2017年5月17日水曜日

2017年5月16日 NHKが発達障害プロジェクトのページを公開

2017年5月16日、NHKが発達障害プロジェクトというページを公開しました。
2017年はNHKがNHK、ETV(教育テレビ)が連携して、発達障害全般を扱う取材をどんどん行っているとききます。吃音もNHKからの指示で取材されているそうです。

発達障害プロジェクト
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/ 

さて、このページ、ドキッとしますね。
あなたは「定型発達症候群では?」という問いかけです。
確かに発達障害者からすれば、健常者といわれる定型発達の人達のほうが病気や障害だろと思う人もいるわけです。空気を読むものではなく呼吸するものですから!という感じでしょうか。

取扱説明書を投稿するページもあります。
発達障害ごとの取扱説明書が蓄積されていくでしょう。
筆者も吃音の取扱説明書を投稿していきます。

2017年5月8日月曜日

沖縄県沖縄市の障害福祉課が吃音は精神障害者保健福祉手帳が取得できると市民の声で回答

沖縄市役所 障がい福祉課 給付係の市民の声への回答を掲載する。
吃音が発達障害者支援法に含まれており、発達障害者として精神障害者保健福祉手帳が
取得できるということが市役所レベルでも周知されてきているようだ。これはとても良い流れだ。

2017年01月05日 精神障害者保健福祉手帳についてというURLだ。
http://www.city.okinawa.okinawa.jp/voice/c/17/d/11519

 ご質問内容

吃音症という症状を持っています。
外見ではあまり分からないものですが、仕事の際に支障を感じており、職場を転々としている状態です。
吃音ではどの程度の症状の人が手帳の申請をできるのでしょうか。
 
 ご回答内容

こんにちは。回答が遅くなり、誠に申し訳ございません。
ご質問のありました件について回答させていただきます。

精神障害者保健福祉手帳の申請に関しては、専用の診断書を病院(精神科、心療内科など)の主治医に書いていただく必要があります。
「吃音症でどの程度の症状が手帳に該当するか」というご質問ですが、沖縄県の担当者によると、「提出された診断書の内容を総合的に判断するため、診断書をみてみないと判断できない」とのことでした。
日常生活や社会生活にどのくらい支障があるのか、ということを診断書で判断するようです。
申請は診断書があれば可能ですが、初診日から6か月以上経過している必要があります。役所で申請後、沖縄県の審査会で手帳の承認・不承認が判定されます。
また、障害年金をもらっている場合は、障害年金証書(精神障害の事由によるものに限る)で手帳を申請することも可能です。

ご不明な点などありましたら、下記までお問い合わせください。



沖縄市役所 障がい福祉課 給付係

2017年4月15日土曜日

2017.4.8 世界自閉症啓発デーシンポジウムの様子

こちらは4月8日に灘尾ホールで行われたシンポジウムです。
この会場でも吃音やトゥレット症候群が発達障害に含まれていますというアナウンスがしっかりとありました。

本当に感謝です。吃音者に寄り添い、いまでもなお手を差し伸べてくださるみなさまに心より感謝いたします。
吃音も発達障害者支援法に2005年から含まれている。これはとても大きい。2017年からこれからも啓発していかないと。不登校や引きこもり、自殺を決断する人が、使える社会保障制度があるように。ライフステージごとに、いつでもSOSがだせるように。社会保障制度や合理的配慮を利用することが恥だとか、弱さとか、逃げだとか思わないように。吃音で命を絶つことはできる限り避けたいから。
吃音の障害者認定反対派は憤激するでしょうが、日本には憲法もありますし。困っているときに使える制度があるのはとても素晴らしいことだと思います。

シンポジウムでは地域つくりリーダーの思いとして。稲村和美氏(尼崎市長)、北村正平氏(藤枝市長)、比嘉ゑみ子氏(沖縄県中小企業家同友会)のシンポジスト発表がありました。自治体ごとの発達に課題のある子どもへの対応や親への対応。早期発見早期療育の仕組み。子どもも親も両方支えることの大切さ。子ども発達支援センター。切れ目のないいつでも利用できる仕組みなどが説明されました。
また沖縄県の中小企業家同友会が障害者雇用事例を紹介しました。

効果的な伝え方の工夫(マスメディア)
というシンポジウムもあり。
神戸金史氏(RKB毎日放送東京報道部長)、東ちづる氏(女優・一般社団法人get in touch代表)、熊田佳代子氏(NHK文化・福祉番組部チーフプロデューサー)の3名から、相模原の障害者無差別殺人事件、どうやってマスメディアにアピールするか、ナチスドイツのT4作戦の番組、これらを交えて、マスメディアの報道の力やそれが世の中に与える影響などについて話し合われました。

マスメディアの力は良い面もあれば悪い面もある。報道する自由や報道しない自由。報道する側が面白いとかメリットやドラマがないと報道しない場合があると東ちづる氏が話しました。
NHKの熊田氏からは、相模原の事件の被告はタイミングよくETV特集を見ていたのではないか?という心配もあったと明かしました。(結果的にそれはなかったそうです)ヒトラーが降りてきた?という発言に放送が影響したのではないかという心配でした。



