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2019年5月12日日曜日

【吃音Q&A】吃音のある人の就職活動ガイドライン 吃音者はなぜ就職困難者が多く、一方で成功している吃音先輩は後輩を助けないの?

この記事は随時更新していきます。

人事担当、就労移行支援などに所属する方、行政の方、支援職の方で吃音についてもっと知りたいという場合は
こちらから連絡をお願いします → https://kitsuonkenkyuguideline.jimdo.com/


吃音至上主義(きつおんしじょうしゅぎ)という一部の吃音当事者や家族、それに携わる医療従事者や支援職、教員がもつ差別主義思想についてはこちら
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/12/blog-post.html



記事本文

吃音のある学生、大人の就職活動…。
テレビ、新聞、ラジオ、書籍と幅広く吃音が扱われています。
書籍やドラマ、アニメ作品などでも「吃音をもったキャラ」がそこそこ登場してくるようになりました。

――― 1 吃音のある人の生き辛さ、就職活動を扱った番組の紹介


2017年にはNHKハートネットTVで(残念ながら貴重な映像やテキスト書き起こしが
消滅しています)
https://www2.nhk.or.jp/archives/chronicle/pg/page010-01-01.cgi?recId=0001000000000000%400000000000000000000000-51-162700000000000000000000

2018年にはAbema TVで。
https://www.huffingtonpost.jp/abematimes/stammer-20180613_a_23457526/

テレビ東京系列では 2019年3月30日(土) 27時45分~28時15分に。
https://www.tv-tokyo.co.jp/broad_tvtokyo/program/detail/201903/17690_201903302745.html

日本テレビ系列では 2019年3月3日(日) 24:55に。
http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-126.html


一方でそれらの放送を見た人が吃音のある人達の就職活動の仕方に疑問もつ人もいます
https://anond.hatelabo.jp/20171012000353


――― 2 吃音のある人はなぜ就職活動で失敗するの 一般枠でカミングアウトするの?

吃音のある人、新卒就職活動をする学生、既卒の大人。
どうやって就職活動をしますか?
2020年現在、新型コロナウイルスが世界に暗い影をおとしています。
2020年4月、2021年4月採用の新卒就活はすでに各種新聞やテレビで報道されているように、内定取り消しや新卒採用を行わない、人員整理を検討等の情報が出てきています。
吃音当事者さんで一般枠と障害者枠のダブル新卒就活を真剣に考えている人もいるかもしれません。ダブル新卒就活は選択肢としてアリです。一生に一度の「新卒カード」使える選択肢をすべて、手持ちのカードを使い切って望むか。障害者は嫌だ。精神障害者保健福祉手帳は嫌だ。発達障害と呼ばれるのは嫌だ。というかたは仕方ありませんが。障害受容のできている吃音当事者さんは頑張ってください応援します。



就職活動には5種類あります。
イ 障害や病気、難病をカミングアウトせず、告白せずに一般枠で就職活動をする場合
ロ 障害や病気、難病をカミングアウトして、障害者枠で就職活動をする場合
ハ 特別強力なコネを使い一般枠や障害者枠で就職する方法
ニ 自分で起業して働く方法
ホ 一般枠なのに吃音カミングアウトしてしまう 

1に書いた吃音を扱った番組でも、数人の男女が「一般枠の就職活動において、エントリーシートや履歴書、面接で吃音当事者であることを伝えています」
しかしこれは一般枠採用では許されません。許容されません。
合理的配慮を行うにあたり、採用、雇用する側に「法定雇用率に計算できる」というメリットがないからです。一般枠採用で想定されている100%の職務内容を遂行できない可能性がある人を一般枠で採用したくないのが本音と建前の世界なのです。

吃音があるとカミングアウト、告白してくるなら「法定雇用率に計算したいので障害者手帳を持ってきてほしい」というのが雇用側の思惑、これがセオリーとなっています。

一方で、発達障害のある人を支援する就労移行支援事業所でしっかりと、「採用、雇用する側は法定雇用率に計算したい」という本音と建前を当事者が教えてもらい『児童、学生時代は自分がお金を払っている側、お客様だったので合理的配慮を受けやすかったこと、一方的な過度過重な合理的配慮でも通用することがあったなど』の事例裏事情を知ります。

『しかし、働いてお金をいただく立場、雇用される立場での合理的配慮は過度過重な合理的配慮が実現されないこと。合理的配慮は【双方の話し合いで実現できることできないことが話し合われ落としどころを確定すること】合理的配慮を当事者、雇用する側、就労移行支援事業所との3者間で書面化すること』などが、吃音業界ではほとんど浸透していないのです。

そうとは知らず玉砕していく、就職活動に失敗する吃音当事者がいることになります。

――― 3 吃音当事者先輩の就職活動実体験、体験談文集、体験談を集めた書籍を信じてしまい一般枠で吃音カミングアウトを繰り返す吃音者がいるのはなぜか?

吃音当事者がなぜ、一般枠で吃音をカミングアウト、告白して就職活動をしてしまうのでしょうか?

これはシンプルな答えです。
発言力のある、社会的に成功している吃音者当事者先輩たちの体験談や講演内容を信じてしまうからです。このような成功体験を吃音当事者の子ども、学生、そして家族保護者が信じてしまうのです。自分も同じことができるはずだ。うちの子どもも同じことができるはずだ。発達障害業界でも一昔前は似たようなことがありました。それを未だに吃音業界は実行しているのです。そもそも人間は一人ひとり異なるというシンプルな視点が欠落してしまっているのです。

※社会的に成功している吃音者とは
これは国公立大学を卒業している、有名私立大学を卒業している、医師、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、教員免許、言語聴覚士、公認心理師、一部上場企業で働く、地方公務員として働く、国家公務員として働く、準公務員として働く、研究者として働く、自分で社長をやって経営しているなどなどのメンツです。

社会的に成功している吃音者当事者先輩たちは、就職活動で困っている吃音当事者後輩を助けるでしょうか? いいえ。助けません。就職活動で困ってる後輩を堂々と切り捨て、見捨てます。そして、「私は堂々とどもって仕事をしてる、私は吃らないように方法を編み出した、私のようにやらないからだ、私のように勉強しないからだ、私のように努力しないからだ、私は結婚している、私は子どもが孫がいる、私はマイカーを数台持っている、私は自宅やマンションを購入している、私は 私は 私は自慢話、etc etc 成功体験ばかりを延々とエンドレスリピートされます」こんなひどい仕打ちをしてきます。

社会的に成功している吃音者のみが参加できる、スタッフとして活動できる「小学生、中学生、高校生、大学生を対象にした吃音団体もあります」

ここの運営手法が秀逸なのは、メーリングリスト上で「Aさんは国立大学に進学しました、Bさんは私立大学に進学しました、Cさんは医学部に入学しました、Dさんは言語聴覚士になりました、Eさんは学校教員になりました、Fさんは公務員になりました、Gさんは東証一部上場に正社員として働くことになりました、Hさんは研究者になりました、Iさんは結婚しました子どもができました」と実名でどこのだれが、どこの学校に進学したか、どの企業に採用されたか、どのような国家資格を取得したのか、どこに所属しているのか。これらをメーリングリストに毎回毎回流してくるのです。吃音当事者間で『ヒエラルキー形成、マウンティング、格付け』が行われていることになります。
(もちろん参加しているスタッフの中には特に医療従事者などの資格を持つスタッフは、これが異常、オカシイことであると気づいている人もいるでしょう。なぜマウンティングするのか、なぜヒエラルキーを生むようなことをするのか、と気づいているけれどそれを指摘できないという状態に陥っているかもしれません。その場合は、まず、時間が経過するのを待ちましょう。先輩方も人間という生命体ですからいずれは引退していくことになります。若い世代や新しい価値観を持った人が増えてくれば変化します。すぐに変化させたい場合は、別に新しいグループや団体を作ってもよいでしょう。)

そして最終学歴卒業後に、就職できなかった吃音当事者、ひきこもりニートになってしまった吃音者当事者、社会的に地位の低いとされる職業や非正規職員として働く吃音当事者が『小学生、中学生、高校生、大学生を対象にした吃音団体』に参加しにくい雰囲気つくり、空気を醸成していくのです。本当に困っている人はその場に行くことが苦痛になったり、気分が落ち込んだり、自然とフェードアウトしていく仕組みが作られているのです。恐ろしいことです。こういうものも 吃音至上主義 です。

本来、精神障害、発達障害、身体障害、知的障害に関係なく、どのような人も参加できる、安心安全な当事者会、親の会、保護者会、全国団体であることが望ましいです。
しかし吃音業界は安心安全な会の運営という意識が欠如しているのです。


そして就職活動がうまくいかない後輩のために、自分が所属する組織、企業団体の人事担当、人部を説得してくれるなんてことはしません。

『私の働く「・・・・官民企業団体名・・・・」は吃音があっても働けるよ、人事を説得したら応募しておいで』という篤志のある素晴らしい吃音当事者先輩は存在しません。みなさん。『自分はこうだった。私はこうだった。キミもできるはず。努力しろ。勉強しろ。乗り越えろ。吃音を治せ。吃音を治すな』などなど自慢話ばかりです。本当に優れた先輩なら困っている後輩吃音者を助けます。でも「私の就職体験」などの自慢話で終わることが多いです。

精神科医師、社会福祉士や精神保健福祉士なら誰もが直感で『これは価値観の押しつけだ、パターナリズムだ、バイスティックの7原則が守られていない。』とわかるわけです。成功している人も、成功していない人も、それぞれが別人格でひとりひとり異なり、支援方法は完全に異なること、過去の事例で似たようなことがあったから、今、相談支援している人も似たような内容でいいやではなく、しっかりと当事者と向き合い個別の支援計画を考えるわけです。


また、吃音業界に所属する医療従事者は「吃音のある人に対して、学校に行くこと、就職することがゴールである」という価値観を持ってしまっている人もいます。精神科医師、そこに隣接する社会福祉士、精神保健福祉士ならそういう強制、強要、価値観に誘導するということはありません。これも吃音業界の不思議な部分です。「今の安定した生活を継続する」という選択肢は出てきません。学校に行かせること、就労させることがゴールになっているのです。

成功している吃音者が困っている後輩の吃音当事者「就職できないよ。どうしようどうしよう」とテレビ取材などに出演しても『よっしゃー、俺が、私が働いている会社に来い! 人事部を説得したぞ。一般枠採用だぞ! みんなうちへこい!』とならないのは、そもそも吃音があって成功していると成功体験を発表している当事者は『実際のところ所属組織において吃音があることをカミングアウトしていない。堂々とどもっていない、どもらないように話しているのではないか? 後輩吃音者にカッコつけるために創作を発表しているのでは』と思います。吃音に限らず障害当事者のコミュニティではまぁまぁあることです。カッコつけたい。評価されたい。など理由があります。

本当に堂々とどもってカミングアウトしているならば、マスコミ取材で吃音が扱われれば、堂々とどもって働いている吃音者がいる企業団体が、それらを情報発信するはずです。先進的な企業としてバズるはずなのです。そして何よりも、就職活動で困っている吃音当事者が『ありがとう先輩! このXXXと企業は組織はすごいですね』となるはずですし。インターネット上に『どもりまくってOK、一般枠採用でOK、法定雇用率なんて知りません!』という企業団体がリスト化されても良い頃です。しかしそういうモノは一切出てこないのです。


――― 4 自他分離をしっかりしよう 吃音当事者も保護者家族も 自分は自分、私は私、あの人の事例はあの人個別の事例だと認知を改めましょう そして使える選択肢、カード、機会を堂々と使っていきましょう 吃音至上主義という差別主義にも気をつけて

自他分離という言葉を知っていますか?
自分とそれ以外の人は、異なるもの、自分と他の人は違う人です。
しかし自他分離ができていないと、「自分が考えていることは他人も同じように考えている。自分も同じことができるかも。相手と自分自身の境界線が曖昧になる」などのことです。これができていないと、成功している吃音者先輩に自分もなれる。成功している吃音者先輩のように私の吃る子どもも将来絶対に成功する、幸せになると勘違いしてしまう可能性もあります。自他分離ができていないと誰かにコントロールされたり、誰かをコントロールしてしまうこともありえます。

人間という生命体は生まれた国家や保護者、保護者の裕福さ、生活レベル、学校に行くことができたか、できないか、イジメを受けたか、受けないか、不登校になったかならないか、ひきこもりになっているか、なっていないか etc etc

生まれ育った環境や成長過程で関わってきた人間関係、保護者家族が裕福なのかそうではないのか? 更に保護者家族、親類縁者の精神障害や発達障害へのイメージがどのようなものか? 障害のある人はかわいそうな人なのか? などなどの価値観によって大きく変化します。

自他分離ができていないと、「特別に、その人だから、その人が生まれた家だから、その人が育ってきた環境だから、その人が出会ってきた人間関係……略」そういう条件があったという客観的な認識ができず、その人のその環境、親の収入、その人間関係、……だからこそ成功した吃音者になれたということが理解できず。なぜか自分も成功した吃音者になれると思い込む勘違いすることになるのです。さらにそこに吃音至上主義による障害者やマイノリティへの差別の心があれば、それも受けれ入れてしまうでしょう。

吃音のある当事者の保護者にも東証一部上場企業の役員に名前を連ねている人もいます。こういう場合はその保護者が「吃音を持った子どものために、不労所得を獲得できるように不動産や株式証券をのこすために準備している裕福な保護者さん」、「転入や学部変更などを駆使し何度も大学や大学院(果ては医学部にまで)に通わせる裕福な保護者さん」という事例まであります。これは保護者がお金持ちの場合ですね。保護者がお金持ちの場合は、飛行機や新幹線を頻繁に使って、吃音を診療する病院として有名な国立障害者リハビリテーションセンター病院に通わせるというゴリ押しもできます。

一方で収入が平均程度、または貧困と呼ばれる家庭では吃音の専門病院に通わせることも困難です。たとえば、吃音が発症してからXヶ月いないに、「●●●●プログラム」を使えば、将来的に子どもの吃音が回復、改善、完治するかもしれないという「その選択肢を、そのカード」が保護者の収入格差によって選択できない可能性もでてくるでしょう。2019年以降は、『親、保護者の収入格差により、吃音を治してあげることができなかったという十字架を一生背負って後悔していく親、保護者がでてくる』可能性もあります。お父さんお母さんが貧乏だったから、子どもに使えたはずの選択肢を提供することができなかった。という十字架です。これも自他分離がしっかりできていれば客観的に考えることができます。病院がなければ自治体や議員にマスコミに申し出る。たとえ吃音が大人になっても継続したとしても、社会保障制度、障害者手帳制度を使おう、使うことは恥でもステイグマでもない。人間という文明社会で使える制度や仕組みを使って生きていこうと考えることができる可能性が高まります。


これらの課題を解決するために、吃音当事者も、吃音のある子どもの親、保護者は既存の吃音当事者団体、吃音業界の団体に入会所属するよりも、既存の大きな発達障害当事者団体、親の会、保護者の会に参加して、発達障害種別による差別、人権の優劣といった吃音至上主義を無くしつつ、発達障害のことも理解して、吃音のことも理解して、お互い協力して「困っている人の権利擁護」を行っていくだと思います。例えば前述した、親保護者の収入格差により病院に通わせることができない場合は、発達障害者支援法(専門的な医療機関の確保等)
【第十九条 都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、前項の医療機関の相互協力を推進するとともに、同項の医療機関に対し、発達障害者の発達支援等に関する情報の提供その他必要な援助を行うものとする。】
に基づき、都道府県レベル、自治体レベルで要望要請書、地方議会で質問してもらうことなどにより問題提起していくことが重要になります。マスコミにも取り上げてもらいましょう。

繰り返してクドイですが自他分離は大切です。
吃音のある子ども、学生、家族保護者は
『無意識のうちに、成功している吃音当事者先輩に僕も私もなれる、うちの子どもも将来は医者や弁護士や公務員、一部上場企業(略)に就職できる!! 精神障害や発達障害、知的障害を持った人は不幸、かわいそう、吃音のある人はそんな人、あんな人たちと一緒になってはいけない、されてはいけない』という価値観を植え付けられていくことになりかねません。自他分離をしっかりしていきましょう。


しかし誤った吃音への価値観、障害者への差別の心、障害者はかわいそう、障害者枠は給与が安い出世ができない、障害者として生きるのは恥である、税金を食いつぶす側になってしまうなどの偏向した価値観をもってしまうと「堂々と一般枠で吃音を持っています!とカミングアウトすること」にもつながります。

本来なら、新卒障害者枠採用という一生に1回だけつかえる、貴重なステータスを使えたかもしれない、その機会を利用できずに、就職できなかった状態で学校を卒業してしまう人もいるのです。


――― 5 吃音のある人、子ども、学生、保護者、家族は消費者庁の解説をよく読んでみよう

吃音のある人は本当に頭が良いのか 社会的に成功した人になれるのか?

吃音業界の不思議の1つに。
吃音のある人は、天才 秀才 優秀 頭の回転が早い すごい先輩がいる論があります。

とくに吃音のある子どもやその保護者向けに「吃音のある子どもはこんなに優秀なんです。安心してください。吃音のある人は優秀です。私は吃音があるのに社長になった。私は吃音があるのに営業トップ成績だ。私は吃音のある人はみな頭の回転がよく優秀な人多いと思う」などなどを表現する吃音当事者、吃音先輩は本当に厄介です。医療従事者や言語聴覚士がこのようなことを言っている場合は本当に事態は深刻です。発達障害業界の精神科医師や言語聴覚士であれば、まずこのような無責任な発言はしません。

吃音を持った人にはとても優秀な人がいる。

総理大臣、議員、王族、医師、弁護士、経営者、取締役、一部上場企業勤務、国家公務員、地方公務員、言語聴覚士、エンジニア、航空自衛隊のパイロット、海上自衛隊の潜水艦乗組員、消防員、救命士、学校教員、精神保健福祉士、社会福祉士、スポーツ選手、レーサー、芸能人、音楽家、表現者――などなど。


こういう偉大な先輩達がいますよ。という説明は本当に困ったものです。

これは吃音以外の発達障害でも全く同様です。

歴史上のあの人物は発達障害があった、2019年現在生きているあの人も発達障害だ。

あの経営者も、あのエンジニアも、あのハリウッドセレブも、あのひともあのひとも(以下略)

だから僕も私も、うちの子どももきっと天才に違いない。有名な人になれるはず。

幸福な人生を送ることができるはず。高い収入を獲得できるはず。

これも結局は自他分離ができていないことになります。

たしかに一時(いっとき)だけはその言葉、その表現に安心する当事者、その家族はいるかもしれません。しかし本当にそうでしょうか?

豊島区にてホームレス支援をするNPO法人があります。

ここの職員さんの話として、「路上生活者をしている人の中に吃音の人がいましたよ。吃ってました。昔は工場やトラック運転手として働いていたそうです」ということでした。

不思議ですよね。吃音のある人のエピソードでは全く出てこない事例です。路上生活をする吃音者、トラック運転手や工場で働く吃音者。みなさんは聞いたことあるでしょうか?

別の事例として、ひきこもり歴ウン十年で父母の年金で暮らすひきこもり当事者の中に吃音のある人がいるという事例もあります。8050問題として今後、報道もされてくるかもしれません。もしも8050問題の当事者とその父母の中に「吃音で困っている人が出てきたら」既存の吃音業界はどのような反応をするのでしょうか? 「うちの団体にこなかったのが悪い、ひきこもっていたのが悪い、だからそんなことになったんだ!」と平然と切り捨てるでしょうか??

実のところ吃音のある人はいろいろなところにいます。たまたま吃音業界の、吃音当事者会に参加できている人がいる一方、そこには参加しない人、または吃音とは別の当事者会に参加している人もいます。精神障害、発達障害を持った人、知的障害を持った人の中にも吃音を併存している人もいます。

―― 吃音のある当事者、吃音のある学生、他の人の体験談を吃音当事者や家族が聞くときはどうしたらいいの?

これはとても重要です。

消費者庁が行った 「打消し表示に関する実態調査報告書」https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170907_0003.pdf があります。



この報告書の中に興味深い表現があります。

テレビやラジオ、インターネットでの通販でよく使われる文言です。

下記の説明を「吃音のある先輩学生、吃音のある先輩、吃音のある社会的に成功している人の話を聞く場合」に思い出してください。体験談集という文書、講演会、親保護者に体験談を聞かせる場合、以下のことを思い出してください。これも自他分離の1つです。



・消費者庁の解説から

体験談型 体験談に関する 注意書き 楽しく ダイエッ ト!! 毎日すっきり起きて、 体重が5kg減り、着られ なかった服がぶかぶか になり、周りからほめら れるようになりました。 



・「個人の感想であり、効果には個人差があります」 ・「個人の感想であり、効果を保証するものではありません」 ・「個人の感想であり、 効果、効能を表すもの ではありません」


非保証型 (体験談を記述 せずに、)効果、性能 等には個人差がある旨や、効果、性能 等を保証するもの ではない旨を述べ る注意書き 10 時間効果が持続!! 



・「結果には個人差があります」 ・「気持ちを表すもので、効果効能を保証するものではありません」



――― 6 吃音のある人はどうやって就職活動をすればよい?

