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2018年4月29日日曜日

【ニュース】筑波大学の発達障害を重複する吃音の子どもの実態‐発達的変化の追跡調査‐をご存知ですか?

【ニュース】発達障害医学の進歩30で吃音が取り上げられる 吃音至上主義者はショック?吃音が発達障害になってしまうと抗議するの?
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2018/04/30.html

↑に関連したニュースです。
以下の研究があること。吃音至上主義者や障害種別差別を行う人々はどう受け止めて、解釈するのでしょうか?やはり抗議を筑波大学、金沢大学、国立障害者リハビリテーションセンター研究所にするのでしょうか? 公開要望書を送付するのでしょうか?


――― どういう調査研究なの?

吃音業界の人はすでにご存知のことと思います。
発達障害業界からの声では「吃音と発達障害を両方持つ人いるよね。
というか。発達障害のある子どもに吃音ある子いるよね。」というのはもともと知られていることでした。

・宮本 昌子  筑波大学, 人間系, 准教授 (70412327)
・小林 宏明  金沢大学, 学校教育系, 教授 (50334024)
・酒井 奈緒美  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 感覚機能系障害研究部, 研究員 (60415362)

以上の3名が行っている研究です。
「吃音のある子ども」に「吃音以外の発達障害を持っている場合」もあるんじゃないの?という調査です。結局の所

『1年目には,第42回コミュニケーション学会分科会(吃音・流暢性障害),日本特殊教育学会第54回大会自主シンポジウムで発達障害を重複する吃音に関する論文のレビュー,教育現場・医療現場での実践例を報告した。これらの報告,議論により,吃音を主訴とする子どもを対象とする臨床現場では,一定数の発達障害を重複する者が存在し,その評価・支援方法は,重複のない吃音の例とは異なるのではないか,という結論を得た。』

と経緯報告が出ています。


現在、このような科研費がついて、研究が進行中なのですが。
研究が遅延しているようです。
なかなか難しいだろうと思います。
吃音業界には吃音至上主義、障害種別差別容認・推進という差別があるため。それらに小学校のことばときこえの教室で子ども・保護者も出会ってしまうとそれに染まってしまうこともあるでしょう。吃音のある子どもに、発達障害もあるかもしれないという調査に
子ども、その保護者も協力しない場合もあるでしょう。こういう部分では3名の方もキツイだろうなと察します。この3名の研究に協力してはいけませんよ!吃音が発達障害にされてしまいますよ!と内部通達している団体もあるでしょう。


吃音業界ももっと障害受容がしやすい環境であったり、吃音至上主義や障害種別差別がなければもう少しはやく2005年から2015年の間にこのような研究はできたのではないかと思います。
宮本氏が筑波大学のホームページで『欧米の調査では、吃音の4~26%がADHD等の発達障害と重複し、障害特性に合った介入が求められると報告されるが、日本では実態が明らかにされず、具体的な支援方法は模索の段階である。』と明記してしまっている所からも日本国内では調査をしようという一歩を踏み出すことすら困難だったのだろうと推察します。


今後は厚生労働省の主導できる予算で、発達障害業界の医師や研究者に「発達障害のある子どもに吃音があるか実態調査」が打診されるかもしれません。吃音業界からのアプローチと。発達障害業界からのアプローチでは結果は異なると思います。

これから考えられる新しい調査としては。
・吃音のある子どもの保護者に発達障害がある場合は認められるのか。
・発達障害の診断を受けている当事者の中に吃音を持つ人はいるのか。
などが行われていくことでしょう。


吃音業界は吃音は発達障害じゃない。
吃音のある人が発達障害もある場合は存在しない。
というテイを多くの人がとっています。
しかし、吃音業界でも名前の知られている研究者や医療従事者などが、吃音と発達障害について実態調査をしているという、この現実もあります。今後の結果報告はどうなるのでしょうか?





科学研究費助成事業データベースから
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K04812/研究課題/領域番号 16K04812
研究種目 基盤研究(C)
配分区分 基金
応募区分 一般
研究分野 特別支援教育
研究機関 筑波大学
研究代表者
宮本 昌子  筑波大学, 人間系, 准教授 (70412327)
研究分担者 小林 宏明  金沢大学, 学校教育系, 教授 (50334024)
酒井 奈緒美  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 感覚機能系障害研究部, 研究員 (60415362)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
研究課題ステータス 交付(2016年度)
配分額 *注記 4,550千円 (直接経費 : 3,500千円、間接経費 : 1,050千円)
2018年度 : 1,430千円 (直接経費 : 1,100千円、間接経費 : 330千円)
2017年度 : 1,560千円 (直接経費 : 1,200千円、間接経費 : 360千円)
2016年度 : 1,560千円 (直接経費 : 1,200千円、間接経費 : 360千円)
キーワード 吃音 / 発達障害 / 発達的変化 / 重複障害 / 言語発達 / 言語障害 / 発話流暢性障害 / 追跡調査
研究実績の概要 本研究では,発達障害を重複する吃音の子どもの実態を明らかにし,発達的変化の追跡を調査を行う。1年目には,第42回コミュニケーション学会分科会(吃音・流暢性障害),日本特殊教育学会第54回大会自主シンポジウムで発達障害を重複する吃音に関する論文のレビュー,教育現場・医療現場での実践例を報告した。これらの報告,議論により,吃音を主訴とする子どもを対象とする臨床現場では,一定数の発達障害を重複する者が存在し,その評価・支援方法は,重複のない吃音の例とは異なるのではないか,という結論を得た。また,発達障害を重複する場合,学校教育現場では発話の問題よりも行動や情緒の問題が重視され,発話の問題に焦点があてられにくい現状についても議論された。 また,本研究グループに,有識者を加えた症例検討会で,発達障害を重複する吃音の3例が報告され,知能・言語・発話・運動等幅広い範囲のアセスメントが必要であること,言語発達に伴い,吃音が改善するサブグループがあること,クラタリングとの鑑別が困難である場合があること等,今後さらに検討するべき課題があることが確認された。また,症例検討の結果,発達障害の重複のない児童とある児童では,吃音の発話症状も異なることが確認された。海外の先行研究では既に報告されていることではあるが,日本語話者での症状についても,今後確認が必要であることが分かった。今回発表された各症例(小学校低学年,高学年,成人)については,今後も追跡し,発達的変化を追跡する予定である。
現在までの達成度 (区分) 現在までの達成度 (区分)
3 :  やや遅れている
理由
当初は,地域の保健センターにて調査を行う予定であったが,健診の場でのリクルートが困難であり,研究代表者,分担者の3名が指導の担当をしている幼児,学齢児,成人での検討から開始することにした。その結果,症例数も予定通りに確保できたことから,これらのケースに対して追跡調査を行うことにした。
今後の研究の推進方策 本年度に行った,発達障害を重複する吃音の症例に関する追跡的観察を今後も行うことにする。吃音,発達障害の特徴は発達と共に変化する可能性がある。特に,言語発達が高まると共に,吃音の問題が解決するタイプ,あるいは学年を追うごとに吃音の問題が解決しても,学習の問題が残るタイプ等,様々な分類が想定される。吃音の問題と重複しやすい問題とその予後について観察したい。
また,平成29年には,小学校内言語障害通級指導教室に通う吃音が主訴の児童が,発達障害を併せ持つ割合を明らかにすることを目的とし,研究を行う。発達障害の診断を受けていないが,兆候がある児童も多いことが予想される。よって,文科省による「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査(2004)」の調査項目を使用し,吃音の他に問題を有するかどうかについて,検討をする予定である。
平成30年には,通常学級の中に吃音の児童が存在する割合,発達障害のある吃音の児童が存在する割合を明らかにすることを目的とし,研究を行う。その際,通常学級の教員を対象に,上記の調査を行う予定である。さらに,発達障害を重複する吃音の中にはクラタリングが疑われる者が存在することも推測される。調査で,発達障害を重複する吃音であると同定された者の中に,クラタリングの疑われる者がどれくらい存在するかについても,明らかにしたい。
次年度使用額の使用計画 保健センターで行う予定であった調査の代わりに小学校言語障害通級指導教室,通常学級での追加調査を実施するために使用する。
研究計画を再検討し,保健センターで実施する予定だった幼児期での吃音と発達障害の諸特徴の変化の追跡は,研究代表者,分担者が教育相談等で担当しているケースを対象に行うため,ビデオカメラ,動画保存用HDD等の機器の購入を行う(平成28~30年)。さらに,学齢期以降においては,上記の追加調査を行うことで,吃音と発達障害が重複する児童の実態把握を行い(平成29年度に小学校内言語障害通級指導教室,平成30年度に小学校通常学級で実施する予定),そのための調査用紙印刷代,郵送代を計上し,使用する予定である。両調査で,発達障害と吃音の重複が認められた児童にクラタリングチェックリストを実施する予定である。そのための印刷代と郵送代も計上し,使用する計画である。
筑波大学 人間系障害科学域 宮本昌子 研究室から
http://www.human.tsukuba.ac.jp/~smymt/research.html
現在行っている研究
1.宮本昌子、小林宏明、酒井奈緒美
研究種目名 基盤研究(C)(一般)
期間(年度) 平成28年〜30年度
研究課題名 発達障害を重複する吃音の子どもの実態‐発達的変化の追跡調査‐
研究経費
(直接経費) 3,500千円
研究概要 欧米の調査では、吃音の4~26%がADHD等の発達障害と重複し、障害特性に合った介入が求められると報告されるが、日本では実態が明らかにされず、具体的な支援方法は模索の段階である。本研究では、①発達障害を重複する吃音の出現率を明らかにする、②吃音症状と発達障害の特徴の変化に基づいた群分けを行うことを目的とし、①発達障害が重複する吃音のある子どもの実態調査、②3歳時健診で吃音の疑われる子どもの2年間の追跡調査を行う(5年後まで追跡予定)。 追跡調査の結果、対象を吃音の自然治癒と慢性化に分類することで、発達障害の特徴や診断が吃音の悪化・進展に関わるかどうかを調べる。今後はさらに、発達障害を重複する吃音に対し、障害特性を考慮した指導介入法の開発へとつなげたいと考える

2018年4月10日火曜日

【保護者向け】子どもの興味関心、趣味、勉強などスキルの限界突破についていけないお父さん、お母さんへ

発達障害のある子どもの中には興味関心、趣味、勉強にとても強い能力を発揮することがあります。すると、お父さん、お母さんの知識レベル、技術レベル、話術で対応できない状態になり、子どもの知的好奇心、探究心・探求心を支えることができなくなるかもしれません。吃音のある子どもの中にもいるかもしれません。

お父さん、お母さん、家族の知識レベルでは対応できない状態にぐんぐん成長する子ども。どうしよう。子どもがどんどん成長していくけどこれ以上は対応できない。とんでもない集中力、大人のような言葉遣いやふるまい。家庭や学校では対応できない。家庭や学校では潰れてしまうかもしれない。どうしたらいいのか? 