また、神戸金史氏がフェイスブックに投稿した文章も紹介されました。
コチラです。




#吃音 #発達障害 #WB2017 #MAZEKOZE



吃音やトゥレット症候群が発達障害として説明されています。
この説明板は東京タワーの2階にも掲示されていたそうです。







発達障害の支援を考える議員連盟 高木美智代事務局長


2017.4.2世界自閉症啓発デーin東京の様子

4月2日は世界自閉症啓発デーでした。
 詳細はコチラ
http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/

都内では東京タワーが自閉症協会が中心にいろいろな発達障害当事者団体や支援者の啓発活動、渋谷方面でもゲットインタッチという団体が発達障害を中心にまぜこぜで啓発活動をしました。

吃音者の団体も2016年に引き続き、啓発活動に参加していました。
当日の配布された他団体の資料でも吃音やトゥレット症候群が発達障害に含まれると書かれており、2005年施行の発達障害者支援法が今まさにスポットされているともいえます。改めて実は2005年当時から吃音は発達障害者支援法にふくまれており、社会保障制度も使えるはずだったということが世間に知られていくでしょう。

今回の世界自閉症啓発デーでわかったことはMAZEKOZEの良さです。
意外にも吃音が発達障害だということは他団体の人の方が知っている方がいたりするので驚きです。一般に言われる発達障害児者の当事者や家族、携わる医療従事者や支援者のみなさんは、発達障害の人の中に吃音を持っている人がいることを知っているのでしょう。

また、吃音業界の派閥抗争、考え方の違い、障害者認定反対派などの動きもありますが、それでもなお、それでもなお、吃音者・吃音業界を突き放さずに吃音者に手を差し伸べてくれるみなさまに心より感謝いたします。本当にありがとうございます。








2017年2月5日日曜日

吃音を診療・診断する医師の方向け吃音診療ガイドライン

※この記事は医師免許を持っていない者が書いています。これを念頭にお読みください。

◆あらすじ

吃音が発達障害者支援法に含まれるということが、改めて公になった2014年7月3日。
吃音業界には激震でした。まさに青天の霹靂、寝耳に水という事案・事件ではなく、事変でした。吃音事変2014と言うべきところでしょう。

はっきり言うと、吃音が発達障害者支援法に2005年の施行当初から「吃音」が発達障害者支援法に含まれていたことを理解できていれば2013年、北海道の吃音看護師も自死を避ける選択をした可能性もあったわけです。

2013年の吃音看護師自死は7月、8月に北海道のローカルメディアで報道されたあと、半年後に朝日新聞社が全国紙として、テレビ朝日も取り上げました。

問題なのは吃音業界の派閥抗争の異常さです。
2013年の吃音看護師自死の報道の際も『吃音は発達障害者支援法に含まれているよ。精神障害者保健福祉手帳を申請すれば取得できるし、社会保障制度を利用できるし、人権侵害があれば障害者を扱う関連法案と既存の人権侵害の両方からも戦えたよ』と詳細を調べて報道するマスコミ、マスメディアがいなかったことです。

しかし、筆者が独自に調べたところ、一般社団法人 日本発達障害ネットワーク JDDnetには設立時から2012年?までに「全国ことばを育む親の会(2016現在 言葉を育む会)」が参加していました。
 
また2007年? 2008年?に「一般社団法人 日本言語聴覚士協会」もJDDネット参加しています。2017年現在でも加盟団体です。

おかしいですよね?
吃音にも関係ある団体がJDDネットに参加していたのにも関わらず、「吃音が発達障害者支援法に定義されている」と全国各地で周知徹底をしなかったのです。法律や情報を「見える化・分かる化・共有化」しないという理解しがたい行動です。


ただし、一般に言われる発達障害の子どもを学校で担当する教員、大学などで発達障害児者を研究する研究者や学者や教員、発達障害を診療する医師、小児科の医師は、自閉症スペクトラムやADHD、LDやチック・トゥレットの方々に吃音を持った人が存在することはよく知られていました。筆者を発達障害であると診断した小児科医師も「吃音と発達障害は両方持った人が多い」と話していました。「発達障害とは、考え方、認識の仕方、人間の五感、運動機能、記憶、学習能力、読み書き、話すこと、などなどを司る脳の機能の障害である。それがもとになり不利益や不自由、コミュニケーションが困難、生き辛さが生じる」と小児科医師は説明していました。吃音であれば話すことの発達障害になる、自閉症スペクトラムであれば、考え方や認識の仕方の発達障害になるというのです。


吃音業界と縁の深い耳鼻咽喉科医師やことばと聞こえの教室の教員、言語聴覚士はそのようなことは知らないというテイを現在でも貫き通しています。
(知っていたなんて認めれば、吃音を苦に自死した人、ひきこもりになった人、イジメを受けた人、進学を諦めた人、就職活動を諦めた人、に合わせる顔が無いですからね。知らなかったという魔法の言葉で自分の責任から逃れているわけですね)

特に公務員、公務員に準じた独立行政法人など、国公立の教員、国公立大学の教員・研究者、国公立の病院医師は法律や通知文(17文科初第16号厚生労働省発障第0401008号)を知らないなんて言い訳ができるのが驚きなのですが…。


17文科初第16号厚生労働省発障第0401008号平成17年4月1日
厚生労働省 文部科学省 発達障害者支援施策について
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0412-1e.html


吃音業界が伏魔殿であり異常事態に陥っていることは
別記事をお読みください。
2016年11月27日 東京大学の吃音サークルが吃音業界の不都合な真実を演劇で披露しました