「2」でこのように説明しました。


就職活動には5種類あります。
イ 障害や病気、難病をカミングアウトせず、告白せずに一般枠で就職活動をする場合です。
ロ 障害や病気、難病をカミングアウトして、障害者枠で就職活動をする場合です。
ハ 特別強力なコネを使い一般枠や障害者枠で就職する方法
ニ 自分で起業して働く方法
ホ 一般枠なのに吃音カミングアウトしてしまう

まず吃音当事者で就職活動をする人は「一般枠なのにカミングアウトしてしまう」というとてもリスクの高い行動をする人がいます。これは前述したようにさまざまな吃音業界独特の価値観、差別意識、自他分離の欠如、先輩の話を鵜呑みにしてしまう・自分も実現できると思い込む・そのこだわりを変化させることができなくなる、安心安全な会運営ができないなどが関連しています。

発達障害のある人を対象とした就労移行支援事業所では。
まず、イとロの説明をします。これが今現在の日本で実行できる就職活動だからです。そして稀ですがハを使える人もいます。ホは発達障害当事者でも難しくあまり事例はありません。そして可能であれば一般枠と障害者枠の両方で就職活動することを助言してきます。当事者しても一般枠と障害者枠両方で就職活動をすれば可能性が高くなるからです。一応就職活動が解禁される半年前には障害者手帳を取得しておいた無難です。医師、病院とよく相談したり、学校のキャリア支援室、学生支援室、障害学生支援室などと話しあいを重ねましょう。

さらに、エントリーシート、履歴書、「私の取り扱い説明書、私の障害特性説明書、私の障害説明」などの書類の書き方も就労移行支援事業所では教えてくれるので、吃音のある当事者はこういった書類の書き方も勉強することが大切になります。

なぜ日本では「イとロ」が一般的なのか?
これは「一般枠で働く場合、一般枠で成し遂げてほしい、こなしてほしい職務、業務が決められているからです、それに対しての対価として給与を支払うのです。」この場合、はっきり言うと、「吃音でうまく話せません、合理的配慮を希望します」と伝えると企業側としては、こなしてほしい職務、業務を実行遂行できない人には「ご縁がなかった、お祈り、貴意に添えないなど」不採用されてしまいます。応募してきた人を一般的で採用難しい場合、だけども人材としてほしいという場合は非公式な手段で「障害者枠で応募しなおしてくれないかな?」と天の声が聞こえる場合もあります。

「ロ」の重要な部分は、当事者のほうは「これらの合理的配慮を希望する」、そして雇用採用側は「私達が提供できる合理的配慮はココまでです」という話し合いが実現できるかどうかです。

吃音業界の医療従事者や支援者が勘違いしていること、よくある勘違いとして、給与をもらう立場になっても合理的配慮は100%実現される!! と認知している方々がいることです。これは障害者差別解消法が雇用される採用されるときにも完全に再現されるという間違った認識をしているからだと思います。後述のように学校であれば、お客さまの立場であればこれは可能です。しかし給与をもらう場合、働く場合は、【障害者雇用促進法】の重大なキーワードである「話し合い」が必要とされます。一方的な合理的配慮要求をする、吃音があるのに話す仕事、話す業務職務にこだわると採用、雇用側からお断りされることもあります。

障害者雇用促進法の合理的配慮指針
 厚生労働省の説明
 
 ウェブ・サーナの解説

『児童、学生時代とことなり学校側に授業料を支払う立場ではなく、官民企業団体で働く場合は当事者がお金を給与をもらうことになります。この場合の合理的配慮は働く側と採用側、そして就労移行支援事業所やジョブコーチ、その他の支援機関や支援者で話し合って落とし所を決定することができるか? 双方が話し合いどこまで合理的配慮が実現できるかを確定させることが必要になります』このあたりは、リタリコさんが合理的配慮ハンドブックを公開しています。

例えば身体障害の場合はハード面の支援、スロープ設置や設備を変更する、職場内も出入り口に近い席にする、と物理的な支援、合理的配慮で済むことが多いのですが、発達障害、吃音の場合は、当事者ごと、ひとりひとりの症状の特徴、障害の程度により、ことこまかく、個別に合理的配慮について考えることになります。そしてそれが採用雇用側が実行できるのか、実現できるのか。の話し合いになるわけです。

発達障害という障害はコミュニケーションの障害と言われるように、「発達障害当事者と誰か一人以上の人間と読む、書く、聞く、話すというコミュニケーションをする場合に何らかの困りごとが出てきます」

定型発達者(健常者であれば)、「あーあれね。あの話ね。今日の会議で話したこと、結論はこうだった」とあれやこれやそれ。空気、最終的にはどの方針に決定したか? などを理解することができます。発達障害者の場合はこれらが特徴特性によりうまく認識できない人や認識するのに時間がかかる人、間違った認識をもったまま仕事をしてしまう事例もあります。

吃音の場合は(どもることによる発話発語の特徴特性のみに限定すれば)、「相手とのコミュニケーションに、時間経過、相手の時間を使う、相手の時間を奪ってしまうことが想定されます」 こちらは別記事にまとめましたのでこちらをご覧ください
→ 【吃音Q&A】吃音は発話発語の障害 そして相手、聞き手の時間を奪う障害 吃音者への合理的配慮 障害者雇用か一般枠雇用か?

相手に時間を多くとってもらう、聞いてもらう(吃音があるから最後までどもりながらも話し続けさせて → 過度過重な合理的配慮になりかねませんが…)ことにより、相手、職場の同僚、取引先、一般消費者とのコミュニケーション時に発生する総合的な時間が定型発達者よりも多く時間が必要になるのです。 とくにNHKのプロフェッショナル 仕事の流儀「真夜中の東京スペシャル」 は吃音のある人が合理的配慮を希望した場合難しい場合が理解できます。

たとえば生命の危機、命のやりとりをする仕事、業界、専門職の場合は吃音による『吃る時間』は重要になります。ERや緊急手術、ドクターヘリ案件、銃火器をつかう可能性がある職務、緊急車両が通過しますアナウンスをする職務、他国の航空機や船舶と緊急事態になる可能性がある職務です。 1分1秒で「誰かが死ぬ、患者が死ぬ、自分が相手に発砲されて死亡する可能性、自分が相手に発砲しないと自分が死亡する可能性、所属不明機に呼びかける場合、航空管制官、緊急車両が通過する、交差点に入る、反対車線を走行するなどなど」こういう1秒単位で刻々と状況変化する場面で『吃音の合理的配慮として、どもりながら話したい、どもっても最後まで言わせてほしい』というのは過度過重な合理的配慮になります。吃音を合理的配慮するために、事故がおこる、誰かが死ぬ、自分が死ぬ、市民が死ぬ、相手が死ぬというのは大変なことだからです。

吃音当事者先輩の中にも吃音があっても命のやりとりが行われる職務、業務に携わっている人も実際のところ存在しますが、今までは大丈夫であったとしても今後悲しい出来事が起こることもあるかもしれません。


――― 7 精神障害者保健福祉手帳による法定雇用率達成は2019年以降、発達障害者が重宝される、マーケットになると予測されている

2019年2月1日に開催された「発達障害学生白書」出版記念講演

この講演会はNHKの取材、各地の就労移行支援事業所スタッフ、大学教授、医療従事者、発達障害当事者などなどが参加していました。マスコミ報道では重大な部分が報道されませんでしたが。とくに登壇者である、保護者、大学教授、専門家、経営者視点の本音による話や今後の発達障害雇用情勢はリアルなものでした。シビアともいえます。

今後、新卒学生の新卒カードを持っている状態で、なおかつ法定雇用率に計算できる精神障害者保健福祉手帳を持っている状態で、さらに! 求職活動中の成人発達障害当事者がサービス受給者証を利用して通所する就労移行支援事業所で実際に行われている厳しい訓練を大学生時代に受けていることが望ましいという人事業界HR業界からの声が紹介されました。

これは本当に驚くべきことで、人事業界HR業界では「障害者にまで床上手な処女を、ハイスペック障害者を、ステータスマックス、レベル99障害者などなど」の新卒学生を求めていることになります。 なぜ発達障害なのかというと、発達障害の場合は精神障害のように勤怠の安定の課題が無いから(自立した自己管理ができている発達障害者という認識が採用側にあるよう)ということです。とりあえず、平日5日間、または土日も入れて5日間、しっかり朝から夕方まで働いてほしい。それが実現できるのは発達障害者であるという講演会やセミナーを行っている事例もあるからです。

さらにそこに「kaien」で行われているような、本当の実在の職場に近い、厳しい訓練内容をしている就労移行支援事業所で行っている訓練を、大学や高校や高専でやってほしいというのです。新卒採用した障害者枠、発達障害者の新人を「官民企業団体の中で新人教育新人研修したくない、そこにお金や時間や人材をかけたくない」という本音と建前が透けてみえます。

そのため厚生労働省も平成29年に就労移行支援事業所向けのQ&Aにおいて。
大学生でも条件を満たせば最終学年であれば、就労移行支援事業所を利用できるという方針転換をしています。各都道府県と団体向けのみに出した文章のようで厚生労働省URLから探すことができませんでした。申し訳ありません

ここにはこのように書かれています。これにより大学生などが最終学年であれば就労移行支援事業所に通所できる可能性を示唆しているのです。しかし、官民企業団体がハイスペックレベル99障害者を所望するという流れ、人事、HR業界からの声が多くなれば、現在の、最終学年の部分が緩和されると筆者は予測しています。ここから逆に考えると「雇用、採用側は軽度でもいいから、ほんの少しの合理的配慮で良い、発達障害当事者をさがしてる」ことになるのです。要は、ここで吃音という発達障害の潜在マーケットが人事、HR業界、就労移行支援事業所業界などで評価されるようになってきています。
就労移行支援の大学在学中の利用)
問13 大学在学中の卒業年度に、就労移行支援を利用することができるか。
(答)
 大学(4年生大学のほか、短期大学、大学院、高等専門学校を含む。以下同
じ。)在学中の就労移行支援の利用については、以下の条件をいずれも満たす
場合に、支給決定を行って差し支えない。
① 大学や地域における就労支援機関等による就職支援の実施が見込めない
場合、又は困難である場合
② 大学卒業年度であって、卒業に必要な単位取得が見込まれており、就労移
行支援の利用に支障がない者
③ 本人が就労移行支援の利用を希望し、就労移行支援の利用により効果的か
つ確実に就職につなげることが可能であると市町村が判断した場合


――― 8 吃音当事者がテレビに出演すること、You Tubeなどで公開する動画は官民企業団体の人事部、採用担当、人事業界、HR業界、新卒学生向けサービス(リクルートやマイナビ)、障害者向けの採用情報サイト(サーナ、クローバーなど)いろいろな人がその動画をみるということも想定してほしい

これは今、障害支援者、就労移行支援事業所スタッフ、社会福祉士、精神保健福祉士、企業の人事担当、障害者向けの就活サイト、人事業界で話題になっています。

自閉症スペクトラムやADHDなどは発達障害としてとても認知されています。学習障害やトゥレット症候群も吃音よりは認知が高いです。

逆に吃音はあまり知られていないため吃音症状や症状の出方、話し方、発話発語のしかた、吃るときに顔の表情はどう動くのか? 吃るときに身体の動きはどうなるのか? 吃るときに白目をむいてしまうのか? しゃべるときに唾液を飛散させてしまうかしまわないか? 相手の目をみて話せるか? 話せないか? 
吃音当時者以外からするとそういうことも気になることになります。

定型発達者、支援者、学校教員、医療従事者、支援職、採用側サイド、労働行政、人事業界が、企業側に味方をする立場の医師や社会保険労務士などが
『あぁ、吃音ってこういう症状か。 こういう人が吃音なんだな。
こういうことで吃音の人はこまっているのか。
こういう話し方が吃音というものか。こういう話かただと電話応対や接客、営業は
まかせられないな。あれ、こういう話し方の人、弊社にいるけど。法定雇用率に計算したいな』

などなどのいろいろな人の思考に利害関係者に影響もあたえるわけです。

意外なことだと思うかもしれませんが。
NHKのバリバラ、ハートネットも当事者や支援者だけが視聴しているのではありません。どういう障害や病気が、どういった症状、特性を示すのか? この確認をするために録画視聴をしているという、視聴者層(人材業界、障害者雇用業界、企業団体側に立つ社会保険労務士や弁護士、人事部・採用・雇用担当など)もいるのです。吃音もつい最近、映画やドラマ、小説で頻繁に出てくるようになり、法定雇用率にも計算できることがわかりました。これにより吃音とはどういう症状なのか? 知りたい層が増えているのです。

また、吃音をカミングアウトしてくる学生や大人の中に「そもそもなぜ吃音をカミングアウトすること、ここに強く執着するこだわりを持っているのか?」と調べている事例もあり、こちらは吃音とASD、吃音とADHD、吃音と学習障害、吃音とASDとADHDなど、複数以上を持っている場合の吃音当事者とはどういうものなのかを調べていることもありました。

とくに「一般枠で吃音カミングアウトをする学生」、「精神障害者保健福祉手帳を所持し、法定雇用率に計算できるのに、過度過重な合理的配慮を実現するようにこだわり、執着をもつ吃音当事者がなぜ存在しているのか?」を調べることにも使われています。これは結局のところ、自閉症スペクトラムを同時に持っている吃音当事者が多いのではないかということにもつながります。

2017年にはNHKハートネットTVで(残念ながら貴重な映像やテキスト書き起こしが
消滅しています)女子学生の吃音当事者や男子学生の吃音当事者が「一般枠に異常な執着、こだわりを発揮した部分は発達障害学生を支援する専門職、医療従事者」から、なぜ吃音のある学生はここまで、カミングアウトや一般枠応募にこだわるのか? なぜ障害者手帳や障害者枠を敵視、蔑視するのか。何かの差別意識があるのではないか? 発達障害学生なら一般枠も障害者枠も同時に就職活動して、納得のいく場合が多いが、吃音の学生は「障害者枠なら、本来希望していた、マスメディア業界に入れたかもしれない、そういう機会があったのに一般枠にこだわるあまりにそれを捨ててしまう」のはなぜなのか?

どこの誰が、こんな若い学生にそういう一般枠でカミングアウトすることがステータスやカッコよさにつながると誤認する・それをしたほうが偉いと教え込んでいるのか? そう思わせてしまうのか? 障害者として働くと惨めだとか、給与が低いとか、出世ができないとか、生活ができないぞと教え込んでいるのか? と次々に疑問が出てきていました。

これは筆者からの解説で「吃音至上主義」の影響でもある。つい最近だと、医療従事者が発達障害児者を差別する文書をネット上に公開したこともあり、その他にも通級指導教室のことばときこえの教室やことばの教室の教員、成功している吃音先輩にこういう考えの方が意外にも多く、障害者枠は負け組である、社会的地位が低い、発達障害を持つ彼彼女らと吃音が同じにされても同じになってもいけないと教え込んでいる一例になると事例紹介をしました。

このような考えが「小学生、中学生、高校生、大学生をあつめたイベント」でも紹介され、子どもや学生、その保護者家族が知らず知らずのうちに吃音以外の人、当事者を下にみる、差別する意識が芽生えてしまっている、これが新卒就職活動をする段階になり、障害者枠を見ない、一般枠でカミングアウトすることにつながっていると説明をしました。

とくに酷い事例になると『発達障害当事者が殺人事件などを起こすと、それみたことか。吃音が発達障害になってはいけない、吃音当事者も人殺しをする人だと思われる、吃音当事者は犯罪をする可能性がある』と思われたどうする? などという発言が普通にでてくることも証拠データをそえて提出したところ、場内は大きなため息や怒りをもつ人もいました。

ただ、これは発達障害業界でもそれなりにあることでした。しかし、吃音のように、ここまで深刻な事例、突出した事例(子どもや家族保護者に積極的に吃音が障害になってはいけないと教え込むのは珍しいことだといいます)それがまかり通ってしまう、それを注意できる医師や言語聴覚士や精神保健福祉士や社会福祉士や看護師が吃音業界、その近くにいないことは深刻な事態だとされています。


――― 9 吃音当事者の中に、自閉症スペクトラムやADHD、学習障害(読み書き計算)、トゥレット症候群、音声チック、運動チック、発達性協調運動障害を持った人いる この時はどう就職活動をする?


※注意 平成から令和の現在ですが。吃音当事者に「自営業」をやれ! と成功体験を押し付ける人がいますが。それはリスクが高いです。まずは障害者枠でもいいので厚生年金を事業主が半分払ってくれる仕事をしてください。そして、経験を積んだら、障害者枠非公開求人で転職してステップアップしてもよいでしょう。本当に自営業はリスク高いです。健康保険も厚生年金もそうですが、一般的な会社員の月収の2倍を稼がないといけません。



吃音当事者の中に吃音以外の発達障害を持った人がいることがわかっています。
普段は自閉症スペクトラムやADHDなどの当事者向けに就労移行支援、医療従事者、支援者として携わっている人からも、最近、クリニックに、就労移行に吃音があると思われる方がいるという連絡もあります。たとえば↓

・ASDやADHDを先に診断されて、そのあと吃音もあるよね。とわかった人は障害受容がしやすく、支援も双方がやりやすい

・吃音があることを診断されて、そのあとにASDやADHDもあるよね。とわかった人は、過去の人生で「精神障害や発達障害のある人を差別していた手前、自分にも自閉症スペクトラムやADHDがあることがわかり、精神的ショックを受ける」場合もある。

・吃音があることをやっと認めて、サービス受給者証や精神障害者保健福祉手帳を取得したまではいいが、障害者枠に応募しても「吃音があるからといって、電話応対や接客をさせないのはオカシイ、差別だ!、人権侵害だ!訴えてやる!通報してやる!」と採用雇用側の相手と喧嘩になる、せっかくの障害者枠なのに就職できなくなる。話し合い、落とし所の存在を理解、認識しない人がいる。(話し合い、落とし所の理解ができない吃音当事者はASDなど吃音以外に発達障害があるのではないかと感じたといいます。とくにすぐ法や通報だとステップを大幅に飛び越える吃音者の事例は発達障害当事者の支援でも一定数存在するといいます)

このような声があります。
とくに吃音当事者は子ども時代に吃音至上主義を教え込まれていて、精神障害、発達障害のある人を差別しまくっていた価値観をもっている場合、「自分も同じなのか」ということを受け入れることができない。そのままうつ病や適応障害などにつながってしまうこともあるといいます。

また、精神障害者保健福祉手帳を取得するまではよかったのに、吃音があることにより、話す仕事よりもその他のことで頑張ってほしいという採用側の価値観を理解してくれない、接客や営業は館内放送をさせないのは差別で人権侵害だ!と「異常なこだわり、執着、大激怒してキレる、これは人権侵害だから差別として関係各所に通報しまくるという行動力」を見せる吃音当事者がいることも大変で、吃音当事者が支援困難事例が多いことの証拠になってしまっています。発達障害当事者にもとてもよくあることで「法ではこうなっている」ということがすぐ会話に出てくることにより日常生活や社会生活で人間関係の摩擦が起きていて、その後発達障害の診断を経て、ソーシャルスキルトレーニングや病院でのプログラムにより、本音と建前、認知の歪みに気づくことなどを練習し社会適応している発達障害当事者もいます。


もしも、私は、吃音以外に発達障害があるかもしれない。と思う人は、まずは発達障害を専門に診療しているという病院に行ってみましょう。精神科に数回通院し、発達障害診療に実績のある大学病院宛に紹介状を書いてもらうのもよいことです。

子どものころから、たしかになにか他人と違うことが多かった。人間関係の維持が発話発語以外が影響して難しかった。などなど思い当たる節がある場合は、ミネルバ書房の発達障害関連書籍を読んでみてください。ここに実体験や近い事例があれば発達障害特性をじつは持っているのかもしれません。 

もしも吃音以外に困りごと、幼少期より何か他人と違うのではないかと感じている吃音当事者がいれば、または自分の子どもが吃音以外にも何か特性を持っているかもしれない。それが生きづらさになっているのではないかと考える保護者がいれば発達障害を診療する病院に行ってみることも選択肢の1つになります。


――― 10 吃音のある学生、大人はどう就職活動する?
発達障害者向けの就労移行支援事業所に通所すべきか?

