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2017年10月16日月曜日

【紹介】12月7日 東京有楽町にて菊池良和医師の講演会(内閣府障害者週間連続セミナー)

2017年12月7日「新しい法律を活用した吃音支援 こどもから大人まで」2017内閣府障害者週間「連続セミナー」の紹介です。

吃音ドクターこと、九州大学病院の菊池良和医師が東京有楽町にくるようです。
詳細はコチラ

http://www.kokuchpro.com/event/seminarcao2017/

2017年4月15日土曜日

2017.4.2世界自閉症啓発デーin東京の様子

4月2日は世界自閉症啓発デーでした。
 詳細はコチラ
http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/

都内では東京タワーが自閉症協会が中心にいろいろな発達障害当事者団体や支援者の啓発活動、渋谷方面でもゲットインタッチという団体が発達障害を中心にまぜこぜで啓発活動をしました。

吃音者の団体も2016年に引き続き、啓発活動に参加していました。
当日の配布された他団体の資料でも吃音やトゥレット症候群が発達障害に含まれると書かれており、2005年施行の発達障害者支援法が今まさにスポットされているともいえます。改めて実は2005年当時から吃音は発達障害者支援法にふくまれており、社会保障制度も使えるはずだったということが世間に知られていくでしょう。

今回の世界自閉症啓発デーでわかったことはMAZEKOZEの良さです。
意外にも吃音が発達障害だということは他団体の人の方が知っている方がいたりするので驚きです。一般に言われる発達障害児者の当事者や家族、携わる医療従事者や支援者のみなさんは、発達障害の人の中に吃音を持っている人がいることを知っているのでしょう。

また、吃音業界の派閥抗争、考え方の違い、障害者認定反対派などの動きもありますが、それでもなお、それでもなお、吃音者・吃音業界を突き放さずに吃音者に手を差し伸べてくれるみなさまに心より感謝いたします。本当にありがとうございます。








2017年2月5日日曜日

吃音を診療・診断する医師の方向け吃音診療ガイドライン

※この記事は医師免許を持っていない者が書いています。これを念頭にお読みください。

◆あらすじ

吃音が発達障害者支援法に含まれるということが、改めて公になった2014年7月3日。
吃音業界には激震でした。まさに青天の霹靂、寝耳に水という事案・事件ではなく、事変でした。吃音事変2014と言うべきところでしょう。

はっきり言うと、吃音が発達障害者支援法に2005年の施行当初から「吃音」が発達障害者支援法に含まれていたことを理解できていれば2013年、北海道の吃音看護師も自死を避ける選択をした可能性もあったわけです。

2013年の吃音看護師自死は7月、8月に北海道のローカルメディアで報道されたあと、半年後に朝日新聞社が全国紙として、テレビ朝日も取り上げました。

問題なのは吃音業界の派閥抗争の異常さです。
2013年の吃音看護師自死の報道の際も『吃音は発達障害者支援法に含まれているよ。精神障害者保健福祉手帳を申請すれば取得できるし、社会保障制度を利用できるし、人権侵害があれば障害者を扱う関連法案と既存の人権侵害の両方からも戦えたよ』と詳細を調べて報道するマスコミ、マスメディアがいなかったことです。

しかし、筆者が独自に調べたところ、一般社団法人 日本発達障害ネットワーク JDDnetには設立時から2012年?までに「全国ことばを育む親の会(2016現在 言葉を育む会)」が参加していました。
 
また2007年? 2008年?に「一般社団法人 日本言語聴覚士協会」もJDDネット参加しています。2017年現在でも加盟団体です。

おかしいですよね?
吃音にも関係ある団体がJDDネットに参加していたのにも関わらず、「吃音が発達障害者支援法に定義されている」と全国各地で周知徹底をしなかったのです。法律や情報を「見える化・分かる化・共有化」しないという理解しがたい行動です。


ただし、一般に言われる発達障害の子どもを学校で担当する教員、大学などで発達障害児者を研究する研究者や学者や教員、発達障害を診療する医師、小児科の医師は、自閉症スペクトラムやADHD、LDやチック・トゥレットの方々に吃音を持った人が存在することはよく知られていました。筆者を発達障害であると診断した小児科医師も「吃音と発達障害は両方持った人が多い」と話していました。「発達障害とは、考え方、認識の仕方、人間の五感、運動機能、記憶、学習能力、読み書き、話すこと、などなどを司る脳の機能の障害である。それがもとになり不利益や不自由、コミュニケーションが困難、生き辛さが生じる」と小児科医師は説明していました。吃音であれば話すことの発達障害になる、自閉症スペクトラムであれば、考え方や認識の仕方の発達障害になるというのです。


吃音業界と縁の深い耳鼻咽喉科医師やことばと聞こえの教室の教員、言語聴覚士はそのようなことは知らないというテイを現在でも貫き通しています。
(知っていたなんて認めれば、吃音を苦に自死した人、ひきこもりになった人、イジメを受けた人、進学を諦めた人、就職活動を諦めた人、に合わせる顔が無いですからね。知らなかったという魔法の言葉で自分の責任から逃れているわけですね)

特に公務員、公務員に準じた独立行政法人など、国公立の教員、国公立大学の教員・研究者、国公立の病院医師は法律や通知文(17文科初第16号厚生労働省発障第0401008号)を知らないなんて言い訳ができるのが驚きなのですが…。


17文科初第16号厚生労働省発障第0401008号平成17年4月1日
厚生労働省 文部科学省 発達障害者支援施策について
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0412-1e.html


吃音業界が伏魔殿であり異常事態に陥っていることは
別記事をお読みください。
2016年11月27日 東京大学の吃音サークルが吃音業界の不都合な真実を演劇で披露しました

【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン

【重要なお願い】吃音業界は2005年4月から施行の発達障害者支援法を本当に知らなかったのか?なぜ2013年に北海道で吃音看護師が自死したのか



◆本題 吃音を診断、診療する際に気をつけること 医師が懸念していること

筆者が医師や精神科医師に質問して判明したことです。

吃音は従来、国立障害者リハビリテーションセンターが担当していたこと、耳鼻咽喉科が担当科であると暗黙の了解・空気で決まっている。住み分けとも言うべきか。そして発達障害者支援法ができる前に医師免許を取得している医師の場合、本当に吃音の知識は少ない。無い。故にあまり精神科や発達障害専門にする病院では敬遠する傾向があります。

また、吃音は「なりすますことができる。演技をして吃音を装えることができる障害」であることが、精神科医師や発達障害を専門にする病院医師が抱えている大きな悩みだというのです。

国立障害者リハビリテーションセンター病院のように脳を調べることができるなら、この人は確実に100%吃音であるとわからないことが怖いというのです。もしも吃音をなりすまして演技をしている人に精神障害者保健福祉手帳申請書類、診断書を書いてそれが自治体、厚生労働省に認められるようなことになれば、診断した医師の能力や責任問題になることがとてもとても恐ろしいというのです。

佐村河内守氏問題のときに聴覚障害者を診療診断する際のガイドラインができたことはみなさん記憶しているでしょう。結果として厳格化されることになりました。

厚生労働省 聴覚障害の認定方法に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai.html?tid=185034

聴覚障害「全聾」認定、脳波検査義務づけへ 佐村河内さん問題で厚労省検討会 2014.10.30 21:21
http://www.sankei.com/life/news/141030/lif1410300043-n1.html 
東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shinsho/shinshou_techou/sintaisyougaininteikijyun.files/choukaku.pdf

例えば国立障害者リハビリテーションセンター病院で吃音の診療診断をする際は、fMRIやその他検査で脳を調べることになります。

しかし、それ以外の病院では、そこまでできる設備があるのか?
導入費用や維持費用はどうするのか?
その検査方法に精通した医療従事者がいるのか?

