2017年9月11日月曜日

2018年よりハローワークに発達障害者雇用トータルサポーターが配置 まずは13都道府県から

NHKで報道されました。
2018年の事実上の雇用義務化という精神障害者保健福祉手帳所持者の法定雇用率計算式組み込みの情勢変化もあるでしょうか。

発達障害といえば自閉症スペクトラム、注意欠陥・多動性障害、学習障害、トゥレット症候群、吃音が一般的に周知されています。
※内閣府政府広報オンライン 発達障害ってなんだろう?
http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html
厚生労働省は2018年よりハローワークに発達障害者の就職支援をするために専門の相談員を配置するそうです。「発達障害者雇用トータルサポーター」として精神保健福祉士、臨床心理士がその役目を担うそうです。

吃音やトゥレット症候群についてはハローワーク職員、労働局職員も詳しくは知らないと思うのでそのあたりがどれくらい職員が対応できるのかがこれからの課題なのかなと感じます。

またハローワークというのは就職希望者と採用活動をする企業団体などの間にも入ることになります。雇用側ができる合理的配慮の限界、雇用側がしてほしい仕事、吃音者がしてほしい合理的配慮、吃音者が働きたい仕事との大きな乖離、大きな溝にも直面するかもしれません。

発達障害者向けの就労移行支援事業所を運営するところでも同様でしょう。
雇用側は発達障害者の合理的配慮として、まずはできる仕事をやってほしい。苦手な作業を無理せずやらずにできることを腰を据えて頑張って働いてほしいという想定していますが…。

吃音者の場合、吃音で吃ることにより職務を限定するのは許せない!という価値観を持った人もいます。話すことが大変だけど接客をしたい、営業をしたい、電話応対したい、アナウンスしたいなど、話すことに「こだわり」を発揮する人もいます。

その点、発達障害者で障害受容ができている当事者は雇用側とよく話し合い、まずはそこからやってみよう。と徐々にステップアップしていきますが…。

2017年、2018年以降は「吃音者への合理的配慮」というのが重要になるかもしれません。吃音者は精神障害者保健福祉手帳を取らないという選択をする人も多いので、精神障害者保健福祉手帳を持っていない状態、法定雇用率に計算できない状態で就職活動をする人もいます。精神障害者保健福祉手帳を持っていない吃音者が一般枠で応募してくることも考えられます。
【外部リンク】
はてな匿名ダイアリーではこんな記事があります。
人事なんだけど吃音のある人を採用できない理由を述べる(障害者枠なら可能)
https://anond.hatelabo.jp/20170615135046
吃音のある就活生はなぜ障害者手帳を持っていない?人事採用戦略の話
https://anond.hatelabo.jp/20171012000353 
2018年からハローワークで配置される「発達障害者雇用トータルサポーター」も「発達障害向けの就労移行支援事業所の職員」も吃音者の就労支援には苦労するかもしれません。障害受容をする段階から始まることもあるかもしれません。接する職員さんも支援困難事例の対応があるかもしれませんが、民間の就労移行支援事業所や福祉職、病院・医療従事者との横のつながりが、情報の交換・共有が大切になるでしょう。

また、発達障害のある人が精神障害者保健福祉手帳を持っているけれど服薬やSST、発達障害特性でミスしないようにスマホのアプリなどで武装してクローズで一般枠で働くということが可能なように、吃音者でも吃音が軽度でも精神障害者保健福祉手帳は取得できます。発達障害者の就労支援を担うみなさんも『吃音は軽度でも精神障害者保健福祉手帳は取得できる』ということを忘れないでください。クローズ一般枠で働く発達障害者がどのように主治医に診断書を書いてもらっているのかも情報収集してみてください。


この吃音ガイドラインでもメールフォームより連絡があれば相談に対応しています。また他の記事で吃音業界の見える化をしていますのでそちらの記事もご覧ください。今後も発達障害者の就労支援に携わる人、学校の進路室、就職支援課などで働く人向けの記事をバージョンアップしていきます。



●他記事紹介
【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

【随時更新 吃音Q&A】人事採用担当者の方へ 吃音者雇用ガイドライン 働く吃音者への合理的配慮とはなにか? 吃音者を採用する場合はどうしたらよいのか? 吃音者採用事例 雇用事例について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/09/blog-post.html

【吃音Q&A】吃音は発話発語の障害 そして相手、聞き手の時間を奪う障害
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2017/06/q.html

吃音者と働く 職場で吃音者の合理的配慮がうまくいかないのはなぜか?
吃音者の「吃ります」と相手の「この人吃るんだ」という認識が完全に一致しないと合理的配慮が困難になる
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2017/10/blog-post.html


【吃音Q&A】就労移行支援事業所や高校・大学の進路指導や就職支援室やキャリア支援室、障害学生支援室は吃音者にどう対応すればいい?
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/12/blog-post.html

吃音をカミングアウトしているという吃音者の先輩の就職体験談を聞くときに気をつけることとは?
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2017/05/blog-post_29.html

園や学校でカミングアウトする場合と就職活動でカミングアウトする場合の違い
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2017/05/blog-post_30.html

【保護者・当事者必見】吃音者、吃音の子ども、病院にいくタイミングとは 障害者手帳を取得するタイミングとは デメリットは何?初診日問題について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/12/blog-post_10.html

●NHKの報道
発達障害者の就労サポーター ハローワークに設置 厚労省
9月10日 7時55分
他人とのコミュニケーションがうまく取れないといった発達障害の人たちの就職を支援するため、厚生労働省は来年度から、ハローワークに専門の相談員を配置して、仕事探しから職場への定着までを一貫して支援していくことになりました。
厚生労働省によりますと就職を希望する発達障害の人は急速に増えていて、昨年度、新たに仕事を探し始めた人は4033人と、10年間でおよそ14倍に増えています。
しかし、発達障害の人はコミュニケーションや対人関係を築くのが難しい人が多く、就職先がなかなか決まらなかったり、すぐに離職してしまうケースが相次いでいるということです。
このため厚生労働省は仕事探しから職場への定着までを一貫して支援する専門の相談員「発達障害者雇用トータルサポーター」を来年度からハローワークに配置することを決めました。
サポーターは、過去に病院や自治体などで発達障害の人たちの生活相談などに応じた経験がある、精神保健福祉士や臨床心理士などの中から選ばれます。
相談にやってきた人の障害の特性を把握し、就職活動を行う際にどのような仕事や会社が適しているかアドバイスを送ったり、就職後は仕事上の悩みの相談に応じるだけでなく、企業に対してもどのような配慮が必要か伝えるなどして職場への定着を図っていきます。
厚生労働省は来年度、全国13の都道府県で合わせて34人のサポーターを配置する計画です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170910/k10011133671000.html

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