吃音のある人で、吃音至上主義に傾注していない染まっていないのならば。発達障害者向けの就労移行支援事業所に通所すべきです。
9番に書いたように吃音のある人には自閉症スペクトラム、ADHD、学習障害(読み書き計算)を同時に持っている人も潜在していると考えます。

吃音という「発話、発語によるコミュニケーション能力に困りごとがある」のと同時に何かがあるのです。

そもそも、吃音のある人が『吃音があっても堂々とどもって就職する。成功した吃音先輩のこと、歴史上の著名な成功した吃音者、現役の成功している吃音者』のことを信じてしまう、その話を真実だと思ってしまう、自分もそれが実行できるはずだと思いこんでしまう。一般枠で「吃音という法定雇用率に計算できるはずの発達障害を持っていることをカミングアウトしてしまう」こと。

これは自閉症スペクトラムの『こだわり』や『素直さ(最初に覚えたことを変化させるのが苦手)』だと考えます。考え方に固執して、それを変化させることができない。これはまさに自閉症スペクトラム当事者の困りごとと同じです。(もちろん、このこだわりが実生活や学業や仕事にプラスに働く場面もあります)

また吃音当事者の中には、ADHD特性や学習障害特性を持った人もいるでしょう。発達性協調運動障害という手足・指、身体的な動きの不器用さを持っている人もいるでしょう。

結局のところ、吃音当事者や家族、そこに関わる医療従事者が見落としている、その他の発達障害特性があり、この見落としている特性と吃音が併存して当事者を苦しめていることになります。しかし吃音の診断しか受けていない。吃音を診療する耳鼻咽喉科医師は発達障害について専門家ではないため、知能検査、心理検査、母子手帳かられんらくちょう、通知表、評定表、教員の評価を客観的に判断するということもできません。

吃音をカミングアウトすれば、相手は理解してくれるはずだ!
という強い思い込み。認知の歪み。実際、就労就職であれば、完全な100%の合理的配慮を相手側にさせることはできません。吃音業界ではお客様としての障害者差別解消法による理念と障害者雇用促進法による話し合いによる合理的配慮実行可否・落とし所の概念が正確に認識されていません。

「自他分離」のことを説明していました。要は自分。成功している吃音当事者先輩が持っている成功体験やそのたまたま、偶然うまくいっている稀有な企業や団体の事例、条件が【私の場合も実現されるはずだ!!】と強く思い込んでしまうことが本当に悲劇だと考えます。

また、「吃音があります」と相手に伝えれば、相手は「100%吃音を理解した」と思い込んでしまう吃音当事者もいます。これも自閉症スペクトラムの症状なのかもしれません。別記事にまとめてありますのでご覧ください。吃音当事者は発達障害者が就職活動で使う「私の取り扱い説明書」をしっかり準備すべきなのです。そして、障害者枠で応募することも選択肢に入れるとよいでしょう。

吃音者と働く 職場で吃音者の合理的配慮がうまくいかないのはなぜか?
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/10/blog-post.html

実際の職場を再現した発達障害当事者向けの就労移行支援事業所であれば、自分と他人、自分と社会、社会の中にいる自分と他人は違う人であることを教えてくれます。必ずしも誰かが実行できた、成功できたその条件を、「あなたが実現できるとはわからない」ことを教えてくれます。

その他にも発話発語によるコミュニケーション不足だけではなく、話しかけるタイミング、その際話しかけて「どのことを、どのように、何がわからないのか、何が終わったことを報告するのか」などを事前にメモにまとめること、自分自身が他人とコミュニケーションをして実際に今話したことで「私はこのように認識し受け止めて、このように仕事をする予定ですが、不備や間違いはあるでしょうか?」と再確認すること。このような視点もあるわけです。

以上のことからも、吃音者を対象にした就労移行支援事業所よりも、発達障害者を対象にした就労移行支援事業に通所するほうが良いと考えます。原則として就労移行支援事業所は2年しか使うことができません。その貴重な2年を、どの就労移行支援事業所に使うか?ここをしっかり考えてほしいのです。官民企業団体には「kaien」という就労移行支援事業所を利用して、問題なく訓練が実行できているならその当事者を採用したいという声は多くあります。それくらい、人事業界、採用側雇用側も【どこの就労移行支援事業所を利用しているのか? そこでの評価はどうなっているのか?】ということを気にしています。例えばkaienであれば企業の人事が見学にきて、優秀な当事者がいればスカウトしていくこともあります。kaien経由で法定雇用率を達成しようとする官民企業団体の採用、人事部、人事担当が一定数いることになります。

たとえば、就労継続支援A型やB型、病院のデイケア、病院の自費診療セミナー、病院の当事者会、ハローワーク、若者サポートステーション、労働局などで学ぶことができることを、提供している就労移行支援事業所は通所するのはよく考えるべきです。2年の利用期限を無駄に浪費してしまうことは避けるべきだと、リスクマネジメントだと考えます。貴重な2年は、現時点で最高の就労移行支援事業所を利用すべきでしょう。

吃音のある当事者も、じゃあ、僕は私はどうしたらいいの?
となるでしょう。そこで重要なのが、相談支援をしてくれる人とつながることです。
発達障害を対象にしている医療従事者、ソーシャルワーカーといわれる人、ハローワークや東京障害者職業センター、東京都のしごと財団などとつながり、ここでまずはご自身の成長を、一歩一歩1ミリ1ミリ進めばいいのです。ご自身の自他分離や障害受容のこと、認知のゆがみがあれば改めて行く。これらが大切になります。

その他に、吃音業界の当事者会、団体だけに参加するのではなく。
発達障害のある人、発達障害業界の当事者会、団体に参加することもオススメです。


――― 11 新型コロナウイルス感染症による2020年以降の就職活動について。吃音のある学生、大人はどう就職活動する?

2020年5月2日オンラインセミナーがkaienにより開催されました。
セミナーの中で。障害者枠は今までの歴史上、景気に左右されないデータがある。障害者枠については、一般枠職員が存在する限り法定雇用率を満たさなければいけないため。雇用情勢が大きく悪化することはないのではないかということでした。一般枠については深刻な影響が報道の通りであると。

現在の障害枠就活は、応募できる案件はあるが。応募しても、面談までの時間、面談が終わっても正式に働けるようになるまでの、待機期間があるため停滞していて、応募できる案件もありつつ、応募者が減っているという事案もあるとのこと。応募者側もコロナ禍のため就職活動意欲が低下している場合ですね。面談はウェブ面談になるそうです。


現在、発達障害のある人で、コロナ禍において、仕事が時給制の人はそこそこ影響を受けている。月給制の人は影響が軽微であるといいます。

ただ、アフターコロナの世界では、テレワークができるスキルを持っている人が企業では採用されやすい。エッセンシャルワーカーは仕事がなくなってしまう。自宅待機になってしまう場合もあると。エッセンシャルワーカーの中でも食品を扱うお店等、生活に直結した業態は別です。

発達障害を持った人は、まずパソコンが使いこなせることが前提になるでしょう。パソコンの基本ソフトを使える。ウェブ会議のソフトやアプリをつかいこなせることもです。また自宅で仕事をする場合。時間の区切り。気持ちの入れ替えも課題になります。部屋がワンルームの場合は、働く区画、寝る区画、食事する区画の分離も大変です。整理整頓や室内に白い布をはって、テントのように区切るということもありえるようです。

その他、出勤しないわけですから、自己管理、体調管理、健康管理も難しいかもしれません。出勤する往復で使っているエネルギー、運動量が消費されないことになるからです。



  筆者としては

吃音のある人は障害者枠での就職活動を真剣に考えたほうがよいでしょう。もちろん吃音業界の先輩では一般枠でないと駄目だという考え方を持っている人もいますが。とりあえず新卒の人は障害枠でもいいから、空白期間無しで社会人になったという履歴をもつためにも一般枠にこだわらないほうがよいでしょうね。と思います。

テレワークができるようにPCスキルをあげることも重要です。


このようなコロナ禍あるからこそ。吃音業界の、一般枠で俺は、私は働いている!!系先輩が一肌脱いで「俺の所属先、私の職場は吃音があっても一般枠で働けるよ!人事採用担当を説得したから大丈夫」と大きな行動を起こしてくれればよいのですが……。期待できませんよね。

吃音の人は発話発語が大変ですね。ビデオチャットの場合の練習もしなくてはいけません。
面談においても、リアルの対面した方法ではなくウェブ面談になりますので。
実際のように「コンコン。失礼します。」という挨拶から始まる面接ではありません。
最初に映像として相手にながれる第一印象。どんな顔をしていればいいのか。ここからもう大変です。

ウェブ会議ソフトなど、ビデオチャットになりますから。PCやスマホの設定。マイクテスト、背景画像、服装、カメラの位置。PC内臓は若干顔が下から撮影される。外付けカメラなら正面も可能。ビデオチャットのため。インターネット環境において、余計なスマートフォンやPC、家電のWi-Fi接続を切ることも大切ですね。

仮に将来テレワークをする業務量が増えてきても。チャットでやるか。Eメールでやるか。ビデオチャットでやるか。ビデオチャットを利用した多人数の会議において、「挙手ボタン」はいつ使うか。「ミュート」をして、余計な背景音が入らないようにするか、会議参加者の上半身しか映像として認識できないなかで(身体の動きがよめないので他人の本当の腹の中を推察することがより困難になりますよね)どういった立ち回りをするのかも訓練や勉強をしないとなりませんね。

2018年3月7日水曜日

全文テキスト化 私たちの就活 吃音とともに生きる ハートネットTV

2017年10月4日に放送された番組が番組まるごとテキスト化になっていました。

ハートネットTV 私たちの就活 吃音とともに生きる
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/summary/program/?id=44452


テキストにされていると、学校や企業団体でも印刷して利用しやすいですね。
文字起こしに感謝します。就労移行支援事業所や企業団体の人事採用担当部署でも障害者雇用と障害受容ができない場合の重要な事例として検討しやすいでしょう。


また、この放送を見たとされる、人事採用担当者の声がネット上に公開されていることがわかりました。一般枠で「障害や病気があります。吃音があります」ということの大きな不利益について語られています。たしかに今の就職活動とはこうなっています。「ガンがありました。治療していました」というとなかなか就職できないという問題と共通しています。また、吃音以外の発達障害のある学生は障害受容ができているといいます。


ハートネットTV 私たちの就活 吃音とともに生きる を視聴した人の感想
吃音のある就活生はなぜ障害者手帳を持っていない?人事採用戦略の話
http://anond.hatelabo.jp/20171012000353

筆者も、ハートネットTVを見た、発達障害のある人を支援する立場の専門職、発達障害当事者団体の人から感想やコメントをもらいました。

『なぜ。一般枠でカミングアウトするのか? 今は、オープン就労、クローズ就労という方法を医療機関、就労移行支援事業所、大学のキャリア支援センターなどで耳にタコができるほど、しつこく、強く教えるように変化してる。吃音のある人は危険をおかしてまでカミングアウトしてしまうのか。そういった情報すら共有されていないのか』といった心配の声がありました。

一方で『大手マスコミなら障害者枠で採用されたかもしれないのにもったいない。一般枠に「こだわる」あまり、使えたはずの選択肢を自ら使わないでいる。障害者枠、いや、障害者ということ、発達障害ということに偏見や差別があるのではないか? 発達障害のある学生でも一般枠と障害者枠を同時に就活する人もいるのに。吃音のある人はなぜ一般枠にこだわるのか。障害者枠として新卒で就職したあとに、仕事で実績を出して出世する人もいるのに。最初から選ばないというのはなぜだろうか?』という声もありました。


オープン就労やクローズ就労については、就労移行支援事業所として実績のある。kaien社、リタリコ社の就労移行支援事業所でも必ず教えることです。オープン就労の場合とクローズ就労の場合のエントリーシートや履歴書の書き方、書いてよいこと、書いてはいけないことの説明。オープン就労の場合は自分の取扱説明書など、障害特性の説明や苦手なこと、配慮してほしいことを別途文書にします。リタリコ社の場合、リタリコ社、当事者、勤務先と合理的配慮について話し合った結果を文書化して3者間で共有保存するという方法もあるといいます。文書化することにより言った言わない問題や、上司の異動などで合理的配慮事項が引き継ぎされないことを防ぐ目的もあるのかもしれません。

吃音者の就労。
これからどんどん課題が見えてきそうです。

2017年9月27日水曜日

10月4日のハートネット 吃音当事者さんは顔出しなの?プライバシーは大丈夫なの?

10月4日放送のハートネットTVです。
吃音者の就活だそうです。
現在、ホームページを見てとても驚いているのと同時に心配なことがあります。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/index.html?id=201710042000

「顔出し」でやるのでしょうか?

「名前」は出すのでしょうか?

「仮名」なんでしょうか?

「音声加工」はするのでしょうか?

就活生を顔出しや名前出しで放送するのはリスクがとても高いです。
ハートネットTVは医療従事者や福祉従事者、支援者も見ますが。障害関連だと、官民企業団体の障害者雇用担当者、就労移行支援事業などに携わる人も視聴します。また、悪意を持って見ている人もいます。精神や発達障害者発見試験などを販売する人たちです。

もしも今回、吃音者の就活という番組に出る人が「クローズで就活」しているなら、絶対に顔出しや名前出しはダメです。リスクが高すぎます。

「オープンで精神障害者保健福祉手帳を取得している状態で就職活動するなら」それはまだマシかもしれません。

ただ、吃音以外の発達障害児者団体なら就職活動をする新卒学生がテレビ番組に出演するという場合に顔出し、名前出しについてはリスクの説明を当事者に何度も何度もします。まずはモザイクと仮名での出演をするようにと話し合います。テレビ局やテレビ局から委託され番組撮影をするスタッフもそういうことは理解していると思うのですが…。支援者も当事者を守るためできるかぎり個人がわからないようにしてほしいと働きかけるはずです。
今回「私たちの就活 —吃音とともに生きる—」という吃音当事者の就活番組が放送されますが。もし顔出しだとしたら、今からでも遅くないので、顔も服装もモザイク入れたほうがいいと思います。(可能なら音声も変更します)

吃音業界の支援者や支援団体は出演者に何も言わなかったのか?と心配になります。
発達障害関係の番組はできるかぎり当事者が誰であるかわからないように番組制作するのがセオリーです。

NHKハートネットであれば、ASD当事者など発達障害児者の番組を何度も報道しているのでそれはわかると思います。発達障害の当事者団体、保護者団体も当事者がわからないようにしてほしいとNHKハートネットの番組スタッフに伝えるでしょう。普段から発達障害関連の番組に携わっているNHKハートネットのコアスタッフもそこは理解しているはずです。それなのに現在ハートネットTVのホームページを見る限り、就活する吃音者は顔出しのように見受けられます。心配です。

NHKハートネットでも発達障害者向けの就労移行支援事業所を取材したときもできるかぎり当事者がわからないように撮影しています。普通はそういうものなのです。

吃音業界は発達障害業界と比較して、本当に情報が周回遅れです。
就職活動には「オープン」、「クローズ」の2種類しかない。ということが理解されていません。極稀にイレギュラーがありますが。原則としてオープンかクローズしかありません。発達障害者向けの就労移行支援事業所でも「オープンとクローズ」についてはとても丁寧に何度も説明します。オープンの場合、クローズの場合で履歴書、エントリーシートの書き方が異なること。オープンの場合は自分の取扱説明書などそれに準ずるものの書き方も指導します。

しかし吃音業界はまだまだそうなっていません。
今回のハートネットTVに顔出しででてしまい、あとで不利益があってもなんともいえません…。何事もないことを祈るばかりです。

2017年9月21日木曜日

【保護者必見】NHKで発達障害関連番組再放送!!2017年9月22日0時ころから

吃音のあるお子さんの保護者。
吃音のあるお子さんが吃音だけじゃないかもしれないと考えている方。
吃音当事者の方。
吃音当事者で自分は吃音以外にも生きづらさがあると考えている方。


発達障害関連番組が一挙再放送されます。
NHKとNHK教育で2017年9月22日0時ころから再放送の情報です。
見逃してしまった人はぜひご覧ください。
おそらくNHK総合で一挙放送されると思います。
詳細はテレビの番組表をご確認ください。
深夜放送なので録画しておくことをオススメします。



■番組放送予定はこちら
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/

9月2日(土) ・9日(土) ・16日(土) ・23日(土) ・30日(土) 総合 夜11:25
「ハンク ~ちょっと特別なボクの日常~」
★学習障害の少年が主人公 イギリスの人気ドラマ
 5回シリーズ(一話完結)で放送!

9月22日(金) ※21日(木)深夜 これまでの番組を一挙アンコール放送!
① 9月22日 総合 午前0:10
 NHKスペシャル「発達障害~解明される未知の世界~」
② 同 午前1:10
 ETV特集「“いるんだよ”って伝えたい ~横浜・特別支援学級の子どもたち~」
③ 同 午前2:10
 ウワサの保護者会 「子どもの発達障害part4 どうする?進学・就職」
④ 同 午前2:40
 ハートネットTV「シリーズ 罪を犯した発達障害者の”再出発” 第1回 少年院の現場から」
⑤ 同 午前3:10
 ハートネットTV「シリーズ 罪を犯した発達障害者の”再出発” 第2回 出所、そして社会へ」

9月24日(日) 総合 夜11時
深夜の保護者会「発達障害 子育ての悩みスペシャル」
★「あさイチ」と「ウワサの保護者会」のコラボ特番
 保護者の悩みに徹底的に向き合います!

9月26日(火) Eテレ 夜8時
ハートネットTV
「自閉症アバターの世界① 仮想空間の住人達」

9月27日(水) Eテレ 夜8時
ハートネットTV
「自閉症アバターの世界② 仮想と現実を生きる」

9月27日(水) 総合 朝8:15
あさイチ「どう乗り越える? コミュニケーションの困りごと」

2017年9月20日水曜日

【番組紹介】10月4日 NHKハートネットにて吃音者の就活について放送 発達障害の部分は説明されるか?

NHK Eテレ、ハートネットTVの紹介です。

私たちの就活 —吃音とともに生きる—
2017年10月4日(水曜) 再放送2017年10月11日(水曜)
今年もスタートした就職戦線。社会に出る期待と不安に揺れる大学4年生。近年、売り手市場が続くなか、取り残されそうな若者たちがいます。吃音症のある就活生たちです。
吃音症とは、発声の際、第一音が出ない、繰り返す、引き延ばすなど言葉を円滑に話せなくなる症状。全世界の人口の100人に1人が吃音者であり、日本では120万人以上の吃音者がいると言われています。吃音は、その場の状況によって不規則に変化していき、家族や周りの人も理解しづらい上、本人すらもいつどこで吃るのか、わからないといいます。医学的にも、その原因や本態は分からず、完治も困難というのが通説です。
多くの吃音者が、自分の障害と正面から向き合わざるを得ないのが就職活動の時。言葉によるコミュニケーション能力が要求される面接は大きな壁となっています。言葉が円滑に話せないことで、コミュニケーション能力が不足していると判断されることも少なくありません。夢を抱くことよりも、吃音による障害が頭をよぎり、話すことの少ない職業を選ぶ吃音者も多くいます。
吃音への理解が乏しい状況で、生きづらさを抱えながら、社会に旅立とうとする姿を追いかけました。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/index.html?id=201710042000





吃音者の就職活動についてEテレが取り上げるようです。
多くの吃音者が、自分の障害と正面から向き合わざるを得ないのが就職活動の時。言葉によるコミュニケーション能力が要求される面接は大きな壁となっています。
と明記されているようにNHKが、NHKのEテレが『吃音を障害である』と表現するのはとても良いことです。今までの吃音業界では吃音が障害ではない障害ではないとしていた空気もありました。しかし吃音があって困っている人がいる。就職活動で悩む人がいるということになります。

ただ、放送まで気になるところがあります。
「吃音は発達障害者支援法に含まれており、精神障害者保健福祉手帳を取得することができると説明するのか?」
「放送では純粋吃音者だけを取り上げるのか?」
「ASDやADHDやLD、チックを持った吃音者も取り上げるのか?」
「吃音と発達障害は異なるんだ!彼らと彼女らと一緒にしないでという空気感で番組が放送されるようなことはないのか?発達障害児者の当事者や保護者が見て悲しくなるような内容ではないか?」

2017年、NHKは発達障害プロジェクトという名目で、ASD、ADHD、LDについては頻繁に多くの番組を放送しています。しかしチック・トゥレット症候群、吃音についてはほとんど取り上げていないように感じます。

吃音業界では「吃音と発達障害は違う」という差別主義者もおり、発達障害を持った人と一緒にしないで、あんな人たちと一緒だと思われたら困るという価値観が蔓延しています。このようなことが当日放送する番組で出てこないだろうか?という心配があります。

2017年9月11日月曜日

2018年よりハローワークに発達障害者雇用トータルサポーターが配置 まずは13都道府県から

NHKで報道されました。
2018年の事実上の雇用義務化という精神障害者保健福祉手帳所持者の法定雇用率計算式組み込みの情勢変化もあるでしょうか。

発達障害といえば自閉症スペクトラム、注意欠陥・多動性障害、学習障害、トゥレット症候群、吃音が一般的に周知されています。
※内閣府政府広報オンライン 発達障害ってなんだろう?
http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html
厚生労働省は2018年よりハローワークに発達障害者の就職支援をするために専門の相談員を配置するそうです。「発達障害者雇用トータルサポーター」として精神保健福祉士、臨床心理士がその役目を担うそうです。

吃音やトゥレット症候群についてはハローワーク職員、労働局職員も詳しくは知らないと思うのでそのあたりがどれくらい職員が対応できるのかがこれからの課題なのかなと感じます。

またハローワークというのは就職希望者と採用活動をする企業団体などの間にも入ることになります。雇用側ができる合理的配慮の限界、雇用側がしてほしい仕事、吃音者がしてほしい合理的配慮、吃音者が働きたい仕事との大きな乖離、大きな溝にも直面するかもしれません。

発達障害者向けの就労移行支援事業所を運営するところでも同様でしょう。
雇用側は発達障害者の合理的配慮として、まずはできる仕事をやってほしい。苦手な作業を無理せずやらずにできることを腰を据えて頑張って働いてほしいという想定していますが…。

吃音者の場合、吃音で吃ることにより職務を限定するのは許せない!という価値観を持った人もいます。話すことが大変だけど接客をしたい、営業をしたい、電話応対したい、アナウンスしたいなど、話すことに「こだわり」を発揮する人もいます。