結果的にいろいろな原因が複雑に絡み合い、吃音診療を躊躇する医師が存在することになります。
法律上は2005年から発達障害者支援法に含まれている吃音、最近の研究では吃音は脳神経の話す部分のネットワークの障害である(神経発達障害である)とわかって来ましたが。まだまだ日本全国の医師が実際に吃音患者を診るというのは別というのです。


◆吃音者に精神障害者保健福祉手帳申請書類、診断書を書く場合はどうすればいい?
現在、困っている吃音者のこと、吃音業界の異様さ暗黒面を認識した医師が立ち上がっています。一部の精神科医師、発達障害を専門にする精神科医師はこのようにして障害者手帳がほしい吃音者に対応しています。

吃音を診療している実績がある耳鼻咽喉科医師や国立障害者リハビリテーションセンター病院で、「あなたは吃音である」という診断書や紹介状が入手できるならば、それを証拠にして精神障害者保健福祉手帳申請のときに利用するというパターンです。

または、幼稚園、保育園、小学校、中学校の連絡帳や成績表や評定表の記述に吃音のことが書かれている。ことばときこえの教室に通級していた事実も証拠として利用するというパターンです。

または、幼少期に利用していた小児科病院、子ども病院などのカルテに吃音のことが指摘されていれば、その病院から紹介状や診断書を入手するというパターンもあります。

もちろん証拠があればあるほど心強いというのです。

これらの証拠を利用して、この人は現在も吃音で悩んでいる。生きることに困っている。障害者手帳が必要であると、精神科医師は書くことになります。

精神障害者保健福祉手帳の申請はとくに医師の指定がありません。医師免許を持っていれば誰でも記入できるといいます。従来の吃音を診療する耳鼻咽喉科医師、その他耳鼻咽喉科でも精神科医師でもない医師も、自分を守るため、このように情報収集をすることは重要なことでしょう。

2016年の日本吃音・流暢性障害学会でも、精神科医師が自分のところに吃音患者がいるが、積極的に吃音者を受け入れるとは情報発信していないという方がいました。


◆本来は吃音診療診察ガイドラインを厚生労働省が発表すべきこと 医師や医療従事者を守ることも大切

本来は厚生労働省が吃音診療診察ガイドラインを発表することが重要です。
吃音を診療、診断する医師が心配していること、懸念していることを受け止めて、全都道府県ごとに吃音の脳検査やその他の専門検査をできる病院を指定し、そこでの結果をもとに地域の発達障害を専門にする病院につなげるという仕組みができればいいのですが…。日本医師会や耳鼻咽喉科医師、精神科医師、発達障害専門医師の団体などは連名で厚生労働省宛に「吃音診療診察ガイドライン策定の要望」を発表することはできないのでしょうか?

吃音診療診察ガイドラインの策定にはもう一つ意味があります。吃音は身体障害者手帳なのか?精神障害者保健福祉手帳なのか?、それとも吃音の重さにより身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳を選択できるのか? この部分がハッキリすることにも通じるでしょう。

2016年現在、吃音は行政、法律上は精神障害、精神疾患として扱うと厚生労働省が認めています。吃音で身体障害者手帳4級(家族しか会話が理解できない)という障害者手帳をもっている人もいますが、明らかに家族以外と会話ができている吃音者もいます。都道府県の身体障害者手帳審査部門でも身体障害者認定別表に吃音が存在しないため尺度がありません。しかし吃音はICD-10によると「F98.5」のFコードであるし、DSM5でも神経発達障害として一般に言われる自閉症スペクトラムやADHD、LDと同じ場所に吃音が含まれています。

吃音は身体障害の15条指定医師がカバーするのか、精神障害者保健福祉手帳でカバーするのか? 吃音の重さによってどちらも選べるのか? それとも精神障害者保健福祉手帳の申請書類のチェック欄に吃音と吃音により困りごとを具体的に項目として設けるのか?
などなどが考えられます。

2016年10月22日、東京で開催された吃音啓発の日レポ 厚生労働省 日詰正文氏講演 吃音と発達障害者支援法
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/10/20161022.html
吃音(きつおん)は身体障害?精神障害? 厚労省の専門官が回答 | 小口貴宏
http://www.huffingtonpost.jp/takahiro-koguchi/disfluency_b_12614138.html


吃音が発達障害支援法に含まれていることが判明している現在。
発達障害が軽度でも、障害者枠では働かないけど、服薬やSST、スマホ、手帳、アイテム、家族や支援者の支援、などにより、一般社会になんとか適応している発達障害者がいます。その人達も精神障害者保健福祉手帳3級を持っている人もいます。いざという時自身を守るためのお守りとして、法定雇用率以外の社会保障制度を利用するために持っているという理由などです。

要は、発達障害はたとえ軽度であっても、精神障害者保健福祉手帳3級が取得できることになります。これは吃音がたとえ軽度であっても、精神障害者保健福祉手帳3級が取得できることと同じです。(現在インターネット上では軽度吃音者は障害者手帳を取得できないという悪質なデマ・流言飛語が存在しています)

障害者手帳を希望する吃音者は現在日本全国に存在しています。
しかし、吃音業界の暗黒面、伏魔殿が存在するため、声を大きくして、吃音で障害者手帳を取得しよう・しました。と情報発信をする当事者は少ないです。そして障害者手帳を取得できると法律上決まっていても、地元に吃音を受け入れる病院がないために、困っている吃音者も存在しています。吃音を診療するぞ!!という医師や病院に対しても障害者認定反対派の吃音者団体や人物から攻撃されること、批判されることもあるかもしれません。


医師のみなさんも「吃音診療診察ガイドライン」について厚生労働省に要望要請、意見表明をしていただけないでしょうか。困っている吃音者のために出来る限りその人の望むことに寄り添っていただけないでしょうか。

2016年12月18日日曜日

【重要なお願い】吃音業界は2005年4月から施行の発達障害者支援法を本当に知らなかったのか?なぜ2013年に北海道で吃音看護師が自死したのか

この記事は吃音業界にもともと関わっている、医師、看護師、言語聴覚士、教員、行政職員、吃音当事者、その家族。また、一般の人や普段障害者とは接する機会が少ない人。

そして

一般に言われる発達障害である、自閉症スペクトラム、ADHD、LD、チック・トゥレット症候群、ディスレクシアなどなど。それらの団体に携わる、当事者の方、親御さんや家族、医療従事者、コメディカル、社会福祉や精神保健福祉、学校教員、大学教員、行政職員の方、障害者福祉政策に強い国会議員・地方議員の方などなどにも読んでいただきたいのです。

吃音業界とは関係のないみなさんからの情報提供が必要です。
2005年から発達障害者支援法という法律があり吃音者もそれを利用できる状態だったのです。しかしそれがなぜか誰もが使える状態になっていませんでした。

吃音業界には考え方の違い、派閥抗争が今なお繰り広げられています。
吃音が発達障害や精神障害、精神障害者保健福祉手帳と同じだと言われるのは困る。発達障害や精神障害は内面や心理面に問題があって、それが吃音者にもあると思われたら困るとか、犯罪をしても心神喪失で無罪な奴らと同じにするなという声もでています。吃音者は自身が吃音で困っているのに、他の障害者と同じにされたら困るとか、吃音と●●はここが違うんだ!という選民意識、白人至上主義と同様の吃音至上主義、ナチスドイツのT4作戦(精神障害者大虐殺)、などなどと共通する心を強く持ち、内なる植松を持っている人がいるのです。吃音業界にはこういった考えを持つ人が多いです。

しかし、まず法律や社会保障制度が使えるなら、それを自己決定権で使うか使わないか。「見える化・分かる化・使える化」された状態になることが大切です。

助けてください。助けてください。助けてください。助けてください。助けてください。助けてください。
本当に本当にこれは深刻な事態です。助けてください。
【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

吃音業界や吃音者の当事者団体、それに関わる医療従事者や教員や研究者が2005年当時から『吃音が発達障害者支援法に含まれていることを認識していたはずだ。証拠がある。議事録がある。吃音者の団体にもコンタクトした。吃音業界で有名なXXさんはこれを知っていた』など情報をお持ちの方は、連絡をいただけないでしょうか?

