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2017年8月8日火曜日

2013年に北海道とは別件で吃音者が自死していたことがわかりました

悲しいお知らせです。
心よりご冥福をお祈りいたします。

2013年は北海道の吃音看護師さんの自死がありましたが。
まさか東京(千葉)でも吃音者の自死があったとはショックです…。



詳細はバズフィードジャパンより 全文はリンク先で
https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/20170808?utm_term=.ssj0RPqpp#.xbRmnv4xx

製薬会社・ゼリア新薬工業に勤めていた男性Aさん(当時22歳)が、新入社員研修で「過去のいじめ体験」を告白させられ「吃音」を指摘された直後の2013年5月に自死し、「業務上の死亡だった」として2015年に労災認定を受けた。
Aさんの両親は8月8日、ゼリア新薬と研修を請け負った会社、その講師を相手どって、安全配慮義務違反や不法行為に基づく損害賠償、約1億円を求める訴訟を東京地裁に起こした。千葉県在住の父親(59歳)と代理人の玉木一成弁護士が厚生労働省で記者会見し、明らかにした。
何が起きていたのか。
中央労基署の認定によると、労基署が注目したのは、4月10日〜12日の3日間、ビジネスグランドワークス社が請け負って実施した「意識行動改革研修」。その中で、Aさんの「吃音」や「過去のいじめ」が話題になった。講師から過去の悩みを吐露するよう強く求められた上で、Aさんはこうした話をさせられていたという。
Aさんは、研修報告書に、次のように書き残していた。
「吃音ばかりか、昔にいじめを受けていたことまで悟られていたことを知った時のショックはうまく言葉に表すことができません」
「しかもそれを一番知られたくなかった同期の人々にまで知られてしまったのですから、ショックは数倍増しでした。頭が真っ白になってその後何をどう返答したのか覚えていません」
「涙が出そうになりました」

2017年6月13日火曜日

2017年6月13日放送のNHKシブ5時で発達障害特集 仕事のできる人には正当な賃金を 栗原類さんが発言

2017年6月13日放送 NHKのシブ5時
17:35ころから発達障害特集が放送されました。

苦悩 小中学生の15人の1人?に発達障害の可能性 どのように向き合う
内容は5月21日のNHKスペシャルで放送されたものを短く編集したもの。
この放送に7000通の反響があったという。

発達障害当事者の笹森理絵さんが部屋を片付けられない。捨てる捨てないの判断ができないと語ります。片付けがしたくても集中できない。注意が他にむいてしまう。自分ではどうにもできない。「だらしなくてみっともない」と周囲から判断されてしまう。


次に感覚過敏のある少女のケース。
スーパーマーケットの業務用冷蔵庫の音。「キーン」「シャー」「ゴー」と聞こえてうるさいといいます。外では子どもの声がうるさく感じます。しかし定型発達者の有働由美子アナウンサーにはそんな音は聞こえないといいます。


スタジオには栗原類さんと信州大学医学部附属病院部長 NPOネストジャパン代表 本田秀夫さんが登場。栗原類さんは2年まえにNHKの番組で発達障害者であることをカミングアウトしました。
スタジオでは発達障害の説明があります。『発達障害は生まれつきの脳の特性である』と説明されました。とても正確な情報です。
残念ながら吃音やトゥレット症候群、協調性運動障害については説明がありませんでした。

ASD 自閉スペクトラム症は臨機応変さ人付き合いに困り事がある。
ADHD 注意欠如・多動性障害は忘れっぽい、片付け苦手、順序立てて考えることの困りごとがある。
LD 学習障害 計算 読み書きが苦手という。


栗原さんはADD ADHDと診断されたが。ASDの臨機応変や人付き合いの苦手はあるという。昔、はじめて診断されたときはLDもあったという。



5月21日に放送されたNHKスペシャルを見て7000通の反響があった。
当事者の母30代
息子は常に動き続け注意されてもすぐ忘れ自分で制御できないことが多々ある。
同居する祖父母は発達障害を知っている、伝えたのに「普通に育てればいいという」
その普通が息子にとっては苦痛なのに

というメッセージが寄せられた。


本田医師によると、一般の社会はある程度平均的な人が過ごしやすいようにできていますので、性格が極端な人にはすごしにくい。努力や訓練でどうしようもないもの発達障害だと難しいことが多くなってくる。病気を治す訓練や努力ではなく周囲が受け入れることが大切だという。



場面が変わって 感覚過敏の当事者の事例紹介
NHKスペシャルでも放送された定時制高校生の河髙素子さんの感覚過敏の困りごとになる。河髙さんは自閉スペクトラムの診断を受けている。子どもの声や冷蔵庫の音がとても聞こえすぎて苦手のようだ。有働アナウンサーは聞こえない。河髙さんは音の洪水にされされていると表現している。15分ほどしかスーパーマーケットにいることは耐えられないという。

河髙さんにはもう一つ苦手な場面がある。感覚過敏は人とのコミュニケーションにも困難をもたらす。場面は喫茶店に切り替わる。河髙さんは目の前にいる有働さんと会話をしたいのだけど有働さんの話す声よりも、周囲の音、他のお客さんの話している声、喫茶店の環境音そのものが気になって聞こえすぎてしまい聞こえないというのだ。

NHKは河髙さんの声の聞こえ方を視聴者に伝えるため聞こえ方のイメージを放送した。
(監修 NTTコミュニケーション科学基礎研究所 柏野牧夫)
このように喫茶店、ファミリーレストラン、居酒屋などで会話しながら食事やお酒を楽しむシーン。吃音者にもあてはまる人がいるでしょう。目の前の人やお隣の人と会話ができないことあるでしょう。他のお客さんの声、店の出入り口のドアの音や入店時メロディ、注文時の読み出し音、調理場の音、子どもがはしゃぐ声、赤ちゃんの鳴き声、食器の音、このようなものが聞こえすぎてしまい。満足に会話ができない吃音者もいるはずです。自閉スペクトラム症かもしれませんね。



河髙さんはさまざまな音が混ざって聞こえるといいます。
ロンドン大学で自閉症研究をするフランチェスカ・ハッペ教授(認知神経科学)によると
脳が出す指令が関係しているという。教授の仮説によると健常者、定型発達者は脳の司令塔が不要な音を小さくしているといいます。

しかし発達障害のある人は、音を選択して、自身が重要だと思う音に注目して聞く事ができないというのです。不要だと思う音のレベルを脳の司令塔が下げることができないというのです。

吃音もこのように「話せ、発話しろ発語しろ」というときに脳の司令塔が複雑な動き、混乱していて吃っているのかもしれませんね。DSM5が吃音を神経発達障害としているところはこのような背景もあるのかもしれませんね。




スタジオに戻る
栗原類さんも音楽が好きでアーティストのライブにいっても耳栓をして参加しているといいます。居酒屋で上手く会話できないエピソードも明かします。音が大きすぎて距離が近い隣の人と会話できない。居酒屋にいる他の人の話し声が聞こえてきてしまうといいます。


本田医師によると、みんながみんな発達障害の人が感覚過敏があるわけではなく。逆に感覚鈍麻の人もいるというケースを紹介する。例えば健常者定型発達者が回避できる危機回避ができない。やけどをしてしまうことが紹介された。



番組に来たメッセージ
当事者女性 40代
38歳のとき発達障害と診断され職場に報告したところ
「そのような特性があるなら事務系の仕事は難しい。あなたが異動できる部署はここにはない」説明され、結局退職するしかなかった。悲しくて悔しくてしかたありません。




松尾 剛アナウンサー
「これはでも職場の側に受け入れる理解があればなんとかなったのではないか。先生どうでしょうか」

本田医師
「そうですね。あの。事務系が全部無理ではない。その人の特性に合わせた仕事を与えることができればこの人も勤務することができたかもしれない」

栗原類
「とくにあの。会社とかに毎日いかなければいけない。こういのは発達障害の人は皆ができるわけではない。例えば週5で会社に行くのではなく1日だけ自宅で作業できるように。とくに今はインターネットや技術が進歩しているから、自宅で定型発達者と同様の仕事ができる。もっと在宅勤務を増やしてほしい」


※筆者補足
実は発達障害者支援法第10条の3【3  事業主は、発達障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の発達障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。】

これを使えば、発達障害者への不当な圧力と戦うことができます。
雇用主事業主は適切な雇用の機会確保、個々の発達障害者の特性に応じた適正な雇用管理をしないといけないのです。「キミにはうちの会社に仕事はないよ。どっかいけよ。辞めてくれると嬉しいな」なんていうことはもうできないのです。これは障害者手帳所持者でも社会人になってから発達障害が判明した人でも関係ありません。発達障害がわかった当事者が自主的に辞めるように環境を醸成することや。逆にその人が障害特性で苦手だろうと思われる職務に配置転換して能力不足による普通解雇をした場合裁判になります。発達障害者支援法改正後にこのような事例が徐々に報告されてきています。適正な雇用管理をせずに退職に追い込むとか普通解雇すると事業主は裁判で負けます。




場面が変わって発達障害当事者男性の勤務と上司のお話
発達障害の人を社員として採用している大阪のIT関連企業。
そこに障害者枠で勤める伊藤直さんのケースが紹介される。
自閉スペクトラム症の伊藤さんはコミュニケーションする際に定型発達者が具体的な数値を使い仕事の指示を出していることが紹介された。たとえば部屋の植物への水やりは適当にやっておいてではなく、コップに3杯の水をあげるという指示だった。曖昧な表現をやめて、具体的な数字で説明することが大切だとわかった上司のコメントがあった。

また、伊藤さんは集中力があり些細なミスや違和感に気づくので経理の仕事をしているという。仕事の緻密さは社内で高い評価を得ているという。


スタジオに戻る

栗原類
「いまいろいな企業団体で発達障害のある人の雇用が増えている。でもまだ足りない部分もある。発達障害の人でもできないことできることの差があるけれども、定型発達者と全く同じ仕事ができる人がいるのに、低い賃金である障害者枠給与のままというのはその当事者のモチベーションが下がる。当事者と会社側がもっと話し合って得意なことで活躍できるように。発達障害の人が活躍できるのは日本経済の未来に良い影響をあたえると思う。」

障害者雇用枠だからといって、障害者雇用枠でずっと簡単な仕事をしていればいいのか。スキルアップしない。キャリアアップが見れない職場で長く働けるのか。自立できるのか。モチベーションは保てるのか?