その点、発達障害者で障害受容ができている当事者は雇用側とよく話し合い、まずはそこからやってみよう。と徐々にステップアップしていきますが…。

2017年、2018年以降は「吃音者への合理的配慮」というのが重要になるかもしれません。吃音者は精神障害者保健福祉手帳を取らないという選択をする人も多いので、精神障害者保健福祉手帳を持っていない状態、法定雇用率に計算できない状態で就職活動をする人もいます。精神障害者保健福祉手帳を持っていない吃音者が一般枠で応募してくることも考えられます。
【外部リンク】
はてな匿名ダイアリーではこんな記事があります。
人事なんだけど吃音のある人を採用できない理由を述べる(障害者枠なら可能)
https://anond.hatelabo.jp/20170615135046
吃音のある就活生はなぜ障害者手帳を持っていない?人事採用戦略の話
https://anond.hatelabo.jp/20171012000353 
2018年からハローワークで配置される「発達障害者雇用トータルサポーター」も「発達障害向けの就労移行支援事業所の職員」も吃音者の就労支援には苦労するかもしれません。障害受容をする段階から始まることもあるかもしれません。接する職員さんも支援困難事例の対応があるかもしれませんが、民間の就労移行支援事業所や福祉職、病院・医療従事者との横のつながりが、情報の交換・共有が大切になるでしょう。

また、発達障害のある人が精神障害者保健福祉手帳を持っているけれど服薬やSST、発達障害特性でミスしないようにスマホのアプリなどで武装してクローズで一般枠で働くということが可能なように、吃音者でも吃音が軽度でも精神障害者保健福祉手帳は取得できます。発達障害者の就労支援を担うみなさんも『吃音は軽度でも精神障害者保健福祉手帳は取得できる』ということを忘れないでください。クローズ一般枠で働く発達障害者がどのように主治医に診断書を書いてもらっているのかも情報収集してみてください。


この吃音ガイドラインでもメールフォームより連絡があれば相談に対応しています。また他の記事で吃音業界の見える化をしていますのでそちらの記事もご覧ください。今後も発達障害者の就労支援に携わる人、学校の進路室、就職支援課などで働く人向けの記事をバージョンアップしていきます。



●他記事紹介
【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

【随時更新 吃音Q&A】人事採用担当者の方へ 吃音者雇用ガイドライン 働く吃音者への合理的配慮とはなにか? 吃音者を採用する場合はどうしたらよいのか? 吃音者採用事例 雇用事例について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/09/blog-post.html

【吃音Q&A】吃音は発話発語の障害 そして相手、聞き手の時間を奪う障害
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2017/06/q.html

吃音者と働く 職場で吃音者の合理的配慮がうまくいかないのはなぜか?
吃音者の「吃ります」と相手の「この人吃るんだ」という認識が完全に一致しないと合理的配慮が困難になる
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2017/10/blog-post.html


【吃音Q&A】就労移行支援事業所や高校・大学の進路指導や就職支援室やキャリア支援室、障害学生支援室は吃音者にどう対応すればいい?
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/12/blog-post.html

吃音をカミングアウトしているという吃音者の先輩の就職体験談を聞くときに気をつけることとは?
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2017/05/blog-post_29.html

園や学校でカミングアウトする場合と就職活動でカミングアウトする場合の違い
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2017/05/blog-post_30.html

【保護者・当事者必見】吃音者、吃音の子ども、病院にいくタイミングとは 障害者手帳を取得するタイミングとは デメリットは何?初診日問題について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/12/blog-post_10.html

●NHKの報道
発達障害者の就労サポーター ハローワークに設置 厚労省
9月10日 7時55分
他人とのコミュニケーションがうまく取れないといった発達障害の人たちの就職を支援するため、厚生労働省は来年度から、ハローワークに専門の相談員を配置して、仕事探しから職場への定着までを一貫して支援していくことになりました。
厚生労働省によりますと就職を希望する発達障害の人は急速に増えていて、昨年度、新たに仕事を探し始めた人は4033人と、10年間でおよそ14倍に増えています。
しかし、発達障害の人はコミュニケーションや対人関係を築くのが難しい人が多く、就職先がなかなか決まらなかったり、すぐに離職してしまうケースが相次いでいるということです。
このため厚生労働省は仕事探しから職場への定着までを一貫して支援する専門の相談員「発達障害者雇用トータルサポーター」を来年度からハローワークに配置することを決めました。
サポーターは、過去に病院や自治体などで発達障害の人たちの生活相談などに応じた経験がある、精神保健福祉士や臨床心理士などの中から選ばれます。
相談にやってきた人の障害の特性を把握し、就職活動を行う際にどのような仕事や会社が適しているかアドバイスを送ったり、就職後は仕事上の悩みの相談に応じるだけでなく、企業に対してもどのような配慮が必要か伝えるなどして職場への定着を図っていきます。
厚生労働省は来年度、全国13の都道府県で合わせて34人のサポーターを配置する計画です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170910/k10011133671000.html

2017年8月8日火曜日

2013年に北海道とは別件で吃音者が自死していたことがわかりました

悲しいお知らせです。
心よりご冥福をお祈りいたします。

2013年は北海道の吃音看護師さんの自死がありましたが。
まさか東京(千葉)でも吃音者の自死があったとはショックです…。



詳細はバズフィードジャパンより 全文はリンク先で
https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/20170808?utm_term=.ssj0RPqpp#.xbRmnv4xx

製薬会社・ゼリア新薬工業に勤めていた男性Aさん(当時22歳)が、新入社員研修で「過去のいじめ体験」を告白させられ「吃音」を指摘された直後の2013年5月に自死し、「業務上の死亡だった」として2015年に労災認定を受けた。
Aさんの両親は8月8日、ゼリア新薬と研修を請け負った会社、その講師を相手どって、安全配慮義務違反や不法行為に基づく損害賠償、約1億円を求める訴訟を東京地裁に起こした。千葉県在住の父親(59歳)と代理人の玉木一成弁護士が厚生労働省で記者会見し、明らかにした。
何が起きていたのか。
中央労基署の認定によると、労基署が注目したのは、4月10日〜12日の3日間、ビジネスグランドワークス社が請け負って実施した「意識行動改革研修」。その中で、Aさんの「吃音」や「過去のいじめ」が話題になった。講師から過去の悩みを吐露するよう強く求められた上で、Aさんはこうした話をさせられていたという。
Aさんは、研修報告書に、次のように書き残していた。
「吃音ばかりか、昔にいじめを受けていたことまで悟られていたことを知った時のショックはうまく言葉に表すことができません」
「しかもそれを一番知られたくなかった同期の人々にまで知られてしまったのですから、ショックは数倍増しでした。頭が真っ白になってその後何をどう返答したのか覚えていません」
「涙が出そうになりました」

2017年6月18日日曜日

人事、採用担当者の本音?吃音者はカミングアウトすると不採用になる?

――2017年8月29日更新 こちらも関連情報として読んでみましょう
LITALICO発達ナビが記事を公開。
『発達障害カミングアウトで退職に追い込まれた26歳。実体験から伝える、退職までの軌跡とこれから』
https://h-navi.jp/column/article/35026527



はてな匿名ダイアリーから吃音に関係する投稿がありました。
最近、新卒学生の就職活動で吃音をカミングアウトするという場合が多くなっているのでしょうか?

人事なんだけど吃音のある人を採用できない理由を述べる(障害者枠なら可能) はてな匿名ダイアリー
https://anond.hatelabo.jp/20170615135046 全文はリンク先に
最近ちょっと気になることがある。人事の仕事だ。
人事畑の人間として心配で心配で伝えたい事がある。病気や障害を一般枠応募でカミングアウトするな。
なぜこんなことを書こうと思ったかというと最近多すぎる。エンカウント率が高いとある障害があるからだ。
新卒の学生で「私は吃音があり、上手く話せないことがあります」、「私は吃音があるので、話せないことがあるので合理的配慮をしてほしい」だとか。
こんな感じのエントリーシートや履歴書を見ることが増えた。
 ※吃音ってのは、きつおんという上手く話せない障害のこと
 最近、発達障害者支援法に含まれた新しい障害らしい。発達障害だから精神障害手帳をとれるとか。
 でも法律に入るまえから話し方おかしい人は不採用傾向だけどね。
 
ごめんなさい。
吃音のある人は不採用です。問答無用で不採用です。
もちろん応募者に理由は明かさないよ。
人事の業界では障害とか病気とか変な人とかは出来る限りは採用したくないんだよ。
法定雇用率に計算できるなら話は別だけどね。


書いてあることは、事実だろうと思います
吃音も含めた発達障害者を採用する企業団体などの人事部、採用担当者、障害者採用担当の人はよく指摘します。「障害受容のできた、病院に行っている、就労移行支援事業所に通所している、支援者がいる」などの条件を満たした人を採用するようにという暗黙のルールはあります。

また、就労移行支援事業所や障害者枠就職エージェントなども、応募する側の人に、クローズド応募かオープン応募しかない。一般枠で障害者手帳などを持っていないのにカミングアウトすることはただの自殺行為だと説明しますよね。採用する方もカミングアウトするなら法定雇用率に計算したいから障害者手帳などを持っていてくださいね。と考えているわけですから。それを知っている間に入る人は応募する人にそれとなく伝えるわけです。

ツイッターの投稿 新卒で就職活動をする学生と思われる人の投稿があります


一般枠で障害や病気をカミングアウトしてはいけない
これは今後吃音業界に浸透していくでしょうか?
吃音のある先輩達の美談に翻弄され、カミングアウトしても大丈夫なんだ!っと勘違いする就活生もいると思います。一生に1回の新卒という資格をどのように使えばいいのか?新卒障害者枠で行くのか、新卒一般枠で障害者手帳を持っていないのにカミングアウトして不採用通知を受け取るのか?メンタルを病むとか新卒で就職できなかったという履歴を残すのか?これから徐々に事例が増えていくと思います。


2017年10月15日記事内容追加
10月11日に再放送された吃音者の就活を扱ったハートネットTVを見た、どこかの企業の人事?と思われる人が投稿。吃音者はなぜ障害者手帳を持っていないのにカミングアウトするのかということを心配している。吃音者学生と発達障害学生の違いにも言及している。

吃音のある就活生はなぜ障害者手帳を持っていない?人事採用戦略の話
https://anond.hatelabo.jp/20171012000353


吃音のある就活生はなぜ障害者手帳を取らないのか 人事採用戦略で障害者雇用、法定雇用率が重視されていることを知らないのか? 発達障害学生達の方が障害受容をできている件
2017年10月11日、NHKEテレで放送したハートネットTVを見終わった。
吃音のある大学生の就職活動だった。番組は「私たちの就活 —吃音とともに生きる—」
>http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/index.html?id=201710042000>
今年もスタートした就職戦線。社会に出る期待と不安に揺れる大学4年生。近年、売り手市場が続くなか、取り残されそうな若者たちがいます。吃音症のある就活生たちです。吃音症とは、発声の際、第一音が出ない、繰り返す、引き延ばすなど言葉を円滑に話せなくなる症状。全世界の人口の100人に1人が吃音者であり、日本では120万人以上の吃音者がいると言われています。吃音は、その場の状況によって不規則に変化していき、家族や周りの人も理解しづらい上、本人すらもいつどこで吃るのか、わからないといいます。医学的にも、その原因や本態は分からず、完治も困難というのが通説です。多くの吃音者が、自分の障害と正面から向き合わざるを得ないのが就職活動の時。言葉によるコミュニケーション能力が要求される面接は大きな壁となっています。言葉が円滑に話せないことで、コミュニケーション能力が不足していると判断されることも少なくありません。夢を抱くことよりも、吃音による障害が頭をよぎり、話すことの少ない職業を選ぶ吃音者も多くいます。吃音への理解が乏しい状況で、生きづらさを抱えながら、社会に旅立とうとする姿を追いかけました。<<
これを見てショックだった とても不憫に見えた
なぜ、一般枠の就職活動で吃音があることをカミングアウトしているんだろうか。自殺行為だ。吃音のある人を採用できない理由になってしまう。はっきり言って多くの採用側が不採用決定するだろう。もちろん宝くじに当たるような確率でどんな障害をもっていても障害者手帳は必要ありませんという事業者もいるだろう。だがそのような奇跡に巡り合うのは就職活動期の短期間ではありえない。新卒という大事な時期を逸してしまうだろう。もしも吃音や障害などをカミングアウトしても大丈夫という企業名や団体名が存在するならインターネット上でリスト化されているはず。逆に名称を教えてほしいくらいだ。
病気や障害があることは隠し通せるなら隠してよい。どうして正直に話してしまうのか。職場で配慮してほしい事なんて告白されれば、配慮の必要ない人を採用したいと思ってしまうのが本音だ。採用側としても法定雇用率にすら計算できない状態の人を採用すると吃音のある学生達は本気で思っているのか。
障害者手帳を持っている状態で吃音がありますとカミングアウトするならまだ理解の余地はある。吃音のある就活生は障害受容が足りないと感じる。障害受容をしないで吃音がありますとカミングアウトをするのが逆に怖い。職場内の環境を整え配慮をする採用側はその分、法定雇用率にも計算したい。ウィン・ウィンの関係だ。吃音のある学生は正直にカミングアウトしてくれるわけだから、採用側の考えはカミングアウトをするなら障害者手帳をを持ってきてくださいだ。あとでコピーを提出してくださいだ。今ここで正直に吃音のある学生に告白します。



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秋田県由利本荘市 地域おこし協力隊の合格者が後に精神障害者保健福祉手帳所持者とわかった後に合格取り消し
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2017/06/blog-post_9.html

【他記事紹介】発達障害でNHK記者をクビになった私が思う、NHKの「発達障害プロジェクト」
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2017/05/nhknhk.html

2017年6月9日金曜日

秋田県由利本荘市 地域おこし協力隊の合格者が後に精神障害者保健福祉手帳所持者とわかった後に合格取り消し

精神障害者、発達障害者、吃音者、精神障害者保健福祉手帳を持っている人にはとっても影響がありそうなニュースが秋田魁新報社から報道されました。

就職活動では障害者手帳を持っている場合ははじめの段階で打ち明けないといけないという意味なんですね。その人のありのまま姿ではなくて、精神障害者保健福祉手帳を持っているかいないかが重要ということなのかもしれません。そもそも障害者手帳を事前に見せなくても、面接で、その状態の男性を判断して合格にしたのだから、本当の意味の、事前情報無しのありのままの男性をみて合格にしたのに。不思議だなと思います。

発達障害児者にもこのニュースは影響ありそうです。そもそも身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っている人は「それを隠してはいけない」ということかと。

また、恐ろしいのは由利本荘市が弁護士と相談した結果として、病気や障害があることを隠して面接に望む、就職活動をするのは虚偽申告にあたるとしている点です。障害者であることろクローズにして働いている障害者には困りますよね。


例えばこれが「話して吃ればバレる吃音者」なら、雇用先の業務命令という形で指定の医療機関で障害や病気がないか診断してもらいなさいということにもつながりますよね。業務命令だから逆らうとペナルティになるし、かと言って病院に行って障害や病気がありますねと言われて、それを報告すれば、配置転換や障害特性に不利な業務を押し付けられて、能力不足による通常解雇という伝家の宝刀を使われそうです。

ただ、改正した発達障害者支援法では、「能力不足による通常解雇をする前に、その人の障害を合理的配慮したのか?」ということで争えるようになったため、裁判では有利です。発達障害支援法改正の10条の雇用管理がそれにあたります。これにより発達障害特性を利用した苦手な業務に配置転換して当事者を蹂躙して血祭りにあげる行為に対抗できることになってはいます。

このニュース秋田魁新報社以外にも大手新聞社が報道してほしいと思います。



◆発達障害者支援法改正後の10条

(就労の支援)
第十条  国及び都道府県は、発達障害者が就労することができるようにするため、発達障害者の就労を支援するため必要な体制の整備に努めるとともに、公共職業安定所、地域障害者職業センター(障害者の雇用の促進等に関する法律 (昭和三十五年法律第百二十三号)第十九条第一項第三号 の地域障害者職業センターをいう。)、障害者就業・生活支援センター(同法第二十七条第一項 の規定による指定を受けた者をいう。)、社会福祉協議会、教育委員会その他の関係機関及び民間団体相互の連携を確保しつつ、個々の発達障害者の特性に応じた適切な就労の機会の確保、就労の定着のための支援その他の必要な支援に努めなければならない。
2  都道府県及び市町村は、必要に応じ、発達障害者が就労のための準備を適切に行えるようにするための支援が学校において行われるよう必要な措置を講じるものとする。
3  事業主は、発達障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の発達障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。




http://www.sakigake.jp/news/article.jsp?kc=20170609AK0005&pak=1&pnw=1&ptxt=%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85&psel=&py1=&pm1=&pd1=&py2=&pm2=&pd2=

 秋田県由利本荘市が、4月に市地域おこし協力隊に合格した長野市の男性(42)の採用を、雇用期間が始まる前に取り消していたことが8日、分かった。男性が精神障害者手帳の交付を受けていることを事前に伝えなかったことなどが理由。市は「弁護士とも相談しており、適切な対応だった」としている。

 市や男性によると、男性は3月、地域おこし協力隊に応募。書類選考と面接試験を経て、4月13日付で合格通知が送付された。雇用期間は6月1日から2018年3月末までだった。男性は5月9日に事前の打ち合わせで市を訪れた際、うつ病で精神障害者手帳を持っていることを初めて担当者に告げた。この報告を受け、市は同日、採用取り消しを決め電話で伝えた。

 その後、市は合格取り消しに関する通知を送付。理由は
・募集要項にある「心身が健康」という点に大きな懸念がある。
・履歴書や面接の際、身体不調などの情報提供がなく、虚偽の書類提出があったとみなされる。
・事実を隠そうとした行為であり、相互の信頼関係維持に負の影響がある―
の3点を挙げた。

 男性は「医師と相談し、服薬しながら日常生活を送っており、健康面で特筆すべき事項はない」と強調。「障害の情報をあらかじめ示させて合否の材料にするのは障害者雇用促進法に違反する。障害者手帳は自ら見せており、虚偽の意思もなかった」などと反論している。

 市はきょう9日から地域おこし協力隊を再募集する 
(喜田良直)

2017年6月7日水曜日

新卒前に学生の身分で公費負担利用できる就労支援は今後必要になるか?

日本の社会保障制度だと、18歳未満までが児童と定義されていること。18歳と20歳という「空白の問題、狭間の問題」が取り上げられます。

今回はこのことではありません。
2017年現在、精神障害、発達障害(吃音も含まれる)の雇用、人事業界でいわれている。
「精神や発達障害の人を雇用する場合は、必ず障害受容ができていて、病院に通院している、就労移行支援事業所に通所している、のちのちトラブルがあっても就労移行支援事業所が間に入ってくれる」などの条件を満たした人を最低限の採用ラインにしなさいという説明です。

吃音業界の人々には信じられないことだと思いますが、このようなことは人事業界向けの勉強会や講演会、障害者雇用の採用側に向けた勉強会などでは必ず言われることです。その他にも1%でも合理的配慮を求めるならば、障害をカミングアウトしてくるなら障害者手帳を所持していてくださいね。という暗黙の了解もあります。結局、お客様ではない、お給料を貰う立場になると障害者差別解消法よりも優先されるモノがあるということになります………。(この価値観がもっと変化してほしいところですが)


さて、今回この人事業界の空気の中に、新しく「発達障害の学生は新卒採用する価値がないのではないですか?大学が就労移行支援事業所と同様の訓練をしているなら別ですけど、新卒で採用した発達障害学生を弊社のお金と時間と人を使って訓練するのは正直勘弁してほしい」という人事業界の新しい考えがでてきたことです。


しかし、じゃあ、大学生向けの障害福祉サービス受給者証を利用した就労移行支援事業のメニューと近いものはあるのかな?とインターネット上を検索してもそのようなものは出てきません。受給者証を利用しない、自費の形のサービスならば大学生対象がありました。自費なので保護者などの銭闘力が大切かもしれません。機会の平等から言うと受給者証は使いたいところです。何か理由があるのかもしれません。

株式会社kaien ガクプロ
http://www.kaien-lab.com/gakupro/univ/



企業団体、公的機関の人事部、採用担当が求める発達障害学生になるには?