【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン

【重要なお願い】吃音業界は2005年4月から施行の発達障害者支援法を本当に知らなかったのか?なぜ2013年に北海道で吃音看護師が自死したのか



◆本題 吃音を診断、診療する際に気をつけること 医師が懸念していること

筆者が医師や精神科医師に質問して判明したことです。

吃音は従来、国立障害者リハビリテーションセンターが担当していたこと、耳鼻咽喉科が担当科であると暗黙の了解・空気で決まっている。住み分けとも言うべきか。そして発達障害者支援法ができる前に医師免許を取得している医師の場合、本当に吃音の知識は少ない。無い。故にあまり精神科や発達障害専門にする病院では敬遠する傾向があります。

また、吃音は「なりすますことができる。演技をして吃音を装えることができる障害」であることが、精神科医師や発達障害を専門にする病院医師が抱えている大きな悩みだというのです。

国立障害者リハビリテーションセンター病院のように脳を調べることができるなら、この人は確実に100%吃音であるとわからないことが怖いというのです。もしも吃音をなりすまして演技をしている人に精神障害者保健福祉手帳申請書類、診断書を書いてそれが自治体、厚生労働省に認められるようなことになれば、診断した医師の能力や責任問題になることがとてもとても恐ろしいというのです。

佐村河内守氏問題のときに聴覚障害者を診療診断する際のガイドラインができたことはみなさん記憶しているでしょう。結果として厳格化されることになりました。

厚生労働省 聴覚障害の認定方法に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai.html?tid=185034

聴覚障害「全聾」認定、脳波検査義務づけへ 佐村河内さん問題で厚労省検討会 2014.10.30 21:21
http://www.sankei.com/life/news/141030/lif1410300043-n1.html 
東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shinsho/shinshou_techou/sintaisyougaininteikijyun.files/choukaku.pdf

例えば国立障害者リハビリテーションセンター病院で吃音の診療診断をする際は、fMRIやその他検査で脳を調べることになります。

しかし、それ以外の病院では、そこまでできる設備があるのか?
導入費用や維持費用はどうするのか?
その検査方法に精通した医療従事者がいるのか?

結果的にいろいろな原因が複雑に絡み合い、吃音診療を躊躇する医師が存在することになります。
法律上は2005年から発達障害者支援法に含まれている吃音、最近の研究では吃音は脳神経の話す部分のネットワークの障害である(神経発達障害である)とわかって来ましたが。まだまだ日本全国の医師が実際に吃音患者を診るというのは別というのです。


◆吃音者に精神障害者保健福祉手帳申請書類、診断書を書く場合はどうすればいい?
現在、困っている吃音者のこと、吃音業界の異様さ暗黒面を認識した医師が立ち上がっています。一部の精神科医師、発達障害を専門にする精神科医師はこのようにして障害者手帳がほしい吃音者に対応しています。

吃音を診療している実績がある耳鼻咽喉科医師や国立障害者リハビリテーションセンター病院で、「あなたは吃音である」という診断書や紹介状が入手できるならば、それを証拠にして精神障害者保健福祉手帳申請のときに利用するというパターンです。

または、幼稚園、保育園、小学校、中学校の連絡帳や成績表や評定表の記述に吃音のことが書かれている。ことばときこえの教室に通級していた事実も証拠として利用するというパターンです。

または、幼少期に利用していた小児科病院、子ども病院などのカルテに吃音のことが指摘されていれば、その病院から紹介状や診断書を入手するというパターンもあります。

もちろん証拠があればあるほど心強いというのです。

これらの証拠を利用して、この人は現在も吃音で悩んでいる。生きることに困っている。障害者手帳が必要であると、精神科医師は書くことになります。

精神障害者保健福祉手帳の申請はとくに医師の指定がありません。医師免許を持っていれば誰でも記入できるといいます。従来の吃音を診療する耳鼻咽喉科医師、その他耳鼻咽喉科でも精神科医師でもない医師も、自分を守るため、このように情報収集をすることは重要なことでしょう。

2016年の日本吃音・流暢性障害学会でも、精神科医師が自分のところに吃音患者がいるが、積極的に吃音者を受け入れるとは情報発信していないという方がいました。


◆本来は吃音診療診察ガイドラインを厚生労働省が発表すべきこと 医師や医療従事者を守ることも大切

本来は厚生労働省が吃音診療診察ガイドラインを発表することが重要です。
吃音を診療、診断する医師が心配していること、懸念していることを受け止めて、全都道府県ごとに吃音の脳検査やその他の専門検査をできる病院を指定し、そこでの結果をもとに地域の発達障害を専門にする病院につなげるという仕組みができればいいのですが…。日本医師会や耳鼻咽喉科医師、精神科医師、発達障害専門医師の団体などは連名で厚生労働省宛に「吃音診療診察ガイドライン策定の要望」を発表することはできないのでしょうか?