何卒、何卒、よろしくお願いいたします。
筆者は、なぜ2013年に北海道で吃音看護師さんが自死を選択したのか理解できないのです。とても悔しいのです。発達障害者支援法に含まれていることが「見える化・分かる化・共有化」されていれば、自死の選択肢以外にも道があったのではないかと思うのです。

また、北海道の吃音看護師さんの亡くなる数ヶ月前にゼリア新薬工業の新入社員研修自殺事件があったことも2017年に明らかになりました。2013年に2名の吃音のあった人が自死したということになります。 ゼリア新薬工業のニュースはこちら (ただ、ゼリア新薬工業の件は本当に吃音があったかどうかわからないという情報もありますので追加報道を待つことになります)ゼリア新薬の22歳男性「ある種異様な」新人研修受け自殺 両親が提訴


きつ音で生きられる社会を  北海道の看護師さんの家族の方のインタビューです

「自分の気持ちを伝えたい」、そのことがうまくできずに悩んでいる人たちがいます。
「きつ音」のある人たちです。
ことばを発しようとしてもうまく出てこなかったり、繰り返したりしてしまう言語障害で、この症状を持つ人は100人に1人い
るといわれています。
きつ音のある人たちが暮らしやすい社会をどうつくるのか、その取り組みを取材しました。
先月、札幌市できつ音を理解してもらうためのフォーラムが開かれました。
きつ音のある人などでつくる団体が開き、きつ音に悩む人やその家族などおよそ100人が集まりました。
話したくてもうまく話せない症状のきつ音は言葉を覚える幼少期に発症することが多く、その原因や治療法はまだはっきり
とはわかっていません。
今回初めて講演に立った飯山千恵さんは、フォーラムで弟のことを語りました。
千恵さんの弟は、きつ音であることを悩み、3年前みずから命を絶ちました。
34歳で看護師になり病院で働き始めましたが、その4か月後の自殺でした。
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20161212/4904981.html


1. なぜ吃音が発達障害者支援法に2005年から含まれていることが周知されなかったのか?


吃音が発達障害者支援法に含まれているという通知文 2005年4月通知
17文科初第16号 厚生労働省発障第0401008号 平成17年4月1日

文部科学事務次官
  結城 章夫


厚生労働事務次官
  戸苅 利和


通知先
各都道府県知事
各指定都市市長
各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
各国公私立大学長
各国公私立高等専門学校長  殿


発達障害者支援法の施行について

http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0412-1e.html


なぜ、これが見える化されなかったのか!!! 小学校、中学校、学校教員(とくにことばときこえの教室担当者)や国公立の医学部、大学病院、国が管轄する医療機関の医系技官や医師、独立行政法人で発達障害や吃音を研究する方などなど。



このブログの読者の方は他記事でご存知だと思います。
吃音者の派閥抗争です。
吃音業界は特殊な業界で1965年発足の吃音者当事者団体本家から数えると歴史は50年も経過しています。今はそこからどんどん分裂しています。(ある意味、東京や大阪などの発達障害者当事者会が分裂することにも似ているかもしれません。発達障害に携わる専門職や厚生労働省も「なぜ?発達障害の当事者団体は専門職がいない場合トラブルがおきるのか?」ということを調べはじめていますよね。実はそれ、吃音業界がパイオニアとして実行しています) そもそも吃音者に一般に言われる発達障害を持った人がいるという研究報告もあります。

吃音業界の派閥抗争について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

平成 28 年度厚生労働省障害者総合福祉推進事業. 指定課題15. 発達障害者の当事者同士の活動支援の在り方に関する調査報告書(発達障害の当事者団体はトラブルが多いとか分裂してしまうのはなぜ?というのが発端)
http://www.rehab.go.jp/ddis/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E8%B3%87%E6%96%99/%E4%BA%8B%E4%BE%8B%E9%9B%86%E3%83%BB%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8/?action=common_download_main&upload_id=2878

2. 一般社団法人 日本発達障害ネットワーク JDDnet には吃音業界の団体が2団体所属していた過去がある。現在は言語聴覚士協会が所属

JDDネットはみなさんご存知ですか?
発達障害者支援法に含まれている、それぞれの発達障害者当事者団体や親の会、医療従事者・専門職の団体、それを応援する企業などが加盟している大きな団体です。

2005年の発達障害者支援法施行のころに、時を同じくして発足しているようです。
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年1月号
列島縦断ネットワーキング【東京】
日本発達障害ネットワーク(JDDネット)の発足
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n294/n294016.html
この団体には最初の発足時メンバーに「全国ことばを育む親の会(2016現在 言葉を育む会)」が参加しています。
 http://b.zkotoba.jp/ 

また2007年? 2008年?に「一般社団法人 日本言語聴覚士協会」 も参加しています。

https://www.jaslht.or.jp/



厚生労働省のホームページにも過去の資料としてそれが証拠として残っています。
労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会

第5回
2008年9月24日
(平成20年9月24日)
議事録

09/02/04 第9回労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会議事録
第9回労働・雇用分野における障害者権利条約のあり方に関する研究会 
議事録
1 日時
  平成21年2月4日(水)13:30~15:30
2 場所
    厚生労働省共用第7会議室(5階)
 
3 議題
  主な論点ごとの検討
  第1 基本的枠組み
  第2 障害を理由とする差別の禁止
4 資料
  資料1 これまでの整理
  資料2 主な論点ごとの検討
  参考資料1 雇用及び職業についての差別待遇に関する条約(第111
号)について 


資料 PDFデータなど

3 山岡副代表提出資料(PDF:354KB)





3. 吃音に関係する2団体が所属している、していた証拠が厚生労働省のホームページや 月刊「ノーマライゼーション 障害者の福祉」2006年1月号(第26巻 通巻294号) に明記されている。

えっ????


ということは。すでに2005年の時点で「吃音が発達障害者支援法に含まれている。他の発達障害者と完全に同様の社会福祉制度、障害者手帳制度などなど」を希望し申請すれば利用できる選択肢があったということですか????




ここです。

筆者が1番気になっているのはここです。



もしかして。仮の話。変化させることができない過去の話になりますが。
この時点で吃音が発達障害者支援法に含まれていると吃音業界の人々が理解していれば、2013年と2014年はじめに大きくニュースになった、北海道の吃音看護師さんの自死という選択は、回避することもできたのではないですか? 2017年8月に報道によって判明したゼリア新薬工業の新人研修の自死も発達障害者支援法で戦えたのではないのか…。


と筆者は思うのです。


4. 読者のみなさまに重要なお願いがあります

読者のみなさま。

やはり、オカシイぞ。変だぞ。と思いませんか?

なぜ、吃音が発達障害者支援法に含まれていることが、横の情報網でつながらないのかと。


いえ、もちろん、吃音業界の派閥抗争、主義主張の違い、対立、戦争はあってもしかたないのです。吃音業界だけではなく、他の障害や病気も、もしかしたら考えの違いはあるかもしれません。


しかし

しかし

最低限の「義」や「情け」や「最低限のホットライン(赤電話 政府首脳が非常時に直接対話ができるように設置された直通の電話回線)」というものはないのでしょうか? なかったのでしょうか?

吃音が発達障害者支援法に含まれているそうですよ。私たちにはどうでもいいことですけね。まぁ一応、情報だけは伝えますからね。あとはそっちでご自由にしてくださいな。という一報です。

普段は喧嘩していても、派閥抗争をしていても、重大な動きがあったときには情報をお互いに共有し提供しないのでしょうか??

北海道の吃音看護師さんは本当は、自死を選択する前に、「まだ使える武器があるじゃないか。この法律で人権侵害に立ち向かいつつ、もっと理解ある職場さがすぞーーーー!!!障害者手帳も取得しようかな。」と決断する未来もあったかもしれないのです。



とくに一般に言われる、吃音以外の発達障害当事者、その家族。発達障害児者団体など業界の人。支援者でも医療従事者でも社会福祉士でも精神保健福祉士でも、学校の先生、行政の職員、議員の方など関係者のみなさま。



吃音業界、吃音当事者団体には2005年前後に声がけをした。発達障害者支援法に含まれていると情報提供した。●●という吃音当事者団体などは吃音が発達障害者支援法に含まれていることは当時から認知していたはずだ。という証拠をもっていないでしょうか?

証拠があれば情報提供していただけないでしょうか?
JDDネットには「全国ことばを育む親の会(2016現在 言葉を育む会)」が過去に正会員、2017年現在でも「一般社団法人 日本言語聴覚士協会」が正会員となっています。

吃音業界は2014年7月3日に厚生労働省の国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報支援センターが、発達障害者の一覧に「吃音」を追加された日以降に、吃音が発達障害者支援法に含まれていて、社会保障制度や障害者手帳、他の発達障害者と完全に同様のサービスを、希望し申請すれば使えるということを知った!その時初めて知った!!