発達障害があっても大学生時代から就労移行支援事業所と同様のレベルの訓練などを安心安全な場所で実際の職場に近い環境で失敗できて、自己認知、自己覚知やら障害受容をすること。経験により危機回避判断や状況判断、報告連絡相談のタイミング、ダメージコントロールなどを学べたほうがいいのではないかと思います。社会人になってから職場でフルボッコにされて二次障害を発症して自主退職に追い込まれるという悲しい事例は発達障害業界では頻繁に出てくる話です。

しかし大学内部に就労移行支援事業所を作るのはお金の都合上難しいでしょう、上記したkaienのような既存の発達障害に強い就労移行支援事業所が、大学生という身分で障害福祉サービス受給者証を利用して格安で利用できればいいのですが。学生時代から就労移行支援事業所を利用してしまうと「2年間」しか使えない、日数が減ってしまうことにもなります。となると政治のほうで立法措置で専門学校、短期大学、大学、大学院に所属している新卒就活前の2年間は、社会人になってからの2年間には計算しないという運用を考える必要がありそうです。

吃音のある学生の支援困難事例が独立行政法人で公開されている
他にもこのような研究報告が独立行政法人労働政策研究・研修機構から発表されています。吃音で困っていても、適切なソーシャルワークや、支援機関につながることができず、困難な状況に陥っているようです。

・若者サポートステーションなどに訪れるクライエントの中に吃音がある人がいる。
このような人は就職困難者である
http://www.jil.go.jp/institute/siryo/2013/123.html

・大学4年生に未診断の発達障害??、および吃音の学生がいるがどうしたらいいのだろうか?
障害受容はどうなっているのか? 
http://www.jil.go.jp/institute/siryo/2015/156.html


都内の大学によっては、新1年生から発達障害学生を発見するためにプレッシャーをかける場合もある

都内のX大学だと、新1年生のときに、同時並行作業や複数とコミュニケーションしないといけないガイダンスやら共通科目やらを設定して、就職活動と卒業論文と場合によってはアルバイトをしているような状況を経験させて、早めに本人に「気付きをもってもらえれば」という取組をしているところもあります。就活と卒論時期に壁にぶち当たって潰れる前に、新1年生という安心安全な環境での失敗をして気づいてもらうという形ですね。そしてできれば支援や援助につながってほしいという考えだと思います。

総合力が試される、教育改革 発達障害児者はゲームオーバーでは?
文部科学省は2018年から2022年ころまでに学習指導要領の改訂をおこなっていきます。
とくにここで重視されるのはペーパーテストや学力のみではなく。総合力、考える力、モノゴトを色々な視点で見ること、アクティブラーニングなどが重要視されることになります。

と、ここで大変なのは発達障害児者です。
学力だけで突破していけた発達障害児者が、ここで躓く可能性が高まるのです。
高等学校までは発達障害があってもなんとかなるかもしれませんが…。大学入試だと「総合力」がないと合格できない可能性も高まります。大学入試一般枠と大学入試障害者枠なんてモノがでてきたらどうしよう。大学の卒業証書も一般枠卒業と障害者枠卒業なんて区分されたら怖いなと感じるところです。

いずれにせよ、親、保護者の声、支援者の声を届けていかないといけない。現時点ではまだ実際に運用されていないのでどうなるのか未知の世界

企業団体や公的機関が発達障害者に求めるレベルは年々高くなってきていると思います。とくに大学新卒の段階で就労移行支援事業所と同じレベルの訓練を受けている人がほしいという本音がでてきているところから邪推すると。現在公的機関や民間企業には、運良く筆記試験や面接試験を突破したが採用後にトラブルがあった発達障害者いたのではないか?社内ニートや窓際族になっているのではないか?それを防ぐために、もっと大学段階や高校、中学、小学校時代でなんとか発達障害の早期発見早期療育につながらないのか?という意思もあるのかもしれません。発達障害児者のお父さん、お母さんも「自分の働く組織にうちの子どもがきたら絶対に採用されない。なんとかせねば」という感情もあるかもしれません。

特に2018年の精神と発達障害の法定雇用率のことで、人事業界はよく言われる「即戦力の発達障害新卒学生」を求めだしたわけですから。新卒で就活する学生も低額な負担と公費負担で就労移行支援事業所に通所できるようにならないといけないと思います。
就労移行支援事業所以外にもハローワークやサポステや職業訓練校との連携も必要になるでしょう。

採用する側、雇用をする側がそのように武装や採用条件を暗に示してくるとなると、発達障害児者の親、保護者は支援者は団結してこれらと戦う方法を考えたり、採用する側の本音を聞き出して、じゃあそれを解決するために、歩み寄るために、こういった社会保障制度やら就労移行支援事業やらを法律で制定してよ!直接政治に訴える、動く可能性もあるかもしれません。発達障害があるままでも仕事や生活ができる社会に変化してほしいと情報発信することも必要になるでしょう。訓練やら何やらして健常者の言う、健常者の作ったルールに近づいている、歩み寄っている発達障害者が良い発達障害者だというのもなんだか奇妙だと感じます。

吃音業界もこれに乗り遅れないようにしないとなりません。吃音業界と発達障害業界との連携、または融合が必要になるでしょう。

2017年6月6日火曜日

吃音者・吃音のある子どもは就労移行支援事業所や放課後等デイサービス何を基準に選択すればいいの?

吃音のある人。
吃音のある子ども。

障害者基本法や障害者総合支援法、発達障害者支援法によりさまざまな社会保障制度を申請すれば利用できることになっています。障害者手帳がなくても障害福祉サービス受給者証で受けられる就労移行支援事業や就労継続支援、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援などなどがある。もっとたくさんあるが割愛する。

就労移行支援事業所や放課後等デイサービスを選択する上で重要なこと。これはとてもシンプルです。その団体が「有料職業紹介事業許可番号」、「指定障害福祉サービス事業者」を持っているかどうかです。このような許可や免許を持っているのか確認しましょう。

このような許可や免許がなぜ必要なのか?
それは一定水準の支援する内容やメニューの基準を満たしていることの証明にもなります。就労移行支援事業所を開所する際の建物の条件や個人情報保護、職員の質や経験、安全安心の担保にもなります。何かトラブルが起きると苦情申し立て制度があります。第三者評価もあります。また、就労移行支援事業所や放課後等デイサービスを利用するのは基本的に無料または所得に応じた低料金で利用できます。

就労移行支援事業所は当事者は2年間しか使えません。
2年しか使えない制度だからこそ、はじめから実績のある就労移行支援事業所に通所したいと考えるはずです。吃音者や発達障害者向けの就労移行支援事業所であれば、
どのくらい、通所した卒業生が就職できているのか?
継続して長期で働いているのか?
正社員に転換されたのか?
卒業後も相談できるのか?
企業団体の人事採用担当者と太いパイプがあるのか?
どのような発達障害者なら雇用したいという本音を理解しているのか?
それが就労移行支援事業所の訓練にもいかされているのか?
ハローワークや障害者就職転職サイトに掲載されていない独自開拓求人を持っているのか?
XXXXXという発達障害の就労移行支援事業所さんなら積極的に雇用したいという採用側雇用側で良い評価が流れているか?
などが重要でしょう。2年だけ、就労移行支援事業所に通所してもらって、事業者が儲かればいいや的な就労移行支援事業所に通所してしまうことは人生の時間のムダになってしまいます。

吃音の就労移行支援事業所の場合は企業団体などの採用、人事の人がどのようなことを考えているのか?吃音についてどう思っているのかを理解していないといけません。

例えば「面接は特に重要ではない」、「話さない仕事でもしっかりやってほしい」、「話したい・話す仕事をしたいと無理をいう吃音者は避けたい」など色々な本音があることがわかってきています。吃音者はとくに面接練習を重ねるという場合がありますが。面接よりも入社後にどのようにコミュケーションすればいいのか、発話発語以外に筆談やメールやテキストのアイテムをつかったほうがいいのか、どうしたら吃音者と雇用する側が円滑にコミュニケーションできるかを重要視しています。このあたりも吃音者と雇用する側のミスマッチと言われています。

吃音者には現在、『吃音を持っているからという理由で、できない職務や職業があるのは差別だ!』と発言してしまう吃音者もいて、そういう人は採用されないのです。雇用する企業団体側が「これをやってほしい。こちらを真剣に職務として遂行してほしい。たしかに裏方というか会社を土台で支える仕事かもしれないがこれも仕事だよ」と説明しても、吃音者側はそれに歩み寄らずミスマッチになるため不採用通知が出ることになります。

ここらへんの企業団体が求める障害者という部分は吃音業界だけの問題ではないので、吃音以外の発達障害児者と協力して、考えていくことが望まれます。例えば発達障害がありのままでも仕事ができるような未来が今後あるかもしれません。

ただ、現時点の就職活動は雇用する側、採用する側の「してほしいこと」への歩み寄りが大切となっています。過度な自己主張をする就職希望者というのは一般枠でも同様ですよね。「あーそういう仕事したいなら、弊社では無理です。よそへ行ってください」と腹の中で思われてしまえば不採用通知がでてしまうのと同じですね。


放課後等デイサービスは事業者によってさまざまです。2017年1月厚生労働省はとても質の低い悪い放課後等デイサービスのことを問題にしています。テレビ番組をずっと見せ続ける放置療育など驚愕の事業者が存在したようです。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06H86_W7A100C1CR8000/ 

現在、放課後等デイサービスを保護者が評価する口コミサイトなどがありますのでそちらを利用してもよいでしょう。

就労移行支援事業所、放課後等デイサービスに共通することですが、第三者評価をもっと頻繁に行っていくべきだと思います。




2017年現在、吃音者の就労移行支援をうたう団体がでてきましたが。
確認する限り許可や免許は持っていません。利用料も発生しています。

また、利用者さん、大学生などに「利用料」を支払わせている場合もあります。
通常、行政の認可を得ている団体なら「利用料」は発生しません。これは2013年から2015年ころ東京で流行した「発達障害者ビジネス」と共通するところがあります。発達障害者を食い物にしたり、個人情報を集めたり、ネットワークビジネスに誘ったり、病気や障害を治すという(もっと高額な)民間療法や自然療法やセミナーを案内するための入り口であったり、宗教勧誘であったり……。色々なことがありました。現在東京ではそのような危ないビジネスがあるということが発達障害の当事者や保護者に認知されてきておりそのような募集は減っていると思います。募集をしても人が集まらないということです。

2017年5月30日火曜日

【他記事紹介】発達障害でNHK記者をクビになった私が思う、NHKの「発達障害プロジェクト」

インターネット上でこのようなブログ記事を読みました。
とても気になりましたので筆者のブログでも一部紹介します。
発達障害をカミングアウトしただけで退職に追い込まれる。
吃ればアウトの吃音はどうなるのでしょうか?ととても心配です。
吃音もこういった事例が今後出てくるのではないでしょうか?





記事本体はコチラ

発達障害でNHK記者をクビになった私が思う、NHKの「発達障害プロジェクト」
みーしぇる (id:tomomieshel)
発達障害じゃだめなの?発達障害で幼いころから感じてきたことを、これからいろいろ綴っていきたいと思います/1982年静岡県浜松市生まれ。2005年、早稲田大学卒業後、読売新聞記者。2014年、地域おこし協力隊兼フリージャーナリストを経て、16年からNHK記者、今年4月退職。著書に「八幡平への恋文」(岩手復興書店)

という人が書いたブログです。

内容は2017年現在、NHKで発達障害プロジェクトが局全体で放送されていますが。
みーしぇるさんは発達障害当事者ということを職場のNHKに伝えたら、退職に追い込まれたという記事でした。


上司「障害者だから記者の仕事はムリ」私「ちょっ……」

NHK秋田放送局の上司から、発達障害であることを理由に契約の終了を言い渡されたのは、今年2月のことでした。
会議室に呼び出され、「これからもこの仕事を続けていきたいですか?」と聞かれ、私は「もちろん、続けていきたいです」と答えました。
だけど上司からは、要点をかいつまむと「障害をかかえながら、記者の仕事は担えないと考える。よって契約更新はなしです、以上です」てなかんじで伝えて去られ、その判断はその後、何度もの話し合いの場を重ねても、覆ることはありませんでした。1年にも満たない、あっけないNHKでの仕事、なんだったのかなあと思いつつ、先月末、私は自ら退職願を出し、その日に受理されました。

発達障害を打ち明けたがために……
雇い止めのきっかけは、昨年9月、直属の上司に、社員と同一労働を当たり前のように強いられながらのオーバーワークな勤務体制について相談をしたものの、関係が悪化し、その後、いろいろと追い詰められた末に、発達障害であることなど自分のすべてをもう洗いざらいなんでも会社に話さざるをえないところにまでいってしまって問題が拡大してしてしまったところに、端を発していると私は解釈しています。

私は、10年弱の読売新聞の記者、フリーのジャーナリストなどを経て、昨年4月から「地域型雇用記者」という形態の契約社員として、NHK秋田放送局管内にある横手報道室というところで働き始めました。
報道室、といってもおそらく多くの人が想像するのとはちがう、木造アパートの1室が拠点です。
駐在のようなイメージでしょうか。カバー範囲の県南地域を、おそらく全国どこの報道室記者も一緒でしょうが、取材だけでなく、カメラと三脚を自ら持って映像を撮って伝送して、という作業を、1人で行います。
報道室、といっても他社のように支局長と複数の記者がいるわけでもなく、すべて一人で担います。

園や学校でカミングアウトする場合と就職活動でカミングアウトする場合の違い

吃音児者が吃音をカミングアウトする場合。
それはその当事者の置かれている環境により大きく異る。

保育園、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、専門学校、大学、大学院など学ぶ側。
お客様という、吃音児者や親、保護者がお金を払うという立場であればカミングアウトはとても有効である。
とくに国公立の学ぶ場所であれば、障害者差別解消法による合理的配慮は「義務」である。そのため、吃音児者が進学する場合は国公立の学校に行くことを強くオススメする。
国公立の学校で合理的配慮を利用しながら、勉学に打ち込み、可能な限り最大限の発達をして、自身の得意分野を勉強して、専門的な知識を身に着け就職活動に突入すれば良いのである。

私立の場合。私立だと理解のある学校はそれなりにある。
例えば東京でも発達障害児者当事者団体・発達障害に特化した就労移行支援事業所が主催や共催で「発達障害に理解のある高校や大学」との当事者と親と学校側と情報交換会、イベントが存在する。しかし私立学校だと、まだまだ「努力義務」であること理由にあまり対応してくれないところが多い。福祉系の大学にも関わらず、「障害学生支援室など」が存在しない、「障害者手帳を持っていないと対応しない」という残念な私立大学も存在する。


※余談だが、世間、日常生活でも「お客様」の立場であれば合理的配慮はとても受けやすい。お店でも役所の窓口でも色々なところでお客様というお金を使ってくれる立場なら障害児者や社会的障壁のある人は合理的配慮を申し出れば利用しやすいのだ。本来はオカシナことですが―。


ところが一転、就職活動、就職するときに吃音や発達障害をカミングアウトすると不利益が多い

これはなぜか?
現在、発達障害というのは「精神障害者保健福祉手帳」を取得できる障害者である。官民問わず企業団体というのは「障害者の法定雇用率」を満たしたいのが本音だからだ。
そして何より、今度は吃音児者や発達障害児者は「お客様」ではない。同じ職場で働く人間であり、お金を払う、お給料を支払う対象に変化する。

精神障害者や発達障害者を雇用する人事部、総務部、採用担当者の向けの勉強会や情報交換会、講演会で必ず情報共有がされることがある。

「精神障害者、発達障害者を採用する場合は、必ず、支援者がいること、就労移行支援事業所に通所しているもの、病院と連携できているもの。自身の障害を受けいれているもの」この条件を満たしている人を採用することと説明するのだ。「間違っても、どこの支援機関にもつながっていない障害者を雇用してはいけない」という説明をする場合もある。最近では「発達障害者はそもそも新卒で採用するに値しないのではないか?新卒ではなくて一度就労移行支援事業所を経験したものを採用すべきではないか?大学で就労移行支援事業所と同じ訓練をしているとは思えない」と雇用する側の本音も出てきている。


それらの需要のためなのか?
精神障害者や発達障害者を採用時に発見する試験が販売されているのも見逃せない点だ。
詳細はコチラ
https://matome.naver.jp/odai/2145136262246904801


これらは障害者差別解消法施行におうじて、水面下に潜った。表向きに販売をしなくなり、人事業界向けの雑誌や客から問い合わせがあれば紹介するという形に変化してきている。事態を重く見た障害者団体や発達障害の支援を考える議員連盟、厚生労働省にもこのような障害者発見採用試験は情報共有され、ぎょうせい出版社が2017年2月ころ発売した「改正発達障害社支援法の解説」という書籍でも、障害者発見ビジネスについて指摘が掲載された。

ただ、公務員の採用の世界でも。「必ず面接やグループ面接」を行うという自治体や組織が増えてきているという実態もある。学業や成績だけではないところを採用の判断にするという流れだ。大学の入試も今後、学力を問うペーパーテストから、総合力を試す試験に変化していく。学力だけ磨かれている発達障害児者には突破が困難になるのではないか?いつの段階から合理的配慮を申し出ればいいのか?という議論もある。

このような多くの課題については発達障害の当事者団体や行政や政治家の動きも大切になるだろう。発達障害を排除する傾向があるなら、それに対抗する方法やルールや法の整備も必要になるはずである。吃音者の団体もそのような動きに参加していってほしいと思う。他の障害者や社会的障壁のある人や行政や議員との協力をしていくことは大切だ。




雇用側は合理的配慮を宣言するなら、法定雇用率に計算したい!というのが本音
吃音でも一般に言われる発達障害の自閉症スペクトラムやADHDやLDでもそうであるが。
障害をカミングアウトするということは、配慮してほしいことがある。健常者よりも時間がかかる。健常者よりも必要な工程が多い。健常者には必要ないはずの環境を用意しなければいけない。と雇用する側があれこれ準備をしないとならない。身体障害者のように移動手段やトイレや階段やエレベーターの配慮を一律にできるのではなく、発達障害者は十人十色で100人いれば100通りの支援や合理的配慮を考えなければいけないという手前、雇用する側の負担は大きい。
そこで雇用する側は「最低限、障害者手帳を持っていてくれ。法定雇用率に計算したいんだ」と思うのである。


障害者手帳を持っていないのに合理的配慮を宣言された場合、雇用する側は不採用を決断する 事案紹介 事例紹介
※全ての事例や事案がそうだとは限りません


1.
「吃音者の人が障害者手帳を持っていないのに。合理的配慮をしてくれ」と言ってきたので、面接では合理的配慮をしたが、後日不採用通知を出したということだ。理由は障害者手帳を持っていないから、障害受容ができていないから、他の障害者に何か悪影響を及ぼすような気がしたという。

一度非公式に「障害者手帳のコピーを今度持参してください」と伝えたが「吃音は障害ではありません。個性です。仕事上問題はありません。私は吃音で障害者手帳を取る予定はありません。」と自信満々に言われたため、『あぁ。これが講演会や勉強会でよく出てくる障害受容ができていない人か。入社後もトラブル起こしそうだし、すでに働いている障害者に個別の障害についてあれこれ説教し始めそうだから不採用』という結論にいたったという。

2.
カミングアウトしてきた吃音者が面接に来たので、障害者手帳を持っていれば、障害者枠で採用できると水面下で伝えたが、応じなかった。吃音は障害じゃない!と反論してきた。採用は見送った。

「私の団体では、吃音のある人とも一緒に働きたい。とは思っている。でも障害者手帳を持っていない吃音者が本当にいるとは思わなかった。残念だ」という。

合理的配慮をする以上。法定雇用率に計算できること、という部分については吃音者側にも理解してほしいのだけど残念だという。

3.
障害者手帳を持っているが、不採用になった吃音者。
障害者手帳を持っている吃音者が障害者枠で応募してきた事案。
合理的配慮の希望と法定雇用率の問題はクリアできたが、吃音者側が「障害者枠の仕事じゃなくて。一般と同じ仕事がしたい。なぜ接客や営業をしてはいけないのですか?なぜ喋る仕事をしてはいけないのですか?吃音者に対する差別ですか?機会を奪うなんてズルい。吃っていても総理大臣やアナウンサーや医者や営業がいる。接客や営業だって経験したい」と面接段階で意見を述べていたため、不採用通知を出したという事案。

これも吃音者側と雇用する側のみミスマッチです。
現在、吃音業界、吃音当事者団体では、東証一部上場企業や国家公務員、地方公務員に就職して活躍する人もいるため。成功した吃音者がやっている仕事や職務を遂行したい!という若い学生、新卒就活をする吃音学生が多いことと条件が合わないという事案。

たしかに発達障害という概念が世界に生まれる前は「ちょっとあの人変だよね」という人は就職できていたが、2017年現在の就職活動は件の障害者発見試験や面接、グループ面接、グループ討論、などに「発達障害傾向のある人」をなんとかしてあぶり出す手法が販売されているため、一般枠で発達障害者が隠して応募してもなかなか突破するのは難しい。ましてや吃れば一発でバレる吃音者にはハードルが高い。

そこで障害者枠で就活している吃音者が出てきたが。吃音のある先輩達、パイオニア達がやってきたこと、同じ仕事をしたい。機会を提供しないのは差別だ!という雇用する側が用意した仕事をしたくない!差別だ!と衝突につながる事案が発生したという。

雇用する側としては無理に話す仕事はしなくていいので、社内に限り電話や通信はまかせるけど、積極的に表舞台では活躍しなくていい。もっと他にも仕事があるから、こっちを一緒に頑張っていきたいと吃音者側に伝えても。吃音者側が拒否する、その仕事しかさせないのは差別だと反論してきたという事案だ。雇用する側としてもトラブルになりそうな人は最初から雇用したくないというのだ。たとえ障害者手帳を持っていたとしてもだ。

4.
採用後の事例。雇用側が吃音だけ配慮する予定で採用計画を考えており無事入社した吃音者。しかし吃音以外に、発達障害があることがわかり雇用側が「採用ミス」だと社内で一致した事例。吃音者は社内ニート扱い。

採用時に吃音者は吃音のことしかカミングアウトしておらず、雇用側も吃音だけだと思っていた。しかし、発話発語のコミュニケーションよりも空気や気持ち、雰囲気、ホウレンソウが原因となる問題が多発。時間配分や時間を守ること、ケアレスミスなども多い。独自ルールが社内ルールよりも優先されるなどのトラブルも。

吃音以外に広汎性発達障害、ADHDがあることが後に判明。雇用側は採用時に見抜けなかったのかと問題に発展。

吃音者は純粋吃音だけではないと障害者の人事採用、障害者の就労移行支援など支援者や就職エージェントなどの間で支援困難事例として現在情報共有されている。



一般枠で応募するなら絶対にカミングアウトしないでください
発達障害全般に共通することですがカミングアウトを絶対にしない場合は一般枠での応募が可能です。これは就労移行支援事業所でも、とてもしつこく説明されることです。就労移行支援事業所は雇用する側の本音を知っているためでしょう。そのため一般枠応募ようの書類の書き方と障害者枠応募ようの書類の書き方の違いや面接の違いを何度も何度もしつこく説明するという場合もあります。


吃音児者の親、保護者は「ご自身が働いている組織団体に吃音者が障害者手帳を持たずに応募してきたら採用するか、人事部に質問して」

吃音のある子どものお父さん、お母さん、親戚のみなさん。あなたの働いている組織では障害者手帳を持っていないのに発達障害や吃音をカミングアウトしてくる応募者を採用しますか?ということを質問してみてください。もしも採用するというのならとても良い企業団体ですし。そんなの採用しないと言えば。それも1つの答えです。


吃音者は就職活動で吃音をカミングアウトすること、合理的配慮を求める場合はよく考えて

現在の就職活動は色々な利害関係があります。
吃音のある先輩たち、総理大臣やアナウンサーや医師などなど有名人が世間に存在するからと言って、あなたの人生や生まれた時代や生活環境はその人達とは異なります。何かコネがあるとか、通常の採用過程を経ない場合は吃音があっても普通に働けることもあるでしょう。一般枠で運良く吃音を発見されずに採用されたということもあるかもしれません。

現在、吃音者の就職活動では「気軽にカミングアウトしてみましょう」と思えるようなニュースや書籍、先輩の体験談や美談があると思います。しかしこれらにはリスクがあると心に強く刻んでほしいのです。気軽にカミングアウトしたことにより、その場は合理的配慮されたが、後日不採用通知が来ること。または一般枠ではなく障害者枠で応募しなおしてほしいと言われる場合も。(むしろ障害者手帳や障害者枠をこっそり伝えてくる雇用する側のほうが優しい人だと思ったほうがいいです。チャンスを教えてくれたわけですから)

吃音も発達障害も気軽にカミングアウトするほうがリスクが大きいです。
最初から障害者手帳を持っていて、雇用する側と歩み寄って仕事ができる吃音者であれば話は別ですが――。


吃音児者を受け入れるという就労移行支援事業所でも気軽なカミングアウトを推奨する場合も?

