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2017年10月16日月曜日

【紹介】12月7日 東京有楽町にて菊池良和医師の講演会(内閣府障害者週間連続セミナー)

2017年12月7日「新しい法律を活用した吃音支援 こどもから大人まで」2017内閣府障害者週間「連続セミナー」の紹介です。

吃音ドクターこと、九州大学病院の菊池良和医師が東京有楽町にくるようです。
詳細はコチラ

http://www.kokuchpro.com/event/seminarcao2017/

2017年9月26日火曜日

【番組紹介】9月26日27日 NHK(Eテレ)で『自閉症アバターの世界 仮想と現実を生きる』が放送

メーリングリストで紹介されてきました。
今日、明日放送だそうです。




『ハイパーワールド:共感しあう自閉症アバターたち』(2017年3月刊、NTT出版、
2,808円)で書かれた自閉症アバターたちに会うために、著者・池上英子先生が全米
各地を旅してきました。その記録が、NHK(Eテレ)の「ハートネットTV」で、二夜連
続で放映されます。

2017年9月26日(火) 20:00~『自閉症アバターの世界 仮想空間の住人達』(再放送
は10月3日 13:05~)

2017年9月27日(水) 20:00~『自閉症アバターの世界 仮想と現実を生きる』(再放
送は10月4日 13:05~)

「インターネット上の3D仮想空間として誕生し、10年前にはバーチャルコミュニケー
ションの一時代を築いた「セカンドライフ」。SNS等の登場でブームは去ったもの
の、今もそこを楽園として居住している人々がいます。自閉症の人達です。
米国ニュースクール大学大学院の池上英子教授は、自閉症者には無いとされてきた他
人への共感性が、セカンドライフ内では豊かに存在する事を発見しました。
池上さんは、今回初めて現実世界で彼らの暮らしを知る旅に出ます。出会ったのは、
4人の個性的なアバター達。」(「ハートネットTV」での番組内容紹介より)

*) 『ハイパーワールド:共感しあう自閉症アバターたち』:「大人になった自閉症
の人は世界をどう見ているか。米国では約50人に1人いると言われる「自閉症スペク
トラム」の人たち。仮想空間で遭遇した自閉症の人々が語っていた内面世界は、情報
を過剰なままに取り込んでいる強烈な脳内景色、ハイパーワールドだった。「自閉
症」の社会史への深い洞察と、仮想エスノグラフィーから見える世界を斬新にリポー
トする。」( https://goo.gl/y4EQqP )

*) 9月26日放映の内容紹介は、https://goo.gl/ecHEgD
*) 9月27日放映の内容紹介は、https://goo.gl/AXtzyN

2017年6月7日水曜日

新卒前に学生の身分で公費負担利用できる就労支援は今後必要になるか?

日本の社会保障制度だと、18歳未満までが児童と定義されていること。18歳と20歳という「空白の問題、狭間の問題」が取り上げられます。

今回はこのことではありません。
2017年現在、精神障害、発達障害(吃音も含まれる)の雇用、人事業界でいわれている。
「精神や発達障害の人を雇用する場合は、必ず障害受容ができていて、病院に通院している、就労移行支援事業所に通所している、のちのちトラブルがあっても就労移行支援事業所が間に入ってくれる」などの条件を満たした人を最低限の採用ラインにしなさいという説明です。

吃音業界の人々には信じられないことだと思いますが、このようなことは人事業界向けの勉強会や講演会、障害者雇用の採用側に向けた勉強会などでは必ず言われることです。その他にも1%でも合理的配慮を求めるならば、障害をカミングアウトしてくるなら障害者手帳を所持していてくださいね。という暗黙の了解もあります。結局、お客様ではない、お給料を貰う立場になると障害者差別解消法よりも優先されるモノがあるということになります………。(この価値観がもっと変化してほしいところですが)


さて、今回この人事業界の空気の中に、新しく「発達障害の学生は新卒採用する価値がないのではないですか?大学が就労移行支援事業所と同様の訓練をしているなら別ですけど、新卒で採用した発達障害学生を弊社のお金と時間と人を使って訓練するのは正直勘弁してほしい」という人事業界の新しい考えがでてきたことです。


しかし、じゃあ、大学生向けの障害福祉サービス受給者証を利用した就労移行支援事業のメニューと近いものはあるのかな?とインターネット上を検索してもそのようなものは出てきません。受給者証を利用しない、自費の形のサービスならば大学生対象がありました。自費なので保護者などの銭闘力が大切かもしれません。機会の平等から言うと受給者証は使いたいところです。何か理由があるのかもしれません。

株式会社kaien ガクプロ
http://www.kaien-lab.com/gakupro/univ/



企業団体、公的機関の人事部、採用担当が求める発達障害学生になるには?

発達障害があっても大学生時代から就労移行支援事業所と同様のレベルの訓練などを安心安全な場所で実際の職場に近い環境で失敗できて、自己認知、自己覚知やら障害受容をすること。経験により危機回避判断や状況判断、報告連絡相談のタイミング、ダメージコントロールなどを学べたほうがいいのではないかと思います。社会人になってから職場でフルボッコにされて二次障害を発症して自主退職に追い込まれるという悲しい事例は発達障害業界では頻繁に出てくる話です。

しかし大学内部に就労移行支援事業所を作るのはお金の都合上難しいでしょう、上記したkaienのような既存の発達障害に強い就労移行支援事業所が、大学生という身分で障害福祉サービス受給者証を利用して格安で利用できればいいのですが。学生時代から就労移行支援事業所を利用してしまうと「2年間」しか使えない、日数が減ってしまうことにもなります。となると政治のほうで立法措置で専門学校、短期大学、大学、大学院に所属している新卒就活前の2年間は、社会人になってからの2年間には計算しないという運用を考える必要がありそうです。

吃音のある学生の支援困難事例が独立行政法人で公開されている
他にもこのような研究報告が独立行政法人労働政策研究・研修機構から発表されています。吃音で困っていても、適切なソーシャルワークや、支援機関につながることができず、困難な状況に陥っているようです。

・若者サポートステーションなどに訪れるクライエントの中に吃音がある人がいる。
このような人は就職困難者である
http://www.jil.go.jp/institute/siryo/2013/123.html

・大学4年生に未診断の発達障害??、および吃音の学生がいるがどうしたらいいのだろうか?
障害受容はどうなっているのか? 
http://www.jil.go.jp/institute/siryo/2015/156.html


都内の大学によっては、新1年生から発達障害学生を発見するためにプレッシャーをかける場合もある

都内のX大学だと、新1年生のときに、同時並行作業や複数とコミュニケーションしないといけないガイダンスやら共通科目やらを設定して、就職活動と卒業論文と場合によってはアルバイトをしているような状況を経験させて、早めに本人に「気付きをもってもらえれば」という取組をしているところもあります。就活と卒論時期に壁にぶち当たって潰れる前に、新1年生という安心安全な環境での失敗をして気づいてもらうという形ですね。そしてできれば支援や援助につながってほしいという考えだと思います。

総合力が試される、教育改革 発達障害児者はゲームオーバーでは?
文部科学省は2018年から2022年ころまでに学習指導要領の改訂をおこなっていきます。
とくにここで重視されるのはペーパーテストや学力のみではなく。総合力、考える力、モノゴトを色々な視点で見ること、アクティブラーニングなどが重要視されることになります。

と、ここで大変なのは発達障害児者です。
学力だけで突破していけた発達障害児者が、ここで躓く可能性が高まるのです。
高等学校までは発達障害があってもなんとかなるかもしれませんが…。大学入試だと「総合力」がないと合格できない可能性も高まります。大学入試一般枠と大学入試障害者枠なんてモノがでてきたらどうしよう。大学の卒業証書も一般枠卒業と障害者枠卒業なんて区分されたら怖いなと感じるところです。

いずれにせよ、親、保護者の声、支援者の声を届けていかないといけない。現時点ではまだ実際に運用されていないのでどうなるのか未知の世界

企業団体や公的機関が発達障害者に求めるレベルは年々高くなってきていると思います。とくに大学新卒の段階で就労移行支援事業所と同じレベルの訓練を受けている人がほしいという本音がでてきているところから邪推すると。現在公的機関や民間企業には、運良く筆記試験や面接試験を突破したが採用後にトラブルがあった発達障害者いたのではないか?社内ニートや窓際族になっているのではないか?それを防ぐために、もっと大学段階や高校、中学、小学校時代でなんとか発達障害の早期発見早期療育につながらないのか?という意思もあるのかもしれません。発達障害児者のお父さん、お母さんも「自分の働く組織にうちの子どもがきたら絶対に採用されない。なんとかせねば」という感情もあるかもしれません。

特に2018年の精神と発達障害の法定雇用率のことで、人事業界はよく言われる「即戦力の発達障害新卒学生」を求めだしたわけですから。新卒で就活する学生も低額な負担と公費負担で就労移行支援事業所に通所できるようにならないといけないと思います。
就労移行支援事業所以外にもハローワークやサポステや職業訓練校との連携も必要になるでしょう。

採用する側、雇用をする側がそのように武装や採用条件を暗に示してくるとなると、発達障害児者の親、保護者は支援者は団結してこれらと戦う方法を考えたり、採用する側の本音を聞き出して、じゃあそれを解決するために、歩み寄るために、こういった社会保障制度やら就労移行支援事業やらを法律で制定してよ!直接政治に訴える、動く可能性もあるかもしれません。発達障害があるままでも仕事や生活ができる社会に変化してほしいと情報発信することも必要になるでしょう。訓練やら何やらして健常者の言う、健常者の作ったルールに近づいている、歩み寄っている発達障害者が良い発達障害者だというのもなんだか奇妙だと感じます。

吃音業界もこれに乗り遅れないようにしないとなりません。吃音業界と発達障害業界との連携、または融合が必要になるでしょう。

2017年6月6日火曜日

厚生労働省 職場での精神や発達障害者のサポーター役 2万人養成へ

読売新聞によると、2018年問題である、精神障害者(発達障害を含む)を法定雇用率の計算式に明記するという改正障害者雇用促進法にあわせて、職場での仕事サポーターを養成する機関?または講習会制度?を開始するという。

吃音は発達障害であること。
吃音には純粋吃音者もいること。一般に言われる発達障害である自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群、高機能自閉症、広汎性発達障害など)、ADHDやLD、チック・トゥレット症候群、学習障害なども持った吃音者もいることなどをこの厚生労働省の養成講座では教えてほしいと思うところです。

公的機関や民間企業も吃音が発達障害だということはあまり知らないですし、吃音の他に一般に言われる発達障害を持った人がいれば、吃音という発話発語障害の他に、コミュニケーション障害とも言われる発語障害の支援や合理的配慮をしなければいけないことになります。

養成される予定の2万人のサポーターも吃音というものをあまり知らないと思いますし、これがキッカケで吃音者への職場での合理的配慮事例が積み重なっていくといいなと思います。

精神障害者の職場にサポーター役...見守りや声かけ、2万人養成へ〔読売新聞〕
yomiDr. | 2017.06.05 14:25
 厚生労働省は、職場で働く精神障害者を同僚が支援する「精神・発達障害者しごとサポーター」を創設し、今年度中に2万人を養成する方針を固めた。
 来年4月に施行される改正障害者雇用促進法に基づき、身体障害者と知的障害者に加え、精神障害者の雇用も一定規模以上の企業や公的機関に義務づけられることに合わせた措置で、職場定着を支援する狙いがある。
 サポーターは、職場内での見守りや声かけを通じてトラブルを事前に防止する役割を担う。精神障害者の行動の特徴や、仕事を続ける上で留意すべき点について、各地のハローワークにいる精神保健福祉士や保健師らから講習を受ける。
 同法で障害者の雇用義務がある「従業員50人以上」の企業は全国に約9万社ある。厚労省は今年度から養成を始め、来年度以降も講習を続ける方針だ。
 厚労省の調査によると、従業員50人以上の企業で働く障害者は昨年6月時点で47万4374人で、前年より4・7%(2万1240人)増えた。中でも精神障害者は前年より21・3%増の4万2028人で、伸びが大きかった。
 精神障害者は、職場になじめなかったり、心身の調子をコントロールできなかったりして、短期間で退職するケースも多い。厚労省には企業から「採用しても半分はすぐに辞めてしまう」といった声が寄せられており、職場定着に向けた支援策を検討していた。https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0605508866/

吃音者・吃音のある子どもは就労移行支援事業所や放課後等デイサービス何を基準に選択すればいいの?

吃音のある人。
吃音のある子ども。

障害者基本法や障害者総合支援法、発達障害者支援法によりさまざまな社会保障制度を申請すれば利用できることになっています。障害者手帳がなくても障害福祉サービス受給者証で受けられる就労移行支援事業や就労継続支援、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援などなどがある。もっとたくさんあるが割愛する。

就労移行支援事業所や放課後等デイサービスを選択する上で重要なこと。これはとてもシンプルです。その団体が「有料職業紹介事業許可番号」、「指定障害福祉サービス事業者」を持っているかどうかです。このような許可や免許を持っているのか確認しましょう。

このような許可や免許がなぜ必要なのか?
それは一定水準の支援する内容やメニューの基準を満たしていることの証明にもなります。就労移行支援事業所を開所する際の建物の条件や個人情報保護、職員の質や経験、安全安心の担保にもなります。何かトラブルが起きると苦情申し立て制度があります。第三者評価もあります。また、就労移行支援事業所や放課後等デイサービスを利用するのは基本的に無料または所得に応じた低料金で利用できます。

就労移行支援事業所は当事者は2年間しか使えません。
2年しか使えない制度だからこそ、はじめから実績のある就労移行支援事業所に通所したいと考えるはずです。吃音者や発達障害者向けの就労移行支援事業所であれば、
どのくらい、通所した卒業生が就職できているのか?
継続して長期で働いているのか?
正社員に転換されたのか?
卒業後も相談できるのか?
企業団体の人事採用担当者と太いパイプがあるのか?
どのような発達障害者なら雇用したいという本音を理解しているのか?
それが就労移行支援事業所の訓練にもいかされているのか?
ハローワークや障害者就職転職サイトに掲載されていない独自開拓求人を持っているのか?
XXXXXという発達障害の就労移行支援事業所さんなら積極的に雇用したいという採用側雇用側で良い評価が流れているか?
などが重要でしょう。2年だけ、就労移行支援事業所に通所してもらって、事業者が儲かればいいや的な就労移行支援事業所に通所してしまうことは人生の時間のムダになってしまいます。

吃音の就労移行支援事業所の場合は企業団体などの採用、人事の人がどのようなことを考えているのか?吃音についてどう思っているのかを理解していないといけません。

例えば「面接は特に重要ではない」、「話さない仕事でもしっかりやってほしい」、「話したい・話す仕事をしたいと無理をいう吃音者は避けたい」など色々な本音があることがわかってきています。吃音者はとくに面接練習を重ねるという場合がありますが。面接よりも入社後にどのようにコミュケーションすればいいのか、発話発語以外に筆談やメールやテキストのアイテムをつかったほうがいいのか、どうしたら吃音者と雇用する側が円滑にコミュニケーションできるかを重要視しています。このあたりも吃音者と雇用する側のミスマッチと言われています。

吃音者には現在、『吃音を持っているからという理由で、できない職務や職業があるのは差別だ!』と発言してしまう吃音者もいて、そういう人は採用されないのです。雇用する企業団体側が「これをやってほしい。こちらを真剣に職務として遂行してほしい。たしかに裏方というか会社を土台で支える仕事かもしれないがこれも仕事だよ」と説明しても、吃音者側はそれに歩み寄らずミスマッチになるため不採用通知が出ることになります。

ここらへんの企業団体が求める障害者という部分は吃音業界だけの問題ではないので、吃音以外の発達障害児者と協力して、考えていくことが望まれます。例えば発達障害がありのままでも仕事ができるような未来が今後あるかもしれません。