そうだ!
東京大学の学生サークル(色々な濃いサークルがある)のプロと子どもを会わせてみよう。
数学のプロに子どもを会わせてみよう。
美術の専門家に子どもを会わせてみよう。
音楽のプロに子どもを会わせてみよう。
●●の専門家に子どもを会わせてみよう。
(中には、プロジェクトのメンターになる・事業説明を受けたときに、「自分も子どものころそうだった。もしかしたら発達障害かも」という自己覚知をするメンターもいるそうです)


それ以外にも、発達障害を持つ子どもが『何に興味を持っているのか。何に対して秘めた力があるのか? どのようなアイテム、どのようなことをしていたか。何を使っていたか?』を後で保護者に教えてくれるサービスもあります。




―――そこで、現在、誕生しているサービスがあります。
Branch(ブランチ)は、アスペルガー症やADHD(注意欠陥・多動性障害)などの発達障がい児と、その子供達が興味を持っている分野の学生や専門家などをマッチングさせ、発達障がい児の可能性を伸ばすWEBサービスです。
http://branchkids.jp/
説明
https://www.makuake.com/project/branch/

その道のプロ、その道に詳しい、学生や若者、大人を発達障害のある子どもに会わせてくれるサービスです。

子どもの好きなことを伸ばしてくれる。
子どもは何に興味を示しているのか。好きになるかもしれないことをあとで教えてくれるサービス。東京都内以外ではビデオチャットで可能な限り対応してくれるそうです。
東京大学と日本財団の異才発掘プロジェクトのように、とても斬新な内容です。

発達障害のある子ども。吃音のある子ども。
お父さん、お母さん、家族のみなさん。こういう選択肢もあるのですね。

【保護者向け】理容室、美容室に行けない子どもがいる保護者の方へ

発達障害のある子どもの中に。感覚過敏のため理容室、美容室に行けない子どもがいます。吃音のある子どもの中にもいるかもしれません。吃音のある子ども、大人にも感覚過敏がある場合もわかっています。


頭を触られる。
髪の毛に触られる。
ハサミが顔や頭皮に触れたときに嫌な感覚になる。
バリカンの音、ドライヤーの音に過敏。
髪の毛を切るというその流れが、工程が見える化されていなくて不安になってしまう。
美容室、理容室で泣き叫ぶ、暴れる、逃げてしまう。
暴れた時にハサミで怪我をするかもしれない。

発達障害のある子どもの中には、安心して髪の毛を切ることができない場合があるのです。

そして、その状態に困ってしまう。深刻なダメージを受けるお母さん、お父さん、家族がいます。理容室、美容室で起きたトラブル。他のお客さんやお店の人に謝る謝る。もう、お店にいけない。子どもが就寝中にこっそり髪の毛を切る。変な髪形になってしまう。髪型を誰かに指摘されからかいにあう。保護者が「しっかり育児していないのでは?」という外部の評価を受ける…。保護者がまいってしまう。

そんな中、誕生したプロジェクトがあったといいます。



―――発達障害のある子どもが安心安全な場所で、髪の毛を切るために、そらいろプロジェクトの取組

http://www.sora-pro.jp/index.html


京都に本部がある「そらいろプロジェクト」は理美容師さんが、普段、お子さんが生活拠点にしている場所に出張して髪の毛を切ってくれます。理美容室ではなく、出張してくれる。支援学校・児童館・幼児園・自宅などに来てくれる。

しかも、髪の毛を切る工程の見える化を行い。お子さんの不安。何をされるかわからない不安などを解消します。

そして髪の毛を切ることはどういうこと? という部分から切り終わるまでをサポートしてくれるのです。そして、徐々に髪の毛を切る行為を受け入れていき。最終的に理美容室に来れるといいねという流れになります。

これからもどんどん全国各地に賛同する理美容室が理美容師が増えていくと嬉しいですね。


2018年2月26日月曜日

発達障害のある人が安心する、落ち着くオモチャ・アイテム紹介

最近、発達障害のある人が使っているアイテム、オモチャがあります。
これがとてもおもしろい。暇つぶしや思考に、衝動性を抑えたいときにも使えます。


・Lilbit Infinity Cube インフィニティキューブ





・Fidget Cube 6in1 Yoozonストレス解消キューブ
・ハンドスピナーの派生版、小型版など
・Lilbit MOKURU


永久ループする物体、押す、回す、押し込んだ感触を楽しむ、といったアイテムです。
発達障害のある子どもでも大人でも誰もがハマるアイテムです。無限枝豆、無限プチプチと同じようなものです。

吃音のある人でも、吃音のある子どもでも、何か不安なときや暇つぶしにこれを利用するシーンがこれからでてくるかもしれません。




2017年12月17日日曜日

文科省・厚労省合同プロジェクト「家庭と教育と福祉の連携『トライアングル』プロジェクト」が今後重要になる件

教育新聞からの記事です。


文科副大臣、厚労副大臣による「家庭と教育と福祉の連携『トライアングル』プロジェクト」の初会合が12月14日、文科省で開かれた。両省が連携を密にし、各地域の障害児と保護者への、切れ目ない支援体制の在り方を探るのが目的。会合には丹羽秀樹文科副大臣と高木美智代厚労副大臣が出席した。
同プロジェクトは、発達障害者支援法などを踏まえ、教委や福祉部局の連携体制などを検討する。今後2回の会合を経て、今年度末に両副大臣による提言をまとめる予定で、地域の実情に応じた、より良い連携の在り方と例を示す。
丹羽文科副大臣は「障害のある子供たちに向けて、教育と福祉の両分野から、さらなる対応を考えていきたい。関係者が互いに連携し、子供たちへのサービス充実を実現したい」と抱負を述べた。
高木厚労副大臣は「現場の先進的な取り組みを聞きながら、両省が手を取り合って提言をまとめたい」と語った。
文科・厚労省のPJ初会合 教育と福祉の連携を検討
2017年12月15日 https://www.kyobun.co.jp/news/20171215_05/
現在、発達障害児者支援で大きな課題となっているのは、ライフステージに対応した、困りごとに対応した支援ができているのか? 家庭、学校、病院、行政、労働、福祉の連携が本当にできているのか? これが大きな課題です。

―――その当事者の成長の記録が、合理的配慮を考えるときに役立つ さらに成長につながる

筆者が思う所。母子手帳のように「自分史バトン手帳」のようなものが作成されて、そこでどのような支援を受けたのか、どのように成長しているのか、苦手なもの、得意なものは何か。などなど克明に記していくことが必要になると思います。家族や当事者が記入することもあれば、学校の先生が記入することも想定されます。

自分史バトン手帳については私生活を克明に記録することになるので、自宅に保存する完全版と外部に渡す場合の仕組みも別途考えねばならないでしょう。もちろん、合理的配慮を必要としないという決断をした場合は、全く外部に伝える必要はなくなります。しかし自宅の完全版は引き続き記録が必要になるでしょう。またいつか使う日があるかもしれないということです。

現在、発達障害児者の支援は、幼稚園、保育園のときの支援や合理的配慮の情報。子どものありのままの姿が、そのまま小学校に情報としてバトンされるかが問題になります。それも中学校、高校、大学とバトンする場合もあるかもしれません。

情報がバトンされれば、過去にこういった場面ではこう対応した、こういう合理的配慮をできるようにすればいいのね!ということが学校側も教員もその時点の最新情報が理解できることになり、スタートから大失敗ということ、当事者側も嫌な思い出になることも避けやすくなるはずです。

よくある事例で、親・保護者が学校と話し合ったのに、担任に伝えたのに、他の先生には伝わっていないということもあります。とくに吃音業界では、本来使えるはずの文部科学省の制度が使われないという場合があります。吃音のある子どもの保護者のよくある辛い経験は「話が伝わっていない、ちゃんと対応してくれない、吃音の説明を「保護者がしなくてはいけなかった」のでとてもつらかった。菊池良和医師の本まで自腹で手渡した」まで事例報告されています。しかも相談したときにしっかりと記録されなかった。記録したとしても『XXX号 XX様式』といった法廷根拠のある書面ではなかった。最悪の場合、口頭のみだったという事例もあります。

本来は文部科学省の『「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」について』に書いてあるようにしっかり計画を策定し、書面化し、情報共有するものです。吃音業界ではこの制度を保護者が気づかないようにしているのではないか?と思えるほど悲しい事例が多くあります。(吃音の以外の発達障害のある子どもや大人、保護者の団体であれば、こういう場合はこうするという方法が代々先輩の親から後輩の親に情報共有・引き継ぎされているので、『計画を立ててほしいと申請しよう』という使える武器・カードがあることを早期に知ることができ、子どもや保護者が大ダメージを受けることや嫌な思いをするまえに実行できるのですが…。吃音業界の親の会がまだまだ発展途上ということもあるでしょうか。今後、吃音業界でも法的根拠に基づいた、文部科学省が認めた方法が広まっていくことを祈ります。菊池良和医師が吃音の子どもの合理的配慮説明をする資料を公開しているので、それと同時に、法的根拠のある制度を申請していくことが、安心安全な学校環境に子どもが通えることのルートになるからです)今後の課題になるでしょう。

こうやって計画をつくり、合理的配慮内容、無理やり子どもに話させないで、みんなの前で話す時はこうして、そもそも無理して話すことを強要するよりほかのことをのばしてほしい、話すことは大人になってから必要だから頑張って話せと先生が子どもに強要しないでほしい、ことばの教室の先生・担任の先生がその他の先生に吃音のことを必ず説明すること、などなどを家庭側と学校側で話し合って決めて、明文化していきましょう。言った言わない問題も避けていけると思います…。



―――発達相談のワンストップサービスも今後増えるか?