吃音診療診察ガイドラインの策定にはもう一つ意味があります。吃音は身体障害者手帳なのか?精神障害者保健福祉手帳なのか?、それとも吃音の重さにより身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳を選択できるのか? この部分がハッキリすることにも通じるでしょう。

2016年現在、吃音は行政、法律上は精神障害、精神疾患として扱うと厚生労働省が認めています。吃音で身体障害者手帳4級(家族しか会話が理解できない)という障害者手帳をもっている人もいますが、明らかに家族以外と会話ができている吃音者もいます。都道府県の身体障害者手帳審査部門でも身体障害者認定別表に吃音が存在しないため尺度がありません。しかし吃音はICD-10によると「F98.5」のFコードであるし、DSM5でも神経発達障害として一般に言われる自閉症スペクトラムやADHD、LDと同じ場所に吃音が含まれています。

吃音は身体障害の15条指定医師がカバーするのか、精神障害者保健福祉手帳でカバーするのか? 吃音の重さによってどちらも選べるのか? それとも精神障害者保健福祉手帳の申請書類のチェック欄に吃音と吃音により困りごとを具体的に項目として設けるのか?
などなどが考えられます。

2016年10月22日、東京で開催された吃音啓発の日レポ 厚生労働省 日詰正文氏講演 吃音と発達障害者支援法
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/10/20161022.html
吃音(きつおん)は身体障害?精神障害? 厚労省の専門官が回答 | 小口貴宏
http://www.huffingtonpost.jp/takahiro-koguchi/disfluency_b_12614138.html


吃音が発達障害支援法に含まれていることが判明している現在。
発達障害が軽度でも、障害者枠では働かないけど、服薬やSST、スマホ、手帳、アイテム、家族や支援者の支援、などにより、一般社会になんとか適応している発達障害者がいます。その人達も精神障害者保健福祉手帳3級を持っている人もいます。いざという時自身を守るためのお守りとして、法定雇用率以外の社会保障制度を利用するために持っているという理由などです。

要は、発達障害はたとえ軽度であっても、精神障害者保健福祉手帳3級が取得できることになります。これは吃音がたとえ軽度であっても、精神障害者保健福祉手帳3級が取得できることと同じです。(現在インターネット上では軽度吃音者は障害者手帳を取得できないという悪質なデマ・流言飛語が存在しています)

障害者手帳を希望する吃音者は現在日本全国に存在しています。
しかし、吃音業界の暗黒面、伏魔殿が存在するため、声を大きくして、吃音で障害者手帳を取得しよう・しました。と情報発信をする当事者は少ないです。そして障害者手帳を取得できると法律上決まっていても、地元に吃音を受け入れる病院がないために、困っている吃音者も存在しています。吃音を診療するぞ!!という医師や病院に対しても障害者認定反対派の吃音者団体や人物から攻撃されること、批判されることもあるかもしれません。


医師のみなさんも「吃音診療診察ガイドライン」について厚生労働省に要望要請、意見表明をしていただけないでしょうか。困っている吃音者のために出来る限りその人の望むことに寄り添っていただけないでしょうか。

2017年1月20日金曜日

失語症と吃音の障害者手帳格差について考える 失語と吃音の当事者団体などは協力したほうがいいのでは? 吃音は失語症よりもとても有利な現状

みなさんは失語症をご存知ですか?

失語症は高次脳機能障害の1つとされています。(高次脳機能障害と失語症は別だという情報もあります)

慶應義塾大学病院医療・健康情報サイトによるとこのようになっています。失語症の説明も含まれています。
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000269.html

私たちは、朝起きて特に手順など何も考えずに着替えを行い、いつもと同じ道順で職場に行き、様々な仕事で周りの人たちと会話を行い、仕事の計画を立て、それを実行するといったことを行っています。これらは意識して行うこともありますが、こっちの手を通して次に頭を通してなどと着替える順序を考えることは普通しませんし、いつも通っている道を次は右に曲がってその次の信号を左に・・・と考えることもしません。これらの動作は頭の中で無意識の思考として蓄積され必要に応じて適切に引き出されているのです。
高次脳機能では、これらの頭の中での思考過程・記憶・注意能力などが傷害されることにより様々な障害を呈します。高次脳機能障害は脳に傷を受ける病気・怪我であればすべてに起こる可能性があります。その中でも比較的多く見られるのは脳卒中や脳腫瘍、頭部外傷、低酸素脳症、パーキンソン病、神経の変性疾患などです。
高次脳機能障害は大脳の知的活動をつかさどる部分での障害であり、様々な症状の総称です。そのため、言葉や物事認識・理解力の低下などが起こります。ここで比較的遭遇しやすい症状について説明します(図1)。


原因は交通事故や脳卒中などにより、脳に損傷を受けることです。さまざまな症状があらわれます。

国立障害者リハビリテーションセンターの高次脳機能障害情報・支援センターによるとこのようなものが説明されています。

http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/rikai/
記憶障害
・物の置き場所を忘れる。
・新しいできごとを覚えられない。
・同じことを繰り返し質問する。
注意障害
・ぼんやりしていて、ミスが多い。
・ふたつのことを同時に行うと混乱する。
・作業を長く続けられない。
遂行機能障害
・自分で計画を立ててものごとを実行することができない。
・人に指示してもらわないと何もできない。
・約束の時間に間に合わない。
社会的行動障害
・興奮する、暴力を振るう。
・思い通りにならないと、大声を出す。
・自己中心的になる。
これらの症状により、日常生活または社会生活に制約がある状態が高次脳機能障害です。


■さて、今回の記事では失語症は身体障害者手帳の対象、吃音は発達障害として精神障害者保健福祉手帳の対象・場合によっては身体障害者手帳も可能? という問題を考えます。