現在、吃音児者を対象に就労移行支援をしています!
という組織も出てきているが―。
気軽にカミングアウトしてみましょう。などという利用者さんに不利益を与えるかもしれないことを平気で教えてしまうところもあるのでよく気をつけてください。吃音児者を支援するという団体の支援者スタッフやボランティアスタッフは、そもそも普段の職場で「障害者手帳を利用しているのか?吃音をカミングアウトしてオープンで働いているのか?一般企業での就労経験があるのか?特殊な専門性の高い業界以外で働いたことがあるのか?」という視点で評価・観察することも大切になります。




2016年11月13日日曜日

【保護者必見】吃音の子どもを育てる立場の人はどうしたらいいのか?どうやって合理的配慮を発動する? 保護者に向けたガイドライン

【随時更新】この記事は長文です。自宅など、時間がある落ち着いた場所でご覧ください。

吃音の子どもがいるお父さん、お母さん、そして家族のみなさんへ。
吃音の情報が溢れておりどうしたらいいのか?と混乱している場合もあるでしょう。

先に結論を書きます。

吃音業界には正式な「親の会」がありません。2019年現在、なんとなく保護者の会、親の会ができつつありますが、吃音至上主義思想を持つ医療従事者を講師に招いたり、吃音と発達障害とは異なるという、障害種別差別や吃音と他の障害や病気の子どもや保護者との壁をつくるべき、分断するべく行動をする場合などを含めこれらを平然と行う事例もあります。くれぐれも吃音のあるお子さん、保護者の方が、吃音以外の障害や病気を持った子ども、当事者、その家族を差別するような価値観を持つことがないように慎重になってほしいと思います。XX障害はかわいそう。吃音はかわいそうじゃない。障害者は施設に居るべき。地域に来てほしくないなどの差別の心をもつようになれば、それはいずれ吃音者にも家族にも返ってきます。

通常、そのほかの発達障害であれば当事者も親も保護者も支援者も医療従事者も全て1つの団体に参加して活動しています。それにより当事者の年齢に合わせたライフステージに合わせた困りごとの相談、それを解決するにはどうするか、障害について専門家を呼び勉強会、子どものためのイベント、親のためのイベント、毎年自治体や議員に要望要請文書を送る、障害のこと世間に向けて情報発信、誤った情報が報道された場合訂正を求める、などなどが行われます。

しかし吃音業界の親の会は、日本各地に分散していたり、吃音の派閥抗争に親自身がすでに巻き込まれており障害者認定反対の親の会などもあり敵愾心が生まれてしまい協力ができないという状況もあります。まず、吃音業界は、行政や議員、議会に要望要請を送ることができる「しっかりとした団体」を起ち上げることがスタートになります。2017年現在親、保護者が子どもの吃音で悩んでいることは残念なことに19XX年からずっと存在します、すでに起きた不幸なこと不都合なこと不利益をうけたこと、保護者の悩みが2017年でも同じ経験が後輩の親、保護者に発生しているのです。これが吃音業界に親の会が存在しない故の課題になります。親の会があり情報共有やこの場合はこうするという経験や情報の蓄積、病院を各都道府県に最低1つ設置してほしい、学校で子どもにこういった合理的配慮をしてほしい。などなどを19XX年当時の親達が声をあげていれば、2017年の親保護者が子どもが辛い思いやぐるぐる思考に陥ることはなかったのです。
(吃音以外の発達障害のある子どもの親の会、保護者や支援者が参加する団体では情報の引き継ぎ、サバイバル術、ハウツー、Q&Aがしっかり存在しており、過去に経験したことを避けるための術を知っています。そのために、親の会、保護者同士が団結して、学校や教育行政、医療機関、障害福祉課など、行政との粘り強い交渉や要望要請をしているのです。吃音の親の会はこういったことができないのです。今の世代が経験した辛いこと嫌なことを未来の世代に経験させないぞ!という価値観がまだ育っていません)


その他の発達障害団体であれば親の会がしっかり機能しているため、まずは吃音を治せるようにしましょう。いまある最高の病院にいきましょう。それで治ればそこで終わりにしましょう。でも、子どもの吃音が継続してしまうなら、他の選択肢、道を考えましょう。吃音で不利益や不都合なことが多いならこんな合理的配慮や社会保障制度がありますから、一緒に考えましょうと、先輩の親や保護者が医療従事者や支援者と一緒に、悩んでいる後輩のお父さんお母さんのソーシャルワークをしてくれるわけです。

これが2017年現在でも吃音業界には存在しないのです。
親の会をなんとかして起ち上げるしかありません。
単独で親の会を起ち上げるより、先に存在している、吃音の団体と協力するほうがよいでしょう。吃音業界は事あるごとに喧嘩、主義主張の違いで分裂していますが、これ以上分裂しても意味はありません。

また、もしもこの記事を見ているお父さん、お母さんのお子さんに吃音以外に発達障害がある場合は吃音業界の当事者団体や親の会以外にも、発達障害児者の団体に参加することを強くすすめます。たとえば東京にお住まいならNPO法人東京都自閉症協会がよいでしょう。吃音業界が持っていないもの、失ってしまったものを全て持っている団体です。当事者、親・保護者、支援者、医療従事者、福祉職従事者、教員、大学教員、議員、行政職員などとのパイプもしっかりあります。地方自治体、行政への意見提出、いざというときに当事者の人権を守る活動もしています。吃音業界のように障害種別や障害程度によって上下関係やヒエラルキーはなく、ライフステージに合わせて、困りごとに応じて丁寧に助けてくれます。情報交換もできます。吃音業界のように派閥抗争もないので安心安全な運営がされています。

繰り返しになりますが、吃音業界が何か変だな? なんでこんなに立ち位置や位置づけにこだわるの? 吃音業界ってそこに参加できている人だけの運営じゃない? 参加できなくて困っている人がいるという視点をなくしている? 吃音のある子どもの親の会、保護者の会に参加したけど「何か他の障害者、精神障害や発達障害のある人やその家族を差別する発言が平然とでてくる。吃音当事者のほうが位が高い偉い優秀だ頭の回転が早い、吃音当事者は彼らと一緒になってはいけない。一緒だと思われてはいけない。精神障害や発達障害のある人はかわいそうだと教えられた。発達障害のある人は内的心理的問題を持った人だと差別発言をしている人が理事や運営に所属しているぞ。おかしいな。変だぞ」などということもあるかもしれません。 などなどの異変や違和感を感じた場合は発達障害業界の団体にも顔をだしてみましょう。発達障害のある子どもの親の会、保護者会、当事者の会などがあります。いろいろな会に行ってみることをオススメします。




インターネットでもありとあらゆる情報が氾濫しています。
中には不正確な情報やコンプレックス商法といわれる商売や情報だけを売りつける情報商材なども存在します。

さらに吃音業界が特殊なのは、「吃音者の派閥抗争」です。
吃音が障害か?障害ではないか?
障害者はかわいそう・可哀想な存在であり、吃音の子どもは障害者ではありませんよ。
吃音を治そうとしてはいけません。病院にいってもいけません。
吃音はできるかぎり訓練して治すべき。良い状態を保つほうが、人生の機会損失を回避できるかもしれないよ。
吃音をカミングアウトするのか?しないのか?
堂々と吃るのか?吃らないのか?
吃らない話し方を、テクニックを身につけるのか?
吃音も他の障害者のように公的な社会保障制度を利用するのか?しないのか?

情報の洪水です。
【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html
2016年11月27日 東大スタタリングが駒場祭で吃音をテーマに演劇を披露 その内容はセルフヘルプの限界を指摘するものだった
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/11/20161127.html
吃音者や吃音当事者の家族にはレイシスト(差別主義者)がいる? 吃音を病気や障害と認められない人々の実態とは? そのワケ
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/07/blog-post_10.html
【保護者必見】吃音者、吃音の子ども、病院にいくタイミングとは 障害者手帳を取得するタイミングとは デメリットは何?初診日問題について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/12/blog-post_10.html

お父さんお母さん、家族全員いったいどうしたら良いのかわからないでしょう。
吃音業界の派閥抗争に巻き込まれないこと、心酔しない、一步ひいてサードパーソン視点・第三者視点から落ち着いて観察するスキルを身に着けないとなりません。

吃音当事者の先輩や吃音当事者学生の話を聞いて、自分の子どもも大丈夫だと安易に判断しないこと。お父さんお母さんが働く企業団体などでも本当にそれが通用するのか? 自ら調べることも重要になってきます。吃音のある当事者が「私は吃音があっても全然平気です。大丈夫です。幸せです!」という発言をしている場合がありますが。それはその当事者だから成立しているのです。特に気になるのは、成功していると体験を発表する吃音者は『所属する組織、会社名や団体名』を公表しているの? という部分です。本当に吃音に寛容な企業団体があるなら、その名称を広く公開してほしいところです。もしも公開していないならば、公開できない理由があるということになります。

吃音のある子どものお父さん、お母さんが働く職場でも、所属する組織の人事部が「吃音は障害じゃないよ。一般枠で採用するよ!」というのか。「いや、できれば障害者手帳を持っていてほしい」というのか。様々だと思います。


―――吃音業界の情報だけではなく、発達障害業界やその他の社会的障壁のある人の業界のことも知ろう

また、吃音業界の関係者だけではなく、他の障害のある子どもの親との交流ができるならば、それをしたほうが価値観が広がります。吃音のある子どもには自閉症スペクトラムやADHDや学習障害を持っている人もいるはずなのに、その事すら早期療育できる時期を逃してしまうことになります。もちろんそういった団体に参加しないように!とすでに参加している親の会、つどい、グループから命令もあるかもしれません…。

吃音を生きる、吃音とともに豊かに生きる、吃音を持ったまま豊かに生きるというのは、もう自分は困っていないし関係ないと思考停止することではありません。

吃音者が困っていることは、他の障害や病気の人にも共通点が多いのです。吃音の障害者認定反対派の主義主張に染まってしまい、その問題から逃げる。目をそらす。私のところは吃音だけだから関係ない。ということになってほしくないのです。

後述しますが初診日問題は吃音の子ども、一般に言われる発達障害の子ども、それ以外の人もみな全員経験することです。だからこそ、吃音はあなた達とは違うから、選ばれた民だからと見て見ぬふりをせずに一緒に協力することも大切になります。

吃音業界と接点を持つということは、ある意味、お父さん、お母さんの人間性が試されると思ったほうがいいかもしれませんね。




1. 吃音は障害か?個性か?社会保障制度は必要ないのか?
この問題は吃音業界では永遠のテーマです。
さて、吃音が障害と決めるのは誰でしょうか?

発達障害の当事者研究を行っている、熊谷晋一郎医師東京大学先端科学技術研究センター准教授の講演会や勉強会で説明される例を紹介します。

※熊谷晋一郎氏の情報
http://www.petitspoissons.com/ped/Int-34J.html

http://todai-umeet.com/article/14570/

「吃音ワークショップ2016in埼玉」(埼玉言友会、NPO法人全国言友会連絡協議会主催)にて講演
http://mainichi.jp/articles/20160918/k00/00m/040/033000c


熊谷氏は「障害とは、障害者個人の中にあるものではなく、世間一般の普通と呼ばれる多数派の人の作ったルールに当てはまらない人」という説明を講演会でよく話します。

障害はインペアメントではなくディスアビリティだというのです。
なんらかの障害が当事者にあり、それが原因で社会参加できないから、普通と言われる健常者の普通に合わせた世界に溶け込むために血の滲むような努力や訓練、手術や服薬などありとあらゆる手段で「普通」に近づかないといけない?

なぜ、障害当事者側はそこまでして頑張らないといけないのでしょうか?
というのが問題として指摘されます。でもそれはおかしいじゃないですか?
社会の側の法律やルール、慣習、道具が変化すればいいのじゃないかというのです。

むしろ、障害当事者が障害と感じないように、多数派が社会の側がもっと包摂するべきではないかといった内容です。


ただ、やはり、0地点から100地点まで急にワープできないように。
1ミリ1ミリ、亀のような歩みで社会に向けた情報発信や障害当事者側と社会の多数派側との対話により歩み寄ることが大切でもあるといいます。

理想の社会に近づくにはスモールステップアップが必要です。
将来、何年後何百年後になるかわかりませんが、障害者手帳という制度そのものが消滅する日がくるかもしれません。


吃音が障害か?障害ではないか?
この問題について他の視点も必要です。
一冊の書籍があります。 『障害を持つ息子へ ~息子よ。そのままで、いい。~ | 神戸 金史』
これを読んでほしいと思います。親の心、内に秘めたる優生思想や相模原殺傷事件のことが扱われています。


2. 吃音の場合はどうなる? 吃音のことを本当はどう思っていますか?
吃音の子どものお父さん、お母さんは、正直、自分の子どもが吃音だとわかるまで。人生で出会った言葉が上手く話せない人、失礼な物言いをする人をどう思っていましたか?
(またはお父さん、お母さん、祖父母、親類縁者の中に吃音者がいる場合もありますが)

お父さんお母さんが出会い結婚する以前。そして子どもが吃音になっていなければ、または子どもが誕生する前はこのような感情はありませんでしたか?

・お店の従業員や駅員さん、接客業の人が言葉遣いを間違えた。いらっしゃいませを言わない。ありがとうございましたを言わない。敬語を使わない。目を見て話さない。発話がおかしい。発話と同時に唾液を飛ばしてくる。
→ムカツク
→この会社は大丈夫なのか?従業員に研修しているのか?
→なぜ、社名、名前、所属を名乗らないのか?
→この人と話すとイライラする
→なぜ主語がないのか?
→敬語使わないなんて人間として終わっている
→お客様センターに苦情を入れてやる クビにすべきだ
→こんな簡単な常識すら持っていないのか?この従業員は?
→上手く話せないなら、話さなくて良い職業を選べばいいのに
→話す時の顔が気持ち悪い
→こんな変な喋り方をヤツに自分の子どもの結婚相手になんかしたくないな(笑)

お父さん、お母さん、本当はこのような気持ちがありませんでしたか?
もしかしたら、その相手の人は『吃音』だったのかもしれません。
今後、このような経験を『お子さん』が体験する可能性もあります。


吃音も吃音者自身、または吃音遺伝子を持っているかもしれないお父さん、お母さん、祖父母、親類縁者のせいではありません。吃音という話し方の特性が、現在の日本の「普通」、「健常者のルール」に当てはまっていないことが問題点です。

本来は社会の側が、吃音者のその話し方吃り方、吃ることによって失礼な話し方もあるかもしれない。けれども、そこを気にしないというのが大切です。しかし現時点の日本社会はコミュニケーション社会、コミュニケーション社会(礼儀、過剰接客など含む)新卒学生の就職活動でもこれが最重要視されています。吃音の子どもの保護者は、社会の側の認識を変化させることも心の中にしまっておいてほしいのです。そして1ミリでもいいのでそれに立ち向かって、100年後なのかいつの時代になるかわかりませんが。未来世代の吃音者のために行動する気持ちも忘れないでほしいのです。もちろんその際は吃音だけではなく、ありとあらゆる障害者、難病者、社会的障壁を持つ人々と連携することも大切になります。


3. 保護者のみなさんの働く場所、雇用されている団体組織は吃音者を許しますか?
繰り返し何度も書きます。それほど重要な事柄です。


この問題も、先ほどの説明、吃音のあったかもしれない従業員問題と共通します。
お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、親類縁者のみなさんが働いている団体は『どもる人を許しますか?』

人事部の人にこのように質問してみましょう。
『最近さ、吃音っていう障害がニュースや新聞、ドラマにでてくるじゃん。こういう人がウチの会社に就職活動で応募してきたら採用する? 不採用?』

お父さん、お母さんが人事部で働いていれば、もっと凄い情報を知っているはずです。
最近、発達障害者を採用時に発見する試験や面接方法が販売されています。それを就職試験のときに紛れ込ませたり、故意に発達障害者が罠に落ちるような面接方法をとる場合もありますよね。(障害者差別解消法が2016春に施行されてからは、人事業界内部でのみ広報されていますのであまり一般には出てきません。2016年発達障害者支援法が改正になりました。この障害者あぶり出しについても指摘があり、今後の改正や差別解消法などで壊滅させる方向になるでしょう)

この原因の1つに、発達障害者を診断するための医学書が一般人も読める状態になっていることです。DSM5というアメリカ精神医学会の診断基準は図書館でも読めます。どのような人が障害を持っているのか?障害が表面化するのか?