という、テイになっています。


でも本当は、一部で2005年当時から知っていた人もいたのではないかと思うのです。


そこで、吃音業界とは関係のない。第三者からの情報提供が必要なのです。本当は2013年に2名も吃音者が自死する必要はなかったと思うのです。2005年から発達障害者支援法があったのですから。「go.jp」という日本政府ドメインにJDDネットに加盟していた団体も明記されて証拠として残っています。


このブログを読んだ方。吃音業界、いえ、吃音業界よりも、困っている吃音者、助けを求める吃音者、いまも苦労している吃音者、ひきこもりになっているかもしれない吃音者、明日死のうと思っている吃音者、将来の生まれてくる吃音者のために、その家族のために、


情報提供をしていただけないでしょうか?
どこの誰が。どこの団体が。2005年から吃音は発達障害者支援法に入っていたことを知っていたのか?これは歴史を揺るがす大事件です。2005年から法律が知られていれば、自殺しようという決断、ひきこもろうという決断、学校にいくのを諦めようという決断をする吃音当事者が他の可能性を見出したかもしれません。
連絡を待っています。


5. 報道、新聞、テレビ、週刊誌などのみなさま および研修者や大学教員の方へ

報道関係のみなさま。日頃は吃音について取材していただきありがとうございます。吃音が報道されることはとても良い事だと思っています。



さて、吃音はこのブログで指摘しているようにソフトに表現すれば、考え方の違い、所謂派閥抗争をしています。


報道のみなさまには、吃音の記事、啓発活動、イベント紹介などなど取り上げていただいています。とても感謝しています。インターネット、ドラマ、テキスト、ラジオ、テレビなどで取り上げていただき吃音は、2014年ころからやっと認知度があがってきたと思います。単なる取材報道以外にも吃音者が設定として登場する映像作品や文学作品が新たに生まれてくることも楽しみにしています。本当にありがとうございます。



―――しかし吃音に対する取材を今後は吃音者の派閥抗争の歴史、なぜ2005年施行の発達障害者支援法を見落とすことになったのか?その部分の真相究明も同時に行ってほしいのです。

取材する際は福祉学部で講義や資格取得方法を教える教員、教育学を教える教員、障害児教育を教える教員、学部に関係なく社会学を教える教員や研究者の知識も必要になるでしょう。なぜ吃音業界はソーシャルワークがうまくいっていないのか?なぜ当事者同士がすぐに喧嘩して分裂し新しい団体が次々に設立されるのか?このような状況を厚生労働省や文部科学省はどう認識しているのか?と様々な視点からの検証が必要です。

重ねてのお願いです。吃音当事者、吃音業界のみでは調べる事ができません。報道のみなさまのプロの客観的な取材が必要なのです。行政や厚生労働省、文部科学省、内閣府、吃音以外の発達障害者団体や親の会など、医者など医療従事者、言語聴覚士、社会福祉士、精神保健福祉士などにも取材が必要です。

そして、なぜ2005年施行の発達障害者支援法があったのに、自死する吃音者やひきこもりになる吃音者、通学や進学を諦める吃音者がいるのか?取材してほしいのです。2013年の北海道吃音看護師自死以外にもニュースならない吃音者が自死しているのではないかと思います。

※こちらもご覧ください
吃音を取材・報道する調べるマスメディア、研究者、表現者、映画監督などの方々へ
吃音を取材・報道する調べるマスメディア、研究者、表現者、映画監督などの方々へ



2016年11月28日月曜日

2016年11月27日 東大スタタリングが駒場祭で吃音をテーマに演劇を披露 その内容はセルフヘルプの限界を指摘するものだった

◆筆者感想 

2016年11月27日、東京大学駒場祭の最終日でした。
東京大学スタタリングという学生サークルでは吃音をテーマにした演劇がリーディング形式で披露されました。今回の演劇は、もっともっと100回でも上演してほしいです。
吃音業界のことをこんなにコンパクトに短時間に伝えることができる脚本はこの世にありません。東大スタタリングの今回の劇は問題提起としてわかりやすいです。この脚本は実在の人物に着想を得て創作している内容だと思われますので、非常にリアリティのある作品です。



今回の演劇のテーマは「医療従事者やソーシャルワーカーが見守り役として参加しない、当事者しかいないセルフヘルプグループが如何にして価値観の違いを受け入れず、排除し、腐敗し、崩壊するのか?」という第三者が参加しない当事者会、ソーシャルワークの失敗事例を扱ったことなのかなと筆者は感じました。

この演劇をみた一般の人も、「この当事者会ちょっと怖い。絶対参加したくない」と感じたはずです。医療従事者からみれば「うわー相当こじらせている当事者会だな。今までソーシャルワーカーが参加していないのかな?これはできれば遠慮したい。呼ばれても行きたくない」と感じるレベルです。

劇中にて吃音は障害か障害ではないか?という「内に秘めたる優生思想を問う」シーンも演じられます。これも医療従事者や支援者、他の障害者や難病や社会的障壁のある人が見れば、「うわわああ。吃音者…うわわああ」となんともいえない感情を持つでしょう。

吃音が障害か障害ではないか?
一冊の書籍があります。 『障害を持つ息子へ ~息子よ。そのままで、いい。~ | 神戸 金史』これを読んでほしいと思います。内に秘めたる優生思想や相模原殺傷事件のことが扱われています。



東大スタタリングの詳細はコチラ
http://ut-stuttering.wixsite.com/start

毎日新聞社でも事前記事がありました
http://mainichi.jp/articles/20161116/k00/00e/040/223000c


毎日新聞記事によると

 昨春発足したサークルの名前は、英語で「どもること」を意味するstuttering(スタタリング)からつけた。代表で、今回の脚本を書いた山田舜也さん(25)=同大大学院修士2年=は「吃音は、当事者によって公的支援が必要な障害と考える人がいる一方、個性や話し方の特徴と受け止める人もいる。当事者同士が意見の食い違いで衝突することも少なくないので、今回の脚本は『対話』にこだわった」と解説。山田さんは「対話を通じて人間関係が変化する描写を心がけた。演劇を通じ、吃音者を取り巻く複雑な現実を社会に伝えたい」と話す。

と書かれていました。
東大スタタリング演劇の本番、まさにその通りの内容でした。


吃音者の主義主張の違い、派閥抗争があることが演劇の中でも、それぞれの当事者や支援者の演技という形で表現されました。

この演劇の最重要点は「医療従事者やソーシャルワーカーなど国家資格などを持った支援者が参加しないセルフヘルプグループ、当事者団体はどのように悪い方向へどんどん陥って行き、不利益・不都合なことが起きるのか」という部分でしょう。

今回の演劇を精神医療・発達障害医療に携わる医師、看護師、精神保健福祉士、社会福祉士、言語聴覚士などが観劇すれば「あまりの見事な教科書に掲載されるレベルの失敗事例」だと認識し観劇中でもウズウズ、ソワソワするような内容でした。吃音業界、吃音当事者を支援する場合は困難事例が多いのだろうと認識するでしょう。

東京大学と言えば、熊谷さん、綾屋さんが携わる「おとえもじて」という発達障害者の当事者研究も存在します。ここでは、安心安全のためのルールが決められていること、言いっ放し、聞きっぱなしの手法、どうしても悪い事態になりそうなら運営スタッフがそれを食い止めるということもあります。一般に言われる発達障害者の支援者も今回の東大スタタリングの演劇を見れば、「吃音業界は相当病んでいる。支援困難事例だ。」と感想を持つでしょう。

おとえもじて
http://otoemojite.com/


吃音業界とは長い長い間、本当に当事者のみの世界で成立していました。

例えば、第三者視点の医療従事者やソーシャルワークをできる人が吃音者の当事者会に参加していれば普段は最小限のサポートをしつつ、意見の衝突や考えの押し付け合いや人格攻撃がはじまりそうな場合、吃音は障害ではない、障害者はそもそも可哀想な存在で吃音者は可哀想な障害者ではないと他の障害者を見下す思想、さらに発展した考えや主義主張の対立に空中戦、それが発展し派閥抗争になり、ハルノートが提出され当事者団体の分裂になる前にそれを食い止めて、安心安全な当事者会、居場所を守ったはずです。

吃音業界はこれが無かったのです。
本当に医療従事者やソーシャルワークができる人が、所属しない当事者だけの団体というのは歪みや不利益や不都合なことが起こる、どんどん狭い世界で物事や価値観が共有される、日本赤軍や連合赤軍などと似ているかもしれませんね。吃音業界は。