ただ、現時点の就職活動は雇用する側、採用する側の「してほしいこと」への歩み寄りが大切となっています。過度な自己主張をする就職希望者というのは一般枠でも同様ですよね。「あーそういう仕事したいなら、弊社では無理です。よそへ行ってください」と腹の中で思われてしまえば不採用通知がでてしまうのと同じですね。


放課後等デイサービスは事業者によってさまざまです。2017年1月厚生労働省はとても質の低い悪い放課後等デイサービスのことを問題にしています。テレビ番組をずっと見せ続ける放置療育など驚愕の事業者が存在したようです。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06H86_W7A100C1CR8000/ 

現在、放課後等デイサービスを保護者が評価する口コミサイトなどがありますのでそちらを利用してもよいでしょう。

就労移行支援事業所、放課後等デイサービスに共通することですが、第三者評価をもっと頻繁に行っていくべきだと思います。




2017年現在、吃音者の就労移行支援をうたう団体がでてきましたが。
確認する限り許可や免許は持っていません。利用料も発生しています。

また、利用者さん、大学生などに「利用料」を支払わせている場合もあります。
通常、行政の認可を得ている団体なら「利用料」は発生しません。これは2013年から2015年ころ東京で流行した「発達障害者ビジネス」と共通するところがあります。発達障害者を食い物にしたり、個人情報を集めたり、ネットワークビジネスに誘ったり、病気や障害を治すという(もっと高額な)民間療法や自然療法やセミナーを案内するための入り口であったり、宗教勧誘であったり……。色々なことがありました。現在東京ではそのような危ないビジネスがあるということが発達障害の当事者や保護者に認知されてきておりそのような募集は減っていると思います。募集をしても人が集まらないということです。

2017年6月1日木曜日

【東京大改革】平成29年度障害者を対象とする東京都職員3類採用選考の変更点 知的・精神障害者も含まれるようになった画期的な大転換

2017年03月30日  人事委員会事務局 東京都の報道発表である。
筆者の知る限り公務員採用試験といえば「身体障害者のみ」というのが日本全国の常識であったが。ついに日本の首都である東京都が「障害者枠採用を身体障害、知的障害、精神障害」の受験を可能にしたのである。

この背景には東京都自閉症協会さんの毎年毎年毎年毎年の要望要請、意見などがあったことである。東京都自閉症協会さんには吃音業界の1人として深く心より感謝の気持ちを表明したい。


今後、日本全国の障害者手帳を取得した、障害受容のできている吃音者が東京都の採用試験に応募する可能性が誕生したことになる

しかし、そもそもこの流れが国家公務員や全国の地方自治体の採用試験にも広がっていくことが望ましい。東京都が先駆けとなり、他の道府県にこの新時代が伝播することを強く望む。公務員採用試験に「知的・精神障害者」が応募できるようになるというのは驚天動地の大事変であるのだ。知的・精神障害者の採用はいままで民間企業にまかせていたものを公務員採用試験に入れること。2018年から事実上の精神障害者雇用義務化(法定雇用率計算式に精神が明記)はじまるのでこの公務員採用試験の条件変更は全国に広がってほしいことである。






東京都の報道発表より
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/03/30/22.html

障害者を対象とする東京都職員3類採用選考の見直しについて

東京都では、現在、身体障害者を対象としている障害者採用選考を、平成29年度採用選考から知的・精神障害者にも門戸を広げ、併せて選考内容を一部変更することとしましたので、お知らせいたします。
なお、平成29年度採用選考の日程は以下のとおりです。
※「3類」の数字の正しい表記はローマ数字です。

平成29年度障害者を対象とする東京都職員3類採用選考の変更点

身体障害者の方を対象としていた採用選考について知的・精神障害者の方も受験可能に
採用予定者数を45人に拡大予定(平成28年度35人)
正規職員としての適性等を適切に検証できるよう第2次選考の内容を変更




2017年5月30日火曜日

吃音をカミングアウトしているという吃音者の先輩の就職体験談を聞くときに気をつけることとは?

吃音当事者団体や吃音のある小学生、中学生、高校生、大学生を集めた集団やつどいと呼ばれるイベントや講演会や催しがあります。吃音を扱うニュースサイトでも「本名」なのか「仮名」なのかわかりませんが吃音者が写真付きで私は吃音があります。でも社会で成功しています。企業団体で働いています!という情報が出てくるまでになりました。(例えば ハートネットTVやバリバラに出演する発達障害当事者は「仮名やビジネスネーム」で出演する人もいます。発達障害を扱う学会誌にもビジネスネームで寄稿しています。その場合、この人は仮名・ビジネスネームですとは表記されません。あのとても有名な発達障害当事者も実は仮名ということはあまり知られていません。実名で出演することの不利益をよく理解しているからでしょう。例えば健康告知が必要な商品に加入している場合、告知義務違反になるかもしれません。「幼少期より発達障害(自閉症スペクトラム、ADHD、LD、トゥレット症候群、吃音)があったとニュースサイトに書いてあれば、これが疑義になる可能性もあります」)

※このような体験談があると「吃音があることは全部、カミングアウトしても大丈夫」という勘違いを保護者や吃音当事者がしてしまう場合もあります。
もちろんその体験談によって助かる人も頑張れる人もいます。
しかし吃音をカミングアウトするということは、一般枠で吃音をカミングアウトしてしまうことの不都合な真実を知らないのかもしれません…。


――その中で、吃音当事者の先輩のお話。体験談というものがあります。
これは吃音に悩む小学生や中学生や高校生、大学生に吃音のある先輩から
「就職は吃音があっても大丈夫だよ」というメッセージを伝えるものです。

しかしこのお話って「真実」なのでしょうか?
「作り話」、「嘘の話」ではないのかな?
とよく考えて聞く事が大切です。
親御さんも子どもに、あれは嘘や作り話かもしれないから、あんまり信じちゃダメだよと自宅に帰ってから伝えることも大切でしょう。



■どのような点に気をつける???
これは吃音を隠してクローズドで働いているという吃音者の先輩の話は「真実だろう」と思います。
プライバシーなども伏せて話していると思います。このての話は吃音を隠しながら、上手く吃音をコントロールしながら仕事をしているとためになる話でしょう。吃りそうになって苦労した話や家に帰って悲しくなったことや。次にむけてどうしたか?などのためになる話だと思います。


しかし、吃音をオープンにして働いている!という前提で「吃音の体験談を話す先輩の話」は「嘘や創作」ではないか?と疑うべきです。

吃音は障害じゃない。吃音は発達障害じゃない。吃音はかわいそうな障害者じゃない。吃音を障害者にするなという主義主張を信奉する吃音者ほど、吃音をオープンにして働いているといいますが。

吃音をオープンにしているなら、その、とても環境の良い、障害理解のある、先進的な考えをもった「企業名や団体名」も体験談の中で公開しれくれるはずです。そして私の働いている企業や団体は吃音に理解あるから、後輩たちよ!どんどん採用試験に応募してきてくれ!!となるはずです。私が人事部に口利きするから大丈夫だよ!!って言ってくれるはずなんです。

しかし、吃音をオープンにしている吃音者ほど、会社名や団体名は公開しませんよね?自分の職場に後輩を勧誘しませんよね?そういうことです。本当は職場でオープンにしていないのです。吃音に寛容な会社や団体があれば、そこに吃音者の応募が殺到します。そうすると、先に入社している先輩はその後輩と比較されるだとか、椅子取りゲームになってしまう可能性もあります。せっかく見つけた安息の地、安息の日々、安全地帯な職場を公開するわけにはいかないのです。

吃音をオープンにしている。職場で吃音のことは知れ渡っている、吃音は障害じゃない、今日も吃りまくったぞーーなんていう武勇伝は全部嘘なのです。小学生や中学生や高校生が聞いている手前、カッコつけてウソついて話を盛っているだけなんですね。

本当にそんな企業や団体があれば、もっとニュースになっているはずですし。吃音で悩む就活生も、あの会社は絶対大丈夫という情報共有がされて、企業団体の固有名詞が登場するはずなのですが…。そんなことはないのです。とほほ。


外部リンク NHKエデュケーショナル
2017年10月4日 ハートネットTV 私たちの就活 吃音とともに生きる

http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/summary/program/?id=44452

NHK教育で放送されたものです。吃音があるけど一般枠で吃音をカミングアウトしながら就職活動する実態です。当事者も困っています。もしも本当に吃音で成功している人がいるなら、企業団体名が公開されており、ハートネットTVで放送されるようなことはなくなるはずなのです。後輩吃音者に「あの企業団体、XXXXX社は吃音に寛容だ。障害者手帳を持っていてもいなくても採用してくれる」とリストができるはずです。「ハートネットTVを見た、先輩吃音者が自身の所属する組織の人事採用担当につないで、ウチのところに来いよ!」と助けるはずです。そうすれば先進的な企業団体としてニュースにも報道されるはずなのです。
外部リンク
ハートネットTV 私たちの就活 吃音とともに生きる を視聴した人の感想
吃音のある就活生はなぜ障害者手帳を持っていない?人事採用戦略の話 企業団体は可能ならば法定雇用率に計算したいという本音
https://anond.hatelabo.jp/20171012000353


吃音のある先輩当事者の人生経験、体験、成功体験、成功事例を聞く時は?
吃音のある子どものお父さん、お母さんはなぜ障害者や社会的障壁のある人を差別するようになってしまった?

当事者や保護者向けの『先輩の成功体験、人生経験』などのお話は『個人の感想です。全ての人に同じことが起こるわけではありません。効果効能を示すものではありません』と明記するルールを作ったほうがいいでしょう。吃音の場合は特に強く必要です。これはちょっと冷静になって考えればわかるものです。ですが、子どもの吃音で悩むママ、パパ、保護者は冷静な判断が困難になります。

保護者が幼少期から成長してきた環境や価値観が「障害者はかわいそう。障害のある子どもなんて持ちたくない。障害者は税金ばかり使いやがる。障害者なんて生まれなければいいのに。精神障害は殺人をしても無罪。やつらを殺せ」という価値観に囲まれていればなおさらです。盆暮れ正月に本家や大本家に親戚一同が集まると、「変なおじさん、変なおばさん」がいた。座敷牢で管理されていた。なんて環境であれば障害のある人への偏見ができてしまうのは当たり前です。

子どもが吃音になってしまった保護者の価値観。いえ、日本の障害者に対する価値観とは戦前戦後からの差別偏見の歴史でしょう。座敷牢、癲狂院、ライシャワー事件、脳性麻痺の人に人権は無いバスに乗れないからって騒ぐなよビラまくなよバスの運行妨害するなよ、Y問題、精神障害者の起こす事件、精神障害者の隔離収容政策。これらを知っている祖父祖母のもとで育ったお父さん、お母さんは『障害や病気にとても悪いイメージを持つ可能性もあります』

そしてそんなお父さん、お母さんが出会い結婚し子どもが生まれる。その子どもが吃音だった。とても耐え難いかもしれません。障害や社会的障壁のある人を心の中で差別していた。お父さんやお母さんが働く企業団体では明らかに吃音者は採用されないだろうと感じている…。となると、なんとしてでも子どもの吃音を治さないといけない。障害であることがバレたらいけない。差別される側になってしまう。親と同じ生活レベルを維持できないのではないか。などなど色々と不安になるでしょう。

そんなところへ吃音があっても大丈夫だ。吃っても大丈夫という成功している先輩のお話を聞くと、一時的に心が安らぐでしょう。ウチの子どもは大丈夫。成功者側に勝ち組にまわれる。と精神的に安らぐかもしれません。それは本当にそうなのでしょうか?

本来なら、吃音のある当事者もその保護者も一緒に協力して、他の障害者や社会的障壁のある人や団体と協力して、お互いに困りごとが重なっている部分、協力できる部分をさがす。お父さんとお母さん、家族が「障害」や「吃音」、「マイノリティ」の人権を考えるように。差別の価値観を生み出す社会構造を、変化させようと行動すべきなのです。

繰り返しになりますが、『実際に吃音があっても、吃音以外の障害があっても、障害者手帳無しで就職できる公的機関や企業団体があるのか?障害者手帳を持っていれば就職できる公的機関や企業団体があるのか?本当にこの人が話す成功事例や人生経験は、勤務先は存在しているのか?存在しているのであればなぜ後輩吃音者のために組織名や社名の公開をしないのか?人事部や社長を説得したからウチの所へ来いよ!!と言わないのか?』冷静に冷静に思考することが求められます。

子どもが吃音のママ、パパは自分の職場なら、自分の所属する組織の人事部は吃音者は本当に採用するか? 発達障害のある人は採用されているのか?など条件ごとに考える事が必要になります。また、吃音者が就職しているという企業団体名はリスト化されているのか?調べることも大切になるでしょう。本当にそういった企業団体があるならもっとマスコミに報道されているはずですから。

吃音当事者の学生であれば、この先輩吃音者の「お話」って本当なんだろうか?と考えることも大切になります。自分にも当てはまるのか。別の方法もあるのではないかと思考することも大切です。


――障害者や社会的障壁のある人、マイノリティにはなぜ厳しい価値観を持つように自分は育ってしまったのだろうと考える時間もつくってほしいのです。

――そもそも病気や障害、性別違和などありとあらゆることをカミングアウトすると不利益が発生するという社会構造を変化させるために。吃音者も吃音以外の人や団体と協力して、社会や仕組みを変化させる運動・行動をしないとならないでしょう。吃音のある人も子どもも『あの人達と一緒にされたら、あの人達と同じだと思われたら、あの人達と同じものを持っていると思われたら。困る。嫌だ。一緒にするな!』という差別主義思想から卒業して、困っている人同士が協力していくことが今後必要になるでしょう。


園や学校でカミングアウトする場合と就職活動でカミングアウトする場合の違い

吃音児者が吃音をカミングアウトする場合。
それはその当事者の置かれている環境により大きく異る。

保育園、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、専門学校、大学、大学院など学ぶ側。
お客様という、吃音児者や親、保護者がお金を払うという立場であればカミングアウトはとても有効である。
とくに国公立の学ぶ場所であれば、障害者差別解消法による合理的配慮は「義務」である。そのため、吃音児者が進学する場合は国公立の学校に行くことを強くオススメする。
国公立の学校で合理的配慮を利用しながら、勉学に打ち込み、可能な限り最大限の発達をして、自身の得意分野を勉強して、専門的な知識を身に着け就職活動に突入すれば良いのである。

私立の場合。私立だと理解のある学校はそれなりにある。
例えば東京でも発達障害児者当事者団体・発達障害に特化した就労移行支援事業所が主催や共催で「発達障害に理解のある高校や大学」との当事者と親と学校側と情報交換会、イベントが存在する。しかし私立学校だと、まだまだ「努力義務」であること理由にあまり対応してくれないところが多い。福祉系の大学にも関わらず、「障害学生支援室など」が存在しない、「障害者手帳を持っていないと対応しない」という残念な私立大学も存在する。


※余談だが、世間、日常生活でも「お客様」の立場であれば合理的配慮はとても受けやすい。お店でも役所の窓口でも色々なところでお客様というお金を使ってくれる立場なら障害児者や社会的障壁のある人は合理的配慮を申し出れば利用しやすいのだ。本来はオカシナことですが―。


ところが一転、就職活動、就職するときに吃音や発達障害をカミングアウトすると不利益が多い

これはなぜか?
現在、発達障害というのは「精神障害者保健福祉手帳」を取得できる障害者である。官民問わず企業団体というのは「障害者の法定雇用率」を満たしたいのが本音だからだ。
そして何より、今度は吃音児者や発達障害児者は「お客様」ではない。同じ職場で働く人間であり、お金を払う、お給料を支払う対象に変化する。