現在、多職種連携として、当事者である子どもや大人、その家族、学校や職場、生活する自治体の障害福祉サービス担当部門、通院先の病院、言語聴覚士や作業療法士、理学療法士、社会福祉士、精神保健福祉士、放課後デイの職員などなど多くの支援者と『1回で話ができる場』がほしい。ワンストップサービスがあればいいなという声が聞かれます。

事例としてよく取り上げられるのは。
発達障害のある子どもの子育てです。その情報共有や不安なことやしてほしいことの共有です。
お父さん、お母さんが共働きで、いつも平日にどちらかが休んで、病院にいく、療育センターにいく、学校にいく、自治体役所にいく、とあっちこっちに行くためにに1日有給休暇を取得する、半日取得するという大変さが語られます。

しかも、行く場所ごとに、話をする相手ごとに、毎回、毎回、毎回、毎回「同じ話、同じ説明をしないといけない」親としては本当に疲れるといいます。心労だといいます。
「あそこではこのように言われたから、今度からこちらではこのように対応してほしい」なんて説明は本当に疲れるといいます。

じゃあ、一箇所の窓口で1回相談すればワンストップサービスで「関係者全員に話が伝わればいいじゃないか?」という解決策がでてくるわけです。リアルで同じ建物、同じ空間にいることは困難でしょう。ここはビデオ通話ができるスマホのアプリやPC向けソフトが必要になるでしょう。無料のサービスがたくさんありますからこの壁は低いように思います。

そして情報の記録を「自分史バトン手帳」に保存されれば、言った言わない問題などトラブルも避けることができるでしょう。
文科省と厚労省の合同プロジェクトでも、家庭と教育と福祉の横のつながり。情報共有の円滑化、保護者の当事者の負担軽減をどうしたらいいかを考えが今後、具体案を出してくるはずです。



―――発達障害者の就職活動、採用する雇用する側も実は気になっている

非公式な情報で現在、厚生労働省では発達障害者の就職・就労の課題として、雇用する企業側、団体側からこういった質問があるという。(おそらく、今回の文科省厚労省合同プロジェクトで落とし込まれると推測)

『今まで、どういった合理的配慮を利用してきたのか? どういう環境だと落ち着いていたのか? 在学していた学校では何をどう提供していたのか? という詳細な情報を教えてほしい。こういう仕組みを行政が構築することはできないのか?』という問い合わせが多くなっているという。

なぜこうなるのか?という理由は。現在、「発達障害(自閉症スペクトラム、ADHD、学習障害、チック・トゥレット症候群、吃音、発達性協調運動障害、感覚過敏、感覚鈍麻など)は一般に浸透してきており、さらに関連書籍も多く出版されており、一通りの表面上の教科書的な発達障害の情報を獲得することはできる。

しかし、発達障害は「個々の発達障害特性が異なるので、最終的には個別の面談で何度も話し合いの場を設けて、当事者側と採用・雇用側が落とし所を見つけないといけない」ということがセオリーになっている。

かといって、発達障害者の就職活動、障害特性や配慮してほしいことなどを説明し相手に伝える「自分の取扱説明書」というものを履歴書、エントリーシート以外に添えるということはデファクトスタンダードになってきているが。それだけでは情報が足りないというのだ。毎回、毎回、毎回、当事者ごとに話し合いの場で『その情報を共有し、合理的配慮の落とし所をさぐる』というのが大変だという本音だ。要はその情報はここに辿り着く前に学校などですでにやっていることだから、そのときの情報を知りたいということになる。

そこで採用・雇用側が知りたいのは
学校時代はどういう合理的配慮があったのか?
発達障害特性により、大変なことはなんなのか?
どうすれば安心安全な環境で仕事ができるのか?(学校にいたときはどういう環境が1番当事者がやりやすかったのか?)
どういったコミュニケーション方法が1番伝わりやすいのか。苦痛にならない方法はなにか?
わかりやすい表現の仕方はなんなのか?
当事者がこういう行動やこういう話をしているときは、実はSOSのメッセージや困っているときなんですと過去の情報があれば助かるとか。


といった具合で、「過去にはこう対応していた。こういう場面は苦手なんだな」をより詳細に理解したい意図があるという。


―――ライフステージごとの支援、どのようなメニューがあるのかの見える化は文部科学省、厚生労働省が合同だからこそ可能になる

全国言友会連絡協議会がホームページ上に公開している資料に厚生労働省の日詰正文氏の講演録が掲載されている。実はこの中でも「情報の引き継ぎ・バトン」が指摘されている。厚生労働省職員がこのような事例報告をするということは切れ目のない支援が最重要視されていることになる。今後は、文部科学省と厚生労働省の連携「家庭と教育と福祉の連携『トライアングル』プロジェクト」によりさらに強いものになっていくことを願っています。

PDFファイル 2016年10月に開催された講演の内容である

次お願いします。(p13図12改正発達障害者支援法)こんな障害福祉サービスでの位置づけが少しずつ進んで、今年、発達障害者支援の大応援団の発達障害者の支援を考える議員連盟によって、国会で改正された訳です。ここでどういうことが言われたかというと、1番の「ライフステージを通じた切れ目のない支援」ってあるんですがどういうことかというと、あの引継の話なのです。さっきからくどくどと話しをしていますが、例えば今大学のセンター試験という入試の試験では、例えば中学高校でスピーカーから音を聞くと音がうまく聞き取れないので、別室でヘッドホンとかイヤホンを使ってヒャリングを受けたいんです、高校や中学でもそういうふうにサポートを受けてきましたという人は、大学のセンター試験でもそういうふうな配慮を受けられるんです。それからマークシートで塗りつぶすのが不器用で塗りつぶせない場吅はレ点チェックでいいです、これも中学高校できちんとそういう支援を受けてきたという証明があればいいんです。それから問題用紙の字が小さくて重なってしまって読み間違えたりするんです、だから大きな問題用紙を用意してくださいと、これも中学高校でそういう支援を受けて来ましたという人は大学センター試験でそういう配慮が受けられるんです。先ほどのヒヤリングの話しもあるし感覚
過敏がある場吅とか別室受験とか時間延長とか、時間延長は公平性からいったらちょっとと周りの人は思うかもしれませんが、中学高校できちんとそういうサービスを受けてきた人は公平性を要求される大学センター試験でもそういう配慮をきちんとしますよ、という時代に今なってきま
した。でなにを言ってるかというと、ちゃんとその人の為になるとやってきた支援は必ず次の人に引き継いでいこう、引き継いだらそれを受け止めてちゃんとやっていこうっていうのをうんと大事にして行きましょうというのが、このライフステージを通じた支援で、逆に言うと中学高校とか小学校でやってないことを急に求められてもそれは世の中的に対応するのは、なかなか難しいです。でもちゃんとやったことはちゃんと次の人に伝えようということをうんと大事にしていこう、いろんな学校とか保育所とか施設とか病院に徹底していこうというのが一番目の話しです。

それから二番目ですね。「家族などを含めたきめ細かな支援」というので、家族の方ももちろん本人を支援することになって頂きたい。逆に家族が壁になっている場吅もある訳ですね、それから家族だけが押しつけられて困っているとかいうのもあります。見ていくとそういう方達に独りでがんばれというのは、そうしていくことが多かったので、もうちょっと地域で動こう、ちゃんと話しをしていこうという話しです。




2017年12月13日水曜日

【紹介】押見修造「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」実写映画に

押見修造氏の志乃ちゃんは自分の名前が言えないの実写映画が公開されるという。
これについては昨年?あたりからクランクインしたのではないかという情報がネット上で流れていました。ナタリーの記事には「吃音」を指摘する文言はないですね。うまく言葉が話せないという説明です。他メディアでは吃音を記事に入れているところもあります。
こういったところは「吃音」の難しさなのかもしれません。

フジテレビの福山雅治氏、藤原さくら氏の出演「ラヴソング」はとても吃音の苦しさ、リアル感が伝わってくる内容でした。今回の「志乃ちゃん―」は吃音についてどのような描写がなされるのか。映画公開が待ち遠しいですね。




映画 志乃ちゃんは自分の名前が言えない 公式サイト

ナタリーから(全文はリンク先で)

押見修造「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の実写映画化が決定。2018年7月より東京・新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開される。
2012年に太田出版より発売された本作は、押見の実体験をもとにした青春劇。うまく言葉が話せない高校1年生の大島志乃は、自らに引け目を感じて周囲と馴染めずにいる。しかし音楽好きでありながら音痴な同級生・加代とは、ひょんなことから交流を深めていき……。思春期を迎えた少年少女たちが葛藤や苦悩しながら、“ヒリヒリ”とした青春時代を過ごすさまが描かれる。
志乃役を担当するのは、ファッション雑誌・nicola(新潮社)の専属モデルとして活躍する南沙良。加代役はテレビドラマ「ゴーイング マイ ホーム」や、映画「三度目の殺人」などに出演する蒔田彩珠が演じる。2人は15歳同士で、互いに映画初主演作としてダブル主演で出演。劇中で披露されるという南の歌声、猛特訓して挑んだという蒔田のギター演奏にも注目だ。なお監督は本作が長編商業映画デビューとなる湯浅弘章、脚本は「百円の恋」の足立紳が手がける。
実写映画化にあたり、南、蒔田、湯浅からコメントが到着。さらに押見より「泥臭い青春映画でありながら、恥ずかしくなるほどキラキラしていて。そして、むせかえるような思春期のオーラに満ち溢れている。漫画を超えて、広く心に届く作品を作っていただいたことに感謝します」と感激の声も届いた。https://natalie.mu/comic/news/260762