栗原さんの言葉はとても重いです。重要です。
発達障害者は精神障害者保健福祉手帳所持者です。発達障害のある人の仕事内容は簡単なものやスキルアップやキャリアアップが望めないものもあります。



ここでメッセージ
当事者の母 30代
今は発達障害の人が努力してなんとか社会にあわせて生きています。
でもどんなに努力を続けても十分ではありません。
障害のない人がある人に合わせる方が少しの努力で済むのではないですか?
多数派が少数派を受け入れる社会になってくれるとうれしく思います。


これは東京大学先端研で発達障害などを研究する熊谷晋一郎氏も頻繁に話すことです。
健常者、定型発達者がつくった「普通というルール」にマイノリティである発達障害児者が合わせるのではなくて、健常者、定型発達者が障害のある人、困っている人に歩みよってほしいということです。障害のある人に障害があるから血の滲むような努力をして障害を治す(手術、服薬、訓練)のではなくて、社会の側がもっと寛容な心で包摂するという意味です。これができれば栗原さんが述べたようにできる仕事、得意なことをやる時間が増えるかもしれないですよね。



本田医師
「とても重要な事です。人は必ずしもみなが同じではない。必ず色々な領域で多数派と少数派がうまれる。多数派の人は自分が簡単にできることをできない人がいるとついつい上から目線になって心無いことをしてしまう。少数派の人は多数派の人から見えないのでついつい無視されがち。少数派の人たちも一緒に何かをやれるためには多数派が視線をひろげて気づいて一緒に生活できるよう環境を考えるようになればと思いますね」


松尾アナ
「先程の指示の仕方についてですけども(具体的な数値として発達障害当事者に伝える)そこに視点を定めて、それをスタンダードに定めれば、もっと働きやすい仕事になりますよね」


栗原類
「先程も申し上げたように。テクノロジーの進歩で皆が働きやすい。たとえば伊藤さんのようにデスクワークができる人は、会社にいかずとも自宅でできるように配慮してくれるようになれば、そういう企業が増えれば変わると思う」

以上


栗原類さんがかなり発達障害のことを勉強していて驚きました。
自分のことも1つの例。他にも発達障害の人は1人1人異なることを説明したことはすごいと思いました。現代社会のテクノロジーの進歩により、会社や職場にいなくとも仕事ができるのではないかと踏み込むところや、仕事ができる当事者には正当な人事考課をして給与をあげてほしい、一般枠と同じことがこなせるなら評価してほしいなど。かなり踏み込んだ発言をしていたと思います。栗原類さんはこれからも活躍してほしいし、色々な発達障害のことをもっと伝えていってほしいと思います。

番組内では発達障害児者が、健常者、定型発達者の作った普通というルール、価値観に合わせるのではなく、健常者、定型発達者側が障害者を知って少し歩み寄ってほしいというのもとても印象に残りました。医学モデルではなくて社会モデルですね。こういった考えがもっと広がるといいですね。

2017年6月9日金曜日

秋田県由利本荘市 地域おこし協力隊の合格者が後に精神障害者保健福祉手帳所持者とわかった後に合格取り消し

精神障害者、発達障害者、吃音者、精神障害者保健福祉手帳を持っている人にはとっても影響がありそうなニュースが秋田魁新報社から報道されました。

就職活動では障害者手帳を持っている場合ははじめの段階で打ち明けないといけないという意味なんですね。その人のありのまま姿ではなくて、精神障害者保健福祉手帳を持っているかいないかが重要ということなのかもしれません。そもそも障害者手帳を事前に見せなくても、面接で、その状態の男性を判断して合格にしたのだから、本当の意味の、事前情報無しのありのままの男性をみて合格にしたのに。不思議だなと思います。

発達障害児者にもこのニュースは影響ありそうです。そもそも身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っている人は「それを隠してはいけない」ということかと。

また、恐ろしいのは由利本荘市が弁護士と相談した結果として、病気や障害があることを隠して面接に望む、就職活動をするのは虚偽申告にあたるとしている点です。障害者であることろクローズにして働いている障害者には困りますよね。


例えばこれが「話して吃ればバレる吃音者」なら、雇用先の業務命令という形で指定の医療機関で障害や病気がないか診断してもらいなさいということにもつながりますよね。業務命令だから逆らうとペナルティになるし、かと言って病院に行って障害や病気がありますねと言われて、それを報告すれば、配置転換や障害特性に不利な業務を押し付けられて、能力不足による通常解雇という伝家の宝刀を使われそうです。

ただ、改正した発達障害者支援法では、「能力不足による通常解雇をする前に、その人の障害を合理的配慮したのか?」ということで争えるようになったため、裁判では有利です。発達障害支援法改正の10条の雇用管理がそれにあたります。これにより発達障害特性を利用した苦手な業務に配置転換して当事者を蹂躙して血祭りにあげる行為に対抗できることになってはいます。

このニュース秋田魁新報社以外にも大手新聞社が報道してほしいと思います。



◆発達障害者支援法改正後の10条

(就労の支援)
第十条  国及び都道府県は、発達障害者が就労することができるようにするため、発達障害者の就労を支援するため必要な体制の整備に努めるとともに、公共職業安定所、地域障害者職業センター(障害者の雇用の促進等に関する法律 (昭和三十五年法律第百二十三号)第十九条第一項第三号 の地域障害者職業センターをいう。)、障害者就業・生活支援センター(同法第二十七条第一項 の規定による指定を受けた者をいう。)、社会福祉協議会、教育委員会その他の関係機関及び民間団体相互の連携を確保しつつ、個々の発達障害者の特性に応じた適切な就労の機会の確保、就労の定着のための支援その他の必要な支援に努めなければならない。
2  都道府県及び市町村は、必要に応じ、発達障害者が就労のための準備を適切に行えるようにするための支援が学校において行われるよう必要な措置を講じるものとする。
3  事業主は、発達障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の発達障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。




http://www.sakigake.jp/news/article.jsp?kc=20170609AK0005&pak=1&pnw=1&ptxt=%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85&psel=&py1=&pm1=&pd1=&py2=&pm2=&pd2=

 秋田県由利本荘市が、4月に市地域おこし協力隊に合格した長野市の男性(42)の採用を、雇用期間が始まる前に取り消していたことが8日、分かった。男性が精神障害者手帳の交付を受けていることを事前に伝えなかったことなどが理由。市は「弁護士とも相談しており、適切な対応だった」としている。

 市や男性によると、男性は3月、地域おこし協力隊に応募。書類選考と面接試験を経て、4月13日付で合格通知が送付された。雇用期間は6月1日から2018年3月末までだった。男性は5月9日に事前の打ち合わせで市を訪れた際、うつ病で精神障害者手帳を持っていることを初めて担当者に告げた。この報告を受け、市は同日、採用取り消しを決め電話で伝えた。

 その後、市は合格取り消しに関する通知を送付。理由は
・募集要項にある「心身が健康」という点に大きな懸念がある。
・履歴書や面接の際、身体不調などの情報提供がなく、虚偽の書類提出があったとみなされる。
・事実を隠そうとした行為であり、相互の信頼関係維持に負の影響がある―
の3点を挙げた。

 男性は「医師と相談し、服薬しながら日常生活を送っており、健康面で特筆すべき事項はない」と強調。「障害の情報をあらかじめ示させて合否の材料にするのは障害者雇用促進法に違反する。障害者手帳は自ら見せており、虚偽の意思もなかった」などと反論している。

 市はきょう9日から地域おこし協力隊を再募集する 
(喜田良直)

2017年6月1日木曜日

【東京大改革】平成29年度障害者を対象とする東京都職員3類採用選考の変更点 知的・精神障害者も含まれるようになった画期的な大転換

2017年03月30日  人事委員会事務局 東京都の報道発表である。
筆者の知る限り公務員採用試験といえば「身体障害者のみ」というのが日本全国の常識であったが。ついに日本の首都である東京都が「障害者枠採用を身体障害、知的障害、精神障害」の受験を可能にしたのである。

この背景には東京都自閉症協会さんの毎年毎年毎年毎年の要望要請、意見などがあったことである。東京都自閉症協会さんには吃音業界の1人として深く心より感謝の気持ちを表明したい。


今後、日本全国の障害者手帳を取得した、障害受容のできている吃音者が東京都の採用試験に応募する可能性が誕生したことになる

しかし、そもそもこの流れが国家公務員や全国の地方自治体の採用試験にも広がっていくことが望ましい。東京都が先駆けとなり、他の道府県にこの新時代が伝播することを強く望む。公務員採用試験に「知的・精神障害者」が応募できるようになるというのは驚天動地の大事変であるのだ。知的・精神障害者の採用はいままで民間企業にまかせていたものを公務員採用試験に入れること。2018年から事実上の精神障害者雇用義務化(法定雇用率計算式に精神が明記)はじまるのでこの公務員採用試験の条件変更は全国に広がってほしいことである。






東京都の報道発表より
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/03/30/22.html

障害者を対象とする東京都職員3類採用選考の見直しについて

東京都では、現在、身体障害者を対象としている障害者採用選考を、平成29年度採用選考から知的・精神障害者にも門戸を広げ、併せて選考内容を一部変更することとしましたので、お知らせいたします。
なお、平成29年度採用選考の日程は以下のとおりです。
※「3類」の数字の正しい表記はローマ数字です。

平成29年度障害者を対象とする東京都職員3類採用選考の変更点

身体障害者の方を対象としていた採用選考について知的・精神障害者の方も受験可能に
採用予定者数を45人に拡大予定(平成28年度35人)
正規職員としての適性等を適切に検証できるよう第2次選考の内容を変更




2017年4月15日土曜日

2017.4.8 世界自閉症啓発デーシンポジウムの様子

こちらは4月8日に灘尾ホールで行われたシンポジウムです。
この会場でも吃音やトゥレット症候群が発達障害に含まれていますというアナウンスがしっかりとありました。

本当に感謝です。吃音者に寄り添い、いまでもなお手を差し伸べてくださるみなさまに心より感謝いたします。
吃音も発達障害者支援法に2005年から含まれている。これはとても大きい。2017年からこれからも啓発していかないと。不登校や引きこもり、自殺を決断する人が、使える社会保障制度があるように。ライフステージごとに、いつでもSOSがだせるように。社会保障制度や合理的配慮を利用することが恥だとか、弱さとか、逃げだとか思わないように。吃音で命を絶つことはできる限り避けたいから。
吃音の障害者認定反対派は憤激するでしょうが、日本には憲法もありますし。困っているときに使える制度があるのはとても素晴らしいことだと思います。

シンポジウムでは地域つくりリーダーの思いとして。稲村和美氏(尼崎市長)、北村正平氏(藤枝市長)、比嘉ゑみ子氏(沖縄県中小企業家同友会)のシンポジスト発表がありました。自治体ごとの発達に課題のある子どもへの対応や親への対応。早期発見早期療育の仕組み。子どもも親も両方支えることの大切さ。子ども発達支援センター。切れ目のないいつでも利用できる仕組みなどが説明されました。
また沖縄県の中小企業家同友会が障害者雇用事例を紹介しました。

効果的な伝え方の工夫(マスメディア)
というシンポジウムもあり。
神戸金史氏(RKB毎日放送東京報道部長)、東ちづる氏(女優・一般社団法人get in touch代表)、熊田佳代子氏(NHK文化・福祉番組部チーフプロデューサー)の3名から、相模原の障害者無差別殺人事件、どうやってマスメディアにアピールするか、ナチスドイツのT4作戦の番組、これらを交えて、マスメディアの報道の力やそれが世の中に与える影響などについて話し合われました。

マスメディアの力は良い面もあれば悪い面もある。報道する自由や報道しない自由。報道する側が面白いとかメリットやドラマがないと報道しない場合があると東ちづる氏が話しました。
NHKの熊田氏からは、相模原の事件の被告はタイミングよくETV特集を見ていたのではないか?という心配もあったと明かしました。(結果的にそれはなかったそうです)ヒトラーが降りてきた?という発言に放送が影響したのではないかという心配でした。



