、吃音は障害ではない。こう主張する人たちほど、とても不思議なことに先に述べたようにその人達の集団で利用している書籍や療育手法や訓練方法や事例を利用している現実があります。矛盾ですよね。



お父さん、お母さんの子どもは吃音だけなのか?
他にも障害があるのか?
ここも疑ったほうがいいでしょう。

吃音以外にも障害があるなら、早期発見早期療育は本当に大切です。
脳がどんどん成長しているときに適切な医療や訓練や、特性に合わせた勉強や静かな落ちついた環境が用意できれば子どもはみるみるうちに成長します。

障害者認定反対派の吃音当事者会や親の会に所属しつつ、その時はその場の話に合わせつつ、発達障害の子どものをもつ親の会などにも所属したほうがよいでしょう。臨機応変に対応しましょう。

障害者認定反対派の吃音当事者会や親の会で使う教科書や発達障害の子どもの教育について書かれた本などをよく調べてください。筆者を調べて、その人が出入りしていそうな吃音以外の別の当事者団体を検索してみるのもよいでしょう。



6. 吃音は治るのか?
吃音が治るかどうか?
2016年でも、「吃音は原因不明で治療法はない―――」という説明がよく使われます。特に吃音の障害者認定反対派、吃音は発達障害じゃない!と主張する人ほど、『吃音は原因不明であってほしい』という願望があります…。

しかし現在は脳の神経ネットワークになんらかの違いがあることまではわかっています。

一般に言われる自閉症スペクトラムや注意欠如多動性障害、学習障害やチック、トゥレットと同じで脳神経に何らかの違いがあるのです。

吃音の場合は、脳システムの言葉を話すために活動する部分の神経発達障害だということです。
他の発達障害の場合は、感情や空気を読む、突然の衝動性、短期記憶、長期記憶、感覚過敏、感覚鈍麻、文字が読めない、書けない、身体が意識せず動く、同時並行作業が困難などなどがあります。
それが吃音の場合は「話す」ところに影響がでているのです。

2016年8月にフジテレビインターネット放送局の「ホウドウキョク」にて吃音のニュースが流れました。こちらは国立障害者リハビリテーションセンター病院で吃音外来担当、吃音の研究をしている森浩一医師が出演しています。ここで吃音が発達障害であることが明言されています。

https://www.houdoukyoku.jp/archives/0015/chapters/24712


吃音が治るかどうか?
2016年9月に日本吃音・流暢性障害学会の第四回大会が国立障害者リハビリテーションセンターを会場にして開催されました。ここでミシガン大学で吃音研究をする先生が講演を行いました。
その中で、吃音のある子どもの脳画像や、神経ネットワークの違いが説明されました。
しかし、今度は大人になると治る吃音の子どもと、大人になってからも継続する子どものことがわからないので、今後研究をしていくと話していました。

繰り返しになりますが「吃音は原因不明で治療法はない―――」という説明はもう過去のものです。



大会(9月2日〜3日)
招待講演: Anomalous brain connectivity in children with persistent developmental stuttering (発達性吃音が持続する小児の脳内接続の異常)
 Soo-Eun Chang, PhD CCC-SLP(University of Michigan, Assistant Professor)
 ※ 講演は英語ですが、スライドには日本語訳がつけてあり、日本語の逐語訳がつきます。
https://meeting2016.jssfd.org/program/

7. 吃音が発達障害者支援法に入っていたこと、2014年7月に事実上、公になったとは言いますが…

吃音業界では2014年7月を境にして「吃音が2005年から発達障害者支援法に最初から含まれていたことがわかった」と言っています。

しかし本当にこれは真実でしょうか?

「一般社団法人 日本発達障害ネットワーク(通称 JDDネット)」という個々の発達障害者の団体が団結している組織があります。

http://jddnet.jp/

この組織には過去に【全国ことばを育む親の会(現在は名称が NPO法人 全国ことばを育む会 )】が所属していました。
現在はJDDネットから退会しています。

3 日本発達障害ネットワーク(JDDネット)の概要
12月3日、成蹊大学で設立協議員総会を開催し、会則の制定、役員の選任、活動方針案等を採択した。当日、第1回理事会を開催し、正会員(全国団体)として日本LD学会、日本自閉症スペクトラム学会、日本臨床心理士会、全国ことばを育む親の会の4団体、エリア会員(地方団体)として、NPO法人おひさまクラブ等28団体の加盟が承認され、設立当初の参加団体は、発起団体も含め37団体となった。また、日本児童青年精神医学会、日本作業療法士協会等から理事をご推薦いただくことができた。
これにより、当事者団体・学会・職能団体によるネットワーク、教育・医療・労働・福祉を網羅するネットワーク、全国団体・エリア団体を超えたネットワークというすべての条件を最低限備えたネットワークとしてスタートすることができた。
当面の活動としては、都道府県単位のエリア活動の組成、会報の発行等による会員団体相互の交流・情報交換、特別支援教育や発達障害者支援への取り組み状況調査、発達障害に関する理解啓発活動、他の研究機関や参加団体と協力した発達障害児者の実態調査、実態把握のためのスクリーニング・ツールなどの検討、人材育成のためのセミナーなどの実施などを計画している。
※DINFの記事 「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年1月号
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n294/n294016.html

※厚生労働省の資料にも全国ことばを育む親の会が掲載されています
一般社団法人日本言語聴覚士協会も2008年頃から2016年現在JDDネットに加盟しています
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/09/dl/s0924-11c.pdf



なんと!!

吃音業界の団体がJDDネットに加盟していたのです。


にもかかわらず


なぜ、吃音が発達障害者支援法に含まれていること、障害者手帳も取得できること、障害者の人権を守ること、配慮を求めること、障害者枠で働けること、社会保障制度を利用できることが周知徹底されていなかったのでしょうか?

もしも2005年から吃音が発達障害者支援法に定義されていることが周知されていれば、吃音を苦にした自殺、いじめ、不登校、進学を諦めることによる人生の機会損失、お父さんお母さんの苦悩、子どもの苦悩などなどに他の未来があったのかもしれないのです。

【全国ことばを育む親の会(現在は名称が NPO法人 全国ことばを育む会 )】はいったい何をしていたのか?一般社団法人日本言語聴覚士協会いったい何をしていたのか?