もしも、吃音当事者団体に医療従事者やソーシャルワーカーが参加し、運営にもご意見番として携わっていれば、2005年の発達障害者支援法を吃音者が見落とすということもなかったでしょうし。仮に吃音が発達障害者支援法に入っていることを隠そうとする動きがあったとしても、それに対抗するパワーもあったでしょう。

少なくとも2014年7月3日に吃音が発達障害者支援法に入っていました!なんて寝耳に水、青天の霹靂な状況にはならなかったはずですし、吃音を苦にした自殺もひきこもりを発生しなかったはずです。「一般社団法人 日本発達障害ネットワーク JDDnet」という発達障害者の連合体にも、2005年から2012年?まで吃音業界の団体である「NPO法人 全国ことばを育む会」が正会員として参加した過去、「一般社団法人 日本言語聴覚士協会」も2007?2008?から現在に至るまで参加している現実があるのだから吃音が発達障害者支援法に含まれていたことは、2005年から知ることができた人はいたわけです。それでも2016年現在でも、吃音が発達障害者支援法に入っていたなんてことは初耳だというテイで責任から逃れようとしている方もいますが。自責の念で潰れることはないのでしょうか?後悔の気持ちはないのでしょうか?と心配になります。



東京大学の学生の視点だと、瞬時に吃音業界の闇を見抜けるのでしょうか?
筆者がこれを認識するのにX年かかっているのに、東大スタタリングの方々はもっと短期間にその闇に気づいたわけです。東京大学の学生は本当に優秀だと思いました。次回は吃音業界を当事者研究する!をテーマにしてほしいなと個人的に感じました。

この深い深い吃音業界の闇に切り込んでくれた東京大学スタタリングという学生サークルには心から感謝の気持ちを表明します。ありがとうございました。

今後も東京大学という多種多様な価値観、多種多様な学部、吃音以外の障害や社会的障壁がある学生や教員などの視点、東京大学という高度な知識を持った学生や教員からの視点などにより吃音業界に意見表明をしてくれることを祈ります。外部から指摘されないと吃音業界は気付くことができない状態に現在陥っているからです。




◆東大スタタリング 「ことばがひらかれるとき」 詳細
(記憶違いがあるかもしれません ご容赦願います)

●会場の待ち時間と終了時のBGMは藤原さくらさん

●場面設定
駒場 夢言会(ムゲンカイ)という吃音当事者団体の例会

●登場人物
・ミッキーさん(本名はヤマネ) 男性 夢言会初参加という設定
初参加の吃音者なので「吃音業界タブー」を知らないので、どんどん爆弾を投下する。ボンバーマン。

・トバさん 副会長 男性 会の運営に徹しているよう見えた。

・コイワさん 毎朝新聞の記者 中国出身で吃音当事者 男性 
吃音者にもいろいろな選択肢があるべきだと考えている人。障害者手帳など社会保障制度のことを訴える。中国出身のため、ダブルマイノリティ。

・サシマさん 介護職員 男性 吃音当事者団体で社会的支援の運動をしていたが、吃音業界の体質に辟易しているよう すでに吃音当事者団体からの卒業を心に決めている 
自閉症スペクトラムっぽいキャラ設定 他人の会話に急に割り込んでくる 受動型ASDのようで仕事を断れないタイプ 終盤で癇癪を起こす 会からも離脱?

・ヤギさん 自営業でスペインバル経営者 初代会長 男性 
吃音が障害ではなく個性だと思っている。
最初からコイワさんとは仲が悪い? 喫煙所で挨拶をしなかった場面がある。無視している?
吃音者の中に実在するギャグ発言を得意とするタイプ そのキャラが処世術なのか? 本当の性格なのかは不明

・トガワさん 吃音当事者ではない 父親が吃音者 それに影響され吃音を研究する立場 女性
吃音を研究する立場であり、吃音治療や改善のために実験協力や専門職としての助言もする


・イヌイシさん とても吃音が重度な人 
サシマさんが癇癪を起こして会場から退出する際に サシマさんへ感謝の気持ちを伝える サシマ
さんがいたからこそ―。と。


●演劇内容

―――当事者が集まりだす

どこかの施設?で駒場夢言会という当事者グループ(セルフヘルプグループ)の例会をしている。

最初の場面、トバさん。初参加のミッキーさんがやってくる。

お互いに自己紹介で吃る部分があるとあるあるネタを披露。

その後、コイワさんがやってくる。

コイワさんは新聞記者でありながら、自身の吃音について情報発信をしている。

つい最近あった、吃音者団体の全国大会も取材報道したという。


サシマさんがやってくる。

タバコを吸っていたそうだ。喫煙所の場所をコイワさんに教える。

トバさんは今日は飲み会もあるよとミッキーさんに伝える。サシマさんも参加しますよねと誘う。


サシマさんは今日は引き継ぎのための書類を持ってきただけ、あとは君たちにまかせるよ的な言い回し。

そこにヤギさんがやってくる。コイワさんとすれ違いませんでしたか?喫煙所にいたでしょう?と言われるが『知らないフリ』をする。

ヤギさんは「ディズニーシー」が発話できないため、他の人に言わせる。(吃音者によくあるネタ)

サシマさんはもう当時者会から卒業するような言い方をする。トバさんが次だという。



トガワさんがやってくる。(トガワさんはこのまま特に発言なし)

こないだの全国大会でも分科会を担当したようだ。


コイワさんが喫煙所から戻ってくる、ヤギさんが気づかなかったという説明をするが、微妙な空気になっている。




―――当事者が集まったので会が開催

それぞれの自己紹介、近況報告。

コイワさんから自己紹介

先日は吃音の記事に協力ありがとうございましたとトバさんから感謝される。

吃音が全国紙に報道されるなんてすごいよねとトバさんが持ち上げて。全国紙の1面に乗るなんて初めてなんじゃないの?と

(するといきなり会話に割り込むサシマさん ASDっぽい)

サシマ『いやかなり前にもあったよ40年くらい前だよ』 

サシマさんの発言を華麗なスルーで、コイワさんが発言を続ける。




イヌイシさんの自己紹介

イヌイシさんは吃音が重度な設定。

かなり自己紹介に時間がかかる。

32歳なので、結婚を考えています。こないだ街コンに参加してみました。

ぜんぜん喋ることができなかったとのこと。




トガワさんの自己紹介

トガワさんは吃音者ではない。大学で吃音の研究をしている。

全国大会でも分科会を担当したとか。



トバさんの自己紹介

現在は休職中?求職中?のトバさん。夢言会の副会長。

先日、トガワさんの実験協力をしてきたとのこと。



ヤギさんの自己紹介

お店で注文を取るときに困ることがあるけどたいしたことない。



サシマさんの自己紹介

夢言会の活動を後輩に引き継ぐという。



ミッキーさんの自己紹介

初参加の人。大学四年生で、11月なのに就職が決まらないという。

書類選考は通過するが面接の後に不採用通知がくるそう。

みなさんはどうしているのか聞きたい。



―――トバさんがトイレにいくため 仕切りをヤギさんに託し フリートークに

ミッキーさんが、いつもこんな風にはじまるのですか?と質問

ヤギさんがこういうのを自助グループというんだと。


ミッキーさんはすごくうれしいです。自分以外にも同じ悩みをもった仲間がいることに安心しましたという。

ヤギさんは安心して吃りなさいよという。

トガワさんみたいな当事者ではない専門家もいるけどと余計な事を口走る。



ミッキーさんは、トガワさんはどのような研究をしているのですか?と質問

トガワさんは理工学部で吃音者の脳の研究をしているという。

父が吃音でそれが吃音に興味をもったキッカケだという。吃音とはどのような感じなのか知りたいという。



コイワさんが当事者でない人が吃音を知るのは難しいと会話に割り込む。

吃ることを読者に伝えるのは難しいという。

世間から理解されないので、まずは世間に知ってもらうことが大事だという。



サシマさんが知ってもらってそれでどうするわけ?知ってもらったら吃音者の悩みって解決するものなの?