また、神戸金史氏がフェイスブックに投稿した文章も紹介されました。
コチラです。




#吃音 #発達障害 #WB2017 #MAZEKOZE



吃音やトゥレット症候群が発達障害として説明されています。
この説明板は東京タワーの2階にも掲示されていたそうです。







発達障害の支援を考える議員連盟 高木美智代事務局長


2016年12月18日日曜日

【重要なお願い】吃音業界は2005年4月から施行の発達障害者支援法を本当に知らなかったのか?なぜ2013年に北海道で吃音看護師が自死したのか

この記事は吃音業界にもともと関わっている、医師、看護師、言語聴覚士、教員、行政職員、吃音当事者、その家族。また、一般の人や普段障害者とは接する機会が少ない人。

そして

一般に言われる発達障害である、自閉症スペクトラム、ADHD、LD、チック・トゥレット症候群、ディスレクシアなどなど。それらの団体に携わる、当事者の方、親御さんや家族、医療従事者、コメディカル、社会福祉や精神保健福祉、学校教員、大学教員、行政職員の方、障害者福祉政策に強い国会議員・地方議員の方などなどにも読んでいただきたいのです。

吃音業界とは関係のないみなさんからの情報提供が必要です。
2005年から発達障害者支援法という法律があり吃音者もそれを利用できる状態だったのです。しかしそれがなぜか誰もが使える状態になっていませんでした。

吃音業界には考え方の違い、派閥抗争が今なお繰り広げられています。
吃音が発達障害や精神障害、精神障害者保健福祉手帳と同じだと言われるのは困る。発達障害や精神障害は内面や心理面に問題があって、それが吃音者にもあると思われたら困るとか、犯罪をしても心神喪失で無罪な奴らと同じにするなという声もでています。吃音者は自身が吃音で困っているのに、他の障害者と同じにされたら困るとか、吃音と●●はここが違うんだ!という選民意識、白人至上主義と同様の吃音至上主義、ナチスドイツのT4作戦(精神障害者大虐殺)、などなどと共通する心を強く持ち、内なる植松を持っている人がいるのです。吃音業界にはこういった考えを持つ人が多いです。

しかし、まず法律や社会保障制度が使えるなら、それを自己決定権で使うか使わないか。「見える化・分かる化・使える化」された状態になることが大切です。

助けてください。助けてください。助けてください。助けてください。助けてください。助けてください。
本当に本当にこれは深刻な事態です。助けてください。
【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

吃音業界や吃音者の当事者団体、それに関わる医療従事者や教員や研究者が2005年当時から『吃音が発達障害者支援法に含まれていることを認識していたはずだ。証拠がある。議事録がある。吃音者の団体にもコンタクトした。吃音業界で有名なXXさんはこれを知っていた』など情報をお持ちの方は、連絡をいただけないでしょうか?

何卒、何卒、よろしくお願いいたします。
筆者は、なぜ2013年に北海道で吃音看護師さんが自死を選択したのか理解できないのです。とても悔しいのです。発達障害者支援法に含まれていることが「見える化・分かる化・共有化」されていれば、自死の選択肢以外にも道があったのではないかと思うのです。

また、北海道の吃音看護師さんの亡くなる数ヶ月前にゼリア新薬工業の新入社員研修自殺事件があったことも2017年に明らかになりました。2013年に2名の吃音のあった人が自死したということになります。 ゼリア新薬工業のニュースはこちら (ただ、ゼリア新薬工業の件は本当に吃音があったかどうかわからないという情報もありますので追加報道を待つことになります)ゼリア新薬の22歳男性「ある種異様な」新人研修受け自殺 両親が提訴


きつ音で生きられる社会を  北海道の看護師さんの家族の方のインタビューです

「自分の気持ちを伝えたい」、そのことがうまくできずに悩んでいる人たちがいます。
「きつ音」のある人たちです。
ことばを発しようとしてもうまく出てこなかったり、繰り返したりしてしまう言語障害で、この症状を持つ人は100人に1人い
るといわれています。
きつ音のある人たちが暮らしやすい社会をどうつくるのか、その取り組みを取材しました。
先月、札幌市できつ音を理解してもらうためのフォーラムが開かれました。
きつ音のある人などでつくる団体が開き、きつ音に悩む人やその家族などおよそ100人が集まりました。
話したくてもうまく話せない症状のきつ音は言葉を覚える幼少期に発症することが多く、その原因や治療法はまだはっきり
とはわかっていません。
今回初めて講演に立った飯山千恵さんは、フォーラムで弟のことを語りました。
千恵さんの弟は、きつ音であることを悩み、3年前みずから命を絶ちました。
34歳で看護師になり病院で働き始めましたが、その4か月後の自殺でした。
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20161212/4904981.html


1. なぜ吃音が発達障害者支援法に2005年から含まれていることが周知されなかったのか?


吃音が発達障害者支援法に含まれているという通知文 2005年4月通知
17文科初第16号 厚生労働省発障第0401008号 平成17年4月1日

文部科学事務次官
  結城 章夫


厚生労働事務次官
  戸苅 利和


通知先
各都道府県知事
各指定都市市長
各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
各国公私立大学長
各国公私立高等専門学校長  殿


発達障害者支援法の施行について

http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0412-1e.html


なぜ、これが見える化されなかったのか!!! 小学校、中学校、学校教員(とくにことばときこえの教室担当者)や国公立の医学部、大学病院、国が管轄する医療機関の医系技官や医師、独立行政法人で発達障害や吃音を研究する方などなど。



このブログの読者の方は他記事でご存知だと思います。
吃音者の派閥抗争です。
吃音業界は特殊な業界で1965年発足の吃音者当事者団体本家から数えると歴史は50年も経過しています。今はそこからどんどん分裂しています。(ある意味、東京や大阪などの発達障害者当事者会が分裂することにも似ているかもしれません。発達障害に携わる専門職や厚生労働省も「なぜ?発達障害の当事者団体は専門職がいない場合トラブルがおきるのか?」ということを調べはじめていますよね。実はそれ、吃音業界がパイオニアとして実行しています) そもそも吃音者に一般に言われる発達障害を持った人がいるという研究報告もあります。

吃音業界の派閥抗争について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

平成 28 年度厚生労働省障害者総合福祉推進事業. 指定課題15. 発達障害者の当事者同士の活動支援の在り方に関する調査報告書(発達障害の当事者団体はトラブルが多いとか分裂してしまうのはなぜ?というのが発端)
http://www.rehab.go.jp/ddis/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E8%B3%87%E6%96%99/%E4%BA%8B%E4%BE%8B%E9%9B%86%E3%83%BB%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8/?action=common_download_main&upload_id=2878

2. 一般社団法人 日本発達障害ネットワーク JDDnet には吃音業界の団体が2団体所属していた過去がある。現在は言語聴覚士協会が所属

JDDネットはみなさんご存知ですか?
発達障害者支援法に含まれている、それぞれの発達障害者当事者団体や親の会、医療従事者・専門職の団体、それを応援する企業などが加盟している大きな団体です。

2005年の発達障害者支援法施行のころに、時を同じくして発足しているようです。
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年1月号
列島縦断ネットワーキング【東京】
日本発達障害ネットワーク(JDDネット)の発足
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n294/n294016.html
この団体には最初の発足時メンバーに「全国ことばを育む親の会(2016現在 言葉を育む会)」が参加しています。
 http://b.zkotoba.jp/ 

また2007年? 2008年?に「一般社団法人 日本言語聴覚士協会」 も参加しています。

https://www.jaslht.or.jp/



厚生労働省のホームページにも過去の資料としてそれが証拠として残っています。
労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会

第5回
2008年9月24日
(平成20年9月24日)
議事録

09/02/04 第9回労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会議事録
第9回労働・雇用分野における障害者権利条約のあり方に関する研究会 
議事録
1 日時
  平成21年2月4日(水)13:30~15:30
2 場所
    厚生労働省共用第7会議室(5階)
 
3 議題
  主な論点ごとの検討
  第1 基本的枠組み
  第2 障害を理由とする差別の禁止
4 資料
  資料1 これまでの整理
  資料2 主な論点ごとの検討
  参考資料1 雇用及び職業についての差別待遇に関する条約(第111
号)について 


資料 PDFデータなど

3 山岡副代表提出資料(PDF:354KB)





3. 吃音に関係する2団体が所属している、していた証拠が厚生労働省のホームページや 月刊「ノーマライゼーション 障害者の福祉」2006年1月号(第26巻 通巻294号) に明記されている。

えっ????


ということは。すでに2005年の時点で「吃音が発達障害者支援法に含まれている。他の発達障害者と完全に同様の社会福祉制度、障害者手帳制度などなど」を希望し申請すれば利用できる選択肢があったということですか????




ここです。

筆者が1番気になっているのはここです。



もしかして。仮の話。変化させることができない過去の話になりますが。
この時点で吃音が発達障害者支援法に含まれていると吃音業界の人々が理解していれば、2013年と2014年はじめに大きくニュースになった、北海道の吃音看護師さんの自死という選択は、回避することもできたのではないですか? 2017年8月に報道によって判明したゼリア新薬工業の新人研修の自死も発達障害者支援法で戦えたのではないのか…。


と筆者は思うのです。


4. 読者のみなさまに重要なお願いがあります

読者のみなさま。

やはり、オカシイぞ。変だぞ。と思いませんか?

なぜ、吃音が発達障害者支援法に含まれていることが、横の情報網でつながらないのかと。


いえ、もちろん、吃音業界の派閥抗争、主義主張の違い、対立、戦争はあってもしかたないのです。吃音業界だけではなく、他の障害や病気も、もしかしたら考えの違いはあるかもしれません。


しかし

しかし

最低限の「義」や「情け」や「最低限のホットライン(赤電話 政府首脳が非常時に直接対話ができるように設置された直通の電話回線)」というものはないのでしょうか? なかったのでしょうか?

吃音が発達障害者支援法に含まれているそうですよ。私たちにはどうでもいいことですけね。まぁ一応、情報だけは伝えますからね。あとはそっちでご自由にしてくださいな。という一報です。

普段は喧嘩していても、派閥抗争をしていても、重大な動きがあったときには情報をお互いに共有し提供しないのでしょうか??

北海道の吃音看護師さんは本当は、自死を選択する前に、「まだ使える武器があるじゃないか。この法律で人権侵害に立ち向かいつつ、もっと理解ある職場さがすぞーーーー!!!障害者手帳も取得しようかな。」と決断する未来もあったかもしれないのです。



とくに一般に言われる、吃音以外の発達障害当事者、その家族。発達障害児者団体など業界の人。支援者でも医療従事者でも社会福祉士でも精神保健福祉士でも、学校の先生、行政の職員、議員の方など関係者のみなさま。



吃音業界、吃音当事者団体には2005年前後に声がけをした。発達障害者支援法に含まれていると情報提供した。●●という吃音当事者団体などは吃音が発達障害者支援法に含まれていることは当時から認知していたはずだ。という証拠をもっていないでしょうか?

証拠があれば情報提供していただけないでしょうか?
JDDネットには「全国ことばを育む親の会(2016現在 言葉を育む会)」が過去に正会員、2017年現在でも「一般社団法人 日本言語聴覚士協会」が正会員となっています。

吃音業界は2014年7月3日に厚生労働省の国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報支援センターが、発達障害者の一覧に「吃音」を追加された日以降に、吃音が発達障害者支援法に含まれていて、社会保障制度や障害者手帳、他の発達障害者と完全に同様のサービスを、希望し申請すれば使えるということを知った!その時初めて知った!!