真相の究明が待たれます。
現在、吃音業界の派閥抗争を重く見た、他団体の人間が、吃音業界は「吃音が発達障害者支援法に含まれていることを2005年から知っていたことを証明する証拠を出そうか」という意見も出てきています。吃音者の不登校、自殺やひきこもり、ニートなどへの社会保障などの選択肢が見える化されていないことが非常事態であると認識されているのです。




逆に、一般に言われる発達障害者の団体は「吃音が発達障害者支援法に入っていることは知っていた」という人もいます。

2014年7月から吃音が発達障害者支援法に含まれていた

という設定は、もしかしたら間違っているのかもしれません。

吃音業界で誰か知っていたのに、黙って隠していた関係者がいるのかもしれないのです。

吃音の子どもやお父さん、お母さんも悲しい出来事や辛い悩みや経験をした人もいると思います。

でも、別の道があったのかもしれないのです。自殺した人も本当は生きているかもしれません。

今、ひきこもりをしている吃音者もいるかもしれません。

法律が周知徹底されなかったことの犠牲者はどれくらいいるのでしょうか?

8. 病院に行くことのメリット
現在、吃音を診療する病院はあまりにも少ないです。
また、吃音は保険診療できます。精神科病院であれば、自立支援医療を利用することにより医療費を所得によりますが1割負担できます。しかし、そもそも吃音は精神科では診療していないので、事実上、存在するが使えない状態です。


例えば、リッカムプログラムという治療法があると知っても、自分の子どもはすでに年齢対象外で介入時期を逃してしまう。そして、お父さんお母さんは自分自身を責め続けることもあるかもしれません。となると、吃音は障害じゃないですよーという派閥の教典が神のように思えることもあるかもしれません。

例えば、吃音を意識せずに、無意識動作として言葉を話せるようにしようと訓練するところもあります。自宅の鍵を掛けたかな?と心配になるが鍵を掛けていました。歯を磨くときの歯ブラシ、歩く時の歩き方など、麺類をすすって食べる日本独特の食べ方(外国人はできません)、普段、1から順番に確認しながら動作をしているでしょうか?していませんよね。吃音の場合もそれと同じだというのです。

例えば、軟起声という発話方法もあります。柔らかく息を吐くように言葉を発話する方法です。

その他にも吃音以外の発達障害が判明する可能性もあります。早期療育につながりますね。

病院にいくと医師が診断書や意見書を書いてくれます。これが合理的配慮を利用するときに必要になる場合もあります。


病院によって異なりますね。
それでも、病院が全都道府県に存在しないこと。
病院に行っても、「吃音は大人になれば治る、もうちょっと様子見しましょう」なんていう医師もいるので大変です。
発達障害者支援法
(専門的な医療機関の確保等)
第十九条  都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。
2  国及び地方公共団体は、前項の医療機関の相互協力を推進するとともに、同項の医療機関に対し、発達障害者の発達支援等に関する情報の提供その他必要な援助を行うものとする。
このような法律があるので、吃音当事者や保護者や関係者が協力して政治に働きかける方法もありますが、吃音業界はなかなか団結しないので困難です…。

2019年現在でも吃音を診療するという病院や医師は少ないです。
とくに吃音は幼少期のある時期に介入すれば、将来的に吃音が減る、消失するのではないかという報告もあります。しかしその「ある年齢のとき、吃音が判明してから短い期間で」吃音を診療してくれる専門病院に保護者と子どもがつながることができるのか?
保護者のお金がモノを言うようなことになってはいけないと考えます。吃音を診療する病院まで新幹線、飛行機で通院するなんて異常だと思います。北海道にいようが沖縄にいようが、均一な医療サービスを享受できなければいけません。

もしも保護者がお金がなくて、子どもにある時期に病院に通院させなかったために、吃音が一生涯継続することになったという場合も今後、保護者の中に出てくるかもしれません。次に出てくるのは「あの保護者は吃音を治すために病院にいかせなかったんだ。」という吃音が治った子どもの保護者とのマウンティングが始まるかもしれないと筆者は懸念しています。

しかし、筆者は大人になっても、新卒で社会人になる前に吃音がまだあったとしても、それは精神障害者保健福祉手帳を取得して社会参加をして良いと思います。2018年に発覚した国家公務員障害者雇用水増し問題のあとに行われた、障害者枠採用試験でも筆者のしる範囲で数名の吃音者が国家公務員になっています。2019年現在は発達障害者の雇用情勢も変化してきており、障害程度が軽度でも仕事のできる当事者なら出世していける企業団体も出てきているためです。また法定雇用率を満たせるという雇用主側との双方でウィンウィンの関係を目指すべきという就労移行支援業界の新しい流れも出てきています。新卒高校生や新卒大学生が就労移行支援事業所をもっと利用できるようにしようという動きも出てきています。

これらを考えると、別に吃音が治らなくても、しっかり法制度、社会保障制度を使い生きていくことは可能だと思います。吃音が発達障害者支援法に含まれていると発覚してしまった2014年当時よりは2019年現在の障害者雇用情勢は変化しています。


9. しかし病院に行くことのデメリットがある。これはとてつもなく大きい問題

こちらの記事も御覧ください
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/12/blog-post_10.html


2016年現在、吃音の書籍などを読むと、「気軽に病院に行ってみよう」と思わせるような記述があります。(地域によって異なるが)特別支援教育を利用するのに診断が必要な場合も、入学試験や資格試験に合理的配慮を求めるため診断書を入手するためだけに初診日がつくとトンデモナイことになります。これから書くことは一般に言われる発達障害者業界では周知されていますので、病院に連れて行かないで自分で療育するという親もいます。ただ、当事者団体には所属して情報交換はしています。発達障害を診療する医師も気軽な安易な診療について警鐘を鳴らす人もいます。

残念なことに吃音業界ではあまりにも知られていません。



病院に行くことは『初診日問題』が発動する諸刃の剣です。
初診日問題は全ての日本の障害者や難病者に共通します。
厚生年金を納付する以前に、たとえ誤診でもあっても、たとえ医師の●●科に関係なくても、患者が症状を訴え病院に初めて病院に行ったときが「初診日」になります。

・初診日は障害者年金と健康告知を必要とする商品サービスに加入できない問題に大きく影響します。

日本は法律として、いつその病気や障害を診断されたか?その日を基準にして考えるのです。
これが本当に大きな問題です。日本は国民年金と厚生年金・その他共済年金などがあります。