2017年11月27日月曜日

ブラック企業大賞ノミネート発表 ゼリア新薬工業がノミネート 

吃音のあったとされる若者が自殺した事件のことでゼリア新薬工業がノミネートされたようです。ゼリア新薬工業の新人研修ニュースですが、その後続報がないように思えます。
吃音があったか、なかったかの視点の違いもあり、吃音業界団体もとくに公式声明を出していません。

当時のニュースの内容はこのようになっていました。
https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/20170808?utm_term=.btkRy6q7w#.wdgkZv7pO


さて、2017年11月27日弁護士ドットコムニュースによると今年のブラック企業大賞のノミネートが発表されたといいます。今回のノミネート発表により、人格否定や自己否定の企業研修がなくなっていけばと思います。そういった研修がビジネスとして成立してしまう社会も変化していってほしいと考えます。

2017年11月27日現在、バズフィードジャパンからもブラック企業大賞ノミネートについて記事が出ています。
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/black-kigyo-2017?utm_term=.fdgo4AMpx#.bp6pQdv60




ブラック企業大賞実行委員会の公式ページ
http://blackcorpaward.blogspot.jp/



https://www.bengo4.com/internet/n_7024/
NHK、ヤマト、新国立関連の大成・三信建設…ブラック企業大賞ノミネート発表
弁護士や学者、ジャーナリストでつくる「ブラック企業大賞」実行委員会は11月27日、NHKやヤマト運輸などノミネート企業を発表した。ノミネートされたのは、ゼリア新薬工業、いなげや、パナソニック、新潟市民病院、日本放送協会(NHK)、引越社・引越社関東・引越社関西(アリさんマークの引越社)、大成建設・三信建設工業、大和ハウス工業、ヤマト運輸。
ブラック企業大賞は、長時間労働やパワーハラスメント(パワハラ)などを従業員に強いる悪質な企業や法人を選出している。今年で6回目となる。昨年は、新入社員が長時間労働の末、過労自殺した電通が大賞に選ばれた。大賞など各賞を発表する授賞式は12月23日に開かれる予定だ。ノミネート企業は毎年授賞式に招待されているが、これまで1社も出席したことはないという。
この日都内で会見を開いた同実行委の佐々木亮弁護士は今年のノミネート傾向について、労災・長時間労働の企業が多いと述べた。「政府の『働き方改革』という打ち出しもあり、過労死・過労自殺事件の遺族代理人の会見も多かった」とその背景について説明した。
実行委が挙げたノミネート理由の要約は、以下の通り。
ゼリア新薬工業・・・大手製薬会社。男性社員(当時22)が2013年5月、新人研修受講中に自殺した。2015年に労災と認定された。遺族は今年8月、会社と研修会社に1億500万円の損害賠償を求めて提訴したことを明らかにした。
いなげや・・・スーパーマーケットチェーン。男性社員(当時42)が2014年、脳血栓で亡くなり、労災認定された。違法な長時間労働のほか、タイムカード打刻前後のサービス残業があったことが確認されている。
パナソニック・・・総合電機メーカー。男性社員(40代)が2016年6月が亡くなった。過労による自殺と認定された。16年5月の残業時間は100時間を超えていたという。また、法人としてのパナソニックと幹部社員2人が、社員3人に対して違法な長時間労働をさせたとして書類送検されている。
新潟市民病院・・・公立総合病院。女性研修医(当時37)が2016年1月、長時間勤務がつづいたことで睡眠薬を服用して自殺した。月平均残業時間は187時間、最も長い月で251時間だった。今年5月、女性の自殺は長時間労働による過労が原因として労災認定された。
日本放送協会(NHK)・・・放送法に基づき設立される特殊法人。女性記者(当時31)が2013年7月、うっ血性心不全で亡くなった。亡くなる直前の1カ月の時間外労働は159時間37分に及んだ。労基署は「深夜に及ぶ業務や十分な休日の確保もできない状況にあった」と認定した。NHKは今年10月、女性の過労死事件があったことを発表した。
引越社・引越社関東・引越社関西・・・引越による荷物の運搬等を業とする企業。引越社関東の男性社員を不当にシュレッダー係に配転したり、懲戒解雇するなどした。さらに懲戒解雇の理由を「罪状」などと記載して、男性の顔写真を入れた書類をグループ店舗に掲示した。東京都労働委員会は今年8月、「不当労働行為」として認定した。
大成建設・三信建設工業・・・大手建設会社。東京オリンピック・パラリンピックで使用する「新国立競技場」にからみ、三信建設工業の新人男性社員(当時23)が今年3月自殺した。長時間労働による過労が原因の労災であると認定された。元請けの大成建設にも行政指導がおこなわれている。
大和ハウス工業・・・総合住宅メーカー。男性(20代)に違法な時間外労働をさせていたとして、今年6月に是正勧告を受けた。これまでにも是正勧告を受けており、一定の時間になると消灯して社員を帰宅させるなどしていたが、実際は多量の業務を課していた。男性は長時間労働の末、うつ病になり退職を余儀なくされている。
ヤマト運輸・・・宅配便事業者。昨年12月にセールスドライバーに対する残業代の未払い、今年5月にパート従業員の勤務時間改ざんで是正勧告を受けた。さらに今年9月、セールスドライバーに労使協定で定めた残業上限を超える残業を違法にさせていたとして、法人としての同社と幹部社員2人が書類送検された。
(弁護士ドットコムニュース)

2017年10月30日月曜日

2017年10月30日放送のNHKあさイチ 俳優の古原靖久氏のタメ口が注意される

シリーズ企画「出たトコ!村」は、視聴者からいただいたメールの中から訪問地を決め、リポーターのヤスくん(古原靖久/俳優)が事前取材を一切せずに現地に飛び込み、“出たトコ”勝負で地域の“ピカピカ”な魅力を探し出す企画です。
果たして今回の舞台は・・・?お楽しみに!

http://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/171030/2.html


2017年10月30日放送したNHKのあさイチ。
俳優の古原靖久氏が、出たとこ勝負でノープラン。
事前に何も調べないで、取材依頼があった村に突撃するという内容であった。
村は長野県木祖村。縁結び神社、味噌川と笹川が木曽川に変化する場所の取材をしていた。

しかし、この放送のなかで古原氏は、村人(一般の人)にタメ口で、友達言葉で話しかけているところ、感情を出すところがあった。スタジオには有働由美子氏、井ノ原快彦氏、柳澤秀夫氏、ゲストのふかわりょう氏、益若つばさ氏がいた。そしてその中で有働由美子氏と井ノ原快彦氏が「タメ口・友達言葉」を注意していた場面が放送された。

この場面は一瞬、放送されただけであったので。出たとこ村というコーナーのVTRが流れている場面の(視聴者は見ることができない)スタジオではもっと強い注意が古原氏にあったのではないか?放送終了後の反省会でもとても強い注意があったのではないかと推察する。


――タメ口や友達言葉は一般常識として注意される これが日本の常識 吃音のある人が吃音回避として使う場合はどうなるのか?
ここが大切です。吃音のある人でも無い人でも。日本文化の中においてこのような言葉遣いは怒られることがわかりました。もちろん古原氏は吃音かどうかはわかりません。ただ、あのような言葉遣い・敬語無視をすること、これは「悪いこと、無礼なこと」という常識があることはわかります。

では、本題として吃音がある人。この人が『吃らないように発話・発語する技術、人生で身につけてきた処世術、キャラ、身体の動き、言葉の言い回し』を学校や職場や日常生活、NHKの放送で使うようになるとどうなるのか?

NHKではバリバラの「ここがズレてる健常者」などが放送されている。またあさイチでも「発達障害特集」として発達障害の特性が報道されるようになった。もしも吃音のある人が「吃ることを避けるため友達言葉、タメ口を使うこともある」これが報道されれば吃音のある人も少し生きやすくなるのではないか。

一般常識として悪いこと、無礼なことだから、吃らないように常に注意しながら話すのか?吃ることがあって、そうならないように、吃音回避として「友達言葉、タメ口」になることもあるとカミングアウトしておいて、学校や仕事、日常生活で吃音回避に集中する時間をなくして、他のことに使えるようにならないか…と。吃らないようにすることに重きをおくより、この人吃音があって、たまに吃音回避で友達言葉タメ口になってしまうけど許してね程度がいいなと思うわけだ。



2017年10月16日月曜日

【紹介】12月7日 東京有楽町にて菊池良和医師の講演会(内閣府障害者週間連続セミナー)

2017年12月7日「新しい法律を活用した吃音支援 こどもから大人まで」2017内閣府障害者週間「連続セミナー」の紹介です。

吃音ドクターこと、九州大学病院の菊池良和医師が東京有楽町にくるようです。
詳細はコチラ

http://www.kokuchpro.com/event/seminarcao2017/

2017年10月4日水曜日

吃音者と働く 職場で吃音者の合理的配慮がうまくいかないのはなぜか?

吃音者雇用ガイドラインです。随時バージョンアップします。
2017年10月4日NHKのハートネットTVで私たちの就活 —吃音とともに生きる— が放送されます。こちらは吃音者が吃音を持ちながら一般枠就労を目指すという内容です。このような吃音者の選択も良いでしょう。しかし合理的配慮がほしいという吃音者もいます。合理的配慮をするから精神障害者保健福祉手帳を持っていてほしい。法定雇用率に計算したいという企業団体や行政機関の採用担当者もいるでしょう。今回の記事は吃音者と職場側の『吃音の認識の違い、情報が共有されていない』がゆえに起こる課題について取り上げます。




―――吃音者の就職活動、吃音者への合理的配慮はニュースになるなど意識が高まっています 検索ワードでも増加してきました しかし大きな課題があった!

吃音者と働く、吃音者と働きたいと考える、企業団体や行政機関が増えてきています。
ここで大きな課題がわかりました。

発達障害者の就労移行支援をする人、障害者枠の採用担当、特に発達障害者の採用担当や職場内での合理的配慮を考える立場の人から、こんな声がありました。

『吃音者がどれくらい吃るのかわからない。面接のときに、私どもります。配慮してほしいと言われて、面接官・採用担当部署もそれを「わかった」というのですが…。そのあとがうまくいきません。』

『採用したあとに吃音当事者が、思ったよりどもる。吃音が中度・重度だったことがわかったのです。これでは仕事になりません。どうしたらいいですか?』


これについて筆者は色々考えました。
なぜ、うまくいかないのか?