まぁまぁサシマくんもっと和やかにとヤギさんが発言。




ミッキーさんはトガワさんが吃音の研究しているので、吃音の治し方、服薬とかあるのかと質問する。



毎度おなじみサシマさん。
吃音は治らないよ。言語訓練、認知行動療法、XXXXXXXX方法など(筆者 聞き取り不能)、確実に完全に治る方法は存在しないのに専門家はお金を俺たちから巻き上げるんだよ。


ミッキーさんは、じゃあ吃音はもう治らないのかという。


トガワさんは、確実に治る方法はなく、子どものときに治らないと大人は難しい。確実に全ての人に効果あるものはないが、症状の軽減や悩みの軽減はできるという。


コイワさんがここで社会的支援や障害者手帳制度について説明をする。社会保障制度について述べる。

もちろんお約束のサシマさんが食いついてくる。


ミッキーさんは、吃音は障害者だったんですか??と驚く。



またサシマさん。
サシマさんは、そういうヤギさんは吃音についてどう思うのか?という。

ヤギさんは吃音は個性で治すべきものでもないという。



ミッキーさんは、吃音で困ることはたくさんあるのにどうして吃音を治すべきでないものと思えるようになるのですか?という。



―――トバさんが戻ってくる

トバさんが、ミッキーさんに話し合いたいテーマはありますか?と聞く。

ミッキーさんは「吃音は治すべきか 治さないべきか」を知りたいという。


トバさんはいきなりすごいテーマ持ってきたね。いいね話し合おうと承認。


サシマさんは職場からタイミングよく電話がかかってきて、一時離席。

その間にミッキーさんからサシマさんは何かあったんですか?(いろいろ噛み付いてくるから)と質問


サシマさんの話をヤギさんトバさんがはじめる。

サシマさんは頑張り過ぎちゃう人なんだ。
仕事をなんでも引き受けてしまうサシマさん。事務や調整の仕事をしているという。
社会的支援の仕事もしていたという。ヤギさんトバさんがサシマさんに感謝の気持ちと、なんでもやってもらっていて悪かったと後悔の気持ちを述べる。

(筆者が、サシマさんは、「断る力」がない、周囲に依頼されると断れない受動型ASDっぽいと感じたところ。最初は頑張って仕事をこなしていても、なぜ自分だけこんなにしているんだと気付くと癇癪を起こす周囲に敵意を向ける。または仕事そのものが能力をオーバーして癇癪を起こすより前にぶっ倒れて、うつ病や適応障害になるパターンもある。最悪、入院になることも)





サシマさんが戻ってくる。

サシマさんが言うには「施設の利用者が亡くなった」がよくあることなので、すぐに向かう必要はないとはなしている。



―――改めてミッキーさんの質問に戻る

ミッキーさんは吃音を治したくないとヤギさんが発言したこと、どうしたらその考えにたどり着くのか知りたい。


ヤギさんは言う。
吃音は今のところ、治す方法はないし原因も不明なんだ。
それを治したい治したいと思うのは辛いことだと思う。
自分を否定することだと思うんだ。


ミッキーさんは言う。
じゃあ治す方法がないから、寧ろ治らないほうがいいって思うことにしているんですか?


ヤギさんは言う。
いやーその。どういうふうにいえばいいのかな。
例えば、ハゲとか顔がよくないとかコンプレックスになったりすこともある。
でも、だからといってみんながみんな整形手術やカツラを利用することはない。
受け入れる人もいるじゃん。


ミッキーさんは言う。
吃音はハゲや不細工と同じようなものだということですか?


ヤギさんは言う。
いや、そういうとちょっと乱暴な言い方だけど。
どうしようもないコンプレックスって開き直るしかないじゃない。
受け入れるっていうか、気にしないっていうのが1番なんじゃないのかな。
吃音は気にしなくなるよと症状も軽くなると言うし。


ミッキーさんは言う。
吃音は気にしなくなると、軽くなる?改善するのですか?


トガワさんは言う。
吃音はどうしても治さなければいけない、吃音が劣ったものだと、吃音に対する否定的な認知や感情を修正することで、吃音を改善する方法はたしかにありますね。


ちょっといいですか?? コイワさんは言う。
私はヤギさんの意見に全く共感できません。
私は吃音により学校でも会社でも対人関係でものすごい苦労をしてきました。
だから吃音は個性だという考え方は受け入れられません。
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX(筆者 聞き取り不能)


ヤギさんは言う。
そういわれるとちょっと厳しいなぁ。

コイワさんは言う。
人とうまくコミュニケーションしたいというのは当たり前の気持ちです。
研究者の人には、ぜひ、吃音を治す方法も研究してほしいと思います。

また、吃音者が望めば、誰でも障害者手帳を取得できるようにこれからも社会的な運動をはじめなければならないと考えています。



―――吃音は障害なのか?
ミッキーさんから質問

吃音は障害なのですか?
たしかに吃音は治したい。治したいと思うのは当たり前の気持ち。
でも、吃音者が障害者というのは何か変な感じがする。



トバさん。
なるほど、吃音が障害か障害ではないか? どうなんですかトガワさん。


トガワさんは言う。
うーんそうですね。
難しいですね。
もちろん当事者が障害か個性かとらえるのはその人の自由です。
ただ、実際はどこかで線引をしないと医療や社会保障の対象にならない。
医学的な見地だと流暢性障害という分類されています。
そういった意味では障害に含まれると思います。



コイワさんは言う。
吃音は障害ですよ。
吃音で障害者手帳を持っている人もいます。
でも、それはとても限られています。その状況は改善しないといけません。
手帳がないと支援をすぐに受けられませんからね。


ミッキーさんは言う。
でも支援、支援って言いますけど。
吃音って別に車椅子とか点字ブロックが必要なわけじゃないし。
どう助けてほしいかわからない…。


コイワさんは言う。
いま、1番問題なのは新卒の就職活動です。
新卒採用でもっとも重視されるのはコミュニケーション能力です。
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX(筆者 聞き取り不能)
だから吃音は障害だと受け入れて、障害者雇用枠を利用できる選択肢を増やさないといけない。


ヤギさんは言う。
あのーちょっといい?
吃音があるからって必ずしもコミュニケーション能力が低いとはいえないんじゃない?
田中角栄だって吃音をもっていて、吃りながらめちゃくちゃ演説がうまい人もいるし。


コイワさんは言う。
そういう人はそれでいいですよ。
私が言っているのは社会生活で困っている人のことです。
障害者手帳を取得できるようにしておかないといけないですよ。

ヤギさんは言う。
でもさ、手帳を取得することではなくて、吃音を持ちながらどうやって前向きに生きていくことのほうが大事だと思う―。



ミッキーさんは言う。
症状が軽い人はどうすればいいですか?見られてしまう人はどうしたらいいですか?
僕はいま話せていますけど。
手帳とかは無理だと思うのです。
障害者手帳を取得できない人はどうしたらいいですか?


トバさん。
サシマさん詳しいですよね。お願いします。


サシマさん。
トバさんだって詳しいでしょ。別に俺にふらなくても大丈夫でしょ。


トバさん。
私がこたえます。
2016年4月に障害者差別解消法が施行されました。
障害をもっている人(筆者補足 障害に限らず難病も)が何か困りごとがあるときに申し出れば
役所やお店は過剰な負担にならない範囲でちゃんと対応をしないといけないという法律なんだ。
合理的配慮というんだ。



ミッキーさん。
それは吃音者にも当てはまるんですか?

トバさん。
ええ、この法律は障害者手帳所持の有無はとわないんだ。

ミッキーさん。
吃音への配慮はどういうものが?

トバさん。
たとえば、筆談の対応。人口音声の利用を認めるとか、挨拶ができなくても怒らないとか。
まぁ、吃音者への合理的配慮が過剰な負担になるとは考えにくいからちゃんと配慮してもらえると思います。

ミッキーさん。
でも筆談とかって、話さないように済むっていうするってこと?

ヤギさん。
筆談って話さないよう済むようににすること。そうじゃなくて吃りながら、話すことを諦めないことがとても大切なことなんじゃないの?