国民年金は障害年金が2級、1級しかありません。
厚生年金・その他は3級から1級まであります。
そして、3級とは「障害があるが配慮があれば働ける、日常生活ができる」場合の人に給付される年金です。

しかしながら、発達障害者や吃音者、知的障害者は子どものころに初診日があることが多いので、障害者手帳を持って働いていても、年金が貰えないのです。

一方で、最近、大人の発達障害というニュースが報道されることにより、厚生年金を納付しているときに運よく発達障害の初診日がある当事者は、障害者年金3級を受給しながら生活している人もいるのです。

年金事務所も障害年金はできれば払いたくないので審査もシビアで如何にして国民年金の時に初診日が存在したのか疑義を抱いてきます。通級を含む特別支援教育を利用した事実だけでも初診日がもっと昔にあるのではないかとして不支給になります。

発達障害の症状が全く同じのAさんとBさんが存在しても、片方は年金が貰えて、片方は年金が貰えないという事案が多くあります。この問題は吃音に限らず、障害や病気の垣根をこえて、法律や制度を改めるように政治に働きかけることしか解決方法はないでしょう。障害者の権利条約でも、不平等な状態は立法措置をしてでも改めなさいと書いてあります。


・健康告知を必要とする商品サービスに加入できない問題
これは住宅ローンや生命保険などです。
発達障害者や知的障害はこの問題があるため、そもそも発達障害者、知的障害者向けの保険会社が存在します。

なぜ存在するのか?それは一般のサービスだと丁寧にお断りされるからです。要は保険金を払うリスクやローンを完済しない可能性があるためです。エビリファイやコンサータ、ストラテラを服薬しているだけでも加入はできなくなります。

吃音はICD10でこのように分類されています。
精神及び行動の障害。


1 ICD10分類 > F00-F99 精神及び行動の障害 > F90-F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害 > F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症するその他の行動及び情緒の障害 > 

DSM5でも吃音は神経発達障害に分類されているので自動的に機械的に弾かれるだけです。ICD11でも吃音は神経発達障害となり、ASD、ADHD、LD、トゥレット症候群と同じ枠になりました。

吃音のある子どものお父さん、お母さんは「そんなバカな!」と思うでしょう。
ぜひ、勤務先にくる保険外交員さんや、仕事上のツテを利用して保険会社の人に質問してみましょう。正面のお客様センターに電話してはいけません。必ず、友人や親類縁者で保険会社に勤務している人に裏側から質問しましょう。もちろん自分の子どもが発達障害で、吃音で、なんて正直に言ってはいけません。親戚の子どもがとウソをつきましょう。

問題なのは吃音だと診断を子どものころに受けていたのに、それを隠して、サービスに申し込んだ場合です。もちろんそのサービスが提供されることはありません。払い損になります。




10. 民間療法、医師の指示がない保険診療をしない言語聴覚士クリニックの問題

・吃音は吃音を克服したとか、治したという吃音当事者の「私が治した方法」であなたを治すなどという商売があります。

これはたまたま、その人が「大人になると治る方の吃音」だっただけです。
大人になっても吃音の人はずっと吃音です。治らない吃音者は処世術やテクニックによって吃音ができるだけでないようにコントロールして乗り切っている人もいます。

この手の商売はコンプレックス商法で、治る確証もありません。お金をドブに捨てるだけです。
本当に本当に治るなら論文を発表すべきなのですが、どうしてしないのでしょうか?
協力する医師を見つけるという努力もしません。

・吃音のコンプレックス商法の他に、一般にいわれる発達障害者業界でも流行している商法があります。植物のエキスや、謎の水、謎の食品が存在します。吃音も対象になっているのでよく考えましょう。

・インターネット上の吃音を治すという情報商材(電子書籍)が販売されています。巧みな誘導で吃音当事者の書いたブログかな?と勘違いさせ購入ページに誘導する場合もあります。冷静に考えましょう。そんな簡単に吃音が治るなら、医学誌に論文掲載されているはずだ。ノーベル賞を受賞しているはずだ。世界中から吃音者は消えているはずだ。と冷静に思考してください。情報商材には購入する価値はありません。

・言語聴覚士だけのクリニックがあります。しかし日本は法律により保険診療をするには医師の指示が必要です。保険診療できるものを保険診療しないという、自由診療でお金を儲けようとするのはいけないことです。言語聴覚士法や言語聴覚士協会の倫理綱領を読んでも言語聴覚士は医師と協力すべきだと思います。

・言語聴覚士しかいない、医師免許を持った人がいない、または病院と連携していない、吃音クリニックは現在、徐々に増えています。しかしいざという時に責任問題になった場合に泣き寝入りするのは保護者です。

11. 吃音のある子どもの就職について
これは吃音者の就職に限らず、他の障害者でも同様です。
現在、発達障害の就労移行支援をしている事業者はこのように利用者に伝えます。
(これは就労移行支援事業所のスタッフが雇用する側の本音を理解しているためです)
・障害をカミングアウトするなら障害者手帳を取得して障害者枠で就職活動してください
・障害を隠せるなら絶対にカミングアウトしないならば一般枠で就職活動してください


この問題は、雇用する側の本音と建前です。
障害者差別解消法などは存在し、その際障害者手帳の有無は問わないとしていますが、やはり雇用する側は法定雇用率に計算したいのが本音。

雇用する側は現在、就職活動の応募者が自ら、障害や病気を告白してくると、理由を開示しませんが、不採用通知、貴意に添えない結果などを送付します。

2016年現在、精神障害者や発達障害者の雇用事例の勉強会や講演会では、必ず絶対に説明されること「障害受容のできた障害者、就労移行支援事業所に通所している者」を雇用すべきだと、人事部の障害者担当に説明しています。


この部分が吃音業界では、「そんなバカな話があるか」と信じない人がとても多く、新卒就職活動で吃音をカミングアウトした学生は次々と散っていきます。コネがある場合は別です。または一生に1回の新卒という資格を持っているときに、新卒障害学生向けのリクナビのようなサイトである、アットジーピーやクローバーなどを利用して就職する方法もあります。新卒の障害学生であればとても有利です。これが吃音1つの原因で新卒就活失敗して履歴書に空白期間ができると次が大変です。