筆者がこの記事を書こうと思ったキッカケは2016年9月11日に東京都言語聴覚士会が主催開催した言語聴覚の日2016での講演を聞いたことです。 場所は東京の北里大学白金キャンパスでした。

この講演では前半を吃音当事者でありながら言語聴覚士をしている方の話
 講演1( 13時40分~14時30分) (50分)
    「吃音のある言語聴覚士 ~この道を選んだ理由~」
     王子生協病院     本田 裕治 妻 本田愛美
     老健ほくとはなみずき 小林 祐貴

後半は失語症当事者の話でした。
 講演2( 15時00分~15時50分) (50分)
 「失語症になって」            
     丸山 奈津子
         NPO法人和音 田村洋子
     現東邦大学医療センター大森病院 原田紗衣

詳細はコチラのリンクを  (2017年1月20日閲覧)
http://st-toshikai.org/archives/4059

 NPO法人 言語障害者の社会参加を支援するパートナーの会 和音
https://npowaon.jimdo.com/


前半の吃音当事者が言語聴覚士をしている話は、吃音業界で有名な話で、この方以外にも吃音当事者で言語聴覚士という方はそれなりに存在しています。

後半の話が筆者にとって、衝撃でした。


■失語症当事者が泣きながら訴える話 
失語症当事者は話す時に頭で思ったことと口から発話するときに、「意図したことを話せていない、文字を間違えて発音している」のかな?と印象を持ちました。正式に失語症の中のXXXXという症状です。とは説明はなかったように思えます。(記憶が古くなっているので申し訳ありません)


当事者の方は失語症になって生活で困っていること、働くことの大変さ、障害者手帳が取得できないこと(イコール 障害者枠で働けない)、家族が支えてくれること、もっと失語症を知ってほしい

などを話していました。とくに後半は当事者の方が感情が高まり涙を流しながら話をしており本当に大変な状況であることが伝わってきました。(吃音当事者はこういったことはあまりありません。吃音はありのままに吃音を受け入れて社会的に成功する人が美談であるとされることが非常に多いためです。障害者手帳取得も吃音からの逃げだと評価する人もいます)



■??? 失語症は障害者手帳を取れないの?
この部分が筆者が「???」となった部分です。
今回、講演をした失語症当事者の話し方は吃音とは具体的に異なりますが、吃音者である筆者から見ると軽度吃音の人が吃っているくらいの感覚で受け止めました。もちろん、失語症当事者でしかわからない苦しみや悩みがその背景にあると思います。


障害者手帳を取得できないというのが筆者はオカシイと思いました。
なぜなら、吃音の場合は発達障害者支援法に定義されているため、精神障害者保健福祉手帳3級から取得できるわけです。厚生労働省も軽度吃音であっても精神障害者保健福祉手帳は取得できると説明をはじめています。

2016年10月22日吃音啓発の日にて厚生労働省の日詰正文発達障害対策専門官の講演
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/10/20161022.html

吃音は現在、身体障害者手帳4級を「吃音」と明記せずに診断書を書けば通る可能性があるということです。それ以外は日本国内においては、吃音は発達障害者支援法に含まれているため、基本的に2005年以降はその法律に従い、吃音は発達障害として精神障害者保健福祉手帳の対象となっているということになります。


吃音は身体障害者手帳も精神障害者保健福祉手帳も両方可能性があるということになります。


■では失語症はどうなのか?
国立障害者リハビリテーションセンターの高次脳機能障害情報・支援センターのホームページを見るとこのように書かれています。
http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/seido/

障害者手帳
 障害者手帳を所持することで、各種税金や公共料金等の控除や減免、公営住宅入居の優遇、障害者法定雇用率適用等のサービスを受けられます。また、障害福祉サービスを利用することもできます。サービスの対象者や内容は、自治体により異なることがありますので、お住まいの市区町村の福祉担当窓口にお問い合わせ下さい。
 なお、身体症状と精神症状を併せ持つ場合には、2種類以上の障害者手帳を申請することができます。
精神障害者保健福祉手帳
 高次脳機能障害によって日常生活や社会生活に制約があると診断されれば「器質性精神障害」として、精神障害者保健福祉手帳の申請対象になります。申請時に必要な診断書を記載するのは、精神科医である必要はなく、リハビリテーション医や神経内科医、脳神経外科医等も可能です。高次脳機能障害の主要症状と日常生活への影響や困っている点について具体的に記載してあることが重要です。診断書は初診日から6か月以上を経てから作成してもらい、作成日から3か月以内に申請する必要があります。
診断書記入例(高次脳機能障害) (PDF:246KB)
身体障害者手帳
 手足の麻痺や音声・言語障害があり、厚生労働省の定めた身体障害者程度等級表に該当する場合に、身体障害者手帳の申請対象となります。詳細はお住まいの市区町村の福祉担当窓口にお問い合わせ下さい。



そうなのです。
厚生労働省管轄の国立障害者リハビリテーションセンターの高次脳機能障害を扱うページがこのように。 【身体障害者手帳
 手足の麻痺や音声・言語障害があり、厚生労働省の定めた身体障害者程度等級表に該当する場合に、身体障害者手帳の申請対象となります。詳細はお住まいの市区町村の福祉担当窓口にお問い合わせ下さい。】