精神障害者や発達障害者を雇用する人事部、総務部、採用担当者の向けの勉強会や情報交換会、講演会で必ず情報共有がされることがある。

「精神障害者、発達障害者を採用する場合は、必ず、支援者がいること、就労移行支援事業所に通所しているもの、病院と連携できているもの。自身の障害を受けいれているもの」この条件を満たしている人を採用することと説明するのだ。「間違っても、どこの支援機関にもつながっていない障害者を雇用してはいけない」という説明をする場合もある。最近では「発達障害者はそもそも新卒で採用するに値しないのではないか?新卒ではなくて一度就労移行支援事業所を経験したものを採用すべきではないか?大学で就労移行支援事業所と同じ訓練をしているとは思えない」と雇用する側の本音も出てきている。


それらの需要のためなのか?
精神障害者や発達障害者を採用時に発見する試験が販売されているのも見逃せない点だ。
詳細はコチラ
https://matome.naver.jp/odai/2145136262246904801


これらは障害者差別解消法施行におうじて、水面下に潜った。表向きに販売をしなくなり、人事業界向けの雑誌や客から問い合わせがあれば紹介するという形に変化してきている。事態を重く見た障害者団体や発達障害の支援を考える議員連盟、厚生労働省にもこのような障害者発見採用試験は情報共有され、ぎょうせい出版社が2017年2月ころ発売した「改正発達障害社支援法の解説」という書籍でも、障害者発見ビジネスについて指摘が掲載された。

ただ、公務員の採用の世界でも。「必ず面接やグループ面接」を行うという自治体や組織が増えてきているという実態もある。学業や成績だけではないところを採用の判断にするという流れだ。大学の入試も今後、学力を問うペーパーテストから、総合力を試す試験に変化していく。学力だけ磨かれている発達障害児者には突破が困難になるのではないか?いつの段階から合理的配慮を申し出ればいいのか?という議論もある。

このような多くの課題については発達障害の当事者団体や行政や政治家の動きも大切になるだろう。発達障害を排除する傾向があるなら、それに対抗する方法やルールや法の整備も必要になるはずである。吃音者の団体もそのような動きに参加していってほしいと思う。他の障害者や社会的障壁のある人や行政や議員との協力をしていくことは大切だ。




雇用側は合理的配慮を宣言するなら、法定雇用率に計算したい!というのが本音
吃音でも一般に言われる発達障害の自閉症スペクトラムやADHDやLDでもそうであるが。
障害をカミングアウトするということは、配慮してほしいことがある。健常者よりも時間がかかる。健常者よりも必要な工程が多い。健常者には必要ないはずの環境を用意しなければいけない。と雇用する側があれこれ準備をしないとならない。身体障害者のように移動手段やトイレや階段やエレベーターの配慮を一律にできるのではなく、発達障害者は十人十色で100人いれば100通りの支援や合理的配慮を考えなければいけないという手前、雇用する側の負担は大きい。
そこで雇用する側は「最低限、障害者手帳を持っていてくれ。法定雇用率に計算したいんだ」と思うのである。


障害者手帳を持っていないのに合理的配慮を宣言された場合、雇用する側は不採用を決断する 事案紹介 事例紹介
※全ての事例や事案がそうだとは限りません


1.
「吃音者の人が障害者手帳を持っていないのに。合理的配慮をしてくれ」と言ってきたので、面接では合理的配慮をしたが、後日不採用通知を出したということだ。理由は障害者手帳を持っていないから、障害受容ができていないから、他の障害者に何か悪影響を及ぼすような気がしたという。

一度非公式に「障害者手帳のコピーを今度持参してください」と伝えたが「吃音は障害ではありません。個性です。仕事上問題はありません。私は吃音で障害者手帳を取る予定はありません。」と自信満々に言われたため、『あぁ。これが講演会や勉強会でよく出てくる障害受容ができていない人か。入社後もトラブル起こしそうだし、すでに働いている障害者に個別の障害についてあれこれ説教し始めそうだから不採用』という結論にいたったという。

2.
カミングアウトしてきた吃音者が面接に来たので、障害者手帳を持っていれば、障害者枠で採用できると水面下で伝えたが、応じなかった。吃音は障害じゃない!と反論してきた。採用は見送った。

「私の団体では、吃音のある人とも一緒に働きたい。とは思っている。でも障害者手帳を持っていない吃音者が本当にいるとは思わなかった。残念だ」という。

合理的配慮をする以上。法定雇用率に計算できること、という部分については吃音者側にも理解してほしいのだけど残念だという。

3.
障害者手帳を持っているが、不採用になった吃音者。
障害者手帳を持っている吃音者が障害者枠で応募してきた事案。
合理的配慮の希望と法定雇用率の問題はクリアできたが、吃音者側が「障害者枠の仕事じゃなくて。一般と同じ仕事がしたい。なぜ接客や営業をしてはいけないのですか?なぜ喋る仕事をしてはいけないのですか?吃音者に対する差別ですか?機会を奪うなんてズルい。吃っていても総理大臣やアナウンサーや医者や営業がいる。接客や営業だって経験したい」と面接段階で意見を述べていたため、不採用通知を出したという事案。

これも吃音者側と雇用する側のみミスマッチです。
現在、吃音業界、吃音当事者団体では、東証一部上場企業や国家公務員、地方公務員に就職して活躍する人もいるため。成功した吃音者がやっている仕事や職務を遂行したい!という若い学生、新卒就活をする吃音学生が多いことと条件が合わないという事案。

たしかに発達障害という概念が世界に生まれる前は「ちょっとあの人変だよね」という人は就職できていたが、2017年現在の就職活動は件の障害者発見試験や面接、グループ面接、グループ討論、などに「発達障害傾向のある人」をなんとかしてあぶり出す手法が販売されているため、一般枠で発達障害者が隠して応募してもなかなか突破するのは難しい。ましてや吃れば一発でバレる吃音者にはハードルが高い。

そこで障害者枠で就活している吃音者が出てきたが。吃音のある先輩達、パイオニア達がやってきたこと、同じ仕事をしたい。機会を提供しないのは差別だ!という雇用する側が用意した仕事をしたくない!差別だ!と衝突につながる事案が発生したという。

雇用する側としては無理に話す仕事はしなくていいので、社内に限り電話や通信はまかせるけど、積極的に表舞台では活躍しなくていい。もっと他にも仕事があるから、こっちを一緒に頑張っていきたいと吃音者側に伝えても。吃音者側が拒否する、その仕事しかさせないのは差別だと反論してきたという事案だ。雇用する側としてもトラブルになりそうな人は最初から雇用したくないというのだ。たとえ障害者手帳を持っていたとしてもだ。

4.
採用後の事例。雇用側が吃音だけ配慮する予定で採用計画を考えており無事入社した吃音者。しかし吃音以外に、発達障害があることがわかり雇用側が「採用ミス」だと社内で一致した事例。吃音者は社内ニート扱い。

採用時に吃音者は吃音のことしかカミングアウトしておらず、雇用側も吃音だけだと思っていた。しかし、発話発語のコミュニケーションよりも空気や気持ち、雰囲気、ホウレンソウが原因となる問題が多発。時間配分や時間を守ること、ケアレスミスなども多い。独自ルールが社内ルールよりも優先されるなどのトラブルも。

吃音以外に広汎性発達障害、ADHDがあることが後に判明。雇用側は採用時に見抜けなかったのかと問題に発展。

吃音者は純粋吃音だけではないと障害者の人事採用、障害者の就労移行支援など支援者や就職エージェントなどの間で支援困難事例として現在情報共有されている。



一般枠で応募するなら絶対にカミングアウトしないでください
発達障害全般に共通することですがカミングアウトを絶対にしない場合は一般枠での応募が可能です。これは就労移行支援事業所でも、とてもしつこく説明されることです。就労移行支援事業所は雇用する側の本音を知っているためでしょう。そのため一般枠応募ようの書類の書き方と障害者枠応募ようの書類の書き方の違いや面接の違いを何度も何度もしつこく説明するという場合もあります。


吃音児者の親、保護者は「ご自身が働いている組織団体に吃音者が障害者手帳を持たずに応募してきたら採用するか、人事部に質問して」

吃音のある子どものお父さん、お母さん、親戚のみなさん。あなたの働いている組織では障害者手帳を持っていないのに発達障害や吃音をカミングアウトしてくる応募者を採用しますか?ということを質問してみてください。もしも採用するというのならとても良い企業団体ですし。そんなの採用しないと言えば。それも1つの答えです。


吃音者は就職活動で吃音をカミングアウトすること、合理的配慮を求める場合はよく考えて

現在の就職活動は色々な利害関係があります。
吃音のある先輩たち、総理大臣やアナウンサーや医師などなど有名人が世間に存在するからと言って、あなたの人生や生まれた時代や生活環境はその人達とは異なります。何かコネがあるとか、通常の採用過程を経ない場合は吃音があっても普通に働けることもあるでしょう。一般枠で運良く吃音を発見されずに採用されたということもあるかもしれません。

現在、吃音者の就職活動では「気軽にカミングアウトしてみましょう」と思えるようなニュースや書籍、先輩の体験談や美談があると思います。しかしこれらにはリスクがあると心に強く刻んでほしいのです。気軽にカミングアウトしたことにより、その場は合理的配慮されたが、後日不採用通知が来ること。または一般枠ではなく障害者枠で応募しなおしてほしいと言われる場合も。(むしろ障害者手帳や障害者枠をこっそり伝えてくる雇用する側のほうが優しい人だと思ったほうがいいです。チャンスを教えてくれたわけですから)

吃音も発達障害も気軽にカミングアウトするほうがリスクが大きいです。
最初から障害者手帳を持っていて、雇用する側と歩み寄って仕事ができる吃音者であれば話は別ですが――。


吃音児者を受け入れるという就労移行支援事業所でも気軽なカミングアウトを推奨する場合も?

現在、吃音児者を対象に就労移行支援をしています!
という組織も出てきているが―。
気軽にカミングアウトしてみましょう。などという利用者さんに不利益を与えるかもしれないことを平気で教えてしまうところもあるのでよく気をつけてください。吃音児者を支援するという団体の支援者スタッフやボランティアスタッフは、そもそも普段の職場で「障害者手帳を利用しているのか?吃音をカミングアウトしてオープンで働いているのか?一般企業での就労経験があるのか?特殊な専門性の高い業界以外で働いたことがあるのか?」という視点で評価・観察することも大切になります。




2017年5月25日木曜日

吃音がある子どもが生まれたのは両親に責任があるのか? あると言えばあるし、無いと言えば無い

吃音の原因。
例えば、子どもが吃音になったのは「母親の育て方のせい。母親の育児がなっていない」などという昭和時代の価値観が未だにはびこっている。

この母親の育て方、父親の育て方のせい、祖父母の育て方のせいというのは2017年現在否定されている。

しかし、問題は遺伝や環境の視点から見て考えた場合である。
吃音や発達障害のある子どもが生まれた場合、現在エビデンスがある情報としては「遺伝7割、環境3割」とか「遺伝6割、環境4割」などと言われる。吃音に限って言えば前者のほうが菊池良和医師の書籍でも紹介されている。(エビデンスに基づいた吃音支援入門 学苑社 14ページ)

ここで大きな問題は遺伝といえば、父方、母方、または両方に吃音の遺伝子があったのですね。となると父方か母方、もしくは両方の親戚縁者にも吃音者がいるかもしれないね。と理解できることである。


次に「環境」という言葉である。
実はこの環境というのは、母親の胎内で成長する時期、周産期医療と呼ばれる時期のことである。もしかすると父親の精子の劣化というものも今後データがでてくるかもしれない。不妊の原因が父にあったという話も週刊誌やお昼のワイドショーなどで報道されている。吃音業界では「環境」が勘違いされており、赤ちゃんとしてこの世に産声をあげてから成長する環境のことと思われている点である。もちろんその考えも間違ってはいないのだが―。


発達障害児者の就労移行支援事業や放課後デイサービスを行っている株式会社kaienのホームページから引用する。これがわかりやすい。
http://www.kaien-lab.com/aboutdd/definition/

「遺伝+環境要因」が現在の主流な説

 特に自閉症スペクトラムについてはDNAレベルの研究が進んでいます。それによると遺伝子ですべてが説明できるわけではないが、大きく遺伝要因が関与していることがわかってきました。

 発達障害に関連する遺伝子は200とも400ともいわれますが、発症までのメカニズムはまだわかっていません。例えば自閉症の兄弟がいる場合、もう一人も自閉症である場合は発症率が高まるという研究結果が出ています。ただし遺伝子がまったく一緒のはずの一卵性双生児の場合でも、一人だけが発達障害の傾向がみられることもあります。つまり遺伝要因以外にも原因が考えられるということです。
 環境要因の仮説として環境要因があげられます。親の年齢、出産時の合併症、妊娠時の食事、汚染からの影響などが考えられています。今後、遺伝要因と環境要因がどのように絡んで発症に至るのかが徐々に解明されていくと思われます。
 何よりも重要なのは発達障害は先天的(生前)であり、後天的(生後)の要因ではないこと。また先天的だからといって100%遺伝するというわけでは決してなく、複雑で複数の要因が絡んでいるものだということです。

また、吃音は神経発達障害として一般にいわれる発達障害と同じカテゴリになっています。
神経発達症とは?発達障害との違いは?概要、分類と症状、原因、周囲の接し方について徹底解説! りたりこ発達ナビより紹介
https://h-navi.jp/column/article/35026377

それは、これらの障害は別々のものではなく、神経の発達阻害という共通の原因を持つ連続的な障害なのだという考え方に基づいています。「神経発達症」という言葉は、そうした連続的な障害の全体を指すための言葉です。近年、この考え方が広まりつつあります。



吃音者も保護者も勘違いしている人が多いが環境というのは親の年齢、出産時の合併症、妊娠時の食事、何らかの事象の影響ということであって。生まれてから地球上で育つ時期のことをメインにして環境とは言わないのである。


ここまで読むと、ある意味、吃音の遺伝子を持っていたかもしれない父方、または、母方、両方かもしれないとも言えるし。周産期の母親の食生活や妊娠時の年齢の話、出産時の合併症や早期出産などにも関係していまい。

吃音の原因や責任は親にある!!というようにも読める。
遺伝子や環境の土俵で判断すれば父や母にもなんらかの原因があるかもとも読めるのである。

しかしこれは本当に馬鹿らしいことで、人間、どんな年齢になろうと好きな人ができて、結婚して子どもがほしいと思う人もいるし。子どもまではいらないかなと思う人もいるし。里子や養子を考える人もいる。セクシャルマイノリティであれば子どもがいなくても幸せという人もいるし、何らかの方法で遺伝的つながりのある子どもを望むかもしれないし、里子や養子がほしいという人もいるだろう。子どもがほしいと思っても不妊治療をする人もいる、それが成功する人もいれば、次の段階に進む人、子どもがいないことを受容して、こういう人生も自分自身かなと受け入れる場合もあるかもしれない。


2017年5月21日夜に放送されたNHKスペシャルにて発達障害児者の感覚過敏について報道があった。これは2017年NHKがNHKのありとあらゆる番組が協力して発達障害全般について報道するという第一回の放送と言われている。NHKスペシャル、ETV特集、ハートネットTV、バリバラ、あさイチ、きょうの健康などで発達障害について今後、怒涛の放送がされるだろう。吃音について放送があるだろうと思う。発達障害はかわいそうだからという理由で吃音だけ身体障害です。とか発達障害ではありません。とか吃音だけの話をして吃音と自閉症スペクトラムの併存などには目を瞑るかもしれない。

5月21日に放送された発達障害の感覚過敏について体験する機械、システムが公開されていた。これは東京大学先端研や京大、阪大などが協力している1つのプロジェクトの中にあった研究の1つである。高齢者体験や身体障害者体験は健常者が体験することのアイテムの準備などは比較的容易だが、発達障害についてはどうやって健常者である定型発達の人間に体験させて少しでも理解してもらうかは課題だった。これを解決した形になる。