という、テイになっています。


でも本当は、一部で2005年当時から知っていた人もいたのではないかと思うのです。


そこで、吃音業界とは関係のない。第三者からの情報提供が必要なのです。本当は2013年に2名も吃音者が自死する必要はなかったと思うのです。2005年から発達障害者支援法があったのですから。「go.jp」という日本政府ドメインにJDDネットに加盟していた団体も明記されて証拠として残っています。


このブログを読んだ方。吃音業界、いえ、吃音業界よりも、困っている吃音者、助けを求める吃音者、いまも苦労している吃音者、ひきこもりになっているかもしれない吃音者、明日死のうと思っている吃音者、将来の生まれてくる吃音者のために、その家族のために、


情報提供をしていただけないでしょうか?
どこの誰が。どこの団体が。2005年から吃音は発達障害者支援法に入っていたことを知っていたのか?これは歴史を揺るがす大事件です。2005年から法律が知られていれば、自殺しようという決断、ひきこもろうという決断、学校にいくのを諦めようという決断をする吃音当事者が他の可能性を見出したかもしれません。
連絡を待っています。


5. 報道、新聞、テレビ、週刊誌などのみなさま および研修者や大学教員の方へ

報道関係のみなさま。日頃は吃音について取材していただきありがとうございます。吃音が報道されることはとても良い事だと思っています。



さて、吃音はこのブログで指摘しているようにソフトに表現すれば、考え方の違い、所謂派閥抗争をしています。


報道のみなさまには、吃音の記事、啓発活動、イベント紹介などなど取り上げていただいています。とても感謝しています。インターネット、ドラマ、テキスト、ラジオ、テレビなどで取り上げていただき吃音は、2014年ころからやっと認知度があがってきたと思います。単なる取材報道以外にも吃音者が設定として登場する映像作品や文学作品が新たに生まれてくることも楽しみにしています。本当にありがとうございます。



―――しかし吃音に対する取材を今後は吃音者の派閥抗争の歴史、なぜ2005年施行の発達障害者支援法を見落とすことになったのか?その部分の真相究明も同時に行ってほしいのです。

取材する際は福祉学部で講義や資格取得方法を教える教員、教育学を教える教員、障害児教育を教える教員、学部に関係なく社会学を教える教員や研究者の知識も必要になるでしょう。なぜ吃音業界はソーシャルワークがうまくいっていないのか?なぜ当事者同士がすぐに喧嘩して分裂し新しい団体が次々に設立されるのか?このような状況を厚生労働省や文部科学省はどう認識しているのか?と様々な視点からの検証が必要です。

重ねてのお願いです。吃音当事者、吃音業界のみでは調べる事ができません。報道のみなさまのプロの客観的な取材が必要なのです。行政や厚生労働省、文部科学省、内閣府、吃音以外の発達障害者団体や親の会など、医者など医療従事者、言語聴覚士、社会福祉士、精神保健福祉士などにも取材が必要です。

そして、なぜ2005年施行の発達障害者支援法があったのに、自死する吃音者やひきこもりになる吃音者、通学や進学を諦める吃音者がいるのか?取材してほしいのです。2013年の北海道吃音看護師自死以外にもニュースならない吃音者が自死しているのではないかと思います。

※こちらもご覧ください
吃音を取材・報道する調べるマスメディア、研究者、表現者、映画監督などの方々へ
吃音を取材・報道する調べるマスメディア、研究者、表現者、映画監督などの方々へ



2015年11月4日水曜日

【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン

この投稿は長文です。
読み終える時間は15分程度かかります。

※関連記事です。時間があるとき下記リンクもお読みください。
実際に吃音の相談をする場合はこちらもご覧ください。
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/01/blog-post.html
【保護者・当事者必見】吃音者、吃音の子ども、病院にいくタイミングとは 障害者手帳を取得するタイミングとは デメリットは何?初診日問題について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2016/12/blog-post_10.html
吃音至上主義(きつおんしじょうしゅぎ)とはなんですか? どんな差別主義ですか?
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/12/blog-post.html
【吃音Q&A】吃音は発話発語の障害 そして相手、聞き手の時間を奪う障害 吃音者への合理的配慮 障害者雇用か一般枠雇用か?https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/06/q.html 

吃音者と働く 職場で吃音者の合理的配慮がうまくいかないのはなぜか?
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/10/blog-post.html

吃音をカミングアウトしているという吃音者の先輩の就職体験談を聞くときに気をつけることとは?https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/05/blog-post_29.html 

園や学校でカミングアウトする場合と就職活動でカミングアウトする場合の違いhttps://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/05/blog-post_30.html

【吃音Q&A】就労移行支援事業所や高校・大学の進路指導や就職支援室やキャリア支援室、障害学生支援室は吃音者にどう対応すればいい?https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2016/12/blog-post.html
吃音のある人の就職活動ガイドライン 吃音者はなぜ就職困難者が多く、一方で成功している吃音先輩は後輩を助けないの? http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2019/


ここから本文です。

この投稿を読んでいる人へ。

あなたの属性は何ですか?

一般の方ですか?

吃音当事者ですか?

吃音者の家族ですか?

発達障害当事者ですか?

発達障害者の家族ですか?

幼稚園・保育園の先生ですか?

学校の先生ですか?

医師ですか?

看護師ですか?

言語聴覚士ですか?

臨床心理士ですか?

社会福祉士ですか?

精神保健福祉士ですか?

障害者支援者ですか?

行政職員ですか?

企業の経営者ですか?

行政・企業などの総務・人事採用担当ですか?

障害者雇用・障害者採用担当ですか?

新聞記者・マスコミの方ですか?



前置きが長くなりすみません。
この投稿ははじめて吃音を知った人に向けて書いていきます。
絶対に知っておくべきことです。
吃音者の派閥については関係者全員が知っておくべきことです。

◆1.吃音者には派閥抗争がある。
吃音者には派閥があります。大きく分類して3つです。
1.「吃音は障害者じゃない」という派閥。
2.「吃音はあるけど、上手く隠して生活している。そっとしておいてほしい」という派閥。
3.「吃音があって生きることに困っている。障害者としての選択肢もほしい」という派閥。

これらのどの派閥に染まるかにより、吃音当事者とその家族の吃音観・他の障害者や社会的障壁がある人、難病者へ価値観が生まれ育ちます。
吃音当事者・家族でない人はこのことをよく理解しておく必要があります。

なぜこのような派閥争いが発生しているのか? 結論を先に言うと吃音者のセルフヘルプグループには「適切なソーシャルワークとウェルビーイング」が実行されていないことが問題となります。
社会福祉や精神保健福祉の仕事、障害者支援の仕事をしている人ならわかると思います、教科書にも書いてあります。吃音者のセルフヘルプにはこれが全く無いのです。A派閥ならA派閥の考えに染まっていないといけない。A派閥の考えと違うことを言うと追い出される、または主義主張を無理やり変えるよう洗脳される、糾弾されるという結果になります。

障害者手帳や合理的配慮、障害者雇用を選択したいから方法を教えてほしいと相談しても、吃音当事者団体の主義主張がその考えに反対であれば厳しく追及・詰問された挙句に人格否定や人格攻撃を徹底して行われます。 こんなひどい目に遭った何も知らない吃音当事者や家族は、もう二度と吃音業界には近寄らないということになってしまいます。

この対立の結果としてどんどんどんどん『お前らとは考えが違うから団体を分けよう分裂させよう。一緒になんて活動できないから!』という歴史を歩んできたのが吃音業界です。 聴覚障害者の考え方の違いや発達障害者当事者団体が主義主張対立からすぐに分裂するのと同じような状態に陥っています。

吃音業界はソーシャルワークやウェルビーイングという言葉はあまりにも浸透していないのが現実です。吃音以外の障害者や社会的障壁のある人と接することがある人々は本当に驚くと思います。障害者雇用や就労移行支援事業などを担当している職員も驚愕すると思います。少なくとも、「障害受容や障害者認定も考えることができる吃音者団体」と接触することがセオリーでしょう。新聞報道やインターネットニュースや吃音当事者団体のホームページを読んで事前に情報収集をすることをオススメします。


●1は、そもそも吃音というのは病気でもないし、障害者でもないという主義主張です。
吃音は障害者じゃない。吃音があってもこうやって生きている先輩がいるからそれを見習え。大いに吃りなさい。吃音者に生まれたことを誇りに思いなさい。吃音でよかったと思いなさい。吃音は神様から貰ったギフト。などなどのトンデモ理論がまかり通っているのが現状です。未成年の吃音者や親御さんにそんなことを教えて吃音仲間を故意に増やしたいのかと勘繰ってしまいます。

病気でも障害でもないので、吃音に対して気を使われることはもちろんのこと、吃音は障害だよ。
発達障害(Neurodevelopmental Disorder)だよと教えても聞く耳持ちません。吃音が発達障害であり、精神障害者保健福祉手帳の交付対象なんて死んでも許せないのです。

吃音のある子どもの父親と母親、祖父祖母などからすればとても気持ちの良い教えです。
「あなたのお子さんは障害者じゃありません」この言葉は魔法の言葉でもあります。
「自分の子どもが障害者といわれることに」とてもアレルギーがある。

この自分の子どもが障害者といわれることに抵抗を持ってしまうのは、その父親と母親、祖父祖母、親戚縁者が障害者や社会的障壁がある人にとても厳しい価値観なのだと思います。父親と母親が成長する人格形成期に「障害者は可哀想だ。障害者は幸せではない。障害者なんて税金泥棒だ。障害者は怖い。障害者は気持ち悪い。精神障害者保健福祉手帳を持っている人は頭がオカシイ。」など価値観をもってしまったのだと思います。その視点で自らの子どもの吃音を評価しているのです。

別の視点もあります。障害者に厳しい価値観でなくても障害者に理解があったとしても、父親と母親が社会人として、現実の社会に関わった結果。やはり障害者は経済格差がある。自分自身が働いてる会社は障害者はあまり雇用していない・そもそもしていない・身体障害者しかいない。吃音者が自分の会社に就職活動で来たら採用なんて絶対されない。そんな社会に吃音の自分の子どもが一人で生きていくことができるか心配だ…。このような現実と戦う結果、迷ってしまう親や保護者もいるでしょう。


そうだ。吃音は障害者じゃないと思い込もう!一時ですが気持ちのよい経験ができるかもしれません。しかし吃音当事者は大人になって壁にぶち当たった場合に最悪な状態になります。
また残念なことに吃音は幼少期に早期発見早期介入により病院に行って適切に処置すれば将来吃音状態が良い方向に行くという事実があったとしても病院に行かない行かせない場合もあります。


この吃音が障害者じゃないと教えるのは。特に小学校中学校で多く見受けられる事案です。
小学校の先生も一緒になって吃音は障害者じゃないと教える場合があるので注意が必要です。
たしかに自分の子どもが障害者と言われるのは抵抗があるかもしれません。
成人するまでの一時は吃音の子どもも親も家族もそれで幸せかもしれません。
しかし現実の社会はとても厳しいものです。
2015年現在。就職活動の際に「私は吃音者です。でも頑張ります。」なんてエントリーシートや履歴書に明記すればその時点で「貴意に添えない結果」という名のお祈りメール、お祈り文章を貰うことになるでしょう。