それが分かれば、それをあぶり出すためにどのような重圧をかけるか、作業をやらせればいいのか?を逆に考えることができてしまうのです。

吃音の場合は「話せば吃れば即死」するので、一般に言われる発達障害者のように訓練やソーシャルスキルトレーニングなどで普通を装うことができないことも課題と言えば課題です。(一般に言われる発達障害者は診断や障害者手帳を持っていても会社にカミングアウトせずに一般枠で働く人もいます。)

べてるの家、向谷地氏が過去にこのような就職活動で利用できる手法を監修していました。
http://matome.naver.jp/odai/2145136262246904801

ここが1番1番、お父さん、お母さんが衝撃を受ける場所です。
2016年現在、官民問わず大半の企業団体は『不採用ですね』と回答します。
『障害受容をしていて障害者手帳を持っているなら障害者枠で採用する』と回答する場合もあります。

自営業や吃音や吃音以外の社会的障壁が問題にならない業界であればそうではない場合もあります。が、しかし、大半は、『自分の子どもも、自分と同じように普通に育って、大学まで行って、ストレート留年無し新卒で正社員として就職して、自分と同じだけ稼いで、結婚して、幸せになり孫を見せてくれるんだ』とお父さん、お母さんは考えるわけです。しかしサラリーマンは難しいかもしれません。

お父さん、お母さんは吃音があったかもしれない従業員問題とご自身の所属する団体が吃音者を排除するという事実、この2つを経験し、【子どもの吃音を完治させなければいけない】と考えるようになります。

場合によっては吃音とか障害そのものが恥であると価値観をお父さん、お母さんが子ども時代にご両親や周囲の社会から教え込まれて、その価値観になっていると、まずはお父さん、お母さんの精神的な治療が必要な場合もありますが…。

例えば、ダウン症は気持ち悪いとか、ハンセン病は気持ち悪いとか、ユニークフェイスの人は気持ち悪いとか、そのような刷り込みがお父さん、お母さんの育った環境で当たり前であれば、本当にまずお父さんお母さんが価値観を改めないといけないでしょう。


4. 子どもが吃音だとわかってから 次のステップ

・病院探し
・吃音について書かれている書籍を集める
・吃音者の親の会や当事者団体への参加
・吃音業界の主義主張の刷り込み
・成功している、社会的に居場所のある吃音者の大人たちだけを見て、自分の子どもも必ず将来同じ道を歩むことができるという勘違い
・運良く大人になってから消失するタイプだった吃音者と自分の子どもが治らないタイプだったときの衝撃
・子どもが新卒就職活動をし、失敗したときになって、やはり『絶対に吃ってはいけない場合が日本社会にはある』と大混乱する場合
・ウチの子どもの吃音は心配だ。子どものために財産や不動産を残そう。
私達が亡くなっても、生きていけるように


吃音の子どものお父さん、お母さんはたくさんたくさん吃音のことを調べます。
そして、色々な情報を取捨選択しなければいけない状況になります。
吃音を持つ子どもが一方向の価値観を持たないように、状況に応じて臨機応変に対応できるように子育てもしないといけません。いろいろな武器を持つことは現時点、2016年現在の日本では必要です。刀剣1つの武器ではなく、状況に応じて使うことができるようにしておくことが大切なのです。カメレオンのように乗り切るのです。

そして、吃音観の主義主張を変化させることは恥ではないということです。


5. 吃音は純粋吃音者、一般に言われる発達障害も持っている吃音者もいる
ここも重要な部分です。
一般に言われる発達障害である。自閉症スペクトラム、注意欠如多動性障害、学習障害、チック、トゥレット、発達性協調運動障害などと一緒に吃音がある人がいます。


発達障害者の当事者団体を訪問すれば、吃音の人も所属しています。
逆に吃音者の当事者団体や小中高生を集めたつどいなどにも、「この人は、この子どもは吃音だけではないよな。他の発達障害もあるように思える」という人が所属しています。

ただ、前者は障害受容ができている人が多い印象です。
後者の例、吃音者は障害受容がなかなかできない人が多いです。

例えば、発達障害児者でも利用している当事者研究やアサーティブ、レジリエンス、ABA、アドラー心理学、認知行動療法、マインドフルネス、演劇、子どものつどいで成功体験やいろいろな経験を積む、といったものは、何故か吃音業界でも採用され利用しています。しかし、一方で吃音は障害ではありませんと教えてしまう団体もいるので不思議なことです。吃音は障害ではないと教え込む教典があるのに、障害のある子どもが利用する療育を吃音の子どもに行わせているという矛盾…。これは不思議なことです。

発達障害はかわいそうだとか、障害者はかわいそう、難病の人はかわいそう、社会的障壁のある人はかわいそう、吃音が発達障害者支援法に入っていることは認めない、吃音は障害ではない。こう主張する人たちほど、とても不思議なことに先に述べたようにその人達の集団で利用している書籍や療育手法や訓練方法や事例を利用している現実があります。矛盾ですよね。



お父さん、お母さんの子どもは吃音だけなのか?
他にも障害があるのか?
ここも疑ったほうがいいでしょう。

吃音以外にも障害があるなら、早期発見早期療育は本当に大切です。
脳がどんどん成長しているときに適切な医療や訓練や、特性に合わせた勉強や静かな落ちついた環境が用意できれば子どもはみるみるうちに成長します。

障害者認定反対派の吃音当事者会や親の会に所属しつつ、その時はその場の話に合わせつつ、発達障害の子どものをもつ親の会などにも所属したほうがよいでしょう。臨機応変に対応しましょう。

障害者認定反対派の吃音当事者会や親の会で使う教科書や発達障害の子どもの教育について書かれた本などをよく調べてください。筆者を調べて、その人が出入りしていそうな吃音以外の別の当事者団体を検索してみるのもよいでしょう。



6. 吃音は治るのか?
吃音が治るかどうか?
2016年でも、「吃音は原因不明で治療法はない―――」という説明がよく使われます。特に吃音の障害者認定反対派、吃音は発達障害じゃない!と主張する人ほど、『吃音は原因不明であってほしい』という願望があります…。

しかし現在は脳の神経ネットワークになんらかの違いがあることまではわかっています。

一般に言われる自閉症スペクトラムや注意欠如多動性障害、学習障害やチック、トゥレットと同じで脳神経に何らかの違いがあるのです。

吃音の場合は、脳システムの言葉を話すために活動する部分の神経発達障害だということです。
他の発達障害の場合は、感情や空気を読む、突然の衝動性、短期記憶、長期記憶、感覚過敏、感覚鈍麻、文字が読めない、書けない、身体が意識せず動く、同時並行作業が困難などなどがあります。
それが吃音の場合は「話す」ところに影響がでているのです。

2016年8月にフジテレビインターネット放送局の「ホウドウキョク」にて吃音のニュースが流れました。こちらは国立障害者リハビリテーションセンター病院で吃音外来担当、吃音の研究をしている森浩一医師が出演しています。ここで吃音が発達障害であることが明言されています。

https://www.houdoukyoku.jp/archives/0015/chapters/24712


吃音が治るかどうか?
2016年9月に日本吃音・流暢性障害学会の第四回大会が国立障害者リハビリテーションセンターを会場にして開催されました。ここでミシガン大学で吃音研究をする先生が講演を行いました。
その中で、吃音のある子どもの脳画像や、神経ネットワークの違いが説明されました。
しかし、今度は大人になると治る吃音の子どもと、大人になってからも継続する子どものことがわからないので、今後研究をしていくと話していました。

繰り返しになりますが「吃音は原因不明で治療法はない―――」という説明はもう過去のものです。



大会(9月2日〜3日)
招待講演: Anomalous brain connectivity in children with persistent developmental stuttering (発達性吃音が持続する小児の脳内接続の異常)
 Soo-Eun Chang, PhD CCC-SLP(University of Michigan, Assistant Professor)
 ※ 講演は英語ですが、スライドには日本語訳がつけてあり、日本語の逐語訳がつきます。
https://meeting2016.jssfd.org/program/

7. 吃音が発達障害者支援法に入っていたこと、2014年7月に事実上、公になったとは言いますが…

吃音業界では2014年7月を境にして「吃音が2005年から発達障害者支援法に最初から含まれていたことがわかった」と言っています。

しかし本当にこれは真実でしょうか?

「一般社団法人 日本発達障害ネットワーク(通称 JDDネット)」という個々の発達障害者の団体が団結している組織があります。

http://jddnet.jp/

この組織には過去に【全国ことばを育む親の会(現在は名称が NPO法人 全国ことばを育む会 )】が所属していました。
現在はJDDネットから退会しています。

3 日本発達障害ネットワーク(JDDネット)の概要
12月3日、成蹊大学で設立協議員総会を開催し、会則の制定、役員の選任、活動方針案等を採択した。当日、第1回理事会を開催し、正会員(全国団体)として日本LD学会、日本自閉症スペクトラム学会、日本臨床心理士会、全国ことばを育む親の会の4団体、エリア会員(地方団体)として、NPO法人おひさまクラブ等28団体の加盟が承認され、設立当初の参加団体は、発起団体も含め37団体となった。また、日本児童青年精神医学会、日本作業療法士協会等から理事をご推薦いただくことができた。
これにより、当事者団体・学会・職能団体によるネットワーク、教育・医療・労働・福祉を網羅するネットワーク、全国団体・エリア団体を超えたネットワークというすべての条件を最低限備えたネットワークとしてスタートすることができた。
当面の活動としては、都道府県単位のエリア活動の組成、会報の発行等による会員団体相互の交流・情報交換、特別支援教育や発達障害者支援への取り組み状況調査、発達障害に関する理解啓発活動、他の研究機関や参加団体と協力した発達障害児者の実態調査、実態把握のためのスクリーニング・ツールなどの検討、人材育成のためのセミナーなどの実施などを計画している。
※DINFの記事 「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年1月号
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n294/n294016.html

※厚生労働省の資料にも全国ことばを育む親の会が掲載されています
一般社団法人日本言語聴覚士協会も2008年頃から2016年現在JDDネットに加盟しています
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/09/dl/s0924-11c.pdf



なんと!!

吃音業界の団体がJDDネットに加盟していたのです。


にもかかわらず


なぜ、吃音が発達障害者支援法に含まれていること、障害者手帳も取得できること、障害者の人権を守ること、配慮を求めること、障害者枠で働けること、社会保障制度を利用できることが周知徹底されていなかったのでしょうか?

もしも2005年から吃音が発達障害者支援法に定義されていることが周知されていれば、吃音を苦にした自殺、いじめ、不登校、進学を諦めることによる人生の機会損失、お父さんお母さんの苦悩、子どもの苦悩などなどに他の未来があったのかもしれないのです。

【全国ことばを育む親の会(現在は名称が NPO法人 全国ことばを育む会 )】はいったい何をしていたのか?一般社団法人日本言語聴覚士協会いったい何をしていたのか?

真相の究明が待たれます。
現在、吃音業界の派閥抗争を重く見た、他団体の人間が、吃音業界は「吃音が発達障害者支援法に含まれていることを2005年から知っていたことを証明する証拠を出そうか」という意見も出てきています。吃音者の不登校、自殺やひきこもり、ニートなどへの社会保障などの選択肢が見える化されていないことが非常事態であると認識されているのです。




逆に、一般に言われる発達障害者の団体は「吃音が発達障害者支援法に入っていることは知っていた」という人もいます。

2014年7月から吃音が発達障害者支援法に含まれていた

という設定は、もしかしたら間違っているのかもしれません。

吃音業界で誰か知っていたのに、黙って隠していた関係者がいるのかもしれないのです。

吃音の子どもやお父さん、お母さんも悲しい出来事や辛い悩みや経験をした人もいると思います。

でも、別の道があったのかもしれないのです。自殺した人も本当は生きているかもしれません。

今、ひきこもりをしている吃音者もいるかもしれません。

法律が周知徹底されなかったことの犠牲者はどれくらいいるのでしょうか?

8. 病院に行くことのメリット
現在、吃音を診療する病院はあまりにも少ないです。
また、吃音は保険診療できます。精神科病院であれば、自立支援医療を利用することにより医療費を所得によりますが1割負担できます。しかし、そもそも吃音は精神科では診療していないので、事実上、存在するが使えない状態です。


例えば、リッカムプログラムという治療法があると知っても、自分の子どもはすでに年齢対象外で介入時期を逃してしまう。そして、お父さんお母さんは自分自身を責め続けることもあるかもしれません。となると、吃音は障害じゃないですよーという派閥の教典が神のように思えることもあるかもしれません。

例えば、吃音を意識せずに、無意識動作として言葉を話せるようにしようと訓練するところもあります。自宅の鍵を掛けたかな?と心配になるが鍵を掛けていました。歯を磨くときの歯ブラシ、歩く時の歩き方など、麺類をすすって食べる日本独特の食べ方(外国人はできません)、普段、1から順番に確認しながら動作をしているでしょうか?していませんよね。吃音の場合もそれと同じだというのです。

例えば、軟起声という発話方法もあります。柔らかく息を吐くように言葉を発話する方法です。

その他にも吃音以外の発達障害が判明する可能性もあります。早期療育につながりますね。

病院にいくと医師が診断書や意見書を書いてくれます。これが合理的配慮を利用するときに必要になる場合もあります。


病院によって異なりますね。
それでも、病院が全都道府県に存在しないこと。
病院に行っても、「吃音は大人になれば治る、もうちょっと様子見しましょう」なんていう医師もいるので大変です。
発達障害者支援法
(専門的な医療機関の確保等)
第十九条  都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。
2  国及び地方公共団体は、前項の医療機関の相互協力を推進するとともに、同項の医療機関に対し、発達障害者の発達支援等に関する情報の提供その他必要な援助を行うものとする。
このような法律があるので、吃音当事者や保護者や関係者が協力して政治に働きかける方法もありますが、吃音業界はなかなか団結しないので困難です…。

2019年現在でも吃音を診療するという病院や医師は少ないです。
とくに吃音は幼少期のある時期に介入すれば、将来的に吃音が減る、消失するのではないかという報告もあります。しかしその「ある年齢のとき、吃音が判明してから短い期間で」吃音を診療してくれる専門病院に保護者と子どもがつながることができるのか?
保護者のお金がモノを言うようなことになってはいけないと考えます。吃音を診療する病院まで新幹線、飛行機で通院するなんて異常だと思います。北海道にいようが沖縄にいようが、均一な医療サービスを享受できなければいけません。

もしも保護者がお金がなくて、子どもにある時期に病院に通院させなかったために、吃音が一生涯継続することになったという場合も今後、保護者の中に出てくるかもしれません。次に出てくるのは「あの保護者は吃音を治すために病院にいかせなかったんだ。」という吃音が治った子どもの保護者とのマウンティングが始まるかもしれないと筆者は懸念しています。

しかし、筆者は大人になっても、新卒で社会人になる前に吃音がまだあったとしても、それは精神障害者保健福祉手帳を取得して社会参加をして良いと思います。2018年に発覚した国家公務員障害者雇用水増し問題のあとに行われた、障害者枠採用試験でも筆者のしる範囲で数名の吃音者が国家公務員になっています。2019年現在は発達障害者の雇用情勢も変化してきており、障害程度が軽度でも仕事のできる当事者なら出世していける企業団体も出てきているためです。また法定雇用率を満たせるという雇用主側との双方でウィンウィンの関係を目指すべきという就労移行支援業界の新しい流れも出てきています。新卒高校生や新卒大学生が就労移行支援事業所をもっと利用できるようにしようという動きも出てきています。

これらを考えると、別に吃音が治らなくても、しっかり法制度、社会保障制度を使い生きていくことは可能だと思います。吃音が発達障害者支援法に含まれていると発覚してしまった2014年当時よりは2019年現在の障害者雇用情勢は変化しています。


9. しかし病院に行くことのデメリットがある。これはとてつもなく大きい問題

こちらの記事も御覧ください
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/12/blog-post_10.html


2016年現在、吃音の書籍などを読むと、「気軽に病院に行ってみよう」と思わせるような記述があります。(地域によって異なるが)特別支援教育を利用するのに診断が必要な場合も、入学試験や資格試験に合理的配慮を求めるため診断書を入手するためだけに初診日がつくとトンデモナイことになります。これから書くことは一般に言われる発達障害者業界では周知されていますので、病院に連れて行かないで自分で療育するという親もいます。ただ、当事者団体には所属して情報交換はしています。発達障害を診療する医師も気軽な安易な診療について警鐘を鳴らす人もいます。

残念なことに吃音業界ではあまりにも知られていません。



病院に行くことは『初診日問題』が発動する諸刃の剣です。
初診日問題は全ての日本の障害者や難病者に共通します。
厚生年金を納付する以前に、たとえ誤診でもあっても、たとえ医師の●●科に関係なくても、患者が症状を訴え病院に初めて病院に行ったときが「初診日」になります。

・初診日は障害者年金と健康告知を必要とする商品サービスに加入できない問題に大きく影響します。

日本は法律として、いつその病気や障害を診断されたか?その日を基準にして考えるのです。
これが本当に大きな問題です。日本は国民年金と厚生年金・その他共済年金などがあります。

国民年金は障害年金が2級、1級しかありません。
厚生年金・その他は3級から1級まであります。
そして、3級とは「障害があるが配慮があれば働ける、日常生活ができる」場合の人に給付される年金です。

しかしながら、発達障害者や吃音者、知的障害者は子どものころに初診日があることが多いので、障害者手帳を持って働いていても、年金が貰えないのです。

一方で、最近、大人の発達障害というニュースが報道されることにより、厚生年金を納付しているときに運よく発達障害の初診日がある当事者は、障害者年金3級を受給しながら生活している人もいるのです。

年金事務所も障害年金はできれば払いたくないので審査もシビアで如何にして国民年金の時に初診日が存在したのか疑義を抱いてきます。通級を含む特別支援教育を利用した事実だけでも初診日がもっと昔にあるのではないかとして不支給になります。

発達障害の症状が全く同じのAさんとBさんが存在しても、片方は年金が貰えて、片方は年金が貰えないという事案が多くあります。この問題は吃音に限らず、障害や病気の垣根をこえて、法律や制度を改めるように政治に働きかけることしか解決方法はないでしょう。障害者の権利条約でも、不平等な状態は立法措置をしてでも改めなさいと書いてあります。


・健康告知を必要とする商品サービスに加入できない問題
これは住宅ローンや生命保険などです。
発達障害者や知的障害はこの問題があるため、そもそも発達障害者、知的障害者向けの保険会社が存在します。

なぜ存在するのか?それは一般のサービスだと丁寧にお断りされるからです。要は保険金を払うリスクやローンを完済しない可能性があるためです。エビリファイやコンサータ、ストラテラを服薬しているだけでも加入はできなくなります。

吃音はICD10でこのように分類されています。
精神及び行動の障害。


1 ICD10分類 > F00-F99 精神及び行動の障害 > F90-F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害 > F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症するその他の行動及び情緒の障害 > 

DSM5でも吃音は神経発達障害に分類されているので自動的に機械的に弾かれるだけです。ICD11でも吃音は神経発達障害となり、ASD、ADHD、LD、トゥレット症候群と同じ枠になりました。

吃音のある子どものお父さん、お母さんは「そんなバカな!」と思うでしょう。
ぜひ、勤務先にくる保険外交員さんや、仕事上のツテを利用して保険会社の人に質問してみましょう。正面のお客様センターに電話してはいけません。必ず、友人や親類縁者で保険会社に勤務している人に裏側から質問しましょう。もちろん自分の子どもが発達障害で、吃音で、なんて正直に言ってはいけません。親戚の子どもがとウソをつきましょう。

問題なのは吃音だと診断を子どものころに受けていたのに、それを隠して、サービスに申し込んだ場合です。もちろんそのサービスが提供されることはありません。払い損になります。




10. 民間療法、医師の指示がない保険診療をしない言語聴覚士クリニックの問題

・吃音は吃音を克服したとか、治したという吃音当事者の「私が治した方法」であなたを治すなどという商売があります。

これはたまたま、その人が「大人になると治る方の吃音」だっただけです。
大人になっても吃音の人はずっと吃音です。治らない吃音者は処世術やテクニックによって吃音ができるだけでないようにコントロールして乗り切っている人もいます。

この手の商売はコンプレックス商法で、治る確証もありません。お金をドブに捨てるだけです。
本当に本当に治るなら論文を発表すべきなのですが、どうしてしないのでしょうか?
協力する医師を見つけるという努力もしません。

・吃音のコンプレックス商法の他に、一般にいわれる発達障害者業界でも流行している商法があります。植物のエキスや、謎の水、謎の食品が存在します。吃音も対象になっているのでよく考えましょう。

・インターネット上の吃音を治すという情報商材(電子書籍)が販売されています。巧みな誘導で吃音当事者の書いたブログかな?と勘違いさせ購入ページに誘導する場合もあります。冷静に考えましょう。そんな簡単に吃音が治るなら、医学誌に論文掲載されているはずだ。ノーベル賞を受賞しているはずだ。世界中から吃音者は消えているはずだ。と冷静に思考してください。情報商材には購入する価値はありません。

・言語聴覚士だけのクリニックがあります。しかし日本は法律により保険診療をするには医師の指示が必要です。保険診療できるものを保険診療しないという、自由診療でお金を儲けようとするのはいけないことです。言語聴覚士法や言語聴覚士協会の倫理綱領を読んでも言語聴覚士は医師と協力すべきだと思います。

・言語聴覚士しかいない、医師免許を持った人がいない、または病院と連携していない、吃音クリニックは現在、徐々に増えています。しかしいざという時に責任問題になった場合に泣き寝入りするのは保護者です。

11. 吃音のある子どもの就職について
これは吃音者の就職に限らず、他の障害者でも同様です。
現在、発達障害の就労移行支援をしている事業者はこのように利用者に伝えます。
(これは就労移行支援事業所のスタッフが雇用する側の本音を理解しているためです)
・障害をカミングアウトするなら障害者手帳を取得して障害者枠で就職活動してください
・障害を隠せるなら絶対にカミングアウトしないならば一般枠で就職活動してください


この問題は、雇用する側の本音と建前です。
障害者差別解消法などは存在し、その際障害者手帳の有無は問わないとしていますが、やはり雇用する側は法定雇用率に計算したいのが本音。

雇用する側は現在、就職活動の応募者が自ら、障害や病気を告白してくると、理由を開示しませんが、不採用通知、貴意に添えない結果などを送付します。

2016年現在、精神障害者や発達障害者の雇用事例の勉強会や講演会では、必ず絶対に説明されること「障害受容のできた障害者、就労移行支援事業所に通所している者」を雇用すべきだと、人事部の障害者担当に説明しています。


この部分が吃音業界では、「そんなバカな話があるか」と信じない人がとても多く、新卒就職活動で吃音をカミングアウトした学生は次々と散っていきます。コネがある場合は別です。または一生に1回の新卒という資格を持っているときに、新卒障害学生向けのリクナビのようなサイトである、アットジーピーやクローバーなどを利用して就職する方法もあります。新卒の障害学生であればとても有利です。これが吃音1つの原因で新卒就活失敗して履歴書に空白期間ができると次が大変です。

仮に吃音をカミングアウトするにしても中堅社員くらいになって「キミがいないと困る状態」でないとカミングアウトはリスクの方が高いでしょう。

お父さん、お母さんもご自身の職場の人事部に確認しましょう「吃音者って雇用する?障害者手帳を持っていれば雇用するかもしれない?そもそもしない?」などを確認するのです。性善説が通用しないことがわかるでしょう。

そのため、一般に言われる発達障害者でも手帳を持っていても、発達障害があること手帳を持っていることを隠して給与の高い出世も望める一般枠で働く人もいるのです。ただ、やはり、吃音は発話した瞬間にバレるので隠すことが困難です。


現在、日本は一般枠か障害者枠しかないことが、二択しかないことがそもそも問題ですが、これも吃音者だけ、その保護者や関係者だけでは変化させるのは難しいでしょう。この構造を変化させるには吃音も含めて、いろいろな障害や病気、マイノリティと言われる人と協力しないといけないでしょう。

しかももう一つの問題は、現在、障害者枠といえば、身体障害者枠はあるのに、精神障害者枠が存在しないことがあります。特に公務員です。これも今後どのように変化するのか気をつけないといけません。かといって、民間企業もホームページの障害者向け採用ページをみると→障害者枠で働く先輩の紹介ページを見ても身体障害者ばかりなので、ここからも雇用する側の本音と建前を察することはできます…。

