2016年7月10日日曜日

【吃音Q&A 保険診療で!】病院に行けば言語聴覚士の吃音訓練などは保険診療ができる 自由診療の高額な言語聴覚士の吃音商法に気をつけて 

2014年以降、吃音が日本社会に徐々にですがニュース報道されるようになってきました。
フジテレビでは2016年の4月スタート月9で『ラヴソング』という自動車整備士の吃音女性がドラマに登場しました。このドラマは視聴率から見れば失敗作かもしれません。メディアの記事もドラマ叩きも多かった印象が残ります。しかし、吃音者の喋り方、話し方をとても丁寧に描写していて、本物の吃音者ではないかと錯覚させるほどです。


このドラマの中で、言語聴覚士でスピーチクリニックを経営している水野美紀さんが演じる宍戸夏希という言語聴覚士が登場しました。ドラマでは彼女の経営するスピーチクリニックの『料金が明示』されていませんでした。


今回、とりあげるのは吃音の保険診療です。
現在、吃音はグレーゾーンとして、一般人や言語聴覚士が自分で勝手に吃音を治します。訓練しますなどと掲げてクリニックを経営している場合があります。このグレーゾーンの理由は患者を診察しない、患者に触らない、これがあるためです。患者と会話をして吃音を治したいというのでその利害が一致したからその方法をただ教えるというグレーゾーンです。厚生労働省によると、このような病気商法、障害者商法は情報として把握しているとのことです。吃音以外の発達障害向けのハンドヒーリングや花のエキス、発達障害用マッサージなども同様です。



ここで一度言語聴覚士法を読んでみましょう。




◆言語聴覚士法
(平成九年十二月十九日法律第百三十二号)

最終改正:平成二六年六月一三日法律第六九号


  第一章 総則

(目的)
第一条  この法律は、言語聴覚士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もって医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条  この法律で「言語聴覚士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、言語聴覚士の名称を用いて、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者をいう。
   第二章 免許

(免許)
第三条  言語聴覚士になろうとする者は、言語聴覚士国家試験(以下「試験」という。)に合格し、厚生労働大臣の免許(第三十三条第六号を除き、以下「免許」という。)を受けなければならない。
(欠格事由)
第四条  次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一  罰金以上の刑に処せられた者
二  前号に該当する者を除くほか、言語聴覚士の業務に関し犯罪又は不正の行為があった者
三  心身の障害により言語聴覚士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
四  麻薬、大麻又はあへんの中毒者
(言語聴覚士名簿)
第五条  厚生労働省に言語聴覚士名簿を備え、免許に関する事項を登録する。


   第四章 業務等

(業務)
第四十二条  言語聴覚士は、保健師助産師看護師法 (昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項 及び第三十二条 の規定にかかわらず、診療の補助として、医師又は歯科医師の指示の下に、嚥下訓練、人工内耳の調整その他厚生労働省令で定める行為を行うことを業とすることができる。
2  前項の規定は、第九条第一項の規定により言語聴覚士の名称の使用の停止を命ぜられている者については、適用しない。
(連携等)
第四十三条  言語聴覚士は、その業務を行うに当たっては、医師、歯科医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならない。
2  言語聴覚士は、その業務を行うに当たって、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者に主治の医師又は歯科医師があるときは、その指導を受けなければならない。
3  言語聴覚士は、その業務を行うに当たっては、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者の福祉に関する業務を行う者その他の関係者との連携を保たなければならない。





どうでしょうか?
言語聴覚士は国家資格であり厚生労働省に名簿を備えているのです。
医師または歯科医師の指示の下に訓練ができる。


そして

【第四十三条  言語聴覚士は、その業務を行うに当たっては、医師、歯科医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り適正な医療の確保に努めなければならない。】


緊密な連携を図り適正な医療の確保に努めなければならないのです。保険診療しなければいけないのです。これが法律なのです。しかしこれらを守らない言語聴覚士がいます。
吃音の訓練をする言語聴覚士の中には一匹狼で、医師や歯科医師と連携しない不逞の輩が存在します。もちろん医師や歯科医師の指示ではないので、病気や障害の診断はできないのに、勝手に言語聴覚士の判断と来院者の主訴だけで決めてしまう危険もはらんでいます。



吃音で困っているお父さん、お母さん、お子さん。家族のみなさん。
くれぐれも保険診療をしない吃音クリニックにはいかないようにしてください。何かあったときに責任もとれません。
そもそも言語聴覚士の資格を持っているのに言語聴覚士法に従わない言語聴覚士にお金を落としてはいけません。必ず病院医師と言語聴覚士、保険診療できることの確認をしてください。

言語聴覚士単独で自由診療営業しているクリニックの言語聴覚士はそもそも医師や歯科医師と連携することをコミュニケーションを怠っているのです。本当に志ある、法令遵守する、言語聴覚士であれば『医師や歯科医師と交友関係をもち、自分を売り込んで、その病院に所属する。』などを考えるものです。医師と交友関係がないという部分はコミュニケーション能力に何か課題があるのかもしれません。

保険診療しない。厚生労働省の医系技官がグレーゾーンだと指摘することを自由診療で行っている言語聴覚士のクリニックがあれば「その住所のある保健所に通報」できます。保健所に通報されることになれば、保健所も指導します。指導後に改めるかどうか別として行政が動向を注視します。

また、これ以外にも、吃音という困り事につけこんで、ありとあらゆるコンプレックス商法や霊感商法が行われる事例もあります。くれぐれも気をつけてほしいのです。

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