コイワさん。
いや、だから。そういう配慮を受けたいかは、個別の対話で決めることで。第三者が決めることではないですよ。

ヤギさん。
でもそれでいいのかな?人それぞれってことで、みたいにまかせてしまった。
吃音だから、話すことから逃げるのはよくないことだと思う。


ミッキーさん。
でも、そんな風に配慮してほしいとか、特別扱いしてほしいってなかなか言いにくいですよね。
僕はできれば周囲に自分が吃音だと知られたくないです。


トバさん。
配慮を受けるために、カミングアウトしなければいけないのは大きな問題ですよね。

コイワさん。
でもそれは仕方ないですよね。
吃音が障害者と思われたくないという感情は、ある意味「障害者」を差別に加担していることです。


ヤギさん。
僕は吃音者は障害者なのかな?って思うけどね。
障害者というほどの重い障害ではないと思う。

ミッキーさん。
喋るのが苦手なのにしゃべらないといけない。矛盾していませんか?
そもそも吃音者が抱える困難って急に頼んでもしかたないことが多いと感じる。

バカにしないでほしいというのはありますけど。基本的に周りのひとは何もできないですし。寧ろ何もしないでほしいと…。

そもそも人口音声とか筆談とかしゃべらないっていう選択肢を希望するでしょうか?


???さん
トガワさんどうですか?


トガワさん
え???私??


ヤギさん
いやーやっぱり僕はね。
吃音は社会で取り組むべき問題なのかな?って思うよ。
障害というのはあんまりよくないと思うよ。
実際にいままでほとんどの吃音者は障害者手帳なんてなくても吃音をうまくやってきたと思うけどな。


コイワさん。
ヤギさんは吃音は障害と認めながら、吃音をXXXXX(筆者 聞き取り不能)
吃音は個性的なものだけど、障害はXXXXXX(筆者 聞き取り不能)
やっぱり他の障害者に対する差別なんじゃないですか?

ヤギさん。
で、でもさ、筆談や人口音声を使うのは、自分の身体を否定していることになる。
吃音を含めて自分なんだから。
やっぱり障害だといって障害者手帳に頼るのはあんまり良いことではないと思うよ。どうやって吃音と上手く付き合っていくかが大事だと。


コイワさん。
ヤギさんみたいな人がいるから。ダメなんですよ。
みんながみんな前をむくことができるかはわかりません。困っている人もいるんです。


サシマさん 癇癪を起こす
(俳優の藤原竜也さんが演じる「゛」濁点が全てにつくような話し方になる)

うううう!!!!!
め めんどくさいんだよ

なおすとか なおさないとか ぜんぶ どうでもいい

いつまで こんな 小さな意見をグチグチとさ。周囲からみたら滑稽だよ。

びびょびょびょびょ 

平等とか対話だとか、そもそも全然対等じゃないし。

今日だって話している人はいつも同じ人だし。

今日だってイヌイシさんは全然話していないじゃないか。


そそそそそs コイワさんあんたのいっていることがくだらないから。

障害者に対する差別ってあんたがしていることじゃないのか?



コイワさん

ん゛は゛ぁ???

私はXXXXXXXXXXXXXXXXX(筆者 聞き取り不能)
困りごとを持っている人が少しでも生きやすいように。


サシマさん
相模原事件の被害者の人たちはどうでもいいというのか
俺は介護職員だからあの事件はとてもショックだった。
全国大会であの事件を考えようとする吃音者いなかったんだ。
コイワさんあんたもそうだ。吃音で悩んで自殺した看護師のことを取り上げても、障害を理由に無残に殺された人のことを取り上げようとしなかった。


コイワさん
それの何がいけないのですか?
私のかかわる、当事者として自分たちの声を発表することの何がいけないのですか?


サシマさん
あんたは被害者の人たちは自分たちじゃないと思っているんだ。
自分たちとは関係のない人達がころされた。
障害をもった自分たちと違う特別な人が殺されたと思っているんだ!
どどど誰もが年を取れば施設に入れるかもしれない。
俺はこの吃音の世界の欺瞞っていうかさそういのに飽き飽きしたんだ。
言いたいやつが自分のいいたいことを言って。
声の小さいやつに仕事をおしつけて。

まぁ。もう俺には関係ないから、あとは好きにやってくれ。



―――サシマさん会場から去る
そこをイヌイシさんが止める。

ぼぼぼぼぼくは吃音で
か かか かか か からかわれて
わ わ わっ わ笑われてずっとひとりぼっちでした。
ぼくもこんな連中の話なんて聞いてやるもんかってずっと

こ こ こ こ こ 心を閉ざしていました。

で でもこのムゲンカイに参加して、サシマさんが話を聞いてくれた。

本当にうれしかったです。



トバさん
そういえば僕もそうでした。
吃音で話せることができなくて。そんなときにサシマさんに誘ってもらったんです。



イヌイシさん
それから周囲の人達に
ちょっと話せるようになりました。自分では無理だとおもっていたけど、街コンとか参加できるようになりました。
サシマさんにやめてほしくない。もっとサシマさんと話がしたい。だから こ こ こ こ ここにいてください。



―――サシマさんはそのまま会場を去る



トガワさん
あ、あの私もいいですか?
父親が吃音といいました。
これまでほとんど父親と話してこなかったです。家庭内別居で暴力をふるいました。
それから父親は家のなかでいない人扱いして、ほとんど会話をせずにすごしてきました。

そして色々あって、このムゲンカイに来て、この会をとおしてみなさんと話して、最近になって
他人と話せるようになったんです。


コイワさん
あのーいいですか?
僕には言葉を話すときに壁が2つあります。
吃音の壁と日本語の壁です。

母国語ではない言葉でコミュニケーションする感じとよく似ているなと思うんですけど。



????さん
ああなるほど。僕も東北出身なんですよ。標準語になおして話すときに、吃音の言い換えとかXXXXXXXX(筆者 聞き取り不能)


コイワさん
なんていうかな
吃音があると吃音がある人とXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX(筆者 聞き取り不能)

トバさん
ちょ!!
ちょっといいですか??


ヤギさん
おやおや。トバくんも意見かなぁ


トバさん
もう時間ですよ。後の予約の人もいるし帰りましょう。
このあとみなさんと渋谷のイタリアンのお店にいきまよう。

トガワさん
ヤギさん ヤギさん今度実験に参加してもらえないですか?

コイワさん
みんなの写真を撮影していいですか?


トバさん

あぁ。いいですよーーー。



ここで藤原さくらさんの楽曲。

終劇









2016年10月26日水曜日

2016年10月22日、東京で開催された吃音啓発の日レポ 厚生労働省 日詰正文氏講演 吃音と発達障害者支援法

2016年10月22日。東京都北区の赤羽北区民センター(ふれあい館)にて、国際吃音啓発の日に合わせたイベントが吃音者の当事者団体である『東京言友会』と『千葉言友会』の主催で開催された。

国際吃音啓発の日は「International Stuttering Association」などが1998年に定めた世界的な啓発デーだ。毎年4月に行われる世界自閉症啓発デーのような認知度はまだないが日本でも認知度の向上が今以上に望まれる。

2016年春、福山雅治さん藤原さくらさんが出演したフジテレビ系列の月9ドラマ『ラヴソング』で登場人物女性が吃音であったことにより世間でも認知度はあがった。

吃音とは発話・発声するときに自分の思うように言葉が出てこない障害だ。
例えば「おはようございます」が吃ることにより、『お、お、お、お、お、お、おはようございます』という連発。『(口がパクパクしたり、または口や唇が震えたりしながら)なかなか言葉が言えず(お お お お お お お お お お お)  おはようございます』という発話まで時間がかかる難発。『おーーーはようございます』という伸発の3つが吃音だ。

吃音は当事者によって異なるが言葉のみではなく吃音者の顔の表情が歪む、白目を剥いてしまう、唾液を飛ばしてしまう、腕や脚、身体の一部が意図せぬ動きになるという症状が同時に出る場合もある。



●吃音と発達障害について

このイベントでは、厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室 発達障害対策専門官 日詰正文氏が講演した。

講演ではまず最初に「発達障害者支援施策について」発達障害者支援法、一般に言われる発達障害(自閉症スペクトラム、注意欠如多動性障害、学習障害、トゥレット症候群)などの説明から、発達障害の定義、日本国内でどのような障害が発達障害者支援法に含まれているのかなどの説明があった。

吃音も発達障害者支援法に2005年から含まれていること、一般に言われる発達障害児者のように当事者や家族が希望すれば全く同様の社会保障や合理的配慮が受けられることが法的根拠を例にしながら話は進んだ。

吃音がなぜ精神障害(発達障害を含む)なのかの疑問に対してはICD10(WHOの国際疾病分類)が日本国内で診断基準になっていること、DSM5(アメリカ精神医学会の診断基準)が参考になっていること、次回更新のICD11ではDSM5と同様に吃音が『神経発達障害/神経発達症群』に分類されるであろうと説明があった。