2019年現在、国家公務員障害者雇用水増し問題がニュースとなり、障害者雇用に精神障害者保健福祉手帳、療育手帳もしっかり入るようになりました。今後、地方にも広がっていくと思われます。地方公務員採用では「身体障害者のみ」という場合がありますが、こちらはマスコミに報道してもらうなどの方法で変化させていくしかないでしょう。またはその地方自治体の議会議員に訴えることです。

12. 吃音者が就職できない仕事はあるのか?
吃音者が就職できない仕事はあるのかどうか?
これは別記事でも書きましたが。自衛隊です。

別記事
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/06/q.html

自衛隊がダメなら警察や消防なども本音と建前ルールがあるかもしれません。

吃る時間が自分だけではなく、相手やお客さん、一般市民の「生命の危機」に影響を与える職業も吃音者は難しいでしょう。吃ってしまうその一秒一秒が危機につながる場合です。そう考えると銃火器など武器を使用する仕事、緊急救命医師、外科医なども吃音者には難しいかもしれません。ドクターX大門未知子が手術中に吃ってしまい看護師に指示出しが遅れる、手術時間に影響を与えたら患者が死ぬかもしれません。技術があって失敗しなくても、時間経過に勝てないのです。

警察や自衛隊が「とまれ!撃つぞ」という警告をするにしても、吃ってしまい警告する時間に影響を与えて、危機回避できない場合もあるかもしれません。先に相手に攻撃されるか逃げられるかもしれません。パトカーや消防車、救急車が「緊急車両が交差点に進入します! みなさん停止してください!」を吃ることにより発話発語できなければ、それこと緊急車両が一般車に突っ込むとか歩行者をはねることもあるかもしれません。


例えば防衛省の防衛省訓令第一号があります。航空身体検査に関する訓令です。ここでは「不合格疾患等」という項目に一般に言われる自閉症などの発達障害、吃音や気分(感情)障害や既往歴が不合格の基準として明記されています。海幕衛第8931号は海上自衛隊の身体検査です。こちらでも不合格疾患として「精神と行動の障害」、「吃音」が明記されています。陸上自衛隊達第 36―1号は陸上自衛隊の身体検査です。こちらでは具体的に吃音という項目はありませんが「脳神経・精神」の検査項目があります。
このような検査を見れば、行政職員でさえこのような基準があるなら、民間でも存在するはずだ、いや表向き存在しないとしていても裏ではあるはずだろうと思います。2013年に北海道で自殺した吃音者も警察官になりたいという夢があったとのことでしたが、どうしても面接で落ちてしまうことを繰り返したそうです。警察内部の採用活動基準については不明ですが、自衛隊でNGなら警察や消防でも難しいのではないかと思いました。
他にもこのような研究報告が独立行政法人労働政策研究・研修機構から発表されています。
吃音で困っていても、適切なソーシャルワークや、支援機関につながることができず、困難な状況に陥っているようです。


吃音の場合は、国会会議録の1966年第051回国会 社会労働委員会 第4号
昭和四十一年二月二十四日(木曜日)午前十時四十五分開議にて旧日本軍で吃音者が合言葉を言えずに殺害されそうになった例も紹介されています。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/051/0188/05102240188004a.html


その他の職業はどうでしょうか?
障害者欠格条項をなくす会の情報だとこうなっています。
http://www.dpi-japan.org/friend/restrict/shiryo/system63.html


公務員や警察もそうですが、採用試験の面接1回目で吃音がバレるとその情報は記録されますので、次回以降は不利です。吃音者でも公務員なら差別は存在しないと勘違いし年齢制限まで公務員試験を受け続ける方がいますが、なんともいえない気持ちになります。


現在、吃音当事者は国家資格を取得して働ける仕事がベストだろうと思います。
医療従事者の国家資格がオススメです。
または理系の道に進み研究者や技術者としての道も良いだろうと思います。
芸術系、クリエイター系も良いでしょう。
フリーランス自営業もあります。
公務員もまだ可能性としてはあります。(しかし、現在、公務員試験も発達障害傾向を調べるという情報が入ってきています)


大人になって居場所がある吃音者は大体がこのような仕事をしています。
逆に、世間一般の常識や「普通」を要求される仕事は難しいです。総合職は難しいでしょう。


吃音者がアナウンサーなど喋る仕事をしたいと思っても、現在の就職活動戦線を突破できるかどうかわかりません。先輩吃音者の事例はたまたま時代がよかった。スタートラインに立つことができた時代です。現在、吃音があっても仕事ができていたという50代60代は2016年現在の就職活動を経験したことがないため参考になりません。

吃音者の就労データーベースも存在しますが。そのデーターベースの当事者は「吃音があることを人事部などにカミングアウトしているのか?」も要チェックです。多くの吃音者は吃音があるけど大丈夫とは当事者会で発言しますが、職場では全力でそれを隠蔽している場合があります。

お父さんお母さんも成人している吃音当事者が社会人として活躍している美談を聞いて涙することもあるかもしれません。しかし、その吃音当事者は「職場の人事部に吃音があることをカミングアウトして一般枠で働いているのか」確認すべきです。吃音当事者はプライドの高い人が多く、ウソの物語や美化して創作した話をする人もいます。

くどいですが、お父さん、お母さん、親戚が働いている職場が吃音者を許すかどうか?障害者手帳を持っていれば許すかどうか?その確認作業も大切です。




2016年現在の就職活動戦線は、スタートラインにすら立たせない、そこに到達させないのが就職活動です。

昔の吃音者の先輩方のように試しに働かせてくれという機会すら存在しません。まずは就職活動という狭き門を突破しないと働かせてもらえない。そのため、ありとあらゆる可能性や武器を子どものころから想定しないといけないのです。コネなど、貸し借り、正規ルートではない就職活動のカードが用意できるなら使いましょう。それは悪いことではありません。使える武器は使うべきです。


13. 吃音のある子どものためにお金や不動産、株式など財産を残しましょう

吃音のある子どもの保護者や親類縁者の中には、将来、自分たちが先に亡くなっても、その子どもが幸せに生きていけるようにお金など財産を残そうとしている人もいます。(自分の子どもが、弊社では採用されない。自分の自治体では採用されない。とすでに真実を知ってしまった保護者など)

例えば、不動産収入を得られるように賃貸物件を購入することや、一軒家、マンションの1室を準備する保護者もいます。

または、そもそも吃音のある子どもに、株式やFX、不動産収入を得る、そういった勉強をさせる人もいます。


14. 私は吃って、カミングアウトして働いていますという先輩吃音者の体験談はウソです

吃音をもった当事者、子どもが吃音というお父さん、お母さん、保護者向けに、吃音者の先輩が「私はこうやって成長しました。今はこんな仕事をしています」系の体験談を話す人の中に、吃音をカミングアウトしていない人とカミングアウトしている人がいると思います。前者の方は職場では吃音を隠しているでしょう。後者の人は吃音をカミングアウトしているといいますが。

はたして、本当にそうでしょうか?

本当にカミングアウトしているならば、その人が働いている会社名が公になっているはずですし、吃音者が吃りながら仕事ができる素晴らしい会社であればもっと世間に知られているはずです。そして何よりも、体験談を発表する先輩吃音者が勤務先の人事部、採用担当者に口利きをして「後輩吃音者!!みんなうちの会社に来いよ。ちゃんと口利きするから大丈夫。障害者手帳もいらないよ」と導いてくれるはずですよね?

2018年や2019年に、AbemaTVやテレビ東京や日本テレビやNHKで吃音のある学生が就職活動しようと思って、吃音をカミングアウトして一般枠で就職活動をした事例が報道されましたが。その当事者を助ける、先輩吃音者、企業団体はありませんでした。要はこれが事実なのです。

吃音で吃りまくっている、仕事がうまくいっているという発言をする先輩吃音者は、困っている後輩吃音者を助けてはくれないのです。

以上のことからも吃音の子どものお父さんお母さんは、吃音者先輩のありがたいお話を聞く際には ちょっとオカシイぞ! と思いながら話を聞くことが大切になります。



15. 子どもの教育はどうするの?

吃音のある子どもの教育で大切なことはなんでしょうか?

今のところ、吃音のある若者が就職できている事例を見ると、文系よりも理系。さらに国家資格を持っているなどの人が就職できている可能性が高いです。サラリーマン総合職などは困難だと思ってよいでしょう。


今後、世界情勢や日本の国内情勢からすると、英語、中国語、日本語が話せるくらいになっていないと難しいかもしれません。

実は英語や中国語などができると、日本の新卒就職活動戦線で有利なります。または、そもそも日本企業では働かないという選択肢もでてきます。ここが重要です。就職活動の土俵が日本国内ではなく、世界全体になるのです。となると、そもそも吃音を含め発達障害というものに対する価値観が日本とは異なる国で働ける可能性がでてくるのです。外資系企業で働く、発達障害者の事例として。年棒制や契約期間という違いはありますが、給与も遜色なく、そして、最初に契約した仕事をしっかりやれば文句を言われないという環境があるといいます。外資系企業は発達障害に限定せず、障害や性別による差別はあまりありません。この部分も重要になります。発達障害のある人でも精神障害者保健福祉手帳を持ち、外資系企業で活躍する人もいます。

外国語ができるということは、情報をリアルタイムで獲得することができます。アメリカでテロが起きてもNHKのニュース速報で知る前に、英語メディアで知ることができますよね。そこで、外国語を勉強しておけば、そういう情報を日本に伝える仕事もできることになります。逆に日本で起きた情報を外国に伝えることもできます。こういうところで取材や翻訳や編集の仕事をしている発達障害者もいます。吃音者もこういう道を意識してもよいでしょう。


日本はそもそも人口が減っているため、大韓民国のように国内人口を相手にした商売は衰退するか、大きな成長は見込めないのです。国外のユーザー向けにビジネスをしようとなるのです。外国語を話せることは重要です。

その他に日本国内において発達障害者として障害者枠で働いてる人の中で外資系企業に雇用されている人がいます。外資系企業は日本企業のように待遇で差別はしないというのです。そういった場所ではたらくにしても外国語が話せたほうが圧倒的に有利です。それ以外にも訪日外国人向けのビジネスなど、日本の製品を世界のオークションサイトなどに出品してお金を稼ぐということもできるようになります。


吃音のある子どもの教育は、健常者の子どもを教育するように、外国語教育が重要になってくるかもしれません。お父さん、お母さんはとてもやることが多いかもしれません。あまり頑張りすぎないようにしてください。


子どもの教育 追記
子どもの教育についてです。発達障害業界の事例になりますが、発達障害のある人で精神障害者保健福祉手帳を取得して、オープン、クローズで働く人の中で、比較的ストレスなく、安定した生活をしている人。これらは専門職の人が多いです。総合職ではなく専門職です。 たとえばAdobe社のソフト(イラストレーターやフォトショップなどが有名)が扱えるとか、ライティングや編集、校正など文章を扱う仕事になります。とくにAdobe社のソフトは、学生であれば、学割価格でとても安い月額料金で使えます。このときに使い方を勉強するのは良いことだと思います。

もちろんこの際も「外国語」ができるならば、日本国内外のお客様とやりとりができる可能性があります。

吃音のある子どもの将来のために、「総合職」として就職する未来ではなくて、別の未来を考えてみましょう。

第一に「外国語」を1つマスターする。
第二に「専門職」として技術を習得する。
第三に「人生」を「ライフステージ」を、障害やマイノリティに厳しい日本ではなく、世界で考えること。

吃音のある子どもの保護者にはこれを知ってほしいのです。


16. 小学校、中学校、高校などで吃音のある子ども、発達障害のある子どもへの合理的配慮はどうやって学校側と取り決めればよい??

吃音のあるお子さんが安心安全な環境の学校で学ぶためには合理的配慮が必要になる場合もあります。保護者さんが平日昼間などに有給を半休をとって学校に行くこともあるかもしれません。吃音のこと、発達障害のことを説明にいくかもしれません。吃音を診療してくれる吃音ドクターであったり、吃音に理解ある精神科医師などから診断書を書いてもらうかもしれません。吃音について書かれた書籍を学校に提供するかもしれません。

さて、この場合本当に重要なことがあります。
それは、各地ごと、各地の教育委員会ごとで書式や呼称などは異なりますが。個別の指導計画、個別の教育支援計画という(以下 計画)、カードを使うことです。

文部科学省の説明ページ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/032/siryo/06090604/003.htm

この計画ですが、吃音のあるお子さんも使えます。
なぜこの計画を、このカードを使わないといけないのか。
それはせっかく医師に書いてもらった診断書などを持っていくだけ。その場で話し合うだけではダメなのです。学校教員の中にはあまり真剣に吃音のある子どもの合理的配慮を考えてくれる人はいないかもしれない、または、保護者が学校に説明にいったときに合意したことが実行されないこともあるでしょう。言った言わない問題になることです。それらを防ぐために文章にして「計画を発動」することが重大なのです。

さらに吃音業界独特の文化として、派閥抗争があり、吃音を認めありのままに吃ろう、吃りは友達、どもだち、堂々と吃れ、安心して吃りまくろう!という派閥に染まっている教員も存在します。その教員と保護者と当事者である子どもの価値観が合わなければ、これこそ、キッチリ計画を発動してこちらの実行してほしい合理的配慮希望を伝えるほうがよいでしょう。例えば吃音をできる限り治したいとか、吃音がでないような話し方を身に着けていきたいなどです。または吃音があるため、積極的な発言をしたくない。極力学校では発言しない発話しないですごしたい。発話発語を必要としないコミュニケーション手段を用意してほしい使えるようにしてほしい。スピーチや読み上げることは授業では免除してほしい。試験などは個室で行ってほしいと合理的配慮を申し出ることもでき、まずは勉強に集中したい安心安全でドキドキしながら通学したくない、お腹いたくならないで通学したいという保護者と当事者もいるでしょう。

いずれにせよ「計画を発動」するということは、その子どもと家族ごとに個別にカスタマイズして作成した計画を発動することですから。ここでは過度過重な合理的配慮を要求しない限りは、ほとんど認められると思います。吃音の場合の過度過重な合理的配慮ですが、「最後まで吃りながら吃りまくって話す」ことが過度過重になります。授業予定時間は延長することができないのに、どもってしまう時間を全部認めるのは難しいからです。例えばNHKのニュースに吃音アナウンサーが出ていて。30分しか放送時間がないのに、吃音でどもりまくることにより、40分も放送時間が必要になった、今日は33分だった。と時間が日々変動するのは過度過重な合理的配慮になるからです。


ところでこの「計画」とはなんなのか? と思う保護者さんもいるでしょう。
それもそのはず、吃音業界の文化に染まりきってしまった、教員はこの2つの計画を保護者に説明しない場合もあるのです。要は面倒だからです。今まで培ってきた大いに吃る吃りまくる堂々と吃る、吃音は発達障害と一緒になってはいけないなどの吃音世界を破壊されるのも困るわけですから。(何れにせよ、合理的配慮はその子ども、保護者ごと個別に作成される考えることが重要になります。合理的配慮に教科書的な正解はありません。その当事者ごと、その当事者の価値観、その当事者の希望に合わせて落とし所を考えることになります)

地方自治体の窓口などに行ったとしましょう。住民票を取りたい、何かの住民サービスを利用したい。こういうときは申込書を書きますよね。または役所から何らかの文章が届くときは番号がありますよね。その場合、その申込書や申請書や通知書は「様式XXXX」、「●XX様式」などと左上や右上に書いてあると思います。そうです。公務とは書類により文書主義になっているのです。

これが実は教育でも存在しており、それが先ほど説明した個別の指導計画、個別の教育支援計画という書類に記入することなのです。小学校、中学校は各都道府県ではなく市区町村の教育委員会ごとことなります。高校は各都道府県になります。この計画を発動することにより、証拠が残ります。子どもに対してどのような合理的配慮や安心安全な学校にするのかを書面に残していくからです。

そこで計画を使いたい!! と学校側に申し出るのです。
もちろん余計な仕事をしたくない、責任を増やされたくないという学校や教員は『お子さんの吃音程度ならこれは必要ないですよ。大丈夫ですよ(笑)』などなど計画を使わせないように水際作戦を展開してきます。『今真剣に話したことを実行しますよ。大丈夫ですまかせてください』という発言を平然とする教員もいるでしょう。

それを吃音のあるお子さんの保護者さんは信用してはいけません! 実社会でも何度も保護者さんは経験しているでしょう? 言った言わない問題を人生で何度経験しましたか? 平気でウソを付く人、やるといってやらない人。それは教育現場でも残念ながらいます。

そういう場合は教育センターや教育委員会に経緯を説明し計画を使うにはどうしたらいいかと相談に行きましょう。とくに吃音の場合は他の発達障害と違い、吃音業界の吃音至上主義のせいで、吃音は障害ではないと思いこんでいる、吃音はどもりまくってよい、そういう価値観に染まっている教員もいるため水際作戦を使うことや、保護者が要望要請したことを実行しない場合もあります。それを防ぐ意味でも計画を発動することが大切になるのです。

この計画の中には、子どもが安心安全に学校に通学できるためにはどのような合理的配慮が必要なのか。吃音があっても吃って行く方向にするのか? 吃音をできる限り出ないように訓練して流暢に話すようにしていくのか? 吃音があるのでとりあえず、発話発語はせずそれ以外の手段方法でコミュニケーションしつつ学校に通うのか。いろいろなパターンがあると思います。

その際、子どもの吃音はオープンでいくか、できるだけひっそりとしていくか。
吃音のことはクラス全員にオープンにして話すか、それ以上の範囲にも話すか、一部の人だけに伝えておくか。それとも隠すか。(筆者は吃音のことはクラス全員に伝えたほうがラクだと思います。吃るときもあれば、吃らないときもあって、うまく話せてるときもあるし、いきなり吃りまくってどうしようもないときもある、情報が事前にわかっていれば人間は理解できるからです)

吃音を説明するとしてどうやって説明するか。その方法。子どもが言うのか。
担任が言うのか。その際子どもは教室にいたほうがいいのか、いないほうがいいのか。

吃音に対する他の子どもからの指摘、いじめ、からかいが発生した場合どうするか。
どうやって解決していくのか。子どもがどうしてもクラスに居たくないと思ったときに逃げることができるパニックルーム・セーフルームはどこにするのか? 職員室か? 保健室か? それとも特定の先生の部屋か?

すべての教科担当に吃音のことを担任から説明するようにと明記するか。
吃音について知識がない教員だと、「なんだコイツ。うまく話せてるじゃん。吃音があるなんてウソなんじゃないか? もっと話させよう」と考える方もいますし。「この子吃音で話せないんだ。じゃあ、どんどん話を振っていこう、無理やりにでも話させて、それを繰り返していけば話せるようになるだろう」と考える方もいますし。教科担当ごとに障害に対する価値観が異なる場合は本当に説明が困難になる場合もあります。
そのため、「計画を発動」する段階でかなり細かく、深部まで想定して文章にしたほうがよいです。

授業ごとどのような合理的配慮を希望するか。発言をしなくてもよいことにするか、発言をしたいときは右手を挙手する、発言をしたい解答はわかっているけど吃りそうだから先生指名しないでの意味をこめて左手を挙手するルールをつくるか。

中学校であれば職場体験として、子どもがどこかに電話しなければいけないのか、その場合は学校側、教員が電話してくれないか。

学校側と保護者と(場合によっては)子どもも含めて定期的な面談はどのくらいの頻度にするか。

保護者が学校側に連絡する場合、学校ではまず最初に誰が窓口になるのか。その担当窓口に話したことは各教員に自動的に共有されるか。の確認も必要になります。ワンストップサービスと同じ考えです。何度も何度も教員ごとに保護者が説明する必要は無いからです。

以上のようにありとあらゆることを学校と話し合い、どうしていくか決めていくのです。

保護者、当事者である子ども、担任教師、学年主任、養護教諭、教頭、校長、発達障害支援コーディネーター、教育センター職員、必要に応じて病院医師、言語聴覚士、作業療法士、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、外部のサービス事業者の支援職などなども必要になります。

そしていよいよ、吃音のあるお子さん、その家族と学校側が、その子どもにあったカスタマイズ合理的配慮を考えて落とし所で合意するのです。


吃音のあるお子さんの保護者の場合、病院からもらった診断書などを、担任教師のみだけとの話し合いで消費してしまうこともあるかもしれません。。それはもったいないです。同時に「計画」を利用する、発動するのです。これで文書主義である「証拠」ができます。あとから言った言わない問題。そんなことは聞いてない。忘れてました。忙しくてできませんでした。子どもに嫌な思いをさせました。子どもが吃音を他の子から指摘された、イジメが始まった。子どもが不登校になりました。子どもが自殺自死をほのめかすよになりました。最悪の場合、本当に亡くなってしまいましたということも発生することもあるかもしれません。そうならないためにも、「計画を発動」すること書面化すること、学校側と合理的配慮について取り決めて、責任と証拠が残る状態に持ち込むことがまずは最優先になります。

また、「計画」は書面としてどんどん蓄積されるので、次の学年、次の学校へ、入試のときの合理的配慮、就職活動時の合理的配慮、就職活動時に精神障害者保健福祉手帳が必要な場合にスムーズに手続きができることにもなります。このように次々と引き継ぐことができます。必要なくなれば一時停止もできます。合理的配慮が必要なくなればいったん、保護者さんがそれらの書類全部を引き取ってもよいでしょう。母子・父子手帳と同じようなイメージです。子どもが成人しても保管しておきましょう。いつか使う日があるかもしれませんし、使うことは無いかもしれません。