この派閥は吃音が障害者と言われることにとても抵抗があるため、吃音が発達障害である。脳神経になんらかの問題があると周知徹底されることを拒否しています。2014年7月国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報支援センターが吃音を発達障害の定義に加えたことすら、内閣府の政府広報が吃音が発達障害であると告知したことすら、反感を持っています。


1の派閥の人と接するときは細心の注意を払うようにこころがけましょう。
そして今この投稿を読んでいる、どんな色にも染まっていない吃音者、その家族はこういう考えもあるのだな程度に距離感をもって接することをオススメします。間違えて1の派閥の吃音者、吃音者団体に「障害者手帳がほしい」なんて相談をすると、諦めさせられます。あなたの人格を否定されます。精神衛生上よろしくありません。絶対にここに連絡してはいけません。他の吃音者団体に連絡しましょう。2016年4月現在、フジテレビ系列にて放送している福山雅治、藤原さくらのドラマ「ラヴソング」を監修している、全国言友会連絡協議会ならば、障害者手帳取得の道を教えてくれるはずです。



●2の派閥は吃音があっても上手く生活できている人が好む派閥です。
はっきりいって吃音のことはそっとしておいてほしいのです。
2の派閥も吃音が発達障害者であり障害者であることが世の中に周知徹底されることを嫌います。
吃音を隠して働いている手前、会社で吃音のことを指摘されると困るのです。
「おい。お前さ、昨日テレビでやっていた、こないだ雑誌で読んだ、吃音なんじゃないの?どもるよね?」なんて会社で指摘されると死んでしまうのです。
挙句に会社に吃音であることが発覚し、発達障害者だとバレて出世街道コースから外れると困るのです。障害者手帳取ってこいよ!なんて言われた日には死んでしまいます。せっかく吃音を上手くバレないように入社して一般枠で仕事をしているのに!!なぜだ!!となるのです。

普段から、吃音が出そうになっても、上手く「言い換え」を行う。「わざと忘れたふりをして相手に言わせる」、「あのー えーっと あれ あれなんだっけ 」などを駆使しながら乗り切る人もいます。電話が鳴っても受けないという人もいます。

●3の派閥は吃音があって困っている人が集まっています。
その他に年配の吃音者で社会人経験をした2015年現在50代60代70代の方で、自分が会社に入社したときは吃っていても大丈夫だったが、今は吃ることは危険だ許されないだろう。と真実を知っている人もこの派閥にいます。

吃音があって困っているというのは、大人であれば就職できない。ひきこもりニートになっている。親のお金で生活している。生活保護を利用している。親の老齢年金で食いつないでいる。だがしかし、就職したい。だけど新卒で就職に失敗した。職歴が全くない。ハローワークに行っても応募できる仕事がない。応募しても書類選考で落ちる。などの状態です。

子ども・未成年者であれば、上手く発話できないことにより、友達ができない。いじめられる。学校にいけなくなってしまう。

本来勉強しなければいけない時期に吃音を一次障害として、二次障害でうつ病や社交不安障害などになってしまい学校に通学できない。結果として勉強すべきときに勉強に打ち込めず、中学卒業の学歴、高校中退の学歴、大学に進学はしたが就職活動を失敗してしまう。といったことが考えられます。

この場合、吃音は発達障害者支援法に定義されている障害者なので公的な福祉支援を使うことができます。学校であれば文部科学省が学校での合理的配慮を提供しています。大学でも発達障害学生支援のマニュアルができています。(2015年現在吃音についてのマニュアルはない。このブログで勝手に作成する予定です。)

成人していれば、障害者手帳取得もあります。

何れにせよ、日本の福祉というのは申請主義ですので、困っている吃音当事者家族は堂々と利用してよいものです。嫌ならば申請しなければよいのです。





派閥のまとめ
吃音にはこのような派閥がありますが。
まず、色々な考えがあるのだな。
ということを知ってください。そして偏った情報に流されないようにしてください。

吃音者の派閥抗争により、発達障害者支援法に吃音が含まれていることが周知徹底されず北海道で吃音看護師が自殺してしまいました。選択肢はあったのです。
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/2013.html


吃音当事者、家族であれば適度な距離感を持ちましょう。また、吃音当事者のライフステージや吃音の程度により、公的な福祉支援を使えるということも忘れないで下さい。いつでも自由に自分にあった選択肢を選べばいいのです。

重ねて書きますが「吃音は早期発見早期介入であれば、将来吃音の状態を良い方向にもっていくことができます」これを忘れないで下さい。幼少期に子どもを病院に行かせることができなかった。と後々後悔しないでください。

吃音者でない方は、吃音と関わるときに客観的な判断をするようにしましょう。
他の障害者や障害者団体だとどうだろうか?と思考することも大切です。

●吃音業界はもはや対立から抜け出せない?
吃音業界の派閥抗争は吃音業界以外の障害者団体、発達障害者団体、それらに関わる医療従事者からはとても白い目でみられています。
吃音が障害ではないことを比較するのに「XXX障害よりマシ。障害者は劣っている。障害者手帳や社会保障制度の利用は恥である」などと教える団体があるため、このような吃音業界と関わりたくない距離をおきたいという他団体や障害者、その家族はとても多いです。

吃音業界は日本の国政政党のように数多くなっています。
それぞれは元祖の本家本元から主義主張の対立、運営側、スタッフ側の喧嘩、意思疎通困難により。『じゃあ分裂だ。お前らとは一緒にいられない。新しい団体つくるから!』という歴史を1965年から2017年現在まで繰り返しています。

あれ?

でもそれって2005年以降の発達障害者の当事者会と似てない?発達障害の当事者会も、喧嘩とか対立とかして1年ももたないで団体が空中分解したり分裂したり、発展的解消とか言いながら、どんどん団体が増えていますよね?

はい。正解です。おそらく吃音業界の各団体を運営するスタッフなどにも吃音と発達障害の両方を持った人が多いのだと思います。それに加えて吃音業界は長いあいだセルフヘルプグループであることに誇りを持っており、医療従事者や支援者、ソーシャルワークができる人を参加させないことも影響しています。

発達障害児者の団体でも運営が上手くいっており継続しているところは、国家資格を持った人間がスタッフとして参加していたり団体の運営に関わっています。例えば「吃音は障害じゃない。障害者はかわいそう。障害者は劣っている」なんて発言を当事者会ですれば、即座に国家資格を持っている運営スタッフがそれを注意したり、暴走しないように静止します。これが吃音業界にはなかった。皆無だったというわけです。

吃音業界は本来は団結して、子ども、保護者、医療従事者、支援者、専門家、大学教授、研究者などが1つの団体にまとまっていれば、吃音者の人権、吃音者が使える社会保障制度などの環境が変化していたかもしれません。少なくとも2005年の発達障害者支援法を(意図的または本当に知らずに)見落とすこともなかったでしょう。

平成 28 年度厚生労働省障害者総合福祉推進事業. 指定課題15. 発達障害者の当事者同士の活動支援の在り方に関する調査報告書
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwj45Mrzys7UAhXCwLwKHU2rAM8QFggrMAE&url=http%3A%2F%2Fwww.rehab.go.jp%2Fddis%2F%25E7%2599%25BA%25E9%2581%2594%25E9%259A%259C%25E5%25AE%25B3%25E3%2581%25AB%25E9%2596%25A2%25E3%2581%2599%25E3%2582%258B%25E8%25B3%2587%25E6%2596%2599%2F%25E4%25BA%258B%25E4%25BE%258B%25E9%259B%2586%25E3%2583%25BB%25E4%25BA%258B%25E6%25A5%25AD%25E5%25A0%25B1%25E5%2591%258A%25E6%259B%25B8%2F%3Faction%3Dcommon_download_main%26upload_id%3D2878&usg=AFQjCNEEwswZfASEpqkXf9SD6fof4pvpwQ&sig2=9sapeoPA8ZajCdTmhF8toQ

厚生労働省にも既存の発達障害者の団体運営の困難の源流は吃音業界にあると、今後調査してもらえればと思います。

◆2.吃音・小児期発症流暢障害は発達障害者支援法に定義される障害者です。
・発達障害者支援法とは?電子政府の総合窓口イーガブより

・発達障害者支援法とは?国立障害者リハビリテーションセンター・発達障害情報・支援センターより

・発達障害者支援法における発達障害の定義が書かれている
17文科初第16号厚生労働省発障第0401008号平成17年4月1日
文部科学省と厚生労働省の事務次官通知

1)  定義について
 「発達障害」の定義については、法第2条第1項において「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう」とされていること。また、法第2条第1項の政令で定める障害は、令第1条において「脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもののうち、言語の障害、協調運動の障害その他厚生労働省令で定める障害」とされていること。さらに、令第1条の規則で定める障害は、「心理的発達の障害並びに行動及び情緒の障害(自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、言語の障害及び協調運動の障害を除く。)」とされていること。
 これらの規定により想定される、法の対象となる障害は、脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもののうち、ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)における「心理的発達の障害(F80-F89)」及び「小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F90-F98)」に含まれる障害であること。
 なお、てんかんなどの中枢神経系の疾患、脳外傷や脳血管障害の後遺症が、上記の障害を伴うものである場合においても、法の対象とするものである。(法第2条関係)


◆3.吃音とは何が原因で吃音状態になっているのか? 
よく吃音についてインターネット上の情報に「吃音は原因不明で全くメカニズムが明らかになっていない」と書かれているでしょう。吃音の当事者団体でもそのような情報を掲載している場合があります。とくに障害者認定反対派でよく使われる言葉です。吃音は原因不明だから、いろいろなアプローチがあっていいんだと考えているわけですね…。吃音の障害者認定反対派は「吃音者の脳に異常がある」なんて情報を聞いたらショック死するので慎重に接しましょう。

脱線します。
日本国内ではよく魔法の言葉として「吃音になりやすい体質の子どもがいる」という説明がありますが、これは「親からの遺伝」も含まれますので注意が必要です。その他の発達障害も遺伝の可能性を示す研究報告が出ているのですが、吃音業界では「吃音が遺伝も関係している」と言ってしまうと、吃音の子どもの親や親類縁者が「自分たちにの遺伝子に異常があったのかもしれない。なぜ結婚して子どもを産んでしまったのだろう…」とショック死する可能性があるためオブラートに包んでいるのです。吃音の子どもがいる場合、近親者にも吃音者がいることが多いです。ただ、障害受容ができていない人や障害者が劣っているとか、吃音は他の障害より優れているという優生思想や差別の心がある人がショック死するだけですので、多くの吃音当事者や家族は気にしないでください。


話をもとに戻します。
しかし2016年現在、吃音が全くの原因不明というのは間違いです。
現在、吃音は脳、神経発達の疾患であることはわかってきています。

吃音ドクターこと菊池医師が書籍で述べています。少し古い書籍ですが「吃音の基礎と臨床―統合的アプローチ」でも吃音と脳について当時の研究が掲載されています。

ゆえに発達障害である、神経発達障害(Neurodevelopmental Disorders)であるとされています。DSM-5(アメリカ精神医学会 2013年公開)にも神経発達障害群に吃音が分類されました。ちなみに神経発達障害群には、自閉症スペクトラム、注意欠如多動性障害、学習障害、トゥレット・チックも分類されています。吃音と一般に言われる発達障害が併発する人も見られるのはそういう意味なのです。