と明記しているのです。日本国内法では高次脳機能障害による失語症、音声・言語障害は身体障害者手帳の等級表に該当すれば貰える可能性がある。というのです。


身体障害者手帳の音声・言語障害といえば4級と3級がありますが。
4級は吃音の場合「家族しか会話内容が理解できない」とされていますよね。
3級は「発話する器官を喪失」のレベルとされています。
失語症も、ある程度、発話ができていると取得できないことになります。

吃音の場合は身体障害者手帳よりも精神障害者保健福祉手帳を申請できるので、その分格差があることになります。一般に言われる発達障害である自閉症スペクトラムやADHDやLDやチック・トゥレットなどがあります。この当事者の中には精神障害者保健福祉手帳3級を持っているが、障害者枠で就職せず、就職先に発達障害者であること隠して、いわゆるクローズド就職をしている人もいます。困っていることはあるが、いろいろな努力や訓練、服薬などを駆使して働いているが、いざという時のために精神障害者保健福祉手帳を持っている、または仕事中はなんとか定型発達者を装えるが、それ以外では体力(HP ヒットポイント)を使い切ってしまい生活が困難などの人もいるでしょう。

吃音の場合も、訓練や努力、処世術、キャラ設定、演じるなどの方法により吃音があまり人前ででないようになっていたとしても、やはり吃音が出るときはでるのであるから、精神障害者保健福祉手帳3級程度は取得できることになります。


しかし失語症だと、身体障害者手帳で申請しましょうというガイドラインが国立障害者リハビリテーションセンターのホームページ内に書かれているのですから、精神障害者保健福祉手帳を取得できません。


とんでもない格差です。

■障害者手帳制度、そろそろ全体的な見直しが必要なのではないか?
 吃音当事者団体と失語症当事者団体は協力できないの?


失語症当事者団体はどのような政治運動や厚生労働省に対して働きかけをしているのかはわかりません。失語症を診療する医療従事者もこの格差を論じてほしいと思います。

現実問題として、発達障害者支援法に定義されている発達障害のほうが、軽度でも困っていることがあれば精神障害者保健福祉手帳3級は取得することが容易です。

一方、失語症は身体障害者4級ですから、ハードルがとてもとても高いことになります。


これは障害者の権利に関する条約に抵触するのではないかと思います。
障害者手帳制度の中で、失語症当事者と吃音当事者が日本国内で利用できる社会保障制度に格差が存在しているのです。

障害者枠で働きたい→身体障害者手帳に該当すればOKだ→失語症では身体障害者手帳取得できないじゃん→えっ?吃音の人は発達障害だから精神障害者保健福祉手帳3級から取得できるって???

これはもっと取り上げられるべきことだと筆者は感じています。
そして立法措置をしてでも、格差はなくすべきだと思うのです。




障害者権利条約の第四条 一般的義務
外務省より
http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_000899.html

1 締約国は、障害に基づくいかなる差別もなしに、全ての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、及び促進することを約束する。このため、締約国は、次のことを約束する。
(a) この条約において認められる権利の実現のため、全ての適当な立法措置、行政措置その他の措置をとること。
(b) 障害者に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し、又は廃止するための全ての適当な措置(立法を含む。)をとること。
(c) 全ての政策及び計画において障害者の人権の保護及び促進を考慮に入れること。
(d) この条約と両立しないいかなる行為又は慣行も差し控えること。また、公の当局及び機関がこの条約に従って行動することを確保すること。
(e) いかなる個人、団体又は民間企業による障害に基づく差別も撤廃するための全ての適当な措置をとること。

第五条 平等及び無差別

1 締約国は、全ての者が、法律の前に又は法律に基づいて平等であり、並びにいかなる差別もなしに法律による平等の保護及び利益を受ける権利を有することを認める。
2 締約国は、障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとし、いかなる理由による差別に対しても平等かつ効果的な法的保護を障害者に保障する。
3 締約国は、平等を促進し、及び差別を撤廃することを目的として、合理的配慮が提供されることを確保するための全ての適当な措置をとる。
4 障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、この条約に規定する差別と解してはならない。

2016年12月22日木曜日

技術紹介 吃音を治療するための融合ベンズアゼピン

吃音を治療するための融合ベンズアゼピン
という医薬品の情報です。
アメリカで先に出願され、日本でも日本語版がでたよという意味のようです。
この企業はHP情報ですが、トゥレット症候群向けの研究をしていたようです。
チック・トゥレット症候群と吃音はどこかに共通する部分があるのかもしれませんね。

この吃音治療薬の記事の中で興味深い部分がありました。リタリン、コンサータの成分であるメチルフェニデートが吃音を和らげるというのです。
トゥレット症候群も医薬品治療の中にコンサータを使う場合、エビリファイを使う場合などが紹介されていますね。(エビリファイ→2016年の障害者週間連続セミナー、コンサータ→トゥレット協会さんのセミナー東京大学2015年5月10日「トゥレット症候群診療の充実を目指して」)

吃音もトゥレット症候群とどこか似ている、共通する部分があるなら、コンサータの効果があるかどうか調べる研究者もいたということですね。



引用されている研究報告はこちらです。

Methylphenidate as a Treatment for Stuttering: A Case Report
D Devroey et al.  Eur Rev Med Pharmacol Sci 16 Suppl 4, 66-69. 10 2012.  more
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23090813

上の研究報告を受けた影響か?、本当かどうかさらに試してみた研究報告がコチラ

Influence of Methylphenidate on the Frequency of Stuttering: A Randomized Controlled Trial
H Rabaeys et al.  Ann Pharmacother 49 (10), 1096-1104. 2015 Jul 30.  more
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/articles/26228939/