1.吃音当事者が言う「私どもるんです。吃音があるんです」
2.面接官、採用担当が考えるまたは知っている吃音のイメージによる「この人どもるんだ。吃音者なんだ。まぁでも面接でも普通に話してるし大丈夫だろう」
この1と2が100%一致していないからです。


吃音者の認識している吃音というそのもの。



吃音 ← ここに認識の違いが生まれることによりトラブルになる。



採用側、雇用側が認識している吃音というそのもの



―――吃音当事者が言う「私どもりますから合理的配慮してください」と面接官や採用担当部署が理解している「吃音、吃るというそのもの」がどういう状態か完全に一致していない


吃音者は「私どもります。吃音があるんです。」
面接官、採用担当「大丈夫ですよ。」
この段階で吃音者は全てが受け入れられたと思い込んでしまう。
面接官、採用担当は、今は上手く話せているからいいか。

そうなのです。
たとえば、発達障害者が就職活動をする場合、エントリシートや履歴書の中に、『私の取扱説明書』、『私はこんなことが苦手ですリスト』、『してほしい合理的配慮・助けてほしいことリスト』などを別途準備してそれを提出します。文書化して見える化します。2018年現在、就労移行支援事業所によっては、就労移行支援事業所、採用側、当事者の間で合理的配慮事項を決定した書類を印刷して保存するという場合もあります。後々の言った言わない問題の回避や採用側(官民企業団体)に採用されたあと上司や同僚に説明する場合に必要、上司が変わった場合、異動した場合などの情報引き継ぎに使うためにも書面化するということです。

発達障害者向けの就労移行支援事業所であれば、就労移行支援事業所の環境がすでに会社という状態になっている場所もあります。上司役の人が数名いて、そのもとで利用者さんが訓練をするという形です。ここでリアルな現実に適応した就労訓練を行います。そこで利用者さんが「自分は何が苦手?何が大変?今日は何を注意された?今度はミスしないようにどういう工夫やアイテムを使う?困ったときは誰に相談する?職場の同僚(他の利用者さん)とはどう接する?上司へはどのタイミングで話しかける?メールで?電話で?言葉遣いは?」という実体験をしながら成長していきます。

利用者さんは実際の会社や職場が再現された環境で、自分の得意不得意を知り、失敗や困難な状況になるまえに避ける方法、アイテムの利用、スマートフォンアプリなどの利用、詳細な順番を書き起こした仕事手順書の作成、困ったときはわからないときは自分で判断しない上司に質問する。報告連絡相談をするということができるようになります。

それでも難しい、失敗してしまう場合は、私の取扱説明書で、「こういう場合、私はミスしやすいです。疲れやすいです。私がこんな行動をしていたらパニックになっているかもしれません。声をかけてください」といったことや「集中したいのでこういう場合は声をできればかけないでください」、「私は一人が好きなので、食事は一人でしたいときもあります。付き合い悪いなと思わないでください」、「感覚過敏があるのでイヤーマフを使っています。ノイズキャンセリングヘッドホンをしています。怒らないでください」などなど色々文章化して、面接官や採用担当者、採用後に働く職場に情報共有します。


上に書いたこと。これが吃音当事者には存在していないのです!!
これが存在していないが故に、面接官・採用担当者、採用担当部署もその後配属される職場も【吃音者がどもった場合にびっくりする】、【思ったより吃音が酷くて仕事にはならない(辞めるように仕向けるということも)】ということになっているようなのです。


この課題を解決するには【吃音状態がどの程度なのか?】を文章に書き起こす必要があります。尺度も必要になります。医療では吃音検査法という尺度があります。しかし働く現場環境を基準にした再現したリアルの尺度は筆者の知る限りありません。医学上の診断では、職場という常にいろいろなことが起こるかもしれない環境は想定されていないからです。
また吃音状態で吃る時に吃る事・発話発語の困難さ以外にどんな外見上の変化があるのか?相手におよぼす影響についても文章にしなければいけません。


―――吃音のこと、吃音状態がでると発話発語がどうなるのか?何秒間吃るのか?合理的配慮とは当事者も相手も「個々の人間ごとに個別の事例ごとに話し合い、お互いに一致した状態」をつくらないといけない 『私どもるんです』→『わかりました』が1番あぶない

・どのくらいの秒数吃るのか?どんな場面が吃りやすいのか?
まずは1番重要なところです。
吃音当事者ごとのどのような仕事・職務で吃るのか?『吃る時間』の見える化が必要になります。
発達障害者の就労移行支援事業所でも吃音者の就労移行支援の中でストップウォッチをつかって、吃る時間の計測が必要になるかもしれません。

●どもることによりどうなるのか?こういったことを見える化文書化すると良いかも
・●●な場面で■■秒吃ります。▲▲秒無音になります。(いろいろな場面を想定して過去を振り返り、文書化すると良い)
これが雇用する側、採用する側が1番知りたいことです。
吃る場面ごと、どれくらいの秒数吃るのか?
そこまで吃るなら発話発語にこだわる必要ないよね。テキストやメールでのコミュニケーションも使ったほうがいいかもしれないと選択肢を考えることができます。

・吃りながら唾液を飛ばしてしまう
だから、職場内でマスクを着用したいと申し出る。

・吃るとき、敬語よりもタメ口、友達言葉を使ってしまうかもしれない
こうなってしまった場合は、怒らないでほしい。触れないでほしい。自分でも悪いという感情はありますと申し出る。

・会社名、人名、お客様の名前、薬品名、モノの名前など言い換えができないときは吃ることがありますと申し出る。

・吃るとき、手足や頭、首が不自然に動いてしまうかもしれない。
このほうが発話発語しやすいのです。それを怒ったり指摘しないでほしい。こうなってしまう時もあるのでよろしくお願いします。

・吃らないようにするため歩きながら話すことがあります。
職場内を歩きながら話したり、壇上でスピーチや説明するときにスティーブ・ジョブズ氏のようにあっちこっちに歩き回りながら話すことがあります。



―――しかし、吃音者が合理的配慮を求める、自分の取扱説明書などなどの書類を就活で提出するとなると、一般枠での勤務は難しい(または一般枠で働くにしても法定雇用率に計算したいから障害者手帳はもっていてほしいと言われる)、障害枠での採用になるのではないか?という場面も想定される

発達障害向けの就労移行支援事業所では当たり前の説明なのですが。吃音業界では全く共有されていない情報です。

就職活動には、障害をオープンにして働く「オープン就労」、障害を持っていることを完全に隠して働く「クローズ就労」の二種類があります。クローズ就労の人でも精神障害者保健福祉手帳を持っている人はいます。クローズ就労の場合でも通院、服薬、ソーシャルスキルトレーニング、発達障害特性により仕事をミスしないようにいろいろなアイテムやアプリを使い頑張るという人もいます。頼りになるのは自分自身ということになります。

※クローズ就労の人でも精神障害者保健福祉手帳を取得できることを考えると、吃音者も吃音が軽度でも精神障害者保健福祉手帳を取得できることがわかります。医師がどうやって申請書類を書くのか?吃音の困りごとを理解しているかが重要になりますね。


オープン就労の場合は基本的に障害者枠採用になります。ただし、職場では合理的配慮をしっかりしてくれます。

クローズ就労の場合は一般枠で働きますが、苦手なこと失敗しそうなことがあっても、全部自分自身で解決しないとなりません。弱みを見せることはできません。

発達障害向けの就労移行支援事業所ではオープン就労の場合の履歴書の書き方、自分の取扱説明書などの書き方について丁寧に教えてくれます。しかしクローズ就労の場合、障害や病気、苦手なこと合理的配慮してほしいことは書いてはいけませんと指導します。もちろん書いていいのですが、一般枠でこのような応募者があった場合不採用になるということを就労移行支援事業所はよく理解しているからです。(このへんは今後変化してほしいとは思いますが、現実はそう甘くないようです。精神障害や発達障害を発見する採用試験がビジネスモデルになっている現状もあります)


さて、ということは。
吃音者も『吃る時間・吃る場面』を克明に文書化した私の取扱説明書を提出するということになれば一般枠採用が大変困難になるのではないかということになります。しかし吃音者は障害受容ができない人もいますので、障害者枠を受け入れないという場面もあります。今後、障害者雇用をする企業団体、行政機関、障害者就労を支援する団体、就労移行支援事業所、障害者向け就活サイトなどが吃音者の実態を知り、どうしたらいいか考えることも必要になるかもしれません。


以上 この記事はバージョンアップします。


関連記事
全文テキスト化 私たちの就活 吃音とともに生きる ハートネットTV
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2018/03/tv.html

2017年10月1日日曜日

【番組紹介】10月15日 バリバラにて場面緘黙を放送

番組紹介です。
2017年10月15日(日曜)放送のバリバラにて場面緘黙が放送されます。
過去には2015年にハートネットで場面緘黙の放送がありました。
今回はバリバラですので、少しテイストが異なるかもしれませんね。

詳細はコチラ 
「知られざる場面緘黙(かんもく)の世界」
学校など特定の場面や状況で話せなくなる状態になる「場面緘黙(かんもく)」。不安障害の一つとされ、場面緘黙のある人は500人に1人ほどいると言われている。しかし、ただの“人見知り”と思われがちで、困っている事を伝えるのも困難なことから、周囲の理解を得られずに孤立している人も少なくない。番組にもたくさんの悩みの声が寄せられている。当事者はどんな生きづらさに直面しているのか、”あるある“エピソードやコミュニケーションの工夫などを紹介。周りはどんな風にサポートすればよいのか、考えていく。
http://www6.nhk.or.jp/baribara/next/

2017年9月27日水曜日

10月4日のハートネット 吃音当事者さんは顔出しなの?プライバシーは大丈夫なの?