仮に吃音をカミングアウトするにしても中堅社員くらいになって「キミがいないと困る状態」でないとカミングアウトはリスクの方が高いでしょう。

お父さん、お母さんもご自身の職場の人事部に確認しましょう「吃音者って雇用する?障害者手帳を持っていれば雇用するかもしれない?そもそもしない?」などを確認するのです。性善説が通用しないことがわかるでしょう。

そのため、一般に言われる発達障害者でも手帳を持っていても、発達障害があること手帳を持っていることを隠して給与の高い出世も望める一般枠で働く人もいるのです。ただ、やはり、吃音は発話した瞬間にバレるので隠すことが困難です。


現在、日本は一般枠か障害者枠しかないことが、二択しかないことがそもそも問題ですが、これも吃音者だけ、その保護者や関係者だけでは変化させるのは難しいでしょう。この構造を変化させるには吃音も含めて、いろいろな障害や病気、マイノリティと言われる人と協力しないといけないでしょう。

しかももう一つの問題は、現在、障害者枠といえば、身体障害者枠はあるのに、精神障害者枠が存在しないことがあります。特に公務員です。これも今後どのように変化するのか気をつけないといけません。かといって、民間企業もホームページの障害者向け採用ページをみると→障害者枠で働く先輩の紹介ページを見ても身体障害者ばかりなので、ここからも雇用する側の本音と建前を察することはできます…。

2019年現在、国家公務員障害者雇用水増し問題がニュースとなり、障害者雇用に精神障害者保健福祉手帳、療育手帳もしっかり入るようになりました。今後、地方にも広がっていくと思われます。地方公務員採用では「身体障害者のみ」という場合がありますが、こちらはマスコミに報道してもらうなどの方法で変化させていくしかないでしょう。またはその地方自治体の議会議員に訴えることです。

12. 吃音者が就職できない仕事はあるのか?
吃音者が就職できない仕事はあるのかどうか?
これは別記事でも書きましたが。自衛隊です。

別記事
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/06/q.html

自衛隊がダメなら警察や消防なども本音と建前ルールがあるかもしれません。

吃る時間が自分だけではなく、相手やお客さん、一般市民の「生命の危機」に影響を与える職業も吃音者は難しいでしょう。吃ってしまうその一秒一秒が危機につながる場合です。そう考えると銃火器など武器を使用する仕事、緊急救命医師、外科医なども吃音者には難しいかもしれません。ドクターX大門未知子が手術中に吃ってしまい看護師に指示出しが遅れる、手術時間に影響を与えたら患者が死ぬかもしれません。技術があって失敗しなくても、時間経過に勝てないのです。

警察や自衛隊が「とまれ!撃つぞ」という警告をするにしても、吃ってしまい警告する時間に影響を与えて、危機回避できない場合もあるかもしれません。先に相手に攻撃されるか逃げられるかもしれません。パトカーや消防車、救急車が「緊急車両が交差点に進入します! みなさん停止してください!」を吃ることにより発話発語できなければ、それこと緊急車両が一般車に突っ込むとか歩行者をはねることもあるかもしれません。


例えば防衛省の防衛省訓令第一号があります。航空身体検査に関する訓令です。ここでは「不合格疾患等」という項目に一般に言われる自閉症などの発達障害、吃音や気分(感情)障害や既往歴が不合格の基準として明記されています。海幕衛第8931号は海上自衛隊の身体検査です。こちらでも不合格疾患として「精神と行動の障害」、「吃音」が明記されています。陸上自衛隊達第 36―1号は陸上自衛隊の身体検査です。こちらでは具体的に吃音という項目はありませんが「脳神経・精神」の検査項目があります。
このような検査を見れば、行政職員でさえこのような基準があるなら、民間でも存在するはずだ、いや表向き存在しないとしていても裏ではあるはずだろうと思います。2013年に北海道で自殺した吃音者も警察官になりたいという夢があったとのことでしたが、どうしても面接で落ちてしまうことを繰り返したそうです。警察内部の採用活動基準については不明ですが、自衛隊でNGなら警察や消防でも難しいのではないかと思いました。
他にもこのような研究報告が独立行政法人労働政策研究・研修機構から発表されています。
吃音で困っていても、適切なソーシャルワークや、支援機関につながることができず、困難な状況に陥っているようです。


吃音の場合は、国会会議録の1966年第051回国会 社会労働委員会 第4号
昭和四十一年二月二十四日(木曜日)午前十時四十五分開議にて旧日本軍で吃音者が合言葉を言えずに殺害されそうになった例も紹介されています。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/051/0188/05102240188004a.html


その他の職業はどうでしょうか?
障害者欠格条項をなくす会の情報だとこうなっています。
http://www.dpi-japan.org/friend/restrict/shiryo/system63.html


公務員や警察もそうですが、採用試験の面接1回目で吃音がバレるとその情報は記録されますので、次回以降は不利です。吃音者でも公務員なら差別は存在しないと勘違いし年齢制限まで公務員試験を受け続ける方がいますが、なんともいえない気持ちになります。


現在、吃音当事者は国家資格を取得して働ける仕事がベストだろうと思います。
医療従事者の国家資格がオススメです。
または理系の道に進み研究者や技術者としての道も良いだろうと思います。
芸術系、クリエイター系も良いでしょう。
フリーランス自営業もあります。
公務員もまだ可能性としてはあります。(しかし、現在、公務員試験も発達障害傾向を調べるという情報が入ってきています)


大人になって居場所がある吃音者は大体がこのような仕事をしています。
逆に、世間一般の常識や「普通」を要求される仕事は難しいです。総合職は難しいでしょう。


吃音者がアナウンサーなど喋る仕事をしたいと思っても、現在の就職活動戦線を突破できるかどうかわかりません。先輩吃音者の事例はたまたま時代がよかった。スタートラインに立つことができた時代です。現在、吃音があっても仕事ができていたという50代60代は2016年現在の就職活動を経験したことがないため参考になりません。

吃音者の就労データーベースも存在しますが。そのデーターベースの当事者は「吃音があることを人事部などにカミングアウトしているのか?」も要チェックです。多くの吃音者は吃音があるけど大丈夫とは当事者会で発言しますが、職場では全力でそれを隠蔽している場合があります。

お父さんお母さんも成人している吃音当事者が社会人として活躍している美談を聞いて涙することもあるかもしれません。しかし、その吃音当事者は「職場の人事部に吃音があることをカミングアウトして一般枠で働いているのか」確認すべきです。吃音当事者はプライドの高い人が多く、ウソの物語や美化して創作した話をする人もいます。