吃音の神経生理学的基礎は、他の運動障害といくつかの類似性があると考えられている。特に、吃音は皮質、線条体、淡蒼球、及び視床(皮質−線条体−淡蒼球、視床またはCSPT回路)との間の1つ以上の回路に、異常なシグナル伝達が発生することによって生じる場合がある。回路モデルによると、過剰なドーパミン活性が、発話を制御する筋肉の運動を(D1受容体で)不必要に増加させ、逆にドーパミンの遮断が(D2受容体で)不必要な運動を促進することを示している。クロザピン、オランザピン、アセナピン、及びリスペリドン等の知られているD2アンタゴニストによって、吃音が誘導され(Grover et al., 2012; Bar et al., 2004; Yaday, 2010; Maguire et al., 2011)、メチルフェニデート等のD2を好むドーパミンアゴニストが吃音を和らげることが報告されている(Devroey et al., 2012)。






色々脱線しました。さて本題に入ります。

吃音むけの薬ですが、どうやらまだまだアメリカで治験が始まったばかりのようで、効果があれば日本にも将来くるかもしれないですね。もしもこの最初の実験で吃音者に効果があるとなれば、これは「吃音は治らない」という時代に終止符が打たれるかもしれません。よい結果がでることを祈ります。


吃音治療におけるエコピパムの効果のテスト
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/09/160922085741.htm から

日付:
2016年9月22日
ソース:
カリフォルニア大学リバーサイド校
概要:
スピーチの流れの中断である吃音は、約300万人のアメリカ人に影響を与えます。現在、米国食品医薬品局(FDA)が承認した薬物治療はありません。新薬を発見しようとする研究チームは、経口投与されたエコピパムがどれほど効果的であるかを調べるために研究を行います。


遺伝的に影響を受けた状態では、吃音は、幼児の発達の様々な局面が相互作用するときに起きると思われ、早期介入で最もうまく対処されます。それに対する治療法は見つかっていませんが、行動療法の選択肢があります。現在、米国食品医薬品局(FDA)が承認した薬物治療はありません。

カリフォルニア大学リバーサイド校の医学部の研究チームは、新薬の発見を目指し、カリフォルニア大学リバーサイド校のCITrialsで研究を行い、経口投与された投薬であるエコピパムがどれほど効果的であるかを決定するために、

10名のボランティアがFDA承認の臨床試験に参加することになります。来月から始まる予定のこの研究は、スペースは限られているものの、ボランティアを求めている。研究に参加することに興味がある人は、この研究をリードしているジェラルド・マグワイア、MD、UCリバーサイドで精神医学と神経科学の椅子や大学院医学教育のための副学部長に連絡することがありますgerald.maguire@medsch.ucr.edu。

マグワイア氏は、「この研究は探索的である」と語った。エコーピパムは吃音の検査を受けていませんが、神経学的疾患であるトゥレット症候群でのチックの治療法がテストされています。吃音は声質の変化といくつかの類似点を共有していますトゥレット症候群の被験者に見られるように、私たちは、エタポピムが吃音に有益な効果をもたらすことを期待しています。

エコピパムは、その受容体で神経伝達物質ドーパミンの作用を選択的に遮断する、ファーストインクラスの薬物である。ドーパミン受容体は、D1受容体とD2受容体の2つのファミリーに大別することができます。エコピパムはドーパミンをD1レセプターでのみ遮断し、したがって、市販の他の薬剤とは異なる作用をする。このメカニズムは、エコピパムが吃音の潜在的治療法として試験されている理由を説明しています。

来月に臨床試験のために選択された10人の患者は、身体検査を受け、その病歴が記録される。彼らの吃音症状が十分に深刻であることを確実にするために、Redlands大学の音声病理学者Lisa LaSalle教授と研究の共同捜査官による音声パターンを分析する予定です。各患者は、限られた時間エコピパームを受ける。

マグワイア氏は、「われわれは分析から9ヶ月後に結果を得られると考えている」と語った。エプロパイプムが吃音をコントロールするのに効果的であると判明した場合、何世紀にもわたる疾患の可能性のある解決法があるかもしれない」と語った。

研究は、特に吃音を研究するためにUCRに与えられた慈善寄付によって資金提供されています。Psyadonは、神経学と精神医学の治療に重点を置く製薬会社で、エコピパムを寄付する予定です。

今年の初めに、マグワイアは、吃音を抱える子供や大人に希望とエンパワーメントをもたらすことに専念した非営利団体である全米吃音協会(National Stuttering Association:NSA)の取締役会会長に選出されました。

1991年にセントルイス大学医学部で医学の学位を、またUC Irvineから1995年に精神医学を専攻した。彼の研究分野には、吃音や統合失調症、双極性障害、大うつ病性障害、アルツハイマー型認知症の薬理学的治療が含まれます。

吃音の薬理学的治療に関する彼の研究は、多くの科学雑誌に掲載されています。彼は「迷惑なし:黙り切れと吃音の科学へ」(NSA、2010)という本の著者です。


サイエドンファーマシューティカルズPsyadon Pharmaceuticals, Inc.
20451 Seneca Meadows Parkway,Germantown
MD,US,20876
Call:301-919-2020
Email:info@psyadonrx.com
http://www.psyadonrx.com/home.html