10月4日放送のハートネットTVです。
吃音者の就活だそうです。
現在、ホームページを見てとても驚いているのと同時に心配なことがあります。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/index.html?id=201710042000

「顔出し」でやるのでしょうか?

「名前」は出すのでしょうか?

「仮名」なんでしょうか?

「音声加工」はするのでしょうか?

就活生を顔出しや名前出しで放送するのはリスクがとても高いです。
ハートネットTVは医療従事者や福祉従事者、支援者も見ますが。障害関連だと、官民企業団体の障害者雇用担当者、就労移行支援事業などに携わる人も視聴します。また、悪意を持って見ている人もいます。精神や発達障害者発見試験などを販売する人たちです。

もしも今回、吃音者の就活という番組に出る人が「クローズで就活」しているなら、絶対に顔出しや名前出しはダメです。リスクが高すぎます。

「オープンで精神障害者保健福祉手帳を取得している状態で就職活動するなら」それはまだマシかもしれません。

ただ、吃音以外の発達障害児者団体なら就職活動をする新卒学生がテレビ番組に出演するという場合に顔出し、名前出しについてはリスクの説明を当事者に何度も何度もします。まずはモザイクと仮名での出演をするようにと話し合います。テレビ局やテレビ局から委託され番組撮影をするスタッフもそういうことは理解していると思うのですが…。支援者も当事者を守るためできるかぎり個人がわからないようにしてほしいと働きかけるはずです。
今回「私たちの就活 —吃音とともに生きる—」という吃音当事者の就活番組が放送されますが。もし顔出しだとしたら、今からでも遅くないので、顔も服装もモザイク入れたほうがいいと思います。(可能なら音声も変更します)

吃音業界の支援者や支援団体は出演者に何も言わなかったのか?と心配になります。
発達障害関係の番組はできるかぎり当事者が誰であるかわからないように番組制作するのがセオリーです。

NHKハートネットであれば、ASD当事者など発達障害児者の番組を何度も報道しているのでそれはわかると思います。発達障害の当事者団体、保護者団体も当事者がわからないようにしてほしいとNHKハートネットの番組スタッフに伝えるでしょう。普段から発達障害関連の番組に携わっているNHKハートネットのコアスタッフもそこは理解しているはずです。それなのに現在ハートネットTVのホームページを見る限り、就活する吃音者は顔出しのように見受けられます。心配です。

NHKハートネットでも発達障害者向けの就労移行支援事業所を取材したときもできるかぎり当事者がわからないように撮影しています。普通はそういうものなのです。

吃音業界は発達障害業界と比較して、本当に情報が周回遅れです。
就職活動には「オープン」、「クローズ」の2種類しかない。ということが理解されていません。極稀にイレギュラーがありますが。原則としてオープンかクローズしかありません。発達障害者向けの就労移行支援事業所でも「オープンとクローズ」についてはとても丁寧に何度も説明します。オープンの場合、クローズの場合で履歴書、エントリーシートの書き方が異なること。オープンの場合は自分の取扱説明書などそれに準ずるものの書き方も指導します。

しかし吃音業界はまだまだそうなっていません。
今回のハートネットTVに顔出しででてしまい、あとで不利益があってもなんともいえません…。何事もないことを祈るばかりです。

2017年9月26日火曜日

【番組紹介】9月26日27日 NHK(Eテレ)で『自閉症アバターの世界 仮想と現実を生きる』が放送

メーリングリストで紹介されてきました。
今日、明日放送だそうです。




『ハイパーワールド:共感しあう自閉症アバターたち』(2017年3月刊、NTT出版、
2,808円)で書かれた自閉症アバターたちに会うために、著者・池上英子先生が全米
各地を旅してきました。その記録が、NHK(Eテレ)の「ハートネットTV」で、二夜連
続で放映されます。

2017年9月26日(火) 20:00~『自閉症アバターの世界 仮想空間の住人達』(再放送
は10月3日 13:05~)

2017年9月27日(水) 20:00~『自閉症アバターの世界 仮想と現実を生きる』(再放
送は10月4日 13:05~)

「インターネット上の3D仮想空間として誕生し、10年前にはバーチャルコミュニケー
ションの一時代を築いた「セカンドライフ」。SNS等の登場でブームは去ったもの
の、今もそこを楽園として居住している人々がいます。自閉症の人達です。
米国ニュースクール大学大学院の池上英子教授は、自閉症者には無いとされてきた他
人への共感性が、セカンドライフ内では豊かに存在する事を発見しました。
池上さんは、今回初めて現実世界で彼らの暮らしを知る旅に出ます。出会ったのは、
4人の個性的なアバター達。」(「ハートネットTV」での番組内容紹介より)

*) 『ハイパーワールド:共感しあう自閉症アバターたち』:「大人になった自閉症
の人は世界をどう見ているか。米国では約50人に1人いると言われる「自閉症スペク
トラム」の人たち。仮想空間で遭遇した自閉症の人々が語っていた内面世界は、情報
を過剰なままに取り込んでいる強烈な脳内景色、ハイパーワールドだった。「自閉
症」の社会史への深い洞察と、仮想エスノグラフィーから見える世界を斬新にリポー
トする。」( https://goo.gl/y4EQqP )

*) 9月26日放映の内容紹介は、https://goo.gl/ecHEgD
*) 9月27日放映の内容紹介は、https://goo.gl/AXtzyN

2017年9月21日木曜日

【保護者必見】NHKで発達障害関連番組再放送!!2017年9月22日0時ころから

吃音のあるお子さんの保護者。
吃音のあるお子さんが吃音だけじゃないかもしれないと考えている方。
吃音当事者の方。
吃音当事者で自分は吃音以外にも生きづらさがあると考えている方。


発達障害関連番組が一挙再放送されます。
NHKとNHK教育で2017年9月22日0時ころから再放送の情報です。
見逃してしまった人はぜひご覧ください。
おそらくNHK総合で一挙放送されると思います。
詳細はテレビの番組表をご確認ください。
深夜放送なので録画しておくことをオススメします。



■番組放送予定はこちら
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/

9月2日(土) ・9日(土) ・16日(土) ・23日(土) ・30日(土) 総合 夜11:25
「ハンク ~ちょっと特別なボクの日常~」
★学習障害の少年が主人公 イギリスの人気ドラマ
 5回シリーズ(一話完結)で放送!

9月22日(金) ※21日(木)深夜 これまでの番組を一挙アンコール放送!
① 9月22日 総合 午前0:10
 NHKスペシャル「発達障害~解明される未知の世界~」
② 同 午前1:10
 ETV特集「“いるんだよ”って伝えたい ~横浜・特別支援学級の子どもたち~」
③ 同 午前2:10
 ウワサの保護者会 「子どもの発達障害part4 どうする?進学・就職」
④ 同 午前2:40
 ハートネットTV「シリーズ 罪を犯した発達障害者の”再出発” 第1回 少年院の現場から」
⑤ 同 午前3:10
 ハートネットTV「シリーズ 罪を犯した発達障害者の”再出発” 第2回 出所、そして社会へ」

9月24日(日) 総合 夜11時
深夜の保護者会「発達障害 子育ての悩みスペシャル」
★「あさイチ」と「ウワサの保護者会」のコラボ特番
 保護者の悩みに徹底的に向き合います!

9月26日(火) Eテレ 夜8時
ハートネットTV
「自閉症アバターの世界① 仮想空間の住人達」

9月27日(水) Eテレ 夜8時
ハートネットTV
「自閉症アバターの世界② 仮想と現実を生きる」

9月27日(水) 総合 朝8:15
あさイチ「どう乗り越える? コミュニケーションの困りごと」

2017年9月20日水曜日

【番組紹介】10月4日 NHKハートネットにて吃音者の就活について放送 発達障害の部分は説明されるか?

NHK Eテレ、ハートネットTVの紹介です。

私たちの就活 —吃音とともに生きる—
2017年10月4日(水曜) 再放送2017年10月11日(水曜)
今年もスタートした就職戦線。社会に出る期待と不安に揺れる大学4年生。近年、売り手市場が続くなか、取り残されそうな若者たちがいます。吃音症のある就活生たちです。
吃音症とは、発声の際、第一音が出ない、繰り返す、引き延ばすなど言葉を円滑に話せなくなる症状。全世界の人口の100人に1人が吃音者であり、日本では120万人以上の吃音者がいると言われています。吃音は、その場の状況によって不規則に変化していき、家族や周りの人も理解しづらい上、本人すらもいつどこで吃るのか、わからないといいます。医学的にも、その原因や本態は分からず、完治も困難というのが通説です。
多くの吃音者が、自分の障害と正面から向き合わざるを得ないのが就職活動の時。言葉によるコミュニケーション能力が要求される面接は大きな壁となっています。言葉が円滑に話せないことで、コミュニケーション能力が不足していると判断されることも少なくありません。夢を抱くことよりも、吃音による障害が頭をよぎり、話すことの少ない職業を選ぶ吃音者も多くいます。
吃音への理解が乏しい状況で、生きづらさを抱えながら、社会に旅立とうとする姿を追いかけました。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/index.html?id=201710042000





吃音者の就職活動についてEテレが取り上げるようです。
多くの吃音者が、自分の障害と正面から向き合わざるを得ないのが就職活動の時。言葉によるコミュニケーション能力が要求される面接は大きな壁となっています。
と明記されているようにNHKが、NHKのEテレが『吃音を障害である』と表現するのはとても良いことです。今までの吃音業界では吃音が障害ではない障害ではないとしていた空気もありました。しかし吃音があって困っている人がいる。就職活動で悩む人がいるということになります。

ただ、放送まで気になるところがあります。
「吃音は発達障害者支援法に含まれており、精神障害者保健福祉手帳を取得することができると説明するのか?」
「放送では純粋吃音者だけを取り上げるのか?」
「ASDやADHDやLD、チックを持った吃音者も取り上げるのか?」
「吃音と発達障害は異なるんだ!彼らと彼女らと一緒にしないでという空気感で番組が放送されるようなことはないのか?発達障害児者の当事者や保護者が見て悲しくなるような内容ではないか?」

2017年、NHKは発達障害プロジェクトという名目で、ASD、ADHD、LDについては頻繁に多くの番組を放送しています。しかしチック・トゥレット症候群、吃音についてはほとんど取り上げていないように感じます。

吃音業界では「吃音と発達障害は違う」という差別主義者もおり、発達障害を持った人と一緒にしないで、あんな人たちと一緒だと思われたら困るという価値観が蔓延しています。このようなことが当日放送する番組で出てこないだろうか?という心配があります。

2017年7月29日土曜日

【吃音Q&A】吃音者は医療福祉従事者を目指すために学んではいけないのか?