・菊池良和医師も「吃音は聴覚タイミングエラーで生じる-脳磁図と拡散テンソル解析-」2013年から2016年3月までこのような研究をしている
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-25861566/



・2014年にミシガン大学の Soo-Eun Chang氏(Ph.D.)が
【Research updates in neuroimaging studies of children who stutter.】という研究報告を発表しています。

ミシガン大学の紹介ページ
http://chgd.umich.edu/people/details/soo-eun-chang-ph-d-ccc-slp/

研究報告の要約
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24875668


研究報告によると現在、吃音は脳画像化技術の進歩により、脳の解剖的および機能的な異常の重要な発見が相次いでいるといいます。MRI(磁気共鳴画像装置)、fMRI(機能的MRI)、DTI(拡散テンソル画像法)などの利用により、吃音者の神経学的根拠の重要な手がかりが見つかっているのです。この研究のなかで吃音の子どもとそうでない子どもの脳内神経ネットワークの比較が出てきます。結局、吃音がある場合とそうでない場合は脳の発達に違いが見られるというのです。

この研究報告は子どもの時は吃音なのに、大人になると吃音が消失する場合、大人になっても吃音が継続する場合の判別ができるのではないかと可能性を述べています。例えばガンの腫瘍マーカーのようなものです。今後もよりいっそう、吃音の研究が進むことを願います。子どもの時は吃音なのにどうすれば治る方向に進むのかが判明しれば、どのような治療が必要なのか判明すれば、吃音で苦しむこともなくなるでしょう。

◆4.吃音が発達障害であることを日本政府が決めたわけではない。
吃音が発達障害というのは日本政府が決定したわけではありません。
海外の診断基準を利用しています。

http://matome.naver.jp/odai/2142139170911907401/2143530781869191803

◆5.吃音は治る人もいるし、治らない人もいる。
現在、吃音はたったひとつ「吃音」と言われています。
しかし、今後研究が進めば、吃音には分類があることが判明するでしょう。
A型吃音、B型吃音、C型吃音といった具合です。
そうでないと、幼少期は吃音だったが、大人になってから吃音がなくなった吃音者。
幼少期から大人になってもなお、ずっと、吃音がある吃音者。
吃音と一般的な発達障害の併発。
他人の吃音をマネしたら吃音になった。
吃音は遺伝するのか?家族や親戚縁者の吃音はどうなのか?
これらの説明ができないからです。

さて、結果として、吃音が治った吃音者は吃音の治らない吃音者に対してあれこれ説教をします。
「私はこうやって治した。あなたは努力が足りない。私を見習え。」こんな説教です。
挙句の果てに、自分流で吃音を治した方法を「コンプレックス商法」として吃音が治る方法を販売します。という山師が存在します。

吃音者に接する場合、吃音は治る人もいるし、治らない人もいる。
しかし、そのメカニズムや誰がそうで誰がそうでないのかはまだ現在医学では判明していないということを忘れないで下さい。

◆6.吃音を扱うコンプレックス商法や民間の吃音矯正所は意味が無い。
吃音を扱うコンプレックス商法ですが、皆さん不思議に思いませんか?
世界中で吃音者がいて困っている。
そんな中で吃音を治す方法を知ってる人がいる。
なぜ、医学論文を発表しないのでしょうか?
世界中の吃音者が助かるはずです。
ノーベル賞の医学生理学部門も受賞できるでしょう。
しかしそんなことはしない。

それは簡単です。
吃音者には吃音でずっと困っていてほしいのです。
そのほうがお金儲けができるからです。
本当の篤志家であればその情報を医学論文として発表するはずなのです。
そして世界中に存在する吃音で困っている当事者家族に光を与えるはずです。

吃音者は紀元前から存在するのですが、こうやって吃音者を食い物にする人たちがいるのです。

◆7.吃音は病院のどの科にいけばいいのか?
吃音は耳鼻咽喉科、精神科が一般的です。
しかし病院によっては吃音を治す訓練しかしないところがあります。
吃音は治すものだと思っているので障害者手帳申請書類を書いてくれない医師もいます。

◆8.吃音は保険診療できる。
吃音は保険診療できます。
発達障害者支援法に定義されているとなれば、自立支援医療の精神通院を利用して、所得にもよりますが1割負担で通院できます。

民間の吃音診療所や吃音クリニックは保険診療できません。
保険診療するためには「医師法」や「言語聴覚士法」で「医師の指示がないといけない」と書かれているからです。民間診療所には医師がいるのか?保険診療できるのか?をよく確認しましょう。

保護者が子どもの吃音を心配する心のスキマを狙った吃音症法(吃音商法)にはお金を使わないようにしましょう。

◆9.吃音を診療する病院はとても少ない。
吃音を診療する病院はとても少ないためどうやって見つければいいのかわかりません。
という場合、効果があるかわかりませんが…。
お住まいの都道府県にある言語聴覚士会に問い合わせ、吃音を診る病院はどこにあるか?
と質問してみましょう。※ただしこの場合紹介される病院は「吃音を訓練治療する」ことが多いでしょう。

★【重要】吃音を診療すると表明している病院リスト
http://stutteringperson.blogspot.jp/2016/07/blog-post_24.html


◆10.子どもの吃音を早期発見後、どこの病院に行けばいいのか?
「吃音は早期発見早期介入であれば、将来吃音の状態を良い方向にもっていくことができます」
と派閥の説明で書きました。これは国立障害者リハビリテーションセンター病院です。
ここに行ける人は行ったほうがよいでしょう。使えるメニューは使い切るべきです。

◆11.吃音を発達障害として診療する病院はどこか?
現状であれば国立障害者リハビリテーションセンター病院です。
ただし、条件があります。
必ず診察のときに『発達障害として診てほしい。障害者手帳がほしい』と伝えます。

民間の発達障害を専門に診ている医師も最近は吃音を発達障害として診断書や障害者手帳申請書類を書くところが東京で出現しています。ありがたいことです。


◆12.吃音は吃音だけだと障害者認定されないというウソ
これも現在インターネット上など間違った情報が拡散されています。
吃音で障害者手帳がもらえるのは「吃音 + ●●」がないといけないというのです。
二次障害が発生していないと取得できないという。これは全くの間違いです。
一般に言われる発達障害であるASDやADHDやLDやチック・トゥレットなどで障害者手帳を持っている人は、その障害名のみで障害者手帳を取得している人もいます。しかも障害者手帳を持っていることをカミングアウトせずに一般枠で頑張って障害特性と戦いながら仕事をしている人もいます。もちろんカミングアウトして障害者枠で働く人もいます。

ということは吃音者も吃音という障害のみで障害者手帳を申請できるのです。うつ病、社交不安障害、適応障害などが併発症とならなくても障害者手帳を申請できます。そもそも二次障害が発生してしまっている状態にまで陥ってしまった当事者がその道程を歩むことになってしまった環境が異常です。適切なソーシャルワークはあったのでしょうか?

結論。
吃音は吃音のみで障害者手帳を取得できる。


◆13.国立障害者リハビリテーションセンター病院は遠すぎる。
この場合は、政治の力に訴えるしかありません。
お住まいの自治体の都道府県議会に現実を伝え、発達障害者支援法に基いて吃音を診療する
病院を設置してほしいと運動を起こすしかありません。一人では歯がたたないので協力して行ったほうがよいでしょう。

発達障害者支援法第19条
(専門的な医療機関の確保等)
第十九条  都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。
2  国及び地方公共団体は、前項の医療機関の相互協力を推進するとともに、同項の医療機関に対し、発達障害者の発達支援等に関する情報の提供その他必要な援助を行うものとする。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO167.html


◆14.吃音を診療するために病院に行くとその日が初診日になってしまう。通院歴ができてしまう。
どんな障害にもついてまわるのが「初診日」です。
その名の通り、最初に自分で調子が悪いと思って、最初に行った病院です。
※吃音と正式に診断がついた日ではありません。医師が誤診していたとしても最初に行った病院です。
一般的な発達障害でも初診日問題が話題になります。障害者年金の受給可否について大きく影響します。

◆15.吃音は発達障害者支援法に定義されているため、生命保険や住宅ローンなどのサービスが受けられなく可能性が高い。
生命保険や住宅ローンの申し込みが難しくなります。健康状態を告知する商品全般です。
もちろん嘘をついて申し込むなんてもってのほかです。
吃音のために病院に行けばその時点でアウトです。
子どもの将来が心配であれば、絶対に1回も病院には行ってはいけません。
障害者認定反対派の親・保護者の方も子どもを絶対に病院に連れて行ってはいけません。

◆16.吃音を障害者ではないということは、他の社会的障壁がある人を差別していることになる。
2014年7月に国立障害者リハビリテーションセンター内部にある、発達障害情報支援センターが吃音が発達障害であるとHPに公開しました。2005年の発達障害者支援法ができてから9年後です。

さて、この発表の後。吃音は発達障害者じゃない!ましてや精神障害者保健福祉手帳の精神障害者だなんて死んでもゴメンだ!頭のオカシイ精神障害者!!犯罪行為が無罪になる精神障害者と吃音が同列なんて許せない!せめて言語障害の身体障害者だろ!!!という論調が見受けられるようになりました。

しかしこれは逆に考えれば、他の障害者を馬鹿にして見下していることでもあるのです。
なぜ、その他の社会的障壁のある人達と協力して、吃音は障害者じゃない・精神障害者じゃないとそう受け取ってしまう自分の感性や価値観を生み出した世の中を変化させようと考えないのか?と不思議です。障害者の人権や経済格差や社会参加の問題こそ単独の当事者で活動するよりも障害種別の垣根を越えた協力が必要なのです。

◆17.吃音者は他の障害者団体から怪訝な、訝しむ感情で見られている。
吃音者は戦後歴史上、派閥抗争を繰り返しています。
例えば障害者認定反対派の派閥であれば、徹底的に障害者は可哀想な存在だ、あなたの子どもは障害者じゃない、吃音があっても活躍している人がいる、私の人生を見習いなさい、吃音者は目も見えるし耳も聞こえる比べればどっちが幸せかわかるでしょう、吃音は神様から貰ったギフトと教えている団体が存在するわけです。

吃音の子どもと保護者は小学校や中学校で、その他の社会的障壁・障害がある子どもの保護者と交流する機会がありますが、「なにか変だな?障害者のこと差別しているのかな?」と思われるのです。そして徐々に距離感が生まれていきます。この道程を通った結果、吃音者とその他の障害者や社会的障壁がある当事者と価値観の違いが生まれます。吃音者と距離をとろうと判断されてしまいます。

◆18.若い世代の吃音当事者が今後の吃音情勢を変化させるかもしれない。
現在、吃音者当事者の中にも、学校教員、看護師、介護士、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士や言語聴覚士や医師の道を目指す若者がいます。彼らは学校で「発達障害」について学ぶ時間があるので、本当は吃音が発達障害であることは知っていますし、吃音以外の障害者や社会的障壁がある人の勉強もしています。障害者認定反対をする吃音者と使える制度を自分で選択して利用しているその他の障害当事者はなぜにこうも違うのかと思考するようになります。この若い世代が日本の吃音情勢を変化させるかもしれません。


◆19.吃音はその他の一般的な発達障害と併発する人もいる。
吃音は障害者ではない。という障害者認定絶対反対派の人には耳が痛いことです。
吃音は一般的な発達障害(ASDやADHDやLDやチック)と併発する人がいます。
何%かどうかはわかりません。