くどいですが、お父さん、お母さん、親戚が働いている職場が吃音者を許すかどうか?障害者手帳を持っていれば許すかどうか?その確認作業も大切です。




2016年現在の就職活動戦線は、スタートラインにすら立たせない、そこに到達させないのが就職活動です。

昔の吃音者の先輩方のように試しに働かせてくれという機会すら存在しません。まずは就職活動という狭き門を突破しないと働かせてもらえない。そのため、ありとあらゆる可能性や武器を子どものころから想定しないといけないのです。コネなど、貸し借り、正規ルートではない就職活動のカードが用意できるなら使いましょう。それは悪いことではありません。使える武器は使うべきです。


13. 吃音のある子どものためにお金や不動産、株式など財産を残しましょう

吃音のある子どもの保護者や親類縁者の中には、将来、自分たちが先に亡くなっても、その子どもが幸せに生きていけるようにお金など財産を残そうとしている人もいます。(自分の子どもが、弊社では採用されない。自分の自治体では採用されない。とすでに真実を知ってしまった保護者など)

例えば、不動産収入を得られるように賃貸物件を購入することや、一軒家、マンションの1室を準備する保護者もいます。

または、そもそも吃音のある子どもに、株式やFX、不動産収入を得る、そういった勉強をさせる人もいます。


14. 私は吃って、カミングアウトして働いていますという先輩吃音者の体験談はウソです

吃音をもった当事者、子どもが吃音というお父さん、お母さん、保護者向けに、吃音者の先輩が「私はこうやって成長しました。今はこんな仕事をしています」系の体験談を話す人の中に、吃音をカミングアウトしていない人とカミングアウトしている人がいると思います。前者の方は職場では吃音を隠しているでしょう。後者の人は吃音をカミングアウトしているといいますが。

はたして、本当にそうでしょうか?

本当にカミングアウトしているならば、その人が働いている会社名が公になっているはずですし、吃音者が吃りながら仕事ができる素晴らしい会社であればもっと世間に知られているはずです。そして何よりも、体験談を発表する先輩吃音者が勤務先の人事部、採用担当者に口利きをして「後輩吃音者!!みんなうちの会社に来いよ。ちゃんと口利きするから大丈夫。障害者手帳もいらないよ」と導いてくれるはずですよね?

2018年や2019年に、AbemaTVやテレビ東京や日本テレビやNHKで吃音のある学生が就職活動しようと思って、吃音をカミングアウトして一般枠で就職活動をした事例が報道されましたが。その当事者を助ける、先輩吃音者、企業団体はありませんでした。要はこれが事実なのです。

吃音で吃りまくっている、仕事がうまくいっているという発言をする先輩吃音者は、困っている後輩吃音者を助けてはくれないのです。

以上のことからも吃音の子どものお父さんお母さんは、吃音者先輩のありがたいお話を聞く際には ちょっとオカシイぞ! と思いながら話を聞くことが大切になります。



15. 子どもの教育はどうするの?

吃音のある子どもの教育で大切なことはなんでしょうか?

今のところ、吃音のある若者が就職できている事例を見ると、文系よりも理系。さらに国家資格を持っているなどの人が就職できている可能性が高いです。サラリーマン総合職などは困難だと思ってよいでしょう。


今後、世界情勢や日本の国内情勢からすると、英語、中国語、日本語が話せるくらいになっていないと難しいかもしれません。

実は英語や中国語などができると、日本の新卒就職活動戦線で有利なります。または、そもそも日本企業では働かないという選択肢もでてきます。ここが重要です。就職活動の土俵が日本国内ではなく、世界全体になるのです。となると、そもそも吃音を含め発達障害というものに対する価値観が日本とは異なる国で働ける可能性がでてくるのです。外資系企業で働く、発達障害者の事例として。年棒制や契約期間という違いはありますが、給与も遜色なく、そして、最初に契約した仕事をしっかりやれば文句を言われないという環境があるといいます。外資系企業は発達障害に限定せず、障害や性別による差別はあまりありません。この部分も重要になります。発達障害のある人でも精神障害者保健福祉手帳を持ち、外資系企業で活躍する人もいます。

外国語ができるということは、情報をリアルタイムで獲得することができます。アメリカでテロが起きてもNHKのニュース速報で知る前に、英語メディアで知ることができますよね。そこで、外国語を勉強しておけば、そういう情報を日本に伝える仕事もできることになります。逆に日本で起きた情報を外国に伝えることもできます。こういうところで取材や翻訳や編集の仕事をしている発達障害者もいます。吃音者もこういう道を意識してもよいでしょう。


日本はそもそも人口が減っているため、大韓民国のように国内人口を相手にした商売は衰退するか、大きな成長は見込めないのです。国外のユーザー向けにビジネスをしようとなるのです。外国語を話せることは重要です。

その他に日本国内において発達障害者として障害者枠で働いてる人の中で外資系企業に雇用されている人がいます。外資系企業は日本企業のように待遇で差別はしないというのです。そういった場所ではたらくにしても外国語が話せたほうが圧倒的に有利です。それ以外にも訪日外国人向けのビジネスなど、日本の製品を世界のオークションサイトなどに出品してお金を稼ぐということもできるようになります。


吃音のある子どもの教育は、健常者の子どもを教育するように、外国語教育が重要になってくるかもしれません。お父さん、お母さんはとてもやることが多いかもしれません。あまり頑張りすぎないようにしてください。


子どもの教育 追記
子どもの教育についてです。発達障害業界の事例になりますが、発達障害のある人で精神障害者保健福祉手帳を取得して、オープン、クローズで働く人の中で、比較的ストレスなく、安定した生活をしている人。これらは専門職の人が多いです。総合職ではなく専門職です。 たとえばAdobe社のソフト(イラストレーターやフォトショップなどが有名)が扱えるとか、ライティングや編集、校正など文章を扱う仕事になります。とくにAdobe社のソフトは、学生であれば、学割価格でとても安い月額料金で使えます。このときに使い方を勉強するのは良いことだと思います。

もちろんこの際も「外国語」ができるならば、日本国内外のお客様とやりとりができる可能性があります。

吃音のある子どもの将来のために、「総合職」として就職する未来ではなくて、別の未来を考えてみましょう。

第一に「外国語」を1つマスターする。
第二に「専門職」として技術を習得する。
第三に「人生」を「ライフステージ」を、障害やマイノリティに厳しい日本ではなく、世界で考えること。

吃音のある子どもの保護者にはこれを知ってほしいのです。


16. 小学校、中学校、高校などで吃音のある子ども、発達障害のある子どもへの合理的配慮はどうやって学校側と取り決めればよい??