Twitterから投稿の紹介です。
吃音当事者でありながら医療福祉従事者になるため、学校で学んでいる人の投稿ですね。
(または現在医療福祉従事者のツイートも含まれるかも?)

なかなか吃音や発達障害をもつ人が医療福祉従事者になるのは苦労があるようです。
発達障害当事者で漫画家の沖田☓華さんも看護師でしたよね。看護学校まではなんとかなって試験も通ったけど発達障害特性により実際の業務は大変だったと振り返っています。看護師の世界はコミュニケーション能力がとても重要視されるとか、女性が多いので女性特有の価値観や世界観が発達障害にはキツイとか、マルチタスク業務が多く発達障害特性でミスが多かったともいいます。

さて本題にはいります。

◆吃音当事者学生にこのように発言する教員がいるという現実

以前にもこのような投稿が…
看護師になりたいと思っても、吃音があると自分の夢を諦めないといけないのか?

このスピカさんのツイートを見て2015年、吃音を扱うライターの近藤雄生氏のツイートを思い出した。(https://www.yukikondo.jp/

北海道のこと

※Fusae氏は聴覚障害者とのこと Twitterプロフ→人生再構築に専心中。目指すは経済的基盤作りと安定就労。諸般の事情より2016年〜再起動中。Key word:聴覚障害者、保健師・看護師( 聴覚障害をもつ医療従事者の会URL http://web.jndhhmp.org  )、猫。投稿は主に私感と情報発信目的。所属組織等の公式見解ではありません。


◆吃音をもつ人が医療福祉従事者、教員など、国家資格に実習にいろいろ乗り越えるものがある場合どうすればいいのか?
まず最初に考えられるのは、その居場所、学校が障害、社会的障壁を持つ人に理解ある場所。障害者手帳や医師の診断書がなくても合理的配慮してくれるようなところです。これはレアケースです。

しかし、現実として、学校側が合理的配慮をすること、「その人の障害や社会的障壁にあわせて配慮してくれる」実習先を探すこと。これらをするために医師の診断書や障害者手帳を要求してくる場合もあります。大体の学校は最低限、診断書が必要といいます。障害者手帳があるとさらに心強いです。

今のところ、吃音に限らず、発達障害のある学生も同様ですが。学校が国公立。学校に障害学生支援室がある。学校に障害学生支援室も障害学生支援サークルがある。学校の講義に障害児支援、特別支援教育、福祉などがある。学校の教員に発達障害や特別支援教育界隈で有名な人がいて合理的配慮について理解があって熱心。合理的配慮に理解があって熱心な教員・先生がいるとその先生のネットワークを使って、実習先まで探してきてくれるという実例もあります。とても良い学校ですね。
以上に書いたようにこのような場合はかなり選択肢があると思います。

しかし、学校が国公立以外。学校の校風、教員やともに学ぶ学生の価値観が障害者差別の心、内なる植松(2017年7月25日からNHKが使ったパワーワード)がある場合は吃音のある学生。発達障害のある学生にはとても厳しいでしょう。学校側がその道に進むのを諦めるように、挫折するように仕向けてくることもあるかもしれません。

――どうしても学ぶ環境でアカハラ・危険・リスク・差別があり自主退学に追い込んでくる場合

こういう場合は素直に法律を使って対抗すべきでしょう。
障害者権利条約、障害者基本法、障害者差別解消法、発達障害者支援法があります。
一度、吃音者の団体や発達障害の団体に相談して、どのような方向性で行くか話あって慎重に行動する必要があるでしょう。


――吃音や発達障害があったけど、学校を卒業して、職務遂行をしている先輩は、何らかの形でその学校名や実習先を後輩に共有してほしい

吃音や発達障害があったけど今は現役で、その職業で働いているという先輩。
可能な限りで良いので、自分が卒業した学校名やお世話になった実習先、または今の立場を使って、後輩学生の実習先施設を探してあげるなど、力添えをしてほしい。

――学校を卒業してから職場で吃音や発達障害を理由に不利益を受ける場合
おそらく障害者手帳を持っていない、クローズ就労かと思います。
この場合、発達障害者支援法の第十条が有効です。(ただし、同時並行でコレ以外の手段も医師や支援者や支援者団体と相談しましょう。手帳取得や支援者に介入してもらう。弁護士とも相談など)

発達障害者支援法が改正されたあとの第十条はとても強いです。
簡単に説明すると、障害者手帳があろうがなかろうが(障害が職場に入ったあとにわかったなどでも)、『事業主は、発達障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の発達障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。』のです。

法律だと難しいですが。発達障害を理由(吃音を含む)にその人を排除するように、パワハラしたり、うつに追い込むとか、個々の発達障害特性によりできない仕事・失敗しやすい仕事に故意に配置転換して自主退職に無理やり追い込むとか、そういうことはできなくなったのです。(2017年現在、発達障害の書籍がとても多く、こういうことで困っていますというのは逆に悪用もできるため 困っている状況に追い込んで自主退職させるなど)


個々の発達障害者の特性に応じて、適正な雇用管理→発達障害があっても働きやすいように職場側が工夫する、理解する、話し合うなどです。これをしないで解雇の方向や自主退職するように仕向けると第十条を武器に裁判所で争うこともできます。

吃音の場合は、故意に話すことが多い業務につかせる。ゆっくり話すのを認めない、発話発語以外のコミュニケーション手段を認めない、発話発語を間違えても怒らない、いいやすい言葉をつかうため敬語が疎かになるのを怒らない、「吃音をもつ従業員がいます。発話発語でご迷惑をおかけしますが。何卒ご理解ください」などの説明書きや文章をお客様や患者様のいる場所に掲示しない。などなど適正な雇用管理をしない場合が想定できます。


発達障害児者の団体でも、発達障害者支援法改正後第十条を使った裁判事例が出てきたと報告があがっています。今までは泣き寝入りだったが、裁判事例では雇用側、事業主側が最大限の「適正な雇用管理」をしたのかどうかが重要視されるといいます。(それ以前、今でもそうですが、発達障害や吃音の書籍が多く流通しているために、『こういうことが苦手なんだな。逆にそれを利用して、苦手な業務に配置転換して能力不足による通常解雇にしてやる。または自主退職に追い込むぞ』という指南をする不逞の輩も残念ながら存在します)

(就労の支援)
第十条  国及び都道府県は、発達障害者が就労することができるようにするため、発達障害者の就労を支援するため必要な体制の整備に努めるとともに、公共職業安定所、地域障害者職業センター(障害者の雇用の促進等に関する法律 (昭和三十五年法律第百二十三号)第十九条第一項第三号 の地域障害者職業センターをいう。)、障害者就業・生活支援センター(同法第二十七条第一項 の規定による指定を受けた者をいう。)、社会福祉協議会、教育委員会その他の関係機関及び民間団体相互の連携を確保しつつ、個々の発達障害者の特性に応じた適切な就労の機会の確保、就労の定着のための支援その他の必要な支援に努めなければならない。
2  都道府県及び市町村は、必要に応じ、発達障害者が就労のための準備を適切に行えるようにするための支援が学校において行われるよう必要な措置を講じるものとする。
3  事業主は、発達障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の発達障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。


◆将来的には吃音児者団体がもっと情報発信をすること 吃音児者の人権を守ること
吃音のある人もでも色々な職業につけるように、学校に進学できるように吃音者団体が情報発信であったり、場合によっては当事者と一緒に戦うことが考えられます。発達障害児者の団体だと抗議声明を出したり、一緒に戦ってくれたりしてくれます。吃音児者団体がもっと政治や行政、社会に情報発信することも大切でしょう。吃音も発達障害も理解がある職場や先輩の働く事例、合理的配慮事例などの共有や発信も必要になります。

近藤氏がツイートした看護師を諦めたという女性も本来は在学中に医療福祉従事者や支援者や団体がバックアップに入る道もあったでしょう。発達障害児者団体なら経験豊富なので当事者からの申し出があれば動いたでしょう…。

◆Twitter界隈では吃音をもつ医療福祉従事者や教員を目指す学生が多いよう または現役 (関連ニュースも紹介)















2017年6月13日火曜日

2017年6月13日放送のNHKシブ5時で発達障害特集 仕事のできる人には正当な賃金を 栗原類さんが発言

2017年6月13日放送 NHKのシブ5時
17:35ころから発達障害特集が放送されました。

苦悩 小中学生の15人の1人?に発達障害の可能性 どのように向き合う
内容は5月21日のNHKスペシャルで放送されたものを短く編集したもの。
この放送に7000通の反響があったという。

発達障害当事者の笹森理絵さんが部屋を片付けられない。捨てる捨てないの判断ができないと語ります。片付けがしたくても集中できない。注意が他にむいてしまう。自分ではどうにもできない。「だらしなくてみっともない」と周囲から判断されてしまう。


次に感覚過敏のある少女のケース。
スーパーマーケットの業務用冷蔵庫の音。「キーン」「シャー」「ゴー」と聞こえてうるさいといいます。外では子どもの声がうるさく感じます。しかし定型発達者の有働由美子アナウンサーにはそんな音は聞こえないといいます。


スタジオには栗原類さんと信州大学医学部附属病院部長 NPOネストジャパン代表 本田秀夫さんが登場。栗原類さんは2年まえにNHKの番組で発達障害者であることをカミングアウトしました。
スタジオでは発達障害の説明があります。『発達障害は生まれつきの脳の特性である』と説明されました。とても正確な情報です。
残念ながら吃音やトゥレット症候群、協調性運動障害については説明がありませんでした。

