2017年6月6日火曜日

吃音も掲載 平成 28 年度厚生労働省障害者総合福祉推進事業. 指定課題15. 発達障害者の当事者同士の活動支援の在り方に関する調査報告書

一般社団法人発達・精神サポートネットワークが請け負った厚生労働省の平成28年度障害者総合福祉推進事業 実施事業一覧の指定課題15
発達障害の当事者同士の活動支援のあり方に関する調査の結果がPDFで公開されている。

この調査は2005年に発達障害者支援法が施行され、日本各地で発達障害者のセルフヘルプグループや当事者会が出てきた。増えてきたこと。その中で困っていることや課題はないだろうか?と日本各地のセルフヘルプグループや当事者会にアンケートをした結果と有識者や専門家の意見が掲載されている。

PDF資料
http://www.rehab.go.jp/ddis/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E8%B3%87%E6%96%99/%E4%BA%8B%E4%BE%8B%E9%9B%86%E3%83%BB%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8/?action=common_download_main&upload_id=2878


◆吃音のことは書かれている?
吃音への記述は少ない。28ページにこのように書かれている。
現時点で「吃音の団体は3つある」ということが明らかになったことがわかる。
吃音の団体は成立過程が他団体と異なることも指摘されている。(一応、言友会は1965年ころ発足したといわれている)
これは厚生労働省の実施事業調査としては、吃音業界に大きな衝撃になるのではないだろうか?今までは、厚生労働省や文部科学省も「吃音の人たちには考え方の違い(派閥抗争)がある」ということはなんとなく理解していただろうが、こうやって「3団体」あるということが厚生労働省のホームページにPDFとして掲載されることになったのは吃音業界に良い影響を与えると思う。吃音業界が少しでも一本化して団体分裂がなくなればいいのだが…。

対象とする発達障害の種別については,一部自閉症スペクトラムに限定する団体(5 団体)や吃音に限定する団体(3 団体)が存在するものの,80%(53 団体)の団体が「発達障害全部」と回答しており,特定の障害に限定せず手広く参加者を受け入れていることがわかる。
なお,吃音については発達障害一般に比べて問題化が早かったこともあり,その成立過程が異なる。このことは,2016 年時点で継続年数が 30 年を超えている団体が吃音当事者の団体に限られることにも表れている。


 ◆団体の運営トラブルや分裂を指摘したページも
38ページにはこのような記述がある。
発達障害の特性による困難。これにより当事者会の運営トラブル、支援者が入ることを拒否・排除する、支援者がいなくなり結果的に分裂や廃止や解散に追い込まれるという。

あぁ。これはまさに1965年ころ発足した吃音者の当事者団体、そして2017年現在、日本各地に色々な吃音者団体があることを指摘しているのだろうか?と筆者は感じた。

2005年以降、発達障害者の当事者団体は数多くできた。
例えば東京では、Xという発達障害者の当事者団体に、現在首都圏で活躍する??有名な発達障害当事者の人、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんなどが、一時的に同じ団体で活動していたという過去もあるためだ。もちろん理由は「考え方の違い、意見の違い」などで袂を分かっている。

その後も、2014年ころ東京の発達障害当事者会が名前を変えたり、分裂したりということがあった。2017年にも東京の発達障害当事者会が分裂した、初期メンバーが排除されたという事案も発生。

あれれ~おかしいぞ~。これって吃音業界が1965年以降、やっていることじゃないですか?と筆者は強く感じた。

今回の指定課題15。おそらく調査の目的は発達障害の当事者のみで運営される、または割合が高い。医療従事者やソーシャルワークができる専門家不在の当事者会がなぜ増えてしまったのか?トラブルが起きやすいのか?それを防ぐには、行政はどのようにすればいいのか?(例えば国家資格を持った支援者の派遣など)の情報がほしかったのだと思われる。

これについては今後、継続して調査があるのであれば、吃音業界の1965年から現在に至るまでの団体の分裂や発達障害者支援法を2005年に見落としたことなどにも切り込んでほしいという感想を持った。

第三に,発達障害の特性による困難についての記述がある。「当事者のみで進めていくと,1人の暴走を止められなかったり,せっかく集まっても誰も何もしようとしなかったり,支援者を不要と感じ排除したりするが,自分だけでは運営できなくなって,分裂したり,廃止・解散に追い込まれたりする」など特性ゆえに会の継続が危ぶまれるケースや,
「自治体の会議に出席しているが,事前に送られてくる資料を理解するための支援がない状況で行っている。手話通訳者等の扱いと同じように発達障害の方への吅理的配慮として,コミュニケーション支援を認めてもらいたい」といったように,活動をロビー活動へと展開していこうにも,行政文書の読解など,特性ゆえの困難が活動の障害として表れていることも指摘されている。

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