しかし、この「構成論的発達科学-胎児からの発達原理の解明に基づく発達障害のシステム的理解-」文部科学省が補助金を出している研究では、「周産期からハイリスク児はどのような成長をするのか?」という研究メニューもあるのである。ハイリスク児とは高齢や、不妊治療、人工的な妊娠、複数妊娠、予期せぬ早期出産(保育器で成長するパターン、現在の医学の進歩により低体重でも生存成長可能になった)などの影響が発達障害につながるのかどうかを研究しているようだった。

http://devsci.isi.imi.i.u-tokyo.ac.jp/about

この研究はダウン症を発見するための出生前診断のように発達障害児を診断するようなシステムを医療現場では提供しないが、周産期の段階でそのことがわかれば、どうやれば生きやすい世の中になるのかというところに重きをおいている。支援制度や教育制度、社会保障制度全般である。発達障害児が生まれることが事前にわかるような、人工妊娠中絶手術に踏み切るための出生前診断にはしないということは筆者も公開講座のときに確認している。

もしかすると、一般に言われる発達障害である自閉症スペクトラムだけではなく、吃音も周産期から吃音になるぞ!ということがわかる未来もあるかもしれない。がしかし、それは社会が受け入れていくことが人間の文明社会として望まれることである。共存・共生社会になっていくことが大切なのである。



結論として
吃音がある子どもが生まれた場合、父や母に責任があるか?といえばあるといえばあるし、無いといえば無いわけである。仮に子どもの母や父が「あなたのせいで子どもが吃っているのよ。こんな障害者を生みやがって!!」と祖父母や親戚縁者に文句を言われたら、「もしかすると、祖父母や親戚縁者にも吃音や自閉症スペクトラムやADHDやLDの人がいるかもしれませんよ。盆暮れ正月に大本家にみんなが集まったときに、座敷牢に閉じ込めていた人はいませんでしたか?変なおじさん、変なおばさん扱いをしていた人はいませんでしたか?」と逆に質問を投げかけてやれば良いのである。

しかしもっとも重要なことは、どのような障害や病気を抱えていても世の中で生きられることが人間社会の文明社会の良いところである。吃音があろうと、自閉症スペクトラムがあろうと、使える選択肢やメニューを使い倒して生きていけばよいことだし、父や母や祖父母が「合理的配慮や社会保障制度を利用することは恥だ!!」なんて思わなくてよい世の中になることが大切であると考える。

幸いなことに、現在日本では発達障害児者を研究することや、それに基づいた適切な支援を行うこと。文部科学省の言葉を借りれば「成人するまでに可能な限り最大限の発達をうながす」とも言うわけであり、機会を平等にし、できるだけ成長の機会をバックアップし、成人しても困ったことがあれば今度は厚生労働省管轄で社会保障制度を利用したい人がいれば利用すればいいわけである。

障害者は嫌だ!
障害を持つ子どもなんて幸せじゃない。
障害者はかわいそうな存在だ!
吃音をかわいそうな障害者と同じにするな!
と思い込んでいる、吃音のある子どものお父さんお母さん、祖父母は好きにしても良い。だが、日本社会、2017年現在のこの日本社会には発達障害者支援法、障害者基本法、障害者権利条約などがある。権利を行使してよいわけなのである。また、支援や社会保障制度が上手く機能していない、不備があるなら、親の会や当事者会が単独または他の発達障害者や社会的障壁ある人達と協力し政治や行政に意見を述べることも大切になるだろう。

吃音の子どもを持ってしまったと思っているお父さんお母さんへ、家族へ
これは日本社会の価値観なんだろうと思います。

例えば2018年現在でも、30代の夫婦が胎児は障害を持っていないことを確認するため出生前診断を行い、生まれたが、発達障害があることがわかった。もうどうしていいかわからない。最悪だ。もう終わりだという人が価値観を変化させていった事例もあります。出生前診断をしないといけない、障害を持った人は幸せにならないという、日本社会独特の空気なんでしょう。これを変えていこうとなったのです。


日本社会は戦前、戦後から、精神障害を持った人、今現在でいう発達障害を持った人を隔離する政策をとっていました。断種してしまうこともありました。座敷牢、癲狂院、精神科病院、祖父母や親戚縁者の価値観など色々なニュースをお父さんお母さんは見聞きしていたのかもしれません。吃音の子どもが生まれるまでは、障害を持った人、病気の人、困っている人のことなんて考えることが少ない人生だったかもしれません。そして、障害を持った人は日本社会においてはこのような仕打ちが待っている、このように扱われる、このように処遇されることお父さん、お母さんが子どものころから見聞きしていたかもしれません。そして障害や病気を持った人に何らかの価値観をお父さんお母さんが持ってしまう。そこに吃音のある子どもが生まれた場合に『うちの子どもはどうなるだろうか。就職できるだろうか、結婚できるだろうか、父と母のような生活レベル、収入レベルを維持できるだろうか。いやちょっとまてよ。父、母が働く職場では障害や病気を持った人に対する価値観が差別的だ。父、母が働く職場に仮に吃音者が就職活動でやってきても採用しないぞ。どうしよう。どうしよう。どうしよう』と心の中で繰り返し思うかもしれません。となると、次にどうしたらいいのか。子どもの吃音を治させるのか?

吃音を持ったままでも、障害や病気を持ったままでも生きていける、働ける社会にならないといけないのではないか? と考えることが大切だと思います。もしもお父さん、お母さんが吃音のある子どもが誕生するまで、障害や病気、マイノリティのことを考えていないとしても、一旦立ち止まって、『お父さんお母さん自身がこのような価値観を持つようになってしまった』人生や周囲の人間関係そのものを振り返り考える時期かもしれません。その後、そうだ社会を変えていこうとなれば幸いです。

例えば発達障害の研究をしている東京大学先端研の医師でもある熊谷晋一郎氏、綾屋紗月氏などは、障害は個人の中にあるものから、社会にその困りごとを返していこうという説明をします。もしも吃音を持った子どもが生まれたお父さん、お母さんが社会でできること、職場でできることがあれば、吃音のことを啓発すること、吃音のある人を積極的に採用していくようにしようということもできるわけです。現在状況により個人の立場で難しいならば(例えば踊る大捜査線の名シーンで「出世して変える。偉くなって変える」こと)、吃音児者団体、発達障害児者団体に参加することもよいでしょう。誰かがやるだろう、誰かがやってくれるということではなくできる範囲でいいのでアクションをしていくことが大切になります。

2017年5月20日土曜日

英国には発達障害などによる感覚過敏を持つ人向けにショッピングモールがクワイエットアワーという時間帯を設けている

2017年5月20日、朝7時のNHKニュースのなかで、発達障害についてミニコーナーがありました。明日放送のNHKスペシャル、発達障害と感覚過敏についての番宣も兼ねていると思います。

2015年ころから大阪大学大学院工学研究科の長井志江特任准教授と東京大学先端科学技術研究センターの熊谷晋一郎准教授の研究グループが共同で行っているASD体験シミュレーター。この進捗状況とどれくらい進化したかがわかりました。

高齢者体験、障害者体験のように手足や身体の一部が動かないこと、視聴覚が不自由な場合はどうなるかといった体験のように。発達障害者はこのように世界が見えている可能性がありますというシミュレーターです。

これは明日の放送で詳細があると思います。



さて、筆者が気になったのはイギリスのショッピングモールに存在する「クワイエットアワー」という静寂をお客様に提供する時間があるということです。例えば1時間この時間があるとします。その間。店舗の照明、BGM、動いているモノ、などを全て電源を落として・または弱くする。など対応をします。発達障害などの感覚過敏に対応するのです。

これは吃音だと「コミュニケーション障害アワー」という形かな。で、吃音も場面緘黙もその他の言語障害やコミュニケーション障害の人が、気軽に店舗で、笑われたり、バカにされたり、怪訝そうな顔されないで買物できる!なんてものがあればいいなと思いました。

2017年5月8日月曜日

沖縄県沖縄市の障害福祉課が吃音は精神障害者保健福祉手帳が取得できると市民の声で回答

沖縄市役所 障がい福祉課 給付係の市民の声への回答を掲載する。
吃音が発達障害者支援法に含まれており、発達障害者として精神障害者保健福祉手帳が
取得できるということが市役所レベルでも周知されてきているようだ。これはとても良い流れだ。

2017年01月05日 精神障害者保健福祉手帳についてというURLだ。
http://www.city.okinawa.okinawa.jp/voice/c/17/d/11519

 ご質問内容

吃音症という症状を持っています。
外見ではあまり分からないものですが、仕事の際に支障を感じており、職場を転々としている状態です。
吃音ではどの程度の症状の人が手帳の申請をできるのでしょうか。
 
 ご回答内容

こんにちは。回答が遅くなり、誠に申し訳ございません。
ご質問のありました件について回答させていただきます。

精神障害者保健福祉手帳の申請に関しては、専用の診断書を病院(精神科、心療内科など)の主治医に書いていただく必要があります。
「吃音症でどの程度の症状が手帳に該当するか」というご質問ですが、沖縄県の担当者によると、「提出された診断書の内容を総合的に判断するため、診断書をみてみないと判断できない」とのことでした。
日常生活や社会生活にどのくらい支障があるのか、ということを診断書で判断するようです。
申請は診断書があれば可能ですが、初診日から6か月以上経過している必要があります。役所で申請後、沖縄県の審査会で手帳の承認・不承認が判定されます。
また、障害年金をもらっている場合は、障害年金証書(精神障害の事由によるものに限る)で手帳を申請することも可能です。

ご不明な点などありましたら、下記までお問い合わせください。



沖縄市役所 障がい福祉課 給付係

2016年12月10日土曜日

【保護者・当事者必見】吃音者、吃音の子ども、病院にいくタイミングとは 障害者手帳を取得するタイミングとは デメリットは何?初診日問題について

この記事は長文です。関連リンクなどを含めると1時間程度必要となります。
自宅など、リラックスして余裕があるときにお読みください。


保護者の方、当事者の方へ。
吃音業界では知られていない。または隠匿されている現実を書きます。


下記リンク 時間がある時にお読みください。
【別記事紹介】【保護者必見】吃音の子どもを育てる立場の人はどうしたらいいのか?どうやって合理的配慮を発動する? 保護者に向けたガイドライン
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/11/blog-post.html
【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドラインhttp://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html
具体的に吃音で精神障害者保健福祉手帳を取得するために必要なこととは?
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/07/blog-post.html
吃音至上主義(きつおんしじょうしゅぎ)とはなんですか? どんな差別主義ですか?
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/12/blog-post.html
2013年、北海道で吃音看護師が自殺した。だが、本当は自殺を避けられたのである
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2015/11/2013.html
【自殺に至るまでの記録】吃音が含まれる労働保険審査会資料を精神障害の件、自殺の件 2件紹介
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/06/2.html

この記事は最初に「初診日問題」という発達障害業界では当たりまえに知られていることですが、吃音業界ではほとんど知られていないことを扱っています。

記事については【随時更新】しています。

記事前半はデメリットのこと。
記事中盤は吃音者が取得できる可能性のある障害者手帳のお話です。
後半は「吃音があるとわかった場合、吃音以外の発達障害もあるかもしれない?」と考える時間の大切さについて解説します。

吃音者、吃音のある子ども。発達障害者、発達障害のある子ども。(自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群・広汎性発達障害、高機能自閉症)やADHD、学習障害、チック・トゥレット症候群などの発達障害)
いったい、いつ、どのようなタイミングで病院に行けばいいのでしょうか?
障害者手帳はいつ取得すればいいでしょうか?

という話をこの記事でまとめようと思います。

まず最初にみなさまに必ず知っておいてほしいこと。
吃音を病院で診療してもらうことのデメリットです。

この投稿はとても重要なことです。
しかし吃音業界ではこのことがあまりにも周知徹底されていません。筆者は驚愕しています。
吃音を診療する医師や医療従事者も「気軽に吃音のことで病院に行きましょう。相談しましょう」などとアドバイスをしてしまう人もいます。


子どもの吃音で1回でも病院に行ってしまうとどうなるのか?
すでに子どもを病院につれて行ってしまった保護者。
大人の吃音者にはとても厳しい内容が書いてある記事になります。
精神的に大変ショックを受ける場合もあります。

ではこれから下に記述する数々の問題・課題をどう解決するか?後述する障害年金格差は障害者の権利に関する条約にある「平等」な状態とはいえません。それは吃音者や家族だけではなく、他の障害者・当事者や家族や団体と協力して国の政治や企業団体に変化してもらうように運動することです。吃音者が困っていることは吃音者だけが困っていることではないからです。



■1.吃音・吃音以外の発達障害を病院で診療してもらうことのデメリット (吃音も含めて障害者手帳をもらう以前)
とても重要なことです。
まず、日本では「初診日」が発生します。

初診日とは患者がその症状を訴え、障害の原因となった病気や怪我について初めて医師又は歯科医師の診断を受けた日です。しかもたとえその医師が誤診して他の病気だとカルテに記入してもその日が初診日になります。

しかも、この初診日とは診療する医師の担当科は関係ありませんのでご注意を。吃音の場合は耳鼻咽喉科と精神科で初診日が違うのでは?と勘違いする人がいるためです。また、吃音はICD-10コード「F00-F99 精神および行動の障害」の中に含まれているため、法制度上も精神障害者(発達障害を含む)ということになります。


「吃音は障害ではありません。ましてや発達障害ではありません。可哀想な障害者ではありません。頭のオカシイ、犯罪を起こしても無罪という精神障害者や発達障害者と一緒にしないでください」と差別発言を繰り返す吃音当事者や保護者も残念ながら存在しますが。 診断コードにおいて吃音は精神障害扱いです。

ICD-10コード一覧 (東京大学)http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/icd10/
※現在、アメリカ精神医学会の2013年発表DSM-5において、よりいっそう明確に吃音は「神経発達障害」であると分類されました。
※2018年現在、日本精神神経学会がICD11の邦訳案を公開しました。ここでも吃音は「神経発達症群」とされました。より明確に吃音が発達障害の一つの特性であるとされたことになります。
https://www.jspn.or.jp/modules/info/index.php?content_id=622

しかし吃音業界は日本精神神経学会のパブリックコメントに反応せず無視した経緯があります。他団体はしっかり団体として呼びかけや行動をしています。
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/06/blog-post.html 


この初診日が一般に言われる発達障害者、吃音者、吃音のある子どもにどのようなデメリットになるのでしょうか?