ASD 自閉スペクトラム症は臨機応変さ人付き合いに困り事がある。
ADHD 注意欠如・多動性障害は忘れっぽい、片付け苦手、順序立てて考えることの困りごとがある。
LD 学習障害 計算 読み書きが苦手という。


栗原さんはADD ADHDと診断されたが。ASDの臨機応変や人付き合いの苦手はあるという。昔、はじめて診断されたときはLDもあったという。



5月21日に放送されたNHKスペシャルを見て7000通の反響があった。
当事者の母30代
息子は常に動き続け注意されてもすぐ忘れ自分で制御できないことが多々ある。
同居する祖父母は発達障害を知っている、伝えたのに「普通に育てればいいという」
その普通が息子にとっては苦痛なのに

というメッセージが寄せられた。


本田医師によると、一般の社会はある程度平均的な人が過ごしやすいようにできていますので、性格が極端な人にはすごしにくい。努力や訓練でどうしようもないもの発達障害だと難しいことが多くなってくる。病気を治す訓練や努力ではなく周囲が受け入れることが大切だという。



場面が変わって 感覚過敏の当事者の事例紹介
NHKスペシャルでも放送された定時制高校生の河髙素子さんの感覚過敏の困りごとになる。河髙さんは自閉スペクトラムの診断を受けている。子どもの声や冷蔵庫の音がとても聞こえすぎて苦手のようだ。有働アナウンサーは聞こえない。河髙さんは音の洪水にされされていると表現している。15分ほどしかスーパーマーケットにいることは耐えられないという。

河髙さんにはもう一つ苦手な場面がある。感覚過敏は人とのコミュニケーションにも困難をもたらす。場面は喫茶店に切り替わる。河髙さんは目の前にいる有働さんと会話をしたいのだけど有働さんの話す声よりも、周囲の音、他のお客さんの話している声、喫茶店の環境音そのものが気になって聞こえすぎてしまい聞こえないというのだ。

NHKは河髙さんの声の聞こえ方を視聴者に伝えるため聞こえ方のイメージを放送した。
(監修 NTTコミュニケーション科学基礎研究所 柏野牧夫)
このように喫茶店、ファミリーレストラン、居酒屋などで会話しながら食事やお酒を楽しむシーン。吃音者にもあてはまる人がいるでしょう。目の前の人やお隣の人と会話ができないことあるでしょう。他のお客さんの声、店の出入り口のドアの音や入店時メロディ、注文時の読み出し音、調理場の音、子どもがはしゃぐ声、赤ちゃんの鳴き声、食器の音、このようなものが聞こえすぎてしまい。満足に会話ができない吃音者もいるはずです。自閉スペクトラム症かもしれませんね。



河髙さんはさまざまな音が混ざって聞こえるといいます。
ロンドン大学で自閉症研究をするフランチェスカ・ハッペ教授(認知神経科学)によると
脳が出す指令が関係しているという。教授の仮説によると健常者、定型発達者は脳の司令塔が不要な音を小さくしているといいます。

しかし発達障害のある人は、音を選択して、自身が重要だと思う音に注目して聞く事ができないというのです。不要だと思う音のレベルを脳の司令塔が下げることができないというのです。

吃音もこのように「話せ、発話しろ発語しろ」というときに脳の司令塔が複雑な動き、混乱していて吃っているのかもしれませんね。DSM5が吃音を神経発達障害としているところはこのような背景もあるのかもしれませんね。




スタジオに戻る
栗原類さんも音楽が好きでアーティストのライブにいっても耳栓をして参加しているといいます。居酒屋で上手く会話できないエピソードも明かします。音が大きすぎて距離が近い隣の人と会話できない。居酒屋にいる他の人の話し声が聞こえてきてしまうといいます。


本田医師によると、みんながみんな発達障害の人が感覚過敏があるわけではなく。逆に感覚鈍麻の人もいるというケースを紹介する。例えば健常者定型発達者が回避できる危機回避ができない。やけどをしてしまうことが紹介された。



番組に来たメッセージ
当事者女性 40代
38歳のとき発達障害と診断され職場に報告したところ
「そのような特性があるなら事務系の仕事は難しい。あなたが異動できる部署はここにはない」説明され、結局退職するしかなかった。悲しくて悔しくてしかたありません。




松尾 剛アナウンサー
「これはでも職場の側に受け入れる理解があればなんとかなったのではないか。先生どうでしょうか」

本田医師
「そうですね。あの。事務系が全部無理ではない。その人の特性に合わせた仕事を与えることができればこの人も勤務することができたかもしれない」

栗原類
「とくにあの。会社とかに毎日いかなければいけない。こういのは発達障害の人は皆ができるわけではない。例えば週5で会社に行くのではなく1日だけ自宅で作業できるように。とくに今はインターネットや技術が進歩しているから、自宅で定型発達者と同様の仕事ができる。もっと在宅勤務を増やしてほしい」


※筆者補足
実は発達障害者支援法第10条の3【3  事業主は、発達障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の発達障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。】

これを使えば、発達障害者への不当な圧力と戦うことができます。
雇用主事業主は適切な雇用の機会確保、個々の発達障害者の特性に応じた適正な雇用管理をしないといけないのです。「キミにはうちの会社に仕事はないよ。どっかいけよ。辞めてくれると嬉しいな」なんていうことはもうできないのです。これは障害者手帳所持者でも社会人になってから発達障害が判明した人でも関係ありません。発達障害がわかった当事者が自主的に辞めるように環境を醸成することや。逆にその人が障害特性で苦手だろうと思われる職務に配置転換して能力不足による普通解雇をした場合裁判になります。発達障害者支援法改正後にこのような事例が徐々に報告されてきています。適正な雇用管理をせずに退職に追い込むとか普通解雇すると事業主は裁判で負けます。




場面が変わって発達障害当事者男性の勤務と上司のお話
発達障害の人を社員として採用している大阪のIT関連企業。
そこに障害者枠で勤める伊藤直さんのケースが紹介される。
自閉スペクトラム症の伊藤さんはコミュニケーションする際に定型発達者が具体的な数値を使い仕事の指示を出していることが紹介された。たとえば部屋の植物への水やりは適当にやっておいてではなく、コップに3杯の水をあげるという指示だった。曖昧な表現をやめて、具体的な数字で説明することが大切だとわかった上司のコメントがあった。

また、伊藤さんは集中力があり些細なミスや違和感に気づくので経理の仕事をしているという。仕事の緻密さは社内で高い評価を得ているという。


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栗原類
「いまいろいな企業団体で発達障害のある人の雇用が増えている。でもまだ足りない部分もある。発達障害の人でもできないことできることの差があるけれども、定型発達者と全く同じ仕事ができる人がいるのに、低い賃金である障害者枠給与のままというのはその当事者のモチベーションが下がる。当事者と会社側がもっと話し合って得意なことで活躍できるように。発達障害の人が活躍できるのは日本経済の未来に良い影響をあたえると思う。」

障害者雇用枠だからといって、障害者雇用枠でずっと簡単な仕事をしていればいいのか。スキルアップしない。キャリアアップが見れない職場で長く働けるのか。自立できるのか。モチベーションは保てるのか?

栗原さんの言葉はとても重いです。重要です。
発達障害者は精神障害者保健福祉手帳所持者です。発達障害のある人の仕事内容は簡単なものやスキルアップやキャリアアップが望めないものもあります。



ここでメッセージ
当事者の母 30代
今は発達障害の人が努力してなんとか社会にあわせて生きています。
でもどんなに努力を続けても十分ではありません。
障害のない人がある人に合わせる方が少しの努力で済むのではないですか?
多数派が少数派を受け入れる社会になってくれるとうれしく思います。


これは東京大学先端研で発達障害などを研究する熊谷晋一郎氏も頻繁に話すことです。
健常者、定型発達者がつくった「普通というルール」にマイノリティである発達障害児者が合わせるのではなくて、健常者、定型発達者が障害のある人、困っている人に歩みよってほしいということです。障害のある人に障害があるから血の滲むような努力をして障害を治す(手術、服薬、訓練)のではなくて、社会の側がもっと寛容な心で包摂するという意味です。これができれば栗原さんが述べたようにできる仕事、得意なことをやる時間が増えるかもしれないですよね。



本田医師
「とても重要な事です。人は必ずしもみなが同じではない。必ず色々な領域で多数派と少数派がうまれる。多数派の人は自分が簡単にできることをできない人がいるとついつい上から目線になって心無いことをしてしまう。少数派の人は多数派の人から見えないのでついつい無視されがち。少数派の人たちも一緒に何かをやれるためには多数派が視線をひろげて気づいて一緒に生活できるよう環境を考えるようになればと思いますね」


松尾アナ
「先程の指示の仕方についてですけども(具体的な数値として発達障害当事者に伝える)そこに視点を定めて、それをスタンダードに定めれば、もっと働きやすい仕事になりますよね」


栗原類
「先程も申し上げたように。テクノロジーの進歩で皆が働きやすい。たとえば伊藤さんのようにデスクワークができる人は、会社にいかずとも自宅でできるように配慮してくれるようになれば、そういう企業が増えれば変わると思う」

以上


栗原類さんがかなり発達障害のことを勉強していて驚きました。
自分のことも1つの例。他にも発達障害の人は1人1人異なることを説明したことはすごいと思いました。現代社会のテクノロジーの進歩により、会社や職場にいなくとも仕事ができるのではないかと踏み込むところや、仕事ができる当事者には正当な人事考課をして給与をあげてほしい、一般枠と同じことがこなせるなら評価してほしいなど。かなり踏み込んだ発言をしていたと思います。栗原類さんはこれからも活躍してほしいし、色々な発達障害のことをもっと伝えていってほしいと思います。

番組内では発達障害児者が、健常者、定型発達者の作った普通というルール、価値観に合わせるのではなく、健常者、定型発達者側が障害者を知って少し歩み寄ってほしいというのもとても印象に残りました。医学モデルではなくて社会モデルですね。こういった考えがもっと広がるといいですね。