●日本国内の情報
特表2016-533374
吃音を治療するための融合ベンズアゼピン
サイエドン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
2016年10月27日 特願2016-524108

詳細は特許情報プラットフォーム
https://www7.j-platpat.inpit.go.jp/tkk/tokujitsu/tkkt/TKKT_GM301_Detailed.action

出願人 サイエドンファーマシューティカルズ,インコーポレイテ...
発明者 チプキン,リチャードイー.
出願日 2014年10月17日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2016-524108
公開日 2016年10月27日 (2ヶ月経過) 公開番号 2016-533374
状態 未査定
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 、 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 、 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 評価セッション 、 音声テープ 、 対応能力 、 形態論 、 年長者 、 印象評価 、 発声器官 、 許容基準


astamuseでも公開されています。
http://astamuse.com/ja/published/JP/No/2016533374



課題・解決手段
本発明は吃音の対象を治療する方法を含んでいる。当該方法は、(a)治療を必要とする対象を識別すること、(b)治療有効量のD1/D5受容体アンタゴニスト、D1/D5受容体部分アゴニスト、またはその混合物を含む組成物を当該対象に投与するステップを含むことができる。例えば、D1/D5受容体またはアンタゴニストは、エコピパムまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、水和物、プロドラッグ、構造類似体、代謝物、または多形体であることができる。

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※この項目の情報は公開日時点(2016年10月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります
背景

国際疾病分類2010(ICD−10)によると、どもりとも呼ばれる吃音は、「音、音節もしくは単語を頻繁に繰り返すこと、または引き延ばすこと、または発話のリズミカルな流れを乱す口ごもりや休止を特徴とする発話」として定義されている。吃音は、発話の流暢性を顕著に乱す障害として分類されている。典型的に、この障害は、繰り返される調音運動、例えば、は、は、は、はなす)、及び/またはつまる調音運動(例えば、わわわ、わたしのもの)がある。不意の発声(例えば「ええと」または「たぶん」)が多い。口頭による表れは、顔をくしゃっとしかめる、目をパチパチさせる、筋肉の緊張、首を振る、話すことに苦労することを含む非言語的な表れを伴うことがある。これらの行動は、吃音の重症度を最小限に抑えるためのよく知られたアプローチになり得る。吃音の人は精神的苦痛を経験することが多く、不安によって、楽しく実りを得るであろう教育状況や社会状況を避けることがある。

吃音の神経生理学的基礎は、他の運動障害といくつかの類似性があると考えられている。特に、吃音は皮質、線条体、淡蒼球、及び視床(皮質−線条体−淡蒼球、視床またはCSPT回路)との間の1つ以上の回路に、異常なシグナル伝達が発生することによって生じる場合がある。回路モデルによると、過剰なドーパミン活性が、発話を制御する筋肉の運動を(D1受容体で)不必要に増加させ、逆にドーパミンの遮断が(D2受容体で)不必要な運動を促進することを示している。クロザピン、オランザピン、アセナピン、及びリスペリドン等の知られているD2アンタゴニストによって、吃音が誘導され(Grover et al., 2012; Bar et al., 2004; Yaday, 2010; Maguire et al., 2011)、メチルフェニデート等のD2を好むドーパミンアゴニストが吃音を和らげることが報告されている(Devroey et al., 2012)。

吃音を治療するための公認されている政府規制当局によって承認された治療薬は知られていない。大部分の患者は行動療法で治療されている(Blomgren, Psychol. Res. Behav. Management, 6:9-19, 2013を参照)。薬物療法が重度の患者に使用される場合、典型的には、不安を治療するための医薬品を含む(例えば、Maguire et al., J. Clin. Psychopharmacol. 30:48-56, 2010を参照)。これは、ストレスが吃音を悪化させるという観察と、ストレスを軽減すれば症状がいくぶん緩和されるという仮定に基づいている。
吃音に関するいくつかのレビュー論文を入手できる。例えば、Boyd et al., J. Clin. Psychopharmacol., 31:740-744, 2011; Ingham, et al., J. Fluency Disord., 28:297-317, 2003; Maguire et al., Expert Opin. Pharmacother., 5:1565-1571, 2004; Kraft and Yairi, Folia Phoniatrica et Logopaedica, 64:34-47; Ashert and Wasson, Journal of American Osteopathic Association, 111:576-580; Newbury and Monaco, Neuron, 68:309-320; Prasse and Kikano, American Family Physician, 77:1271-1276, 2008; Buchel and Sommer,PLoS Biology, 2:159-163; Bothe et al., American Journal of Speech-Language Pathology, 15:321-341, 2005; Costa and Kroll, Canadian MedicalAssociation Journal, 162:1849-1855, 2000; and Ashert and Wasson, Journal of American Osteopathic Association, 111:576-580, 2011)。

概要

本発明は吃音の対象を治療する方法を含んでいる。当該方法は、(a)治療を必要とする対象を識別すること、(b)治療有効量のD1/D5受容体アンタゴニスト、D1/D5受容体部分アゴニスト、またはその混合物を含む組成物を当該対象に投与するステップを含むことができる。例えば、D1/D5受容体またはアンタゴニストは、エコピパムまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、水和物、プロドラッグ、構造類似体、代謝物、または多形体であることができる。

目的

本発明の方法はまた、これらの下流の事象からの救済を提供する

効果

実績

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