1. 初診日が国民年金を納付する前にあれば、国民年金の障害年金等級(1級、2級)しか申請できない。厚生年金の障害年金で3級程度の障害や困り事があっても国民年金の障害年金に3級は存在しない。

2. 初診日が厚生年金を納付している時であれば、厚生年金の障害年金等級(1級、2級、3級)と国民年金の障害年金等級が該当すれば両方受給できる。事例として成人して厚生年金などの保険料を納付している場合に初診日があれば厚生年金と国民年金の障害年金2級がダブル受給(およそ毎年120万円程度)できるのです。大人になってから運良く厚生年金などの初診日を持っている状態の発達障害当事者はダブル受給している人がいます。生活はとてもラクになります。

3. 厚生年金の3級は配慮があれば仕事ができる程度なので、多くの軽度吃音者はこの部分に該当する。

・健康告知が必要な商品やサービスに加入できない。
●●共済、生命保険、住宅ローンなど健康告知、健康診断、病歴、通院歴を告知する商品に加入できない。
吃音のある子ども、吃音のある大人の家族である。お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、親戚など健常者の人が加入できる1番最高ランクの商品には加入できない。他のグレードの、病気のある人向け、障害者向けの商品には加入できる可能性がある。



この3つが、一生死ぬまで、その吃音者、吃音のある子ども、発達障害者、発達障害のある子どもについてまわります。
よく吃音について書かれた書籍で医療従事者・医師や言語聴覚士などが「幼少期に気軽に病院に行ってみよう。相談しよう」と保護者に思わせるような記述が多く見受けられます。学校で合理的配慮を受けるために、ことばと聞こえの教室に行くために、英語検定試験や高校入試や大学入試で合理的配慮を受けるために、国家資格取得のための試験で合理的配慮を受けるために医師の診断書が必要な場合があります。

しかし「診断書や意見書」を書くということはその医師が「この人は吃音であると診療してしまい、カルテに書いている」のです。そのためこの診断書や意見書を書いてもらう以前に初診日が確定してしまっているのです…。

吃音のある人を診療する療育する立場の人、上手く話せるように訓練する、医療従事者の人、支援者の人の中には

とても気軽に

病院に行きましょう お医者さんに相談しましょう 言語聴覚士に相談しましょう

とアドバイスをする人も存在しますが。
よく考えてください。
お父さん、お母さん、よーく考えてください。


はい。残念ながら、その時点で「初診日」が発生しました!!!
ということになっていまします。


障害年金は、現在、大人の発達障害と言われる、大人になってから発達障害が発見され、運良く仕事をしていて厚生年金保険料を納付しているときに初診日がある当事者は、『厚生年金の障害年金3級を貰いながら、これから仕事や生活ができます』

しかし、大人になってから、発達障害特性で職場でフルボッコにされて退職に追い込まれたあとに病院に行くと、初診日が厚生年金保険料を納付していないので、国民年金扱いの初診日になってしまいます。

現在、発達障害者の中で、障害特性や困り事が全く同様のAさんとBさんがいても、片方は障害年金3級が貰えない、片方は障害年金3級を貰いながら生活しているという収入格差(およそ毎年50万円ほどの3級がもらえていれば一人暮らしできる、職場の同僚とランチや飲み会などにいける、スーツやワイシャツなどをクリーニングにだせる、趣味余暇活動に使えるお金が増えるなどなどの事例)が出てきています。この問題については吃音者だけでは解決できません。他の障害者と協力して政治を動かさないとダメでしょう。国民年金の障害年金3級を創設してほしいと障害者運動をしていくしかないのです。

また、ことばと聞こえの教室など通級指導を利用した履歴でさえ、年金事務所は「そこに通級するということは、子どものときに何らかの障害を疑われていましたよね?その時に初診日があったのではないかと」疑義を呈してきます。年金事務所では疑義が1%でもあると国民年金での申請に切り替えるように指導してきます。そして国民年金の障害年金には等級が該当しませんでした。不受理という結果が告知されます。

吃音のある方で障害年金を申請する場合は必ず精神障害や発達障害に特化した社会保険労務士の申請代行をすることをオススメします。病院によってはソーシャルワーカーが記述内容を考えてくれる場合もあります。くれぐれも個人で障害年金申請はしないでください。将来もらえるはずだったものが貰えなくなる可能性が高いのです。


―――健康告知が必要な商品やサービスに加入できないのは。うつ病の人が健康告知が必要な商品やサービスに加入できない問題と同じです。しかし、うつ病の場合は治ることがあるので、医師が治ったと判断したあと5年くらい待てば加入できる場合もあります。

うつを放っておくと、保険に一生入れない?(加藤梨里 ファイナンシャルプランナー)
http://sharescafe.net/47681033-20160131.html

発達障害の場合は、国際的な診断基準で「障害」とされていますのでそもそも、「治った」という状態が存在しません。もちろん当事者が私は治ったと思っていても、世間の基準、生命保険や住宅ローン会社に属する医療従事者はそのように審査はしません。セクシャルマイノリティの当事者も同じ問題があります。障害や性の特性により、「うつ」になる。結果として自傷行為や自殺リスクが高いというのです。これらも将来、変えていかなければいけないでしょう。 

参考情報
私はワタシ ~over the rainbow~(セクシャルマイノリティの人が出演しているドキュメンタリー映画) http://rainbowreeltokyo.com/2017_sp/program/iam_what_iam_over_the_rainbow


もちろん吃音であることを告知しないでウソをついて、偽って加入することはできるかもしれません。しかしその場合は社会的責任や制裁を受ける可能性があるのでよく考えましょう。



―――吃音を含む発達障害者が加入できる保険は何?

・各保険会社の引受基準緩和型/限定告知型の保険商品

・ぜんち共済
http://www.z-kyosai.com/


・株式会社 ジェイアイシー
http://www.jicgroup.co.jp/index.html



これが吃音で病院に行くことのデメリットです。
障害者手帳を取得するかしないか以前にこんなデメリットがあるのです。
吃音を気軽に診療してもらうために。
学校や試験で合理的配慮を受けるために。
資格取得のための実習の際に合理的配慮を受けるために。
障害者手帳を取得するために。

気軽に病院に行ったがために「初診日」が発生します。
お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、親戚のみなさん。
吃音のある子どもの人生をよく考えましょう。

これらを踏まえると、

吃音があっても病院に行かない、ことばと聞こえの教室など通級にも通わせない。

生命保険など健康告知が必要な商品にはあらかじめ初診日が付く前に加入させておく。
初診日が付く前に子ども時代から入れる保険商品があれば加入しておく。

大人になって厚生年金を納付するときになってから、生まれて初めて病院に行って初診日をつける。そして障害者手帳と障害者年金3級をもらって生きていくというルートが考えられます。


また、運良く、現在大人になって働いているときまでに初診日がない吃音者は厚生年金や共済年金を納付しているときに初診日をつけましょう。吃音を指摘されて勤務先や職場などで精神的に大ダメージ、フルボッコにされていたとしても、初診日を発生させてから辞めましょう。勤務先を辞める、退職したあとに病院にいくと国民年金対象の初診日になってしまいます!


この記事に書いてあることが信じられない!!この記事はウソだ!!

と思う人は保険会社や住宅ローン業界、金融業界などにて営業や審査をしている人が親戚や友人、知り合いがいれば、このことを質問してください。正面からお客様センターに問い合わせるのはNGです。そういった電話での相談ですら、現在はお客様対応の品質改善のためなどという名目・理由で録音されているためです。その業界で働く友人知人に対面した状態で会話して質問しましょう。

現在、生命保険会社の申し込み書類を取り寄せると「精神障害や発達障害がありますか?」という質問項目があります。質問項目ではなく、持っている病気や障害をお申し出くださいという項目に発達障害(          )という場合もあります。

発達障害のある人(吃音を含む)がインターネット上に実名で公開すること。吃音のある人向けの体験談の発表などもそうです。健康告知が必要な商品の加入、加入後の支払いの際に影響が出る場合もあります。病歴・障害を隠していてもいざというときに保険金の支払いなどが実行されない、契約を解約される場合がありますのでご注意ください。


■2.吃音で取得できる障害者手帳とはなんですか?

まず最初に重要なことをお伝えまします。吃音の障害者手帳5級は存在しません。
※最近、吃音で障害者手帳5級を取得しようというデマ、流言飛語があるため。

さて本題に入ります。
吃音で障害者手帳を取得できるというのはなんでしょうか?
この3つがあります。身体障害者手帳4級、精神障害者保健福祉手帳2級、精神障害者保健福祉手帳3級です。

身体障害者手帳の4級は精神障害者保健福祉手帳2級と同程度になるイメージ(あくまで筆者のイメージ)

身体障害者手帳4級   = 精神障害者保健福祉手帳2級
該当する等級無し   = 精神障害者保健福祉手帳3級
・身体障害者手帳4級(家族としか会話ができない)
また身体障害者手帳は『明確な検査数値や可動範囲、喪失など基準があります』
これは言語障害に限らず、どのような身体障害も『この基準を満たしている』ので交付を認めるという形式です。しかし発達障害による精神障害者保健福祉手帳は『日常や学校や職場でどの程度困っているか』が基準になるため軽度吃音者でも取得することは可能なのです。

・吃音を身体障害者手帳に! という意見がありますが。これをしてしまうと軽度の吃音者の選択肢が無くなることになります。なぜなら身体障害者手帳は明確な基準をクリアしなければいけないからです。

・精神障害者保健福祉手帳2級(日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度)吃音が中度から重度、または吃音以外の発達障害を持っている。または適応障害、社交不安障害、うつ病を持っている。

・精神障害者保健福祉手帳3級(日常生活又は社会生活が制限を受けるか、日常生活又は社会生活に制限を加えることを必要とする程度) ほとんど多くの吃音者はここに当てはまることになります。

・吃音と社交不安障害、適応障害、うつがあれば精神障害者保健福祉手帳2級ということもあるかもしれません。

・吃音と自閉症スペクトラム障害、ADHD、LDなどと併存があれば、精神障害者保健福祉手帳2級ということもあるかもしれません。

・医師に困っていること、不利益があること、過去の辛い経験などしっかり話すことが重要になります。それに基づいて医師は申請書類を書くことになるからです。

・吃音を診療する耳鼻咽喉科医師は精神障害者保健福祉手帳の申請書類の書き方をよく理解していない問題もあります。困っていることの表現が理解できないのです。精神科医師なら困っていることを具体的に文書化することができます。精神障害者保健福祉手帳の基準にあった表現方法を理解しているからです。これにより、本来吃音により精神障害者保健福祉手帳2級が取得できたのに、3級になってしまうということもあります。

  関連記事 吃音による精神障害者保健福祉手帳申請書類の書き方


よく吃音業界・吃音当事者の相談などで言われるデマ、ウソ、誤認識「吃音が軽度だと障害者手帳は取得できない」という情報がある。 いいえ!軽度でも取得できるのが発達障害者支援法による精神障害者保健福祉手帳です!

実は発達障害のある当事者で、全然、発達障害があるように見えないのだけど精神障害者保健福祉手帳3級を持っている人がいます。(初診日の関係で厚生年金の障害年金3級をもらっている人もいます)

その人に言わせれば『私と関わるようになって???なことが日々、徐々にでてきて。3ヶ月くらいすればやっぱり変だ!』と思いますよ(笑)という当事者もいます。吃音者も軽度であれば、すぐに吃音とはバレずに時間が経過してから。ある程度人間関係ができたあとに『以前から気になっていたんだけどさ』とその話し方について質問を切り出される場合もあるかもしれません。


吃音業界では誤解が多くて残念なのですが―。
精神障害者保健福祉手帳3級は発達障害が軽度でも日常生活でも学校でも職場でもどこでもいいので、困っていることがあれば取得できるのです。
吃音業界では本当に腐ったデマが流れています。
精神障害者保健福祉手帳を取得してしまうと、障害者枠でしか就職できない。一般枠は選べないというデマです。


―――とても発達障害が軽度な人でも精神障害者保健福祉手帳を持っている事実 そして精神障害者保健福祉手帳を持っていることを隠して一般枠で働く人もいます
発達障害特性により困っていることをしっかり書いてくれる病院・医師を探すことが大切に! 吃音業界ではこれが隠されています


はっきり言うと、精神障害者保健福祉手帳を持っていても、一般枠で【障害を隠して、定型発達者のフリをして】応募できます。そして応募先にバレなければそのまま採用されて働くことはできます。これをクローズド就労といいます。発達障害があることをクローズで秘密にして働くことです。

逆の場合はオープン就労といい。発達障害があることを応募段階から明かして、障害者枠で働くことを目的とします。オープン就労は応募者自身が苦手なこと、失敗しそうなこと、配慮してほしいことを職場に伝えます。職場の人も発達障害があることを前提に接してくれます。クローズド就労は障害や苦手なことを一切明かせないので、自分で自分を守る、自分が編み出した処世術で乗り切ることになります。

このように一般に言われる発達障害者が、精神障害者保健福祉手帳3級を持っていても、仕事をする際、一般枠で採用・雇用する側に障害者手帳を持っていることを隠して(クローズド)働いていることを考えれば吃音でも、どんなに軽度な吃音でも、困っていることを医師に伝えて、障害者手帳申請書類に書いてもらえれば取得できることは間違いないのです。現状、筆者の知っているA病院は軽度吃音者でも障害者手帳3級を取得できる事例が増えています。吃音業界側の医師は軽度吃音では障害者手帳を取得できないとか、一般枠で働いているなら障害者手帳を取得できないと言う人もいますが。これは大きな間違いです。発達障害者がクローズドで、一般枠でどうやって就労しているのか? そしてなぜ精神障害者保健福祉手帳3級を持っているのか? を理解していないのです。

そもそも重要なこととして、発達障害は365日24時間、いついかなる時でも、障害特性が出る場合もありますし、出ない場合もありますし、学校や職場ではなんとか乗り切れるけど、私生活、日常生活がムリという人もいます。学校や職場で困っていなくても、それ以外で困っていることがあれば、学校や職場において全力で定型発達者を演じるために毎日体力を使い切り、日常が犠牲になっている場合もあります。日常や私生活が大変ということで精神障害者保健福祉手帳を取得できる事例もあります。

たとえば発達障害のある人は、実家で生活している人もいます。なぜなら、掃除洗濯料理ができない、苦手という場合です。ゴミ出し、お風呂の掃除、トイレの掃除、部屋の掃除も苦手です。これが一人暮らしだとゴミ屋敷になります。水道光熱費であったり、役所・自治体の重要書類を紛失したり忘れてしまいます。学校や職場では全力で発達障害特性と戦いながら定型発達者の世界・ルールに適応しますが、それ以外が疲労で手がつかないということもあるのです。

―――発達障害のある人は、毎日体力(ヒットポイント)を使い切る人も
定型発達者の人は日々、365日。毎日、体力・ヒットポイントが100だとして、20から40位を残して生活しています。睡眠をすれば80から100まで回復します。

しかし発達障害のある人の場合、毎日、残りの体力・ヒットポイントは1から10という瀕死の状態です。睡眠をしても50から100くらいと、安定しない回復力です。新しい環境など適応が困難なストレスがあると睡眠をしても効果が少ないという意味です。

発達障害のある人はなぜ体力・ヒットポイントが安定しないのか、毎日瀕死状態まで使い切るのか。
それは学校や職場という定型発達者の世界、ルールに必死に適応するからです。適応しようとするからです。また、身体の「疲れや空腹」を認識できないという特性を持つ人もいます。発達障害のある綾屋紗月さんは「身体が動かない。なぜだ。空腹だったと気付くまでに時間がかかる」という説明をします。

こうしたことが私生活、日常生活に大きく影響します。ゆえに、発達障害によりできないことに私生活、日常生活のことを書けば精神障害者保健福祉手帳を取得できます。診断する医師も、この人は学校や職場で全力で適応している!と知っている一方で、私生活と日常生活がその分割を食う結果になっているとしっかり困りごとをひろってくれるからです。吃音者の場合も、学校や職場で、「普通」と言われる価値観の世界に死に物狂いで適応しているわけですから、学校や職場以外の困りごとで精神障害者保健福祉手帳を取得することは可能なのです。あとはそれをひろって、診断書を書いてくれる理解有る、医師が増えていくことが大切になるでしょう。



発達障害者のクローズド就労の場合
服薬、スマートフォンのアプリ、スケジュール管理、リマインダー、イヤーマフ、静かな環境、人が少ない時間に移動、ソーシャルスキルトレーニング、当事者会で悩みを話す、病院で医師や支援者に相談などなど、余暇活動でストレス発散、仕事や職場ではなんとかなるが帰宅した後は何もできないから家族や他人に助けてもらう、仕事や職場で働く時間の体力・ヒットポイントはあるが使い切ってしまう(仕事や職場以外で定型発達を装うのが精一杯でそれ以外の場所で発達障害特性がでてしまう、飲み会や遊びの誘いを断ることも)いろいろな選択肢を利用して健常者・定型発達者を装い、振る舞い、社会に食らいついているという事例もあります。

(上に書いた数々の努力や訓練、アイテムの利用により)精神障害者保健福祉手帳を持っていることを勤務先に隠して、一般枠で働く当事者も存在します。吃音だって上手く吃らずに話す方法を編み出して頑張っている人が精神障害者保健福祉手帳を取得することはできるはずなのです。


―――吃音も含め発達障害のある人、子どもが利用できるサービス、就労移行支援でオススメのところは?