※このような研究報告もあります
【重要】吃音と発達障害の併存について日本音声言語医学会の学会誌より紹介
http://stutteringperson.blogspot.jp/2016/02/blog-post_23.html



吃音とアスペルガー症候群、高機能自閉症、広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、学習障害、チックなどを併発するのです。

発達性協調運動障害という不器用さを持っている吃音者も存在します。

吃音と発達障害の併発は深刻です。
吃音という発話の障害と、俗に言う発達障害の特性である、相手の考えを読めない、理解できない、自分の感情を上手く表現できない、報告連絡相談というホウレンソウが苦手、スケジュールを組むのが苦手、急な予定変更に対応できない、強いこだわりや執着がある、0か1でしか物事を判断できない、時間を守れない、他人と視線が合わない、目を見て話せない、曖昧な表現がわからない、他人との距離感がわからない、落ち着いて座っていられない、会話をしていても相手が話し終わる前に遮って発言する、聞かれていないことまで話し始める、動きまわってしまう、ケアレスミスが多い、マルチタスク作業ができない、計算が苦手、正義感が強すぎる、などなど。この中から吃音と何かが組み合わさるかもしれません。

吃音がある場合。その他の俗に言う発達障害が併発していないか?調べたほうがよいでしょう。
吃音による発話だけの困り事ではないかもしれません。

ちなみに吃音者の当事者団体にはASDやADHDを持った吃音者がいます。
とても強いこだわり執着が「吃音は障害者ではない論」につながる場合があります。
そして0か1でしか判断しないため、考え方が違う吃音者とすぐに対立します。
吃音者の団体が派閥抗争や分裂こ繰り返すのはこれが1つの原因かもしれません。
(一般的な発達障害の団体も喧嘩して分裂を繰り返すのと同様です。)
また、他の発達障害者の中にとてもIQが高い人がいるように吃音者にもとてもIQが高く学歴が高く一流企業で働いている人もいます。ただし現在40代?50代?以降の人です。過去のハードルが低い就職活動時代を経験した人に限ります。2015年現在の就職活動システムを経験していない人が学歴だけで入社している場合です。


◆20.人材を雇う企業側は「発達障害を発見する方法を知っている」
2015年現在、企業側は発達障害を発見する方法を知っています。
就職試験に性格診断のようなものが入っていると思います。あれは実は発達障害を発見することにも利用できます。また、発達障害者が障害特性で苦労するミスをしそうな面接やグループディスカッションなどもノウハウがあります。その他に最初から精神疾患・精神疾患発症リスクや発達障害を発見することを目的として採用活動をしている企業にそのようなサービスを提供する企業もあります。

吃音も発達障害者支援法を熟知している人事採用担当なら、発話の仕方から推測するかもしれません。

企業側もリスク人材(精神疾患発症や隠れた障害や会社を訴える行為などをするかもしれない)を採用しないように全力です。たとえ企業のトップが「うちの会社は障害者に理解あるよ」と話していても人事採用担当が全力でブロックします。実は吃音者にも障害者手帳をという派閥に年配の方(現役引退世代)がいるのはこの現実を理解しているからです。真実を知ってしまったからです。自分の世代と2015年現在の就職活動は異なる。しかも障害者を発見するようなことは確かに行っていると気付いているのです。であるならば障害者手帳を持って正面から勝負したほうが有利であると知っているのです。

2015年12月から厚生労働省がストレスチェックを義務化します。
となると、そもそも仕事に影響を与えるかもしれないリスク人材を採用時点でどれだけ入社させないようにするかと躍起になり、ありとあらゆる手段を使うのは目に見えています。

例えば「大いに吃れ、吃音であることを誇りに思え。堂々と吃音者であると打ち明けろ。」なんていう教えをバカ正直に信じて就職活動をすることはリスクが高い自殺行為です。


◆21.就職のとき公務員なら大丈夫だろうという勘違い。
吃音者には迷信があります。
公務員に就職すれば大丈夫だろうと。
確かに、吃音を上手く隠せるタイプの吃音者であればそれは正解です。
または一発目で合格できれば問題ありません。
しかし吃音の重い吃音者が筆記試験突破の後の面接段階で不合格になった場合は「その記録がずっと残ります。」

吃音者が公務員試験を毎年毎年受けるのですが、いつも面接で落ちるという。挙句の果てに「また来たの?」と言われる場合もあります。

でも公務員試験でそんな差別をするわけがないと吃音当事者も親御さんも信じているわけですから、新卒で就職しないままどんどん空白期間のある履歴書ができていきます。そして年齢制限になり現実に打ちのめされるのです。

◆22.就職活動前に吃音があれば、障害者手帳を取得したほうがよい。
高卒で就職するのか大卒なのか院卒なのかわかりませんが。
就職活動の一年半前には障害者手帳の取得をおすすめします。
一般枠の就職活動と障害者枠の就職活動両方を行いましょう。

◆23.履歴書の空白期間は致命傷。障害者枠でもいいから就職を
新卒という肩書は一生に1回しか使えません。
吃音のリスクマネジメントを考えるなら、一般枠と障害者枠の両方で就職活動を行いましょう。
そして就職しましょう。たとえ障害者雇用であっても社会で経験を積むことは重要です。

◆24.発達障害は精神障害者保健福祉手帳なので、雇用されにくい。されても非正規。
日本の法律で発達障害は精神障害者保健福祉手帳に含まれるとされています。
身体障害者と違い、精神障害者保健福祉手帳は二年ごとの更新制の手帳です。
そのため、もしかしたら障害手帳を取得できないかもしれない精神障害者保健福祉手帳所持者を企業側は正規職員として採用することは稀です。2018年から精神障害者保健福祉手帳所持者も雇用義務化の予定ですが、どのように変化するかはその時になってみないとわかりません。

吃音を持つ子どものお父さんお母さんは、ぜひご自身が働いている会社の人事採用担当の部門に吃音者きたら採用するか?吃音者が障害者手帳を持っていれば採用するか?精神障害者保健福祉手帳は採用対象か?と質問してみましょう。


◆25.吃音者は障害者の法定雇用率に計算できる。
企業の人事採用担当部門の方へ。
御社の方針はわかりません。障害者雇用はあまりしたくない。ましてや発達障害者や精神障害者が難しい。という本音もあるかもしれません。

しかし吃音者は障害者雇用ができます。2016年現在は発達障害として精神障害者保健福祉手帳を持っています。
吃音者にも純粋な吃音者と一般的な発達障害併発のパターンもあります。
扱いが難しいかもしれません。なんとか雇用の道を開拓してもらえないでしょうか?

日本政府も吃音は発達障害と認めています。
障害者雇用をする側が吃音者を雇うとホームページなので告知していけば、障害受容のできた吃音者が応募してくるはずです。
・政府広報オンライン
http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html


◆26.新聞記者、マスコミなどの方、吃音を取材するときは客観的に
吃音について取材するときに気をつけないといけないことがあります。
それは吃音者の派閥の考えをそのまま報道しないようにすることです。

例えば取材するときには吃音当事者団体のみではなく、厚生労働省の社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室にも取材を行います。そして吃音が「発達障害者支援法」と「17文科初第16号厚生労働省発障第0401008号平成17年4月1日」 により定義される発達障害者であるということを記事やニュースで伝えるようにしましょう。

その他にも、吃音を診療する病院が全都道府県に存在しない事実を報道することも大切です。
吃音を診療診察診断する病院がないことにより、そもそも受けられるはずの公的な福祉や支援を吃音当事者が使うことができないのです。

このような重要な情報を掲載しつつ、例えば吃音者にはそのまま頑張っている人もいる、社会人として活躍していると報道するのが良いことだと思います。また、逆に困っている吃音者やその保護者は「法律で認められた障害なんだ。助けてもらえるのね」というのが伝わるのです。

吃音を取材するときにも、ソーシャルワークやウェルビーイングという言葉を勉強してからのほうがいいかもしれません。本を読んでも理解できない場合は社会福祉学科や社会学を教えている大学の教員などにも取材をしたほうがよいでしょう。



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◆◆吃音(きつおん・どもり)/小児期発症流暢障害(しょうにきはっしょうりゅうちょうしょうがい)はどのような障害なのか?


テキストだけで説明することは難しいのですが、出来る範囲にて書き起こします。

吃音障害は発話の障害です。
うまく言葉を発話できないのです。
また、無理やり言葉を発話するので吃音者は身体の表面上なんらかの意図しない行動が現れます。

◆1.吃音者は常に吃っている訳ではない 吃音=発話できない という認識は間違い
吃音とは「吃音状態」になることにより、吃音が発生します。
「吃音」になってしまう「スイッチ」が入ってしまう、ONになることで、吃音状態の話し方になってしまいます。ここは重要なのでよく覚えてください。これは本当に不思議なことなのですが、どのような状態や環境、人間関係であれば吃音が発生する、発生しないという原因は解明されていません。

よくある勘違いは、吃音者は、常にずっと、いつ何時、いかなる場合でも吃っているということです。吃音者は365日四六時中吃っている訳ではありません。吃音者がスラスラ話しているときと、吃ってしまい上手く話せないときの両方があるとよく覚えてください。非吃音者(健常者)からすれば、『今日はこの人上手く喋ってるな。まさか故意にやってるのか?』、『なんでいつも流暢に話しているのに今日はこんな人が変わったようにオカシナしゃべり方しているんだ?』と思うかもしれませんが、そういうものだと思ってください。吃音者はふざけていませんし、あなたを怒らせようとしているわけでもありませんし、無礼な態度をしているわけでもありません。吃音当事者は意識して吃っているわけではありませんし、吃りたくないのに吃っているのです。


吃音は緊張するから吃るというのもよくある勘違いです。
別に緊張していなくても吃ります。リラックスしている自宅で家族と会話する、恋人、配偶者と会話する場合でも吃ります。

吃音と緊張の関係ですが、鶏が先か?卵が先か?問題と同じかもしれません。
もしもこの世に生まれてから吃音のことを指摘されずに、吃音のことを笑われずに、治そうとされずに育った吃音者がいれば、そもそも緊張は無いはずです。吃音者の吃り方を指摘したことによって、その吃音当事者の記憶に深く刻まれ、怖い体験だとストレス体験だと学習してしまえば緊張につながることはあるかもしれません。


吃音者が吃ってるときは、「今日は調子が悪いんだな」程度の認識でいてもらえるととても助かります。いちいち、「今のしゃべり方はなんだ!?」とか怒らないでください。そういうものだと受け止めてください。学業や仕事の内容で評価をしてほしいと思います。


◆2.吃音者がどもることにより身体上に現れる症状

顔が歪むこと、表情が不自然になること、目を細めてしまうこと、顔がピクピクすること、口を尖らせてしまうこと、口から唾液を飛ばしてしまうこと、相手に唾液を浴びせてしまうこと、コンビニエンスストアのおでん注文で唾液を保温器に入れること、身体の手や腕や足などを不自然に動かすこと、身体のどこかでリズムをとること、眼球が白目をむいてしまうこと、鼻の穴が広がってしまうこと、息遣いが不自然なこと、があります。