吃音のあるお子さんが安心安全な環境の学校で学ぶためには合理的配慮が必要になる場合もあります。保護者さんが平日昼間などに有給を半休をとって学校に行くこともあるかもしれません。吃音のこと、発達障害のことを説明にいくかもしれません。吃音を診療してくれる吃音ドクターであったり、吃音に理解ある精神科医師などから診断書を書いてもらうかもしれません。吃音について書かれた書籍を学校に提供するかもしれません。

さて、この場合本当に重要なことがあります。
それは、各地ごと、各地の教育委員会ごとで書式や呼称などは異なりますが。個別の指導計画、個別の教育支援計画という(以下 計画)、カードを使うことです。

文部科学省の説明ページ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/032/siryo/06090604/003.htm

この計画ですが、吃音のあるお子さんも使えます。
なぜこの計画を、このカードを使わないといけないのか。
それはせっかく医師に書いてもらった診断書などを持っていくだけ。その場で話し合うだけではダメなのです。学校教員の中にはあまり真剣に吃音のある子どもの合理的配慮を考えてくれる人はいないかもしれない、または、保護者が学校に説明にいったときに合意したことが実行されないこともあるでしょう。言った言わない問題になることです。それらを防ぐために文章にして「計画を発動」することが重大なのです。

さらに吃音業界独特の文化として、派閥抗争があり、吃音を認めありのままに吃ろう、吃りは友達、どもだち、堂々と吃れ、安心して吃りまくろう!という派閥に染まっている教員も存在します。その教員と保護者と当事者である子どもの価値観が合わなければ、これこそ、キッチリ計画を発動してこちらの実行してほしい合理的配慮希望を伝えるほうがよいでしょう。例えば吃音をできる限り治したいとか、吃音がでないような話し方を身に着けていきたいなどです。または吃音があるため、積極的な発言をしたくない。極力学校では発言しない発話しないですごしたい。発話発語を必要としないコミュニケーション手段を用意してほしい使えるようにしてほしい。スピーチや読み上げることは授業では免除してほしい。試験などは個室で行ってほしいと合理的配慮を申し出ることもでき、まずは勉強に集中したい安心安全でドキドキしながら通学したくない、お腹いたくならないで通学したいという保護者と当事者もいるでしょう。

いずれにせよ「計画を発動」するということは、その子どもと家族ごとに個別にカスタマイズして作成した計画を発動することですから。ここでは過度過重な合理的配慮を要求しない限りは、ほとんど認められると思います。吃音の場合の過度過重な合理的配慮ですが、「最後まで吃りながら吃りまくって話す」ことが過度過重になります。授業予定時間は延長することができないのに、どもってしまう時間を全部認めるのは難しいからです。例えばNHKのニュースに吃音アナウンサーが出ていて。30分しか放送時間がないのに、吃音でどもりまくることにより、40分も放送時間が必要になった、今日は33分だった。と時間が日々変動するのは過度過重な合理的配慮になるからです。


ところでこの「計画」とはなんなのか? と思う保護者さんもいるでしょう。
それもそのはず、吃音業界の文化に染まりきってしまった、教員はこの2つの計画を保護者に説明しない場合もあるのです。要は面倒だからです。今まで培ってきた大いに吃る吃りまくる堂々と吃る、吃音は発達障害と一緒になってはいけないなどの吃音世界を破壊されるのも困るわけですから。(何れにせよ、合理的配慮はその子ども、保護者ごと個別に作成される考えることが重要になります。合理的配慮に教科書的な正解はありません。その当事者ごと、その当事者の価値観、その当事者の希望に合わせて落とし所を考えることになります)

地方自治体の窓口などに行ったとしましょう。住民票を取りたい、何かの住民サービスを利用したい。こういうときは申込書を書きますよね。または役所から何らかの文章が届くときは番号がありますよね。その場合、その申込書や申請書や通知書は「様式XXXX」、「●XX様式」などと左上や右上に書いてあると思います。そうです。公務とは書類により文書主義になっているのです。

これが実は教育でも存在しており、それが先ほど説明した個別の指導計画、個別の教育支援計画という書類に記入することなのです。小学校、中学校は各都道府県ではなく市区町村の教育委員会ごとことなります。高校は各都道府県になります。この計画を発動することにより、証拠が残ります。子どもに対してどのような合理的配慮や安心安全な学校にするのかを書面に残していくからです。

そこで計画を使いたい!! と学校側に申し出るのです。
もちろん余計な仕事をしたくない、責任を増やされたくないという学校や教員は『お子さんの吃音程度ならこれは必要ないですよ。大丈夫ですよ(笑)』などなど計画を使わせないように水際作戦を展開してきます。『今真剣に話したことを実行しますよ。大丈夫ですまかせてください』という発言を平然とする教員もいるでしょう。

それを吃音のあるお子さんの保護者さんは信用してはいけません! 実社会でも何度も保護者さんは経験しているでしょう? 言った言わない問題を人生で何度経験しましたか? 平気でウソを付く人、やるといってやらない人。それは教育現場でも残念ながらいます。

そういう場合は教育センターや教育委員会に経緯を説明し計画を使うにはどうしたらいいかと相談に行きましょう。とくに吃音の場合は他の発達障害と違い、吃音業界の吃音至上主義のせいで、吃音は障害ではないと思いこんでいる、吃音はどもりまくってよい、そういう価値観に染まっている教員もいるため水際作戦を使うことや、保護者が要望要請したことを実行しない場合もあります。それを防ぐ意味でも計画を発動することが大切になるのです。

この計画の中には、子どもが安心安全に学校に通学できるためにはどのような合理的配慮が必要なのか。吃音があっても吃って行く方向にするのか? 吃音をできる限り出ないように訓練して流暢に話すようにしていくのか? 吃音があるのでとりあえず、発話発語はせずそれ以外の手段方法でコミュニケーションしつつ学校に通うのか。いろいろなパターンがあると思います。

その際、子どもの吃音はオープンでいくか、できるだけひっそりとしていくか。
吃音のことはクラス全員にオープンにして話すか、それ以上の範囲にも話すか、一部の人だけに伝えておくか。それとも隠すか。(筆者は吃音のことはクラス全員に伝えたほうがラクだと思います。吃るときもあれば、吃らないときもあって、うまく話せてるときもあるし、いきなり吃りまくってどうしようもないときもある、情報が事前にわかっていれば人間は理解できるからです)

吃音を説明するとしてどうやって説明するか。その方法。子どもが言うのか。
担任が言うのか。その際子どもは教室にいたほうがいいのか、いないほうがいいのか。

吃音に対する他の子どもからの指摘、いじめ、からかいが発生した場合どうするか。
どうやって解決していくのか。子どもがどうしてもクラスに居たくないと思ったときに逃げることができるパニックルーム・セーフルームはどこにするのか? 職員室か? 保健室か? それとも特定の先生の部屋か?