現在、東京と東京近郊、大阪に事業所を展開している株式会社kaienという発達障害児者に特化した就労移行支援事業を展開している企業があります。ここの経営者は元NHKアナウンサーで家族に発達障害の方がいるということです。東京の自閉症協会会員でもあり、発達障害についての情報ネットワークは豊富です。

ここは発達障害のある人の就労移行支援事業所としてはパイオニアです。就職率、就職後の定着・安定率、就労訓練の厳しさ、発達障害特性に合わせた訓練内容、就労訓練後のアフターサービス、アフターケア、当事者同士や支援者がコミュニケーションできる場の提供などなど。とても充実した内容を行っています。2018年秋頃のNHK発達障害プロジェクトとして約一ヶ月間放送がありましたが、その中でもkaien訓練生、卒業生の映像がありました。kaienが凄いのはkaien独自求人というものを持っていることです。企業団体からするとkaienの訓練を問題なく行えている人材であれば採用したいという本音と建前があるわけで、故に人事採用担当からの信頼があるということになります。それを知っている当事者や保護者はkaienの就労移行支援待機に登録すると人も多いです。就労移行支援事業は自立支援サービスを使っても原則2年しか使えません。だからこそ最初から信頼と実績のあるkaienの利用待ちに登録するという人がいることになります。

また、kaienはHPやTwitterで情報公開をしているように、kaien訓練生は非正規雇用よりも正規雇用される人が多い、2019年現在では最初から正規雇用される事例もある、給与額もある程度良い、その後の出世の事例もあるなど(先程書いたNHKの番組でもkaien訓練生のその後の取材があり、責任ある仕事、出世しているなどが取り上げられていました)

吃音業界では精神障害者保健福祉手帳、発達障害者だと給与が安い、生活できない、結婚できない、幸せになれないなどなどの価値観が満ちていますが、そうではないということです。

事実上のkaien枠と表現してもよいでしょう。ここは吃音のある子ども、大人にも選択肢として覚えておいてほしいところです。

2019年以降、大学や高校の中で「kaien並の就労移行支援、就労訓練をしてきてほしい」という企業団体側の人事採用担当側の本音と建前が(その世界では)強く出てくるようになりました。レベル99の障害者、即戦力の障害者がほしいという本音と建前です。学校の学生支援室やキャリア支援室で、厳しい就労訓練をしてきてほしいというのです。

この理由は新卒障害者採用枠と関連します。採用側としては、kaienで行うようなレベルの訓練や新人研修を負担したくないという本音と建前があります。そして大学や高校で同レベルの訓練をやってほしいということなのですが。ここが現在、自立支援受給者証では対応できません。すべて自費です。ここが空白の、支援が行き届いてないところです。kaienでも学生向けサービスガクプロを行っていますが。こちらは全額自己負担です。これは自立支援サービス、受給者証の法律の問題であり、現在はどうしようもありません。

―――吃音の当事者は新卒障害者枠を狙え そしてみんな違ってみんな良いがまだまだ本音と建前であること

現在、身体障害者手帳を持った人の就職活動戦線は完全な売り手市場です。
しかし法制度が法定雇用率を徐々に引き上げて行くと、身体障害者のみでは達成できなくなります。そのため次に熱い視線が向けられているのはkaienのような厳しい訓練を受けたことがある発達障害者です。なおかつ新卒であれば強いです。そのため、新卒就活は一般枠と障害者枠を同時で行えるように逆算して精神障害者保健福祉手帳を取得しておく必要があります。一般枠での就職活動に失敗してから精神障害者保健福祉手帳を取得して障害者枠を検索してもすでにその年度の応募が締め切られています。障害者枠採用も一般枠と同じタイムスケジュールで行われているからです。一般枠で就職活動失敗してから障害者枠にいく場合は就職活動留年をするほうがよいかもしれません。一生に一度しか使えない新卒カードだからです。

吃音の当事者や保護者はよく間違えてしまうのですが、障害や病気をカミングアウトすれば採用される!!と思い込んでいることです。これは現在間違いであるとされています。まず企業や団体は病気や障害がある人を雇用したくないのが本音と建前になっています。そこで吃音者が一般採用枠で『吃音がありますが就職したいです。吃音があってうまく話せませんが、営業職や接客をしたいです』と言ったところで採用はとても困難です。しかし、吃音業界では、運良く、たまたまその人の環境やコネクションの強さで一般枠で採用されている人がおり、その人物が後輩吃音者や吃音のある子どもに『吃音をカミングアウトしても大丈夫だよ。吃音は障害じゃないよ。堂々とどもって仕事しよう』などと教えていることがありますが。これは発達障害のある人の就労移行支援事業を行っている企業団体からすると驚愕の内容です。吃音のある子どもの保護者の人は、保護者自身が所属している企業団体の人事採用担当にその部分を確認したほうがよいです。実際のところどうなっているのかという部分です。そうすれば一般枠でカミングアウトすることがどれだけ危険なことなのか判明すると思います。

kaienについても、LITALICOについても、その他の就労移行支援事業所でも障害を1%でも開示する、合理的配慮を希望する場合は障害者枠で応募すること、一般枠でそうすると貴意に添えない結果になりやすいと訓練生、利用者さんに教えています。LITALICOワークスでは職場での合理的配慮ガイドブックを公開しています https://works.litalico.jp/interview/consideration/ 障害当事者と支援者と採用側で覚書のように合理的配慮事項を文書化して3者間で保存するということです。

就職の場合の合理的配慮は、お客様として、学生としての合理的配慮とは異なるため、現在このようなことになっていると推測できます。お客様や学生の身分ならほぼ、可能な範囲での過度の負担にならない合理的配慮は実現されます。それはお客様と学生という身分はお金を落としてくれる、支払ってくれる立場だからです。これが企業団体が、採用側が当事者に給与を支払うという立場になると大きくかわります。給与という形式でお金を払う以上、過度な過重な負担や無茶な合理的配慮を要求してくる応募者を採用しないという本音と建前があるためです。合理的配慮することが多いならば面倒だから不採用ということになるのです…。 吃音業界によく見られる一方的な合理的配慮要求は実現困難です。

2018年財務省が障害者採用募集案内にて表記が差別であると障害者団体に抗議された事案がありました。毎日新聞記事https://mainichi.jp/articles/20181027/k00/00m/040/124000c

しかしこれは実際のところ発達障害者の採用や精神障害者の採用を行う人のための講演会やセミナーなどで、しかも独立行政法人が行うセミナーでも『障害者雇用をしたい人事採用担当者向けセミナー』で説明することがそのまま表現されていたわけです。財務省担当者も独立行政法人の説明をバカ正直にそのままコピーしたのが実際のところです。これは独立行政法人だけに限らず、就労移行支援事業所、社長や企業団体側に近い社会保険労務士は熟知していることです。要は「雇用するメリットがある障害者と雇用しなくてもよい障害者」を見分ける、ふるい落とす手法が開発されていることになります。そのバカ正直な本音と建前を障害のある当事者に、別の方向から教えてくれるのがまだマシな就労移行支援事業所でしょう。就労移行支援事業所でも独立行政法人のセミナーでもそうですが、『イベントや講演会の対象が障害当事者の場合』と『イベントや講演会の対象が人事採用担当者の場合』ではまったく正反対の説明をしているので、本当に辟易します。むしろ発達障害当事者や吃音当事者、保護者はなんらかの方法で『人事採用担当、障害者雇用担当者向けのイベントや講演会』に出席してみることをオススメします。本当に驚くでしょう。採用する方は本当にレベル99の、可能なら新卒、あまり合理的配慮しなくてよい障害者を探しているのか。そしてどんなに軽度でも困りごとが少なくても障害者手帳を持っていること法定雇用率に計算できること。こういったことが説明でされるからです。

例えば発達障害のある人、精神障害のある人の最低採用基準は『自力通勤できる、障害を受容している、自分の取扱説明書を書ける、月イチで通院している、服薬があればしっかりしている、勤怠が安定している、過度な過重な要求をしない(例 吃音なのに営業をしたいとか話すことが多い仕事を要求するとか)、就労移行支援事業所に通所した実績があるか、いつでも相談できる支援者(就労移行支援事業所職員やジョブコーチ)がいるか、軽度でも障害者手帳を持っている法定雇用率に計算できる、仕事をするという場合の合理的配慮とは何かを知っている、合理的配慮の話し合い落とし所が理解できる、一方的な合理的配慮をつきつけてこない』などなどが実現できるなら採用しなさいと教えているからです。ここが吃音当事者の一般枠カミングアウトが不採用になりやすいことにリンクします。

※過度な過重な負担とは?
  
事業活動への影響の程度
吃音のある人の場合、無理に営業職や会話、コミュニケーションが必要な職種をしたいという希望が多々あるが、それを実現できるか。否か。発達障害当事者なら自分のできないことできることを障害受容しており、まずは仕事、職場に慣れること、実績を出すことが要求されます。その後上手くいけば徐々に仕事の幅が広がる可能性も。
  
実現困難度
当事者の要求する合理的配慮ができるのかどうか。合理的配慮をするために、支援する立場の社員、職員が、設備が、コミュニケーションのルールがなどなどが実現できるかどうか。発達障害のある人の中に感覚過敏の人がいる。この場合、業務中にノイズキャンセリングイヤホンやヘッドホンの着用を許すかどうか。時間差通勤を許すかどうか。時間差通勤をすることにより実際に一般枠の人が勤務する時間からズレるため、1日の業務の流れに影響がないか。

費用・負担の程度
例えば身体障害者の場合、その人一人のためにエレベーターなどを設置できるのか。そのような余裕がお金があるのか? 発達障害のある人がクールダウンする部屋。静かな部屋を用意できるのかなどなど。

企業・団体の規模・財務状況
これはズバりそのものです。規模や財務状況が合理的配慮のための費用を賄えるのか。


これらは障害者雇用促進法にて『合理的配慮は当事者と事業主が話し合い実現可能な部分で行われる』とされているからです。これは障害者差別解消法の考え方とは少し異なります。お客様としての、学生としても立場の合理的配慮とは異なっているのです。

吃音のある子どもの保護者さんの本当の不安とは、『本音と建前の部分』だと思います。日本社会の常識やルール、慣習、保護者さんが実際に勤務している企業団体が障害者をどうあつかっているか、日本社会が障害者をどうあつかっているか。保護者のみなさんはこれらを本当は知っているから、吃音は障害じゃない、吃音を治さなければ、吃音のある子どもがかわいそう、吃音を障害にしてはいけないなどなどの考えがでてくるのも本音と建前(保護者さんの勤務する企業団体が障害者をどうあつかっているか、親戚親類が障害者をどうあつかっているか、日本社会が障害者をどうあつかっているか)の実際を知っているからではないでしょうか?

実際問題、現実はこうなっていますが。ここは吃音以外の障害者団体などと協力して日本社会や法律そのものを変化させていく運動していくしかないでしょう。100年後なのか、それ以上なのかわかりませんが、社会や価値観を変化させていくこともしていかないとなりません。



―――最初に吃音の手帳の等級イメージについて述べました。
しかし『吃音で身体障害者手帳を取得すること』は困難です。

現在、吃音とはそもそもICD-10という診断基準で「Fコード」で始まるため、都道府県(例 東京なら 東京都心身障害者福祉センター)、政令指定都市などの障害を審査する部署が吃音を受け付けない。そもそも身体障害者福祉法別表に吃音は明記されていない、さらにFコードである「F98.5 吃音」を身体障害者福祉法で対応するのは困難である。FコードとはF00-F99 精神および行動の障害とされているためです。市区町村の申請窓口にいっても吃音は身体障害者手帳ではないと言われる可能性もあります。

この点は2016年10月22日に厚生労働省の発達障害対策専門官 日詰正文氏が指摘している。吃音で身体障害者手帳を取得するなら、吃音とは書かないで、上手く話せないことを医師に表現してもらうことを指摘した。
2016年10月22日の講演会詳細
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016_10_01_archive.html
講演会詳細 ハフィントンポスト版
http://www.huffingtonpost.jp/takahiro-koguchi/disfluency_b_12614138.html


―――身体障害者の診断をする医療従事者もリスクは避けたい!

身体障害者手帳申請書類を書く、身体障害者福祉法第15条指定医師も『吃音で身体障害者手帳を交付させる書類を書くのは、リスクがあるので、断る』ということも考えられます。15条指定医という資格を剥奪されるかもしれないような危ない橋は渡らないということです。また、医師が記入する障害者手帳申請書類を自治体の担当する部署が吃音ではそれを渡さないということもあるでしょう。精神障害者保健福祉手帳の申請書類で書いてくださいと言われることもあるでしょう。

ゆえに、現在、運良く吃音で身体障害者手帳4級(更新無しの場合)を交付されている当事者はそれを亡くなるまで大切にしましょう。


■3.吃音がある場合、子どもに吃音がある場合。その他の発達障害、自閉症スペクトラム、ADHD、LD、チック、トゥレット症候群、発達性協調運動障害があるかもしれない


別記事 吃音至上主義とはなんですか?