あまり現れない吃音者もいれば、複数が当てはまる吃音者もいます。


◆3.連発性吃音(れんぱつせいきつおん)、難発性吃音(なんぱつせいきつおん)ブロック吃音とも、伸発性吃音(しんぱつせいきつおん)の3つがあると言われています。

連発の吃音は発話の際、一文字目が吃ります。
ありがとうございました→ あああああああああありがとうございました。

難発の吃音は発話の際、一文字目を出すのがとても難しくなります。
(口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)……………おはようございます。


伸発の吃音は発話の際、一文字目と二文字目のあいだを伸ばすことがとても多い吃り方です。
場合によっては一文字目と二文字目以外の言葉も伸ばすかもしれません。

いらっしゃいませ→ いーらっしゃいませ いーらっしゃーいまーせ

◆4.吃音障害の症状例

あ アンパンマン
 連 あああああああああ アンパンマン
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………あんぱんまん
 伸 あーーーーーーんぱんまん あんぱんーーーまーーーん あーーーんぱーーーんまん

い イカリング
 連 いいいいいいいいいいいい イカリング
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………イカリング
 伸 いーーかりんぐ いかーーーりんぐ いかりーんぐー

う 宇宙船
 連 ううううううううううう 宇宙船
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………宇宙船
 伸 うーーーちゅうーせーん うちゅうーーーーーせん うーーちゅーーせーーーん

え 江戸
 連 えええええええええええ 江戸
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………江戸
 伸 えーーーーーーーーど えーーーーーーどーーーーーーー

お お母さん お父さん
 連 おおおおおおおおおお母さん おおおおおお父さん
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する) ……お母さん ………お父さん
 伸 おーーかさん おとーさーーん おかーーさんーーー おーーーとーーーさーーん

か 解凍
 連 かかかかかかかかか 解凍
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………解凍
 伸 かーーいとう かーーいとーーう かいとーう かーーいーとーう

き 帰社予定
 連 ききききききききき 帰社予定
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………帰社予定
 伸 きーーーしゃよてい きーーしゃーーよてい きーーしゃーーよーてーい

く 車で行きます
 連 くくくくくく車で行きます。
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………車で行きます
 伸 くーるーまーでいきーす くるまーでいきます くるまーでいきまーす

け 携帯電話
 連 けけけけけけけけけけ携帯電話
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………携帯電話
 伸 けーーーーーーいたいでんわ けーーいたーーいでーんーわ けいーーたいーーでーんわ

こ 高知県
 連 ここここここここここここ高知県
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………高知県
 伸 こーーちけん こーちーけん こーーちけーーーん

さ 刺し身ください
 連 ささささささささささささささ刺し身 くくくくくくくくくください。
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………刺し身ください
 伸 さーしみくーださい さーしーみーください さーしーみーくーだーさーい

し 小論文
 連 しょしょしょしょしょしょしょしょ 小論文
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………小論文
 伸 しょーー論文 しーよー論文 しょーろーんぶん

す 好きです
 連 すすすすすすすすすすす好きです。
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………好きです
 伸 好きでーす すーきーでーす すきーです

せ 先生
 連 せせせせせせせせせせせせせ 先生
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………先生
 伸 せんせー せーんせー せんーせー

そ その節はお世話になりました
 連 そそそそそそそそそそその説はおおおおおおおお世話になりました
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………その節はお世話になりました
 伸 そーのーせつはーおーせーわーになーりました そーのーせーつはおーせーわーになーりまーしたー

た 助けてください
 連 たたたたたたたたたたたたたたたた助けてください
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………助けてください
 伸 たーーーーすけてください たーーーすーーてーーくーだーさーい

ち 血が出てる
 連 ちちちちちちちちちちちちちちちちちちち 血が出てる
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………血が出てる
 伸 ちーがーでーてーる ちーがーでてるー ちーがーでてーる

つ 釣り銭間違ってます
 連 つつつつつつつつつつつ釣り銭 まままままままままま間違ってます
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………釣り銭間違ってます
 伸 つーりーせーんまちがってます つーりーせーんまーちがーってます

て 電車が止まってしまって
 連 でででででででで電車が止まってしまって
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………電車が止まってしまって
 伸 でーんしゃがとまーってしまって でーんーしゃーがーとーまーてーしまってー

と トマト
 連 ととととととととととととトマト
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………トマト
 伸 とーっまと とーまーと とーまーとー

な 生卵
 連 ななななななななななな生卵
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………生卵
 伸 なーまーたーまーごー なまーたーまーごー

に ニュースで見ました
 連 にゅにゅにゅにゅにゅにゅニュースで みみみみみみみみみみみみ見ました
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ニュースで見ました
 伸 ニューーースでーーみーまーしーた ニューーーースーーでーーみまーーしたー

ぬ 糠漬け
 連 ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ糠漬け
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………糠漬け
 伸 ぬーかーづーけー ぬかづーけー

ね ネルソン・マンデラ
 連 ねねねねねねねねねねねねねねネルソン ままままままままままままマンデラ
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ネルソン マンデラ
 伸 ねーるーそーん まーんーでーら

の 脳死
 連 ののののののののの脳死
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………脳死
 伸 のーうーし のうーし

は 歯医者
 連 ははははははははははは歯医者
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………歯医者
 伸 はーいしゃー はーいーしゃー

ひ ひつまぶし
 連 ひひひひひひひひひひひひつまぶし
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ひつまぶし
 伸 ひーつーまーぶーしー ひつまーぶし ひつまーぶーしー ひーつーまぶーし

ふ フェイスブック
 連 ふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇフェイスブック
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………フェイスブック
 伸 ふーぇいーすーぶっーく ふぇいーすーぶーっーく

へ 平安京
 連 へへへへへへへへへへへへへへ平安京
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………平安京
 伸 へーいーあーんーきょう へーいーあーんーきーょーう

ほ 保育園
 連 ほほほほほほほほほほほほほほ保育園
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………保育園
 伸 ほーいーくーえーん ほーいーくえーん ほーいくえん

ま 漫画
 連 まままままままままままままままま漫画
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………漫画
 伸 まーんーが まんーがー まんがー

み ミュート
 連 みゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅミュート
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ミュート
 伸 みゅーとー みーゆーとー

む 蒸し焼き
 連 むむむむむむむむむむむむむむむむむ蒸し焼き
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………蒸し焼き
 伸 むーしーやーき むしーやーき むーしーやーきー

め 目薬
 連 めめめめめめめめめめめめめめめめめめ目薬
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………目薬
 伸 めーぐーすーり めぐーすーり めぐすーりー

も モナコ
 連 ももももももももももももももももももももももモナコ
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………モナコ
 伸 もーなーこ もなーこ もーなーこー

や 八重桜
 連 やややややややややややややややややややや八重桜
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………八重桜
 伸 やーえーざーくーら やーえざくら やーえーざーくら

ゆ ユビキタス
 連 ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆユビキタス
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ユビキタス
 伸 ゆーびきたす ゆーびーきーたーす ゆびーきたす ゆーびーきたーす

よ 楊貴妃
 連 よよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよ楊貴妃
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………楊貴妃
 伸 よーきひ よーうーきーひ

ら ライオン
 連 らららららららららららららららららららライオン
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ライオン
 伸 らーいおん らーいーおん らーいーおーん

り 林檎
 連 りりりりりりりりりりりりりりりりりりりりり林檎
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………林檎
 伸 りーんご りーんーご 

る ルーレット
 連 るるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるルーレット
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ルーレット
 伸 るーーーれっと るーーーーれーーーーっと

れ レンダリング
 連 れれれれれれれれれれれれれれれれれれれレンダリング
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………レンダリング
 伸 れーーんだりんぐ れーんーだーりんぐ れんだーりんぐ

ろ ローマ帝国
 連 ろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろローマ帝国
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ローマ帝国
 伸 ろーーーーーまていこく ろーーまーーていこく ろーまてーーいこーーーく

わ ワセリン
 連 わわわわわわわわわわわわわわわわワセリン
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ワセリン
 伸 わーーせりん わーーせりーーーん わーーせーりーん





ん ンジャメナ
 連 んんんんんんんんんんんんんんンジャメナ
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………ンジャメナ
 伸 んーじゃめな んーじゃーめな んーじゃーめーな


◆5.吃音が発生する会話事例

1 ファミリーレストランの店員の事例
・どもらない人の会話

「いらっしゃいませ。お客様は何名様ですか? おタバコはお吸いになりますか?」

・どもる人の会話

「……………………いらっしゃいませ。おきゃおきゃおきゃお客様は何名様ですか?
おおおおおおおおおおおおおおタバコはお吸いになりますか?」

「いっいっいっいっいっ いらっしゃいませ。お客様は何名様ですか?おっおっおっおっおっおっおタバコはお吸いになりますか?」


・この事例は吃音者の店員である。
例えば、サービス業務、接客業務であれば、吃ること吃音が発生することは致命的である。
この事例ではお客様が入店した直後の例である。この事例以外にもオーダーを取りに行った際の注文を繰り返す場合や、できた料理をお客様に提供するときに商品名を読み上げるときに吃ってしまい唾液を飛ばしてしまうこともあるかもしれない。


2 会社内での電話応対の事例(外部からの電話応対は会社の顔、代表でもあります。)
・どもらない人の会話

「お電話ありがとうございます。 株式会社アルフォンソ海運、受付担当の山田でございます。」

「営業部の田中でございますね。少々お待ちくださいますか。」


・どもる人の会話

「………………………………お電話ありがとうございます。株式会社アルフォンソ海運、受付担当の山田でございます。」

「おっおっおっおっおっおっおっおっおっお電話ありがとうございます。かかかかかかかかかかかかかかかか、株式会社アルフォンソ海運、うううううううううううううううう受付担当のややややややや山田でございます。」

「営業部のたたたたたたたたたたたたたたたた田中でございますね。少々お待ちくださいますか。」

「…………………………………営業部の………………………田中でございますね。しょしょしょしょしょしょしょしょしょ少々お待ちくださいますか。」


・吃音者は会社で電話受付をすることがとても苦手な場合もある。
社内でもできるだけ電話応対をしないようにするため、同僚や上司から「なぜキミは電話にでないんだ!」と叱責されることも。

かといって電話応対をしたら吃ってしまい、相手に不快な感情や怪訝な感情、不安を与えるかもしれない。

電話応対は社外電話であれば会社の顔である。吃音者はどうすればよいだろうか?
また、電話応対ではなく館内放送も同様である。

3 学校での自己紹介の事例
・どもらない人の自己紹介

「徳川家康です。よろしくお願いします。」
「はじめまして。徳川家康です。よろしくお願いします。」
「松平中学校出身です。徳川家康です。みんなよろしくね。」

・どもる人の自己紹介

「ととととととととととととと徳川家康です。よよよよよよよよよよよよよよよよろしくお願いします。」
「……………………は、はじめまして。徳川家康です。よろしくお願いします。」
「松平中学校出身です。ととととととととととと徳川家康です。みみみみみみみみみんなよろしくね。」


・自己紹介のシーンは吃音者漫画である。「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」押見修造 著
がとてもリアルに吃音者描いているのでわかりやすい。本当にこの作品は気持ち悪いほど吃音を克明に表現している。
http://www.amazon.co.jp/%E5%BF%97%E4%B9%83%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AF%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E5%90%8D%E5%89%8D%E3%81%8C%E8%A8%80%E3%81%88%E3%81%AA%E3%81%84-%E6%8A%BC%E8%A6%8B-%E4%BF%AE%E9%80%A0/dp/4778321804