すべての教科担当に吃音のことを担任から説明するようにと明記するか。
吃音について知識がない教員だと、「なんだコイツ。うまく話せてるじゃん。吃音があるなんてウソなんじゃないか? もっと話させよう」と考える方もいますし。「この子吃音で話せないんだ。じゃあ、どんどん話を振っていこう、無理やりにでも話させて、それを繰り返していけば話せるようになるだろう」と考える方もいますし。教科担当ごとに障害に対する価値観が異なる場合は本当に説明が困難になる場合もあります。
そのため、「計画を発動」する段階でかなり細かく、深部まで想定して文章にしたほうがよいです。

授業ごとどのような合理的配慮を希望するか。発言をしなくてもよいことにするか、発言をしたいときは右手を挙手する、発言をしたい解答はわかっているけど吃りそうだから先生指名しないでの意味をこめて左手を挙手するルールをつくるか。

中学校であれば職場体験として、子どもがどこかに電話しなければいけないのか、その場合は学校側、教員が電話してくれないか。

学校側と保護者と(場合によっては)子どもも含めて定期的な面談はどのくらいの頻度にするか。

保護者が学校側に連絡する場合、学校ではまず最初に誰が窓口になるのか。その担当窓口に話したことは各教員に自動的に共有されるか。の確認も必要になります。ワンストップサービスと同じ考えです。何度も何度も教員ごとに保護者が説明する必要は無いからです。

以上のようにありとあらゆることを学校と話し合い、どうしていくか決めていくのです。

保護者、当事者である子ども、担任教師、学年主任、養護教諭、教頭、校長、発達障害支援コーディネーター、教育センター職員、必要に応じて病院医師、言語聴覚士、作業療法士、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、外部のサービス事業者の支援職などなども必要になります。

そしていよいよ、吃音のあるお子さん、その家族と学校側が、その子どもにあったカスタマイズ合理的配慮を考えて落とし所で合意するのです。


吃音のあるお子さんの保護者の場合、病院からもらった診断書などを、担任教師のみだけとの話し合いで消費してしまうこともあるかもしれません。。それはもったいないです。同時に「計画」を利用する、発動するのです。これで文書主義である「証拠」ができます。あとから言った言わない問題。そんなことは聞いてない。忘れてました。忙しくてできませんでした。子どもに嫌な思いをさせました。子どもが吃音を他の子から指摘された、イジメが始まった。子どもが不登校になりました。子どもが自殺自死をほのめかすよになりました。最悪の場合、本当に亡くなってしまいましたということも発生することもあるかもしれません。そうならないためにも、「計画を発動」すること書面化すること、学校側と合理的配慮について取り決めて、責任と証拠が残る状態に持ち込むことがまずは最優先になります。

また、「計画」は書面としてどんどん蓄積されるので、次の学年、次の学校へ、入試のときの合理的配慮、就職活動時の合理的配慮、就職活動時に精神障害者保健福祉手帳が必要な場合にスムーズに手続きができることにもなります。このように次々と引き継ぐことができます。必要なくなれば一時停止もできます。合理的配慮が必要なくなればいったん、保護者さんがそれらの書類全部を引き取ってもよいでしょう。母子・父子手帳と同じようなイメージです。子どもが成人しても保管しておきましょう。いつか使う日があるかもしれませんし、使うことは無いかもしれません。

2016年1月4日月曜日

【重要】ありとあらゆる場所に吃音を相談する場合 絶対にしてほしいこと

いま、この記事を読んでいる人に必ず覚えておいてほしいこと。
実行してほしいことを書きます。

これから、吃音者、その家族のみなさんは吃音の相談をどこかにしますね。
どこに相談に行きますか?

市区町村の障害福祉課ですか?
学校や先生ですか?
ハローワークの窓口ですか?
病院窓口ですか?
医師ですか?
幼稚園や保育園へですか?
都道府県別ごとにある XX言語聴覚士会ですか?
就職活動の応募先ですか?
今、働いている職場ですか?


先に伝えておきます。
吃音の相談をすると、とても辛い経験や嫌な思いをします。
人権侵害を受けることもあります。
残念ながら吃音当事者や当事者団体は政治運動、障害者運動などをしていなかったため、2016年現在でも吃音者やその家族を取り巻く環境はそうなのです。

それに泣き寝入りすることはありません。
法律に従ってビシっと反撃してください。
苦情や懲戒を求めるなど。
あまりに悪質な場合は地方議員や議会、国会議員に情報提供すること、新聞社に情報提供することも視野に入れてください。



★必ず 吃音の相談内容をボイスレコーダーやICレコーダーで録音してください
・電話の場合はスピーカーホンモード、ハンズフリーモードにして、双方の会話を録音してください。
・対面での相談は、「相手にわからないようにして録音」をしてください。
相談する部屋に入る前から、ずっと録音モードにしておきましょう。勝手にオフにならないようにホールドモード、固定モードにしましょう。

秘密録音については意見はありますが、行ってください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%98%E5%AF%86%E9%8C%B2%E9%9F%B3

ボイスレコーダーはSONY製品のスタンダードモデル以上がオススメです。また、ソニーの編集ソフトが使いやすいのも理由です。カカクコムで調べてください。


★Eメールなどメッセージで相談をする場合は、履歴を保存しておきましょう
メールやメッセージで相談する場合は送受信履歴を保存しておきましょう。
後々の管理の容易さから携帯電話のメールよりも、パソコンのメールアドレスやGmailなどがよいでしょう。