現在、発達障害を研究する人、発達障害の診療をする医療従事者が説明をよくするようになった発達障害が1つだけの純粋者は少ないことという情報です。これは、吃音のある人、吃音のある子どもは、『吃音の診断を受けた』のかもしれませんが。もしかしたら他の発達障害もあるかもしれません。2つなのか、2つ以上併存しているかもしれません。

吃音と自閉症スペクトラム
吃音とADHD
吃音と学習障害(LD)
吃音とチック、音声チック、運動チック
※発達性協調運動障害は身体能力・手先が不器用だったり、力加減がコントロールできないなどがあります。詳細については割愛します

吃音と自閉症スペクトラムとADHDとLDということもあるかもしれません。
下のレーダーチャートのように今後は、Aのさんの発達障害特性はここが強くて
ここはあまり出ていないね。こういう特性があるんだね。ということはこうやって自己分析して、障害特性を防いだり、回避すること、対策もできるかもしれないね。逆に頑張っても無理な部分は受け入れて、得意分野で活躍したり、障害者手帳の利用、社会保障制度の利用、合理的配慮を利用してもいいかもね。

というように、吃音のある人、子どもと保護者ももっといろいろなことが困りごとやライフステージごとにカスタマイズして選択できるようになります。



吃音以外の発達障害について書かれた書籍を図書館で一度読んでみることをオススメします。吃音のある子どものお父さん、お母さんにオススメの書籍はミネルヴァ書房のこのシリーズ書籍です もしも子どもの吃音がわかった場合。もしかしたら他の発達障害もあるかもしれない。これを認識してほしいのです。子どものころに吃音以外にも何かあることがはやく分かっていれば、生きづらさが軽減する可能性もありますし、不利な状況を選ばないようにするという事前の準備や生き方を学ぶこともできるからです。


当事者であれば、子どものころのエピソードがそのまま書籍に書かれている場合もあります。吃音のある子ども親であれば、子どもの行動を注意深くみていれば、嫌がる環境、やる気がなくなるぼーっとしてる、具合悪そうな環境がある、嫌がる音や洋服がある。忘れ物、衝動性、こだわり、とてつもなく才能がある分野がある、あまりにもできない分野がある。記憶力がすごい、カメラアイやレコーダー特性がある、友人関係を維持できない、ルールや法律に厳格でちょっとした逸脱行為を見逃せない(学校で不正をする友達を許せない→イジメられるなど)、ウソをつけない、定型発達者の世界が平然とウソをつくことがあたりまえなので言うことがコロコロ変化する人間関係や上辺だけやお世辞がわからない、定型発達者は人間関係やパワーバランスを読める・空気を読めるため自身に有利な行動をとることや沈みそうな船から逃げることができる、字が汚い、書き順は関係ない、試験勉強を1回しかしなくても良い点が取れる(記憶の仕方が違う)、国語はできるけど計算がぜんぜんできない、手先が不器用、身体の使い方が不器用(体育の評価が低い)、美術の評価が高い、音楽の評価は高いのに嫌いな音がある……



書くとキリがないのでここでやめておきます。


吃音がある人、子どもと保護者は、吃音業界にはじめにアクセスしてしまう可能性が高い

吃音の当事者や家族、保護者、支援者、教員で吃音以外の障害種やマイノリティを差別する人が1000回音読してほしいTwitterのつぶやき 聴覚障害、発達障害をもつ当事者さんのTwitterをご覧ください 僕の彼女は発達障害という本を学研から出している方です



ここで発達障害(精神障害のある人、精神障害者保健福祉手帳を利用する人)のことを差別する、吃音と発達障害(精神障害)とは異なるという価値観や思想を植え付けられてしまうと、その後の障害受容が困難になります。

吃音至上主義というモノ、差別主義に取り込まれないように、染まらないようにしてください。子ども吃音だったとわかった場合、その他の発達障害もあるのではないか?と考える時間も必要になるのです。

吃音至上主義にハマってしまった、洗脳されてしまったことにより、吃音も自閉症スペクトラムも、ADHDもLDも「なんとかなる」ということで、適切な支援や療育を子どものころ(大きく成長する大切な時期に)受けられずに大人になってしまうということが実際に起こりえるからです。



吃音の他にも発達障害があるかもしれないと心配な場合。発達障害のある人、子どもと保護者さんは。発達障害を診る病院に行くこと。自閉症スペクトラムやADHD、LD、チックを扱う当事者団体、親の会にも参加することを強くオススメします。価値観や選択肢はいろいろ知ったほうがいいためです。発達障害の業界と吃音業界の価値観の大きな違い、生き方の違い、選択肢の違い、先輩保護者からのアドバイスや情報引き継ぎの多さにも驚くはずです。また、暖かさやふれあいが吃音業界と全く異なることにも驚くでしょう。

――吃音以外に発達障害も持っている当事者、吃音のお子さんの困りごとが特性が吃音だけではないように思える場合はどこに相談すればいい?
吃音以外に発達障害を持っている当事者やお子さんもいるでしょう。保護者さんもいるでしょう。そういう場合はまずJDDネット、日本自閉症協会、東京都自閉症協会に相談することをオススメします。吃音至上主義という差別主義がなくならない現状を重く見て吃音者、吃音のある子どものことを考える取り組みが開始されたといいます。

吃音業界では『吃音当事者には純粋吃音者が多い』という神話があります。
これは吃音は精神障害ではない、発達障害ではない。あのような可哀想な人とは違うという差別があるからです。前述した『あなたの子供が障害を持って「不幸だ」と思うとしたら、それはあなたが障害者をこれまでどう見てきたかということの反映なのですよね。— くらげ@耳の悪いADHDのオッサン (@kurage313book) 』というTwitterの投稿がまさにそれです。

吃音の子が生まれてしまった。この日までお父さん、お母さんは『障害者』をどのような価値観で見ていましたか? この価値観が差別的であれば、子どもの吃音は障害じゃない、差別されるようになっては困ると考えるかもしれません。それはお父さん、お母さんが差別の心を持つように育ってしまったからです。学校や職場で障害者がどのように扱われているか知っているからです。でも、それはこれから変えていくしかないのです。障害名、障害種別に関係なく特性が違っても困っている人同士、当事者でも保護者でも連携協力していけばいいのです。

吃音の子ども。どうやら吃音だけが困りごとではない気がする。そう思った場合。吃音業界の耳鼻咽喉科医師に相談しても意味はありません。吃音は発達障害と併存併発することは稀ですよと誤ったアドバイスをする場合もあります。しかし吃音業界はとても狭いです。吃音業界の団体のように、発達障害の団体があります。そこに参加する子ども、若者、大人の中には、ASDと吃音、ADHDと吃音、LDと吃音、ASDとADHDと吃音、などなど複合して特性を持っている人もいます。ということは逆に考えると、吃音業界に参加する吃音当事者にも未診断(または吃音至上主義に染まりすぎて発達障害を受容できない、認めない価値観のため、そもそも確定診断をしたことがない)の発達障害当事者は多いでしょう。

そして吃音業界の医師の言葉を真面目に受け止めずに、しっかり発達障害業界で活躍している精神科医に診断してもらうことをおすすめします。発達障害特性を調べる知能検査(得意不得意がわかる検査)があります。もしも発達障害がある、発達障害特性がある程度あるということが判明すれば、それに合わせた子どもへの接し方も知ることができます。

また保護者さんで、まだ医師に相談する段階ではないなと思う方は。まずは一般向けの専門書を読むことをおすすめします。https://www.minervashobo.co.jp/search/s4448.html
わかりやすいのはミネルヴァ書房のシリーズです。この他にも講談社の健康ライブラリーというシリーズの中にも発達障害を扱った本があります。http://bookclub.kodansha.co.jp/product_list?code=health-library

とりあえずです。購入しなくてもいいので図書館でいいので、発達障害関係の書籍を読んでください。内山登紀夫医師、本田秀夫医師など、NHKあさイチ、ハートネットTVなどにも出演している医師が書いている書籍もおすすめです。

まずは知ることです。
そして、ASDの子ども、ADHDの子ども、LDの子ども、トゥレット症候群の子どもの特性を知ってください。そして、その内容がどうも自分の子どもにもあるかもしれないと思えば、精神科医に相談しましょう。発達障害は吃音を含めて、早期発見早期療育が大切です。障害を治すのではなく、文部科学省がよく使う「可能な限り最大限の発達をうながす」というように、まずは大人になるその日まで、障害特性とどううまくつきあっていくか、コントロールするか、無理な場合大変な場合はどう周囲や他人に助けてほしいとSOSを発信する方法を学ぶか、いろいろ療育があります。そして大人になっても困りごとが多い、発話発語以外でのコミュニケーションもうまくいかない、人間関係の構築や維持ができない、仕事はできるけど(学校はいけるけど)自宅がゴミ屋敷、お風呂が嫌い、掃除や料理ができない、感覚過敏は結局治らないからうるさいところで明るいとこで人が多いところで我慢して働くと(学校にいくと)自宅で何もする元気がない。こういうこともあるかもしれません。こういう場合も精神障害者保健福祉手帳は取得できます。

吃音業界では吃音と発達障害を持っている人は少数であるとされてしまっています。しかし、吃音を持った発達障害当時者や知的障害当事者もいます。彼彼女らと吃音業界の医師や言語聴覚士、社会福祉士、精神保健福祉士は接点がないのです。仮にあったとしても、その事実は公にはできないのです。公にしてしまうと吃音業界で活躍することができなくなるからです。それほど吃音業界は窮屈なのです。

「子どもが発達障害(吃音も含む)だと診断されるまで、今まで私は(お父さん お母さん)障害者差別をしていた」こういうエピソードはよくある話です。要は気づきを得たのです。日本社会での障害者の位置づけ、権利擁護が遅れていること、障害者が学校や職場で社会でどういう扱いをうけているのか、お父さんお母さんが働く職場では障害者がこんなふうに扱われている。だから吃音が障害になっては駄目なんだ。という強い思いこみも、先輩のお父さんお母さんと話せば変化するかもしれません…。そして何が問題の根底にあるのかがわかるでしょう。

お子さんが吃音以外にも困りごと、その他の発達障害を持っているかもしれない。そう思ってしまったとき。こういうときこそ、まず知ることが大切になるんです。そして発達障害の子どもの親の会、団体にもつながってみてください。吃音業界の団体とは違い、保護者会、保護者の団結力、行政や政治への働きかけ、医師や医療従事者福祉従事者との連携力、発達障害を持った医師・言語聴覚士・心理士・社会福祉士・精神保健福祉士・教員の存在と会への参加、マスコミ対応などが全く異なることがわかるでしょう。またお子さんが発達障害であることがわかり、その父か母もまれに両方が発達障害でした!という事例もあります。吃音業界では相談できないこと、相談してください。吃音業界ではこんな相談したら馬鹿にされるんじゃないか、裏で差別されるんじゃないか、裏であの子は純粋吃音者じゃないのよ混血よと言われるんじゃないか、裏でうちの子どもは可哀想な子どもと思われるんじゃないか、やっぱり吃音業界の団体ではASDやADHDやLDやトゥレット症候群のこと相談できないよ…。 こんな心配はいりません。まずはつながってみましょう。


2016年12月1日木曜日

【吃音Q&A】就労移行支援事業所や高校・大学の進路指導や就職支援室やキャリア支援室、障害学生支援室は吃音者にどう対応すればいい?

【随時更新】

この記事は就労移行支援事業所、そのスタッフ。
高校や大学の進路指導や就職支援室の教職員、キャリア支援室の教職員、職員、社会福祉士、精神保健福祉士向けです。吃音のある学生を支援する人、授業や講義で接する教員にもオススメです。

※関連ニュース https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2018/03/
2017年10月4日に放送された番組が番組まるごとテキスト化になっています。この放送では吃音業界独特の「一般枠で吃音をカミングアウトして就職活動をする」という発達障害のある人や就労移行支援事業所の人が見れば驚愕する内容が放送されています。このように、オープンかクローズという概念が2017年現在でも吃音のある人、吃音のある学生に共有されていない悲惨な現状があるのです…。

ハートネットTV 私たちの就活 吃音とともに生きる
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/summary/program/?id=44452

ハートネットTVを見たという人事担当者の声が匿名でネット上に公開されています
吃音のある就活生はなぜ障害者手帳を持っていない?人事採用戦略の話
http://anond.hatelabo.jp/20171012000353



本題です。


みなさんの仕事の重要な部分は、採用・雇用する側の人、公的機関、企業団体の人事部や人事採用担当者の本音を聞き出すことです。(ここに書かれていないこと個別に相談したいことや知りたい事、不明なことがあればメールフォームより連絡をください)
https://kitsuonkenkyuguideline.jimdo.com/メールフォーム

そしてもしもその本音が「(吃音に限定せず)障害を理由に合理的配慮するなら、法定雇用率に計算したいから障害者手帳を持っていてほしい」というならばその事実を学生や保護者に伝える必要があります。

一方で、吃音があっても障害者手帳を持っていなくてもよいという企業団体があるかどうかを調べることも仕事です。

吃音に限らず、自閉症スペクトラムやADHD、学習障害やチック・トゥレット症候群があっても活躍している人はいます。筆者の印象だと研究者、芸術家、スポーツ、芸能人などイメージですが…。例えば栗原類さんは障害は認めているけど、障害者手帳は持っていないように思えます。周囲の環境が助けてくれるのかもしれません。ちなみに統合失調症と診断されているハウス加賀谷さんは障害者手帳を持っていると認めています。



―――吃音業界の闇は、このブログの他記事にてご存知だと思います。
吃音は長い間障害か?障害ではないか?と意味のない論争を継続しています。おかげさまで自殺の決断やひきこもりの決断をする方もいたでしょう。
もちろん吃音は障害ではないし、会社などでカミングアウトして働いているという人もいます。
または、吃音があるが必死に吃らないように隠している場合もあります。

その他にも高学歴や学んだ分野、理系だった、専門の資格を持った吃音者の場合、障害者手帳を必要とせずにその能力で就職ができてしまっている人もいます。


一方で、吃音があることにより就職困難な者もいます。
吃音業界の派閥抗争の餌食となり、障害者手帳を取得できることを知らずにひきこもりや自殺の道を選択する者もいます。


吃音は吃音当事者によって、吃音が障害ではない。という人もいます。
堂々と吃り、カミングアウトして働いている吃音者はあなたの職場にいませんか?
このような吃音者の場合は、放っておくことが1番です。
余計なことをせずにそのまま放っておきましょう。


ただし、吃音があっても私は仕事ができている。カミングアウトして就職している。
私の会社は吃音に理解がある。と発言する
当事者会、小学生や中学生、高校生や大学生に語る、ブログやTwitterなどで発表している吃音者ほど、その企業団体名の公開をしませんし、その成功している吃音者は、困っている吃音当事者を「私の職場に来なよ。人事部を説得したから。大丈夫だよ」とは行動してくれないのです。

本当に矛盾です。吃音があっても社会に居場所があるが故に、そのたった1つの貴重なイス「居場所を守りたい」のです。自分以外の吃音者が職場に来たら競争相手になってしまうので、比較されるので困るわけですね。

★現在、インターネット上を検索すると吃音者の職業データーベースが公開されていますが。
・企業団体名の公開
・人事部も吃音を把握しているのか?
・その吃音の先輩は後輩吃音者のために所属団体へ口利きをしてくれるのか?

ここを確認することが最重要です。ここまで対応しているなら、成功している吃音者でも後輩のために道を切り開くパイオニアとして活躍する素晴らしい吃音者の先輩でしょう。肝心の情報を隠す吃音者はただの自己満足です。


吃音業界の闇の1つとして、成功している吃音者達がそうではない吃音者や子ども、小学生、中学生、高校生、その保護者に、成功体験だけのエピソードを伝えることです。たしかにそれに当てはある人はそれでよいのです。

しかし、全ての人が100%同じ道、同じ職業を選ぶことはできません。そのイスに座ることはできません。

うまくいかなかった吃音者の大きな挫折は就職活動の時期です。
成功してしまった吃音者は、そうではない吃音者をバカにしたり見下します。
【本当は職場で吃音をカミングアウトしていないのに】私は吃音をカミングアウトしている!
お前らも見習え!なんて発言をして、その一時だけ優越感に浸る人もいます。
まさに障害当事者の中でマウンティングが行われいるのです。

では就職活動時期は困っている吃音者にどのように支援すればいいのでしょうか?