★★音声証拠や文字証拠を残さないといけない理由について
吃音の相談をする場合、なぜこんな面倒なことをしないとならないのでしょうか?
1番は「言った・言わない」問題です。
人間は平気で嘘をついたり、しらばっくれます。
例 学校に吃音の相談したとして、全ての先生に伝わっていると約束したのに。
伝わっていなかった例。それによって心に深い傷を残すかもしれません。

2番目は「2005年から始まっている発達障害者支援法に吃音が含まれていること、よって、他の発達障害者のように全く同様の公的支援や福祉、合理的配慮を受けることができること」を相談相手が知らない問題です。
2005年から始まっている発達障害者支援法については国や地方公共団体、公立や国立の病院や大学病院、学校。その他税金により運営されている団体において発達障害者支援法は、理解していないとなりません。わからないとか読んでないという回答は許されません。2016年現在にもなって知らないということは許されません。一般企業や私立の学校ならば仕方がないかもしれませんが。


その他、このような理由があります。
下に書くような、「ひどい扱い」を受けた時に、証拠として、地方議会や国会や都道府県庁や厚生労働省や内閣府に相談するときの証拠になるからです。

1.吃音のことを市区町村に相談したが
吃音は障害ではありません。吃音が障害者という法律はありませんと窓口で追い返される。

残念ながらこのような職員の方が存在します。
音声データが証拠になりますので。苦情を申し立てることや地方議員や議会に持ち込みましょう。


2.吃音を診療する病院を探しても探してもない
一向に見つからない。どこに相談しても、そのようなものは無いと言われる。地方公共団体、自治体、の職員に吃音を診る病院なんてないよと言われる。

2005年に始まった発達障害者支援法が守られていない 都道府県は発達障害(吃音も含む)を診療する病院を整備しなければならない。都道府県ごとに最低一つは吃音の専門病院がないといけないはず。2016年になっても存在しないなんておかしい。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO167.html
(専門的な医療機関の確保等)
第十九条  都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。
2  国及び地方公共団体は、前項の医療機関の相互協力を推進するとともに、同項の医療機関に対し、発達障害者の発達支援等に関する情報の提供その他必要な援助を行うものとする。
3.病院がみつかった
しかし電話窓口で「ウチは吃音を診療していますよ」と言ったのに、実際は吃音なんて診療していません。と病院に行ってから冷たく言われる際の証拠。

4.吃音を診療するという病院が見つかった
しかし病院に行ってみると、「ウチは吃音で障害者手帳なんて人は相手にしないから」 「ウチは吃音は訓練すれば治るってことだから」 「吃音で障害者手帳なんて甘えだ」 という理由で障害者手帳申請書類を書いてくれない病院・医師のドクターハラスメントに対抗するための証拠。吃音当事者の中にはやっとみつかった病院に行っても医師や言語聴覚士や看護師などからドクハラなどハラスメントを受けたという人もいます。

5.ハローワークで吃音のことを相談したが、まともに取り合ってくれない

発達障害者支援法が周知徹底されていない証拠。

6.就職活動で応募先に吃音の配慮を求めたが、まともに取り合ってくれない
または差別発言が出てくる。

発達障害者支援法が周知徹底されていない証拠。だが民間企業であれば丁寧に丁寧に説明したほうがよい。
 吃音者への差別事例
「吃音? なんだそれ?」

                『………どもることです…』 

「あぁー どもりか!! お、お、お、お、おにぎり食べたいんだな(笑) アレだろwwwww」
「うーん。言葉が上手く話せない人に仕事はないよ。」
「話さない仕事探したほうがいいんじゃない?」
「あなたのせいでさ、他の人の面接時間が奪われているんだけど理解できる?ねぇ?わかる?それ職場でもやるの?許されると思ってる?トヨタ生産方式のムリ・ムダ・ムラって理解できる?時間のムダって知ってる??」
「あなたが吃っている間に、こっちはずっと待っていろってこと?冗談じゃない!バカも休み休み言え!」
「どもるならウチでは不採用だね(笑)」
と言われた場合に対抗する証拠。
ただし、「給与を貰う立場」なので、あまりに権利を主張しすぎると、企業側に情報共有されてブラックリストに入るのでオススメしない。

7.幼稚園 保育園 小学校 中学校 高等学校 大学 専門学校 高等専門学校 などに吃音について説明する場合

教育課程では私立や国公立の違いはある。しかし教育現場で発達障害を知らないのは2016年現在だと異常である。国公立学校なら発達障害者支援法は理解していなければならない。

2016年現在、学校や学校の先生に吃音の説明や合理的配慮を求めようとして相談したが。
吃音のことをそもそも知らないという教職員が存在する。今は2016年である。
なぜ、吃音当事者や保護者養育者が0から100まで丁寧に説明しないといけないのだろうか?
よくインターネット上の相談に「学校に子どもの吃音の説明をしたが、とても苦労した。疲れた」という心労が書き込みされる。

だがこれは異常事態なのである。繰り返すが、今現在は 2016年 である。
発達障害者支援法は2005年から動いている。

本当ならば教職員は「吃音のいろは・利用できる公的な支援や福祉」について理解していて、「私にまかせてください!! それからお子さんへの合理的配慮はどれくらいにしますか?一つ一つの場面について話し合いましょう」と教職員は胸を張って言わないとなりません。

社会人になる前の、児童生徒学生の身分ならば、「お金を払う立場」なので権利を主張しすぎても大丈夫。モンスターペアレントにはならないように。


答え
発達障害者支援法が周知徹底されていない。
吃音は障害者ではない派の主義主張の染まりきっている教職員の場合。
の2点が考えられます。特に「吃音の障害者認定反対派」に洗脳されている偏向している教職員の場合は、証拠をもとに教育委員会に苦情の申したてをしたほうがよいでしょう。
教育現場は中立で公正公平でなければいけません。教職員が障害者認定反対だからといって、発達障害者支援法にもとづいて、行使できる公的な支援や福祉や合理的配慮があることの情報を当事者、保護者や養育者に教えないことは異常事態です。吃音当事者の人生の機会損失です。選べる道、選択肢はいつでも使えるという安心感を持ちつつ、失敗をしたり、挑戦すればいいのですから。それでも社会人になるとき・その2年前くらいに吃音で苦労するなら障害者手帳を取得すればいいのですから。