【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

【随時更新】人事採用担当者の方へ 吃音者雇用ガイドライン 働く吃音者への合理的配慮とはなにか? 吃音者を採用する場合はどうしたらよいのか? 吃音者採用事例 雇用事例について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/09/blog-post.html

2016年11月27日 東大スタタリングが駒場祭で吃音をテーマに演劇を披露 その内容はセルフヘルプの限界を指摘するものだった
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/11/20161127.html



1. 困っている、支援を必要としている吃音者にはどうしたらいい? まずは吃音当事者とその保護者の吃音への価値観を知ること 吃音業界のどの派閥の色に染まっているか確認せよ

まず重要なのは吃音当事者と保護者の吃音価値観を把握することです。
もしも吃音が障害ではない、障害者とは可哀想な存在で、税金の世話になる、身分の低い、周囲に配慮される、恥を知らない人達であると考えている場合は。
とても支援困難事例となります。
この場合は、本当にとても長い時間をかけて支援しなければいけません。
学校の職員ではなく、相談支援ソーシャルワークのできる医療従事者とも協力しないと困難です。


場合によっては、学校を卒業してしまうかもしれないので、後はハローワークや若者サポートステーション、発達障害向けの就労移行支援事業所などに任せたほうがよいでしょう。学生でいる間の短い限られた時間では対応しきれないでしょう。


2. 吃音が障害であると障害受容できそうな場合
この事例ならなんとかなるかもしれません。
この場合、一般に言われる発達障害学生に説明するように、社会保障制度の説明や使えるメニューの説明、診断や障害者認定を受けることメリット、デメリットの説明などから丁寧にはじめましょう。障害者枠、一般枠の両方で就職活動をすることを提案してみましょう。


学生という身分で就労移行支援事業サービスを提供しているところがあれば、その情報を伝えるのも有効でしょう。制度上、自費になってしまうのですが、現在、大学生向けのサービスを展開しているところもあります。

また、人材業界でも発達障害学生向けのサービスを開始するところが2016年現在チラホラでてきています。


3. 吃音者はいつ障害者手帳を取得すればいいか?
吃音に限らず発達障害者は精神障害者保健福祉手帳の交付対象です。
この手帳は初診日から半年しても症状が固定することが条件です。さらにそこから自治体の審査があるので10ヶ月は時間を見たほうがよいでしょう。

吃音の当事者は病院にいって診断を受けていない場合もあるので、その点を考えて、就職活動の始まる一年前には障害者手帳を取得しておくべきでしょう。そこから逆算すると大学一年の冬くらいには動いていたほうがいいかもしれません。

就職活動が解禁になって、一般枠で不採用通知が大量に届いてから、やっぱり障害者手帳を取得しようと思っても後の祭りです。障害者手帳を交付してもらう間に学校を卒業してしまいます。


吃音に限らずですが、発達障害も含めて大学の障害学生支援室、キャリア支援室は、学内に発達障害の理解をすすめる情報提供ポスターを貼ったほうがいいかもしれません。とくに吃音は2005年から発達障害者支援法に含まれていることがまだまだ知られていないので、情報提供をしないとわからないのです。例えば内閣府の「発達障害者ってなんだろう」のページを印刷して貼ること、国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報・支援センターの「発達障害の定義」のページを印刷して学内や相談室付近に貼ること。学生が必ず閲覧する書類や、シラバスに書いてしまうこともよいでしょう。

内閣府 政府広報オンライン 発達障害ってなんだろう
http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html

国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター 発達障害の定義
http://www.rehab.go.jp/ddis/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%82%92%E7%90%86%E8%A7%A3%E3%81%99%E3%82%8B/%E5%90%84%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9/

4. 例えば、現在、Aという大学では発達障害傾向の学生を把握し、支援につなげるために取り組みをしています

現在、A大学では、3年ゼミや卒論、就職活動との同時並行作業のときになって発達障害特性で失敗する学生が多かったことを反省し。その状況を大学一年のときにその状況を別の手法で再現して苦労する学生がいないか?調べる試みをしています。就職活動のときに発達障害だとわかってもどうしようもないことが多いからです。

・同時並行作業でプレッシャーをかける
・急激な情報変化 ルール変更 → それについてくるか? 理不尽だと怒り出すか?
・ホウレンソウが必要な場面
・自己分析
・1回でも授業を休むとやる気がなくなってしまうか?
・ウソをつけるか? 発達障害の特性の1つで、履歴書などでウソを書くことができない、または正直かかないといけないと必要以上に気にしてしまう。そのためその部分から先に進めない。


これにより、大学一年生のときから、「もしかしたら私、何か違う?」と気づいてもらい、相談室などに来てもらえるようにという試みです。把握した個人情報をもとにごく一部の限られた教員や職員がすぐに動けるように待機しています。そして話し合いや情報提供の結果学生本人が望むなら、すぐに支援が始まります。

もちろんここにたどり着くまでに、当事者に「君は発達障害者かも?」なんてことはしません。当事者の人権もあります。当事者のほうが、緩やかに気づくように学内でも情報提供のための情報が配慮されているのです。



5. 吃音は純粋吃音者もいる 一般に言われる発達障害と吃音を持っている人もいる
吃音者には純粋な吃音者と一般に言われる自閉症スペクトラムやADHD、学習障害、チック・トゥレットなど複数の障害を持っている場合があります。発達性協調運動障害を持っている場合もあります。もちろん感覚過敏などを持っている吃音者もいます。

純粋な吃音者の場合は吃音についての合理的配慮をすれば大丈夫です。
ただし、一般に言われる発達障害を持っていそうならば、その支援ノウハウがそのまま利用できます。


6. 吃音のある学生への合理的配慮はどのようなものがあるか?

吃音のある学生への合理的配慮を考えます。
高校や大学だと、小学校、中学校よりも、受け身な授業が多いので吃音者は逆に一時的に安心しているかもしれません。

吃音とは話すとき、発話するときにその障害が表面化します。
しかし、吃音者は一人ひとり症状が異なります。
また、吃音者の価値観により、「最後まで言葉を話すことを待ってほしい」という人もいれば。
「私が吃っている言葉を、相手に先取りして、●●のこと?」と相手に吃っている言葉を先取りして誘導してほしい人もいます。

吃音者も今日は調子よくて喋れる!という場合もあるので、その場合の合図も決めたほうがいいかもしれません。右手で挙手しているときは問題もわかっているし指名してくれ!!という合図。
左手で挙手しているときは、問題は理解できているが吃るから指名しないでくれ!!という合図。

故に、吃音者の合理的配慮とは一般に言われる発達障害者のように、個別事例ごとに丁寧に考えないとなりません。

・吃音者が発話する、話しているとき、質問するときの時間延長を認める。

・吃音者が話すことではなくて、テキストやチャット、メッセンジャーなどで質問できる、発言できるようにする。

・人口音声読み上げソフトの利用を認める。

・筆談を認める。

・期末試験や卒論など口頭でしなければいけない場合、吃っている部分で成績を評価しないこと。
試験時間の延長を認める。

・学校内の手続きなどするときに窓口対応や電話窓口対応ではなく、Eメールの利用で完結できるようにする。

・国家資格などで「実習」が必要な場合、実習先にも吃音の説明、合理的配慮をお願いしにいくこと。吃音当事者に付き添って説明をすること。

・吃っていても、笑わない、怒らない

・吃るため、発話しやすい言葉を使うがゆえに、敬語など、日本語のルールから逸脱するかもしれないが、違和感のある言い回しをするかもしれないが。それを笑わない。怒らない。認める。


学校であれば、学生全員に吃音のことを説明して、目が悪い人がメガネやコンタクトレンズをして視力矯正するように。吃音の場合は周囲の人がそれ受け入れる、助ける。「吃ることを笑う、怒る」などをやめること。待ってあげること。言葉を先取りしてあげること。などを考えることができるようになれば。もっと生きやすいかもしれません。


●例えば仕事や就職の合理的配慮だとこのようなものがあります。

【随時更新】人事採用担当者の方へ 吃音者雇用ガイドライン 働く吃音者への合理的配慮とはなにか? 吃音者を採用する場合はどうしたらよいのか? 吃音者採用事例 雇用事例について

記事の中盤あたりに合理的配慮が書いてあります
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/09/blog-post.html

◆吃音者に想定できる、考えられる合理的配慮一覧

・声をだして挨拶ができない場合は笑顔や会釈でも良いとする。

・電話応対を一部免除する。全部免除する。社内の電話のみ応対させる。外部との電話応対は免除する。

・社内アナウンスや店内アナウンス、放送の業務を免除する。

・落語家の桂文福さんのように歌いながらメロディに乗せて職場内やお客様のところで話してよいと認める。吃音者は歌いながら、メロディに合わせて話すと吃らない人がとても多いため。

・落語家の桂文福さんのように、会話の中でギャグを織り交ぜたり、舌打ちをして滑稽な音を鳴らして職務遂行をしても、それを許容する。許す。怒らない。吃音者の道化キャラで働くことを認める。

・社内の朝礼、全体集会、全体挨拶、飲み会の挨拶、式典の挨拶などで口頭発表させることや社訓の暗唱や社内用語暗唱などを免除する。

・吃音者には営業以外の仕事をしてもらう。他の障害者のように社内の仕事をその分切り出す。その仕事をしてもらう。

・吃音者は吃ること避けるため、言いやすい言葉に言い換えを行う。「赤いボールペン」→「レッドなボールペン」、「トイレ」→「お手洗い」、「昨日(きのう)」→「昨日(さくじつ)」、「水曜日」→「火曜日の次の日」、「新聞紙」→「ニュースペーパー」などと言い換えることがあります。

それを不自然だと笑わない。指摘しない。

・吃音で有名な芸能人やアナウンサーや総理大臣や王族がいるからといって、あなたの目の前にいる吃音者はそうではない場合もあると認識を改めること。XXさんがこうやって成功したからあなたもやりなさいと意味不明のアドバイスをやめる。障害が個性となる職業のイスは非常に限られている。

・筆談を利用できるようにする。

・吃音者は吃ることを避けるため、言いやすい言葉を発話する。場合によって敬語などを使わずにタメ口になってしまうことがある。それを認める。許す。怒らない。

・営業や電話応対を認めるにしても、必ず初回に外部やお客様に接するときに、同僚や上司が「弊社のXXは吃音という障害があるので。話し方が不思議に思われるかもしれませんが仕事には影響がないので気にしないでほしい」と説明する。

→とくに職場の同僚や上司が一度、吃音当事者とファーストコンタクトする相手に説明するステップは重要です。吃音当事者自分の言葉で説明するのは大切ですが、同僚や上司のワンクッションがあるかないかでは相手側の受け止め方も変化します。

・電話応対の場合 自動音声システムでを利用する。「この電話は吃音者、吃る人が架電しています」、「この電話は吃音者、吃る人が受電しています」こういったアナウンスも必要になるでしょう。

・口頭での報告連絡相談よりも筆談以外に手書きメモやEメールやチャットの利用を認める。コミュニケーションアプリの利用を認める。

・吃音者は人それぞれであるが、話すときに、唾液を飛ばしてしまうことがあるので、マスクの着用を認める。

・工場や調理場など安全確認が重要視される職場で、「後ろ通ります」、「声出し安全確認作業」ができない場合ブザーやホイッスルなど他の手段を考える。

・飲食店やサービス業であれば、いきなりステーキの従業員が利用している透明マスクの着用を認める。(これは吃音者の中に吃るとき唾液を飛散させる場合もあるためである)

・飲食店やサービス業以外では普通の顔が隠れるマスクの着用を認める。吃音者は吃る時の顔を見られたくない人もいます。口がまがる。唇が震える。唇が尖る。口元が痙攣する。唾液を飛ばしてしまう。白目をむいてしまう。視線が合わない。などなど吃るときの外見上の影響がでる当事者も存在するためです。

・飲食店やサービス業ではお店の入り口などに、「吃音者が働いています」と告知すること。聴覚障害者の洋菓子店のように吃音者が働いていることを説明しましょう。タッチパネル方式だと聴覚障害者も吃音障害者も助かりますね。

・吃音者がホウレンソウや会話をするときに、吃ってしまうため他の人よりも時間が倍近く必要だとしても、ゆっくり余裕をもってその話を聞く。

・吃音者の言葉を先取りしない。吃音者の主義主張によっては最後まで言い切るまで待ってほしい人もいます。逆に話している途中で、XXXのことを言いたいの?と言われたほうが話しやすい人もいます。 ※このあたりは当事者とよく話し合う


★医療従事者、コメディカルの吃音者はどのような合理的配慮?
医療従事者、コメディカルの吃音者にはどうしても言い換えのできない言葉を多く使用する場面が想定できます。人名や薬品名、患者さんクライエントさんとの面接や心理検査、言語療法、結果の説明などがたくさんあります。とくに心理検査や言語療法などの場合は一言一句間違わないで実行できなければいけません。

現在、吃音のある医師、言語聴覚士、臨床心理士、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士などがいます。また、それを目指す学生も存在します。

心理検査や言語療法などで患者さんに「私のあとに続けて話して下さい。マネしてください」などと説明して、吃る部分まで真似をされてしまうという事例も発生しています。事前に患者さん、クライエントさんへの吃音の説明が必要になります。この場合も同僚や上司がワンクッション説明を入れることが重要です。




以上のように様々な合理的配慮が今のところ考えつきます。
話すこと発話することの配慮だけが必要です。それ以外はおそらく大丈夫だと思います。

※しかしながら、吃音当事者には吃音だけではなく、自閉症スペクトラムやADHDなどの一般によく知られている発達障害を持っている場合もありますので、この場合はその発達障害特性にも配慮をする必要もあるかもしれません…。



7. 就労移行支援事業は吃音者をどうしたらよい?どう対応する?

就労移行支援事業のサービスを吃音者が利用することもあるかもしれません。
場合によっては完全に障害受容ができておらず、事業所に通所する他の障害者を差別したり、見下す、バカにする行動をとる者が出てくるかもしれません。一方で、障害受容ができた吃音者も来るでしょう。

他の障害や社会的障壁のある人を差別する吃音者が就労移行支援事業所に来てしまった場合、態度を改めない場合は、利用規約などに、契約を解除するなど盛り込んでおいた方がいいかもしれません。


就労移行支援事業所提携・協力の病院医師に「吃音は発達障害者として精神障害者保健福祉手帳を取得できること」を説明して診断をしてくださいと情報共有をしておく。就労移行支援事業のホームページにて「吃音者は障害者枠でも働けます」と掲載してください。


就労移行支援事業所の企業団体担当の営業さんなどは、「吃音者が働くには障害者手帳が必要か?」ということを官民問わず企業団体の人事部、採用担当者から本音を聞き出すことが大切です。もちろんその中に、吃音があっても一般枠で雇用しますという団体があるなら、その情報も集めて下さい。

2016年現在では、吃音者の就労事例が集まっていません。官民問わず企業団体と協力して、吃音者の雇用事例を集めてください。それをどんどん情報公開してください。吃音者が障害者雇用できるんだ!という情報が日本社会で広まれば広まるほど、吃音者が社会参加できるかもしれません。就労移行支援事業所主催の企業団体の人事採用担当者、行政職員向けの講演会で吃音は障害者雇用できること、法定雇用率に計算できることを説明していくのも大切です。


就労移行支援事業はまず雇用する側の本音を聞き出し、吃音者にそれを伝え、障害者手帳取得や障害者枠で働くことも考えてみてもいいのでは?と説得することも仕事になるかもしれませんね。


8. 専門職になりたい吃音のある学生にはどう支援する? そもそも入学を認めるのか?
障害のある学生の進学事例は近年増えてきています。とくに国公立の学校であれば障害者差別解消法の合理的配慮は義務化されているためこの点は進学先選びに重要です。

障害があっても医師になっている人がいます。
脳性麻痺の医師、熊谷 晋一郎氏(東京大学先端研所属)が有名ですね。
吃音があっても医師になっている人として菊池 良和氏もいます。
2人の時代はまだ障害者差別解消法がなかった時代なのでとても苦労や辛いことがあったかもしれません。

さて、医学部となれば国公立大学があるため、障害者差別解消法を使える可能性は高いです。看護学校も可能性は高いでしょう。

しかし、問題なのは言語聴覚士養成、社会福祉士養成、精神保健福祉士養成の学校に国公立の学校が少ないことがあります。

現在、吃音ある言語聴覚士と学生をつなぐ会「吃音がある、ST学生とSTの会」というものがあります。ただ、言語聴覚士に限定されているのは残念だと思います。「吃音がある医療従事者の会」としたほうが今後の吃音のある子ども達の未来につながるでしょう。

例えば吃音のある医療従事者の会が、吃音があっても資格取得のために支援してくれる専門学校一覧、大学一覧というリストを作成する必要もありますし、吃音や発達障害などを持った学生でも入学できるよう。資格取得に必要な実習施設・研修施設の開拓も必要になってきます。

過去に吃音当事者でもあるライターの近藤雄生氏がこのような投稿をTwitterにしています。吃音があって看護学校の実習を乗り越えることができず、新たな道を歩き始めたという女性のことを投稿しています。このようなことがある以上、医療従事者や支援者の資格を持っている先輩吃音者達は団結して、「私の勤務先に来なよ。この学校なら大丈夫だよ。私が口利きするよ。私が責任とるよ」など道標になることも大切になります。