日本政府も吃音が発達障害者支援に含まれていることを現在、発達障害者支援センター職員、医療従事者、発達障害施策に携わる職員を対象に研修を通じて実施しているという。



●吃音と障害者手帳取得について

吃音者が障害者手帳を取得するにはどうすればよいのかという疑問にも答えた。
吃音は発達障害者支援法以前の名残で身体障害者手帳4級取得の可能性があるが、その場合『ICD10コード F98.5 吃音症』と書いてはいけないと説明。理由はFコードを利用した時点で精神障害の部分になるからだ。身体障害者手帳を取得する場合は医師とよく話し合い吃音とは書かずに話せないことを表現する重要性を指摘した。


発達障害者支援法により吃音で精神障害者保健福祉手帳を取得する場合の医師が書く診断書については詳しく説明があった。症状の記入欄の他に、日常生活能力の判定という項目を医師が吃音者の話をよく聞き記入しなければならないと強調した。

吃音の場合、「他人との意思伝達・対人関係」、「身辺の安全保持・危機対応」、「社会的手続きや公共施設の利用」が該当するのではないかと説明した。

「他人との意思伝達・対人関係」であれば、吃音によりスムーズに言葉が話せないこと、相手を待たせてしまうこと、本当に伝えたいことを話せないこと。

「身辺の安全保持・危機対応」であれば、緊急事態時、吃音により絶対に吃ることが許されない状況での発話・発声が吃ってしまうこと。

「社会的手続きや公共施設の利用」であれば、窓口などで上手く話せないことにより本来の目的を達成できないこと。

以上を精神障害や発達障害を診療する医師が患者である吃音者から丁寧に話を聞き、吃音者が困っていることや出来ないことを具体的に明記できるかどうかが大切だという。

だが、一方で吃音を診療する医師や病院が少ないことも指摘した。耳鼻咽喉科医師と精神科医師の連携についても重要だという。この部分については今後、政府も研修を通じて伝えていくという。


●吃音と合理的配慮のこと

吃音児者への合理的配慮についても例をもとに説明した。高校・大学受験や●●試験などで配慮を受ける場合は幼少期からの診療とその情報の引き継ぎが重要で、いきなり『その時』になっても配慮を希望するのは難しい。子どものころからこのような配慮を受けてきた過去があるという事実が大切になるという。

2016年発達障害者支援法改正の3つのポイント。ライフステージを通じた切れ目の無い支援、家族なども含めた、きめ細かな支援、地域の身近な場所で受けられる支援だ。

例として発達障害の特性と言われる(見通しが立たないことへの不安、感覚過敏、読み書き障害、不器用、独り言、言葉が上手く話せないなど)がある場合。どのような支援(スケジュール提示、別室対応、拡大文字問題冊子、塗りつぶしではなくレ点チェック、時間延長、話し終わるまで待つ)が行われてきたのか情報をバトンタッチしていくことが大切だという。



●まとめ、感想
厚生労働省の発達障害対策専門官の話は法的根拠や制度上の説明もあり、わかりやすかった。吃音者でも全く同様の社会保障制度や合理的配慮を希望すれば受けることができること。ここがとても重要だった。

ただ、日詰氏の話を聞いていると2005年から存在していた発達障害者支援法と吃音の関係の難しさも浮き彫りになった。会場から吃音が精神障害(発達障害を含む)であることが受け入れられない、エビデンスはあるのか、どこの誰が研究した結果なのか質問があったが、日詰氏は医系技官ではないのでその場での回答は控えた。一方で、『吃音が精神障害(発達障害を含む)と分類されるのは国際的な診断基準に従っているので、そうではないと思う場合はそのように研究している研究者と協力して行動してほしい』といった趣旨を述べた。

※吃音と一般に言われる発達障害の併存事例も報告されている日本音声言語医学会の学会誌 Vol.57 No.1,2016.1
に『吃音に併存する発達障害・精神神経疾患に関する検討 Developmental Disability and Psychiatric Conditions in 39 Patients with Stuttering 』が掲載
http://stutteringperson.blogspot.jp/2016/02/blog-post_23.html


この部分が厚生労働省や日本政府側の正直な気持ちではないだろうかと筆者は重く受け止めた。これは日本国内の吃音業界・吃音情勢の問題だ。日本国内では吃音当事者が『吃音は可哀想な障害者ではないし支援される対象ではない。吃音を治そうとしてはいけない。病院に行ってはいけない。おたくのお子さんは可哀想な障害者じゃない。吃音は個性、吃音は神様からのギフト。吃っていても堂々と吃って生活している吃音者もいる。就職や結婚もできる。子どもも2人くらい大学にいかせるだけ稼げる。マイホームだって買える。幸せだ。』と主義主張をするグループがあるからだ。

このグループの影響なのか? 2016年8月17日毎日新聞朝刊やネットで報道した『「差別受けた」6割 「理解不十分」7割』をみた子どもたちがこのような差別発言を平然を行っているようだ。 子どもに「障害はかわいそうという感じがする」と言わせるのは本当に恐ろしいことである。神奈川県相模原の障害者無差別殺害事件にも通じるところがある。困っていることや不便なことがあるなら、障害の垣根をこえて協力して「障害はかわいそう」だという価値観を身に着けるようになってしまう、そのように成長してしまう道程や周囲の人間や社会を変化させるように行動してほしいものだ。





・ここに「発達障害」と書いてあるけれど、僕たちは、発達障害なのか。障害は、かわいそうという感じがする。どもりを障害とは思わないでほしい。僕がほかの人に自分のどもりについて言うときには、どもりのことを障害や病気だとは言わない。吃音で悩んでいる人、苦しい人にとっては、吃音は障害だというのはありがたいのかもしれないけれど、「吃音を障害と認識することが大事だ」というのは、どうかと思う。
http://www.kituonkokufuku.com/archives/2016-09.html?p=3



吃音は他の障害者や難病者や社会的障壁のある人たちより優れているのか?優生思想なのか?
この点はフジテレビ系列で放送した『ラヴソング』の吃音演技指導をした大学生がこのように話す。


「『吃音は障害じゃない』『差別されるのが怖い』と言い張る吃音者もいますが、それって“逆差別”ではないでしょうか? 『障害者と一緒にしないで』って言っているのと同じですよね。だから、もし変えるなら『障害』に対する社会の意識を改革していくべきだと思いますし、私も当事者として、そこを伝えていきたい」
http://wpb.shueisha.co.jp/2016/06/13/66583/3/


このグループの主義主張は吃音以外の障害者・団体や難病者の耳にも入っており、大変な怒りの感情を持つ方もいる。吃音者は優生思想を持っているのか? 同じ困っている人ではないのか?という感情だ。これはとても大きな問題で今後、吃音者や当事者団体が活動するにあたり、一度、謝罪や撤回を求められる事態に発展するかもしれない。その謝罪や撤回があった後に一緒に協力行動しようという気持ちの方もいるのだ。障害はかわいそうと子どもに言わせてしまう「教え」は吃音以外の人々に波紋を広げている。



そこまで強烈に障害者や難病者を劣った者とみなし見下す主義主張を持たないが、何とか吃らない処世術を身に着け、吃る頻度を減らし社会に居場所がある吃音者もいる。できることなら吃音が精神障害(発達障害を含む)と周知徹底されるのを怖れるグループだ。


裏を返せばこのように吃音当事者や吃音業界から『吃音があって困っている。吃音者にも社会保障の選択肢を――。』と障害者運動や行動、行政へ要望要請をしてこなかった経緯が2016年現在に影響を及ぼしている。

日詰氏の講演でも、「日本政府は『今』、関係各位に周知や研修をしている」、「医師や病院が足りないことの現状について」述べたがこれも裏の意味だと「今まで表立ってそれを強く実行することができなかった。当事者からの声が無かった」と読める。今までは日本政府、行政も吃音業界の異様さ特殊性を認知していたのかもしれない。

もしも2005年から吃音が発達障害者支援法に含まれていることが周知徹底されていれば2013年7月に北海道で起きた吃音看護師さんの自死も避けることができたのではないかと考えると悔しい。


講演の中で印象に残った部分がある。吃音は精神?身体?どっちの障害者手帳を取得できる?という説明部分だ。

吃音は発達障害者支援法以前の名残で身体障害者手帳4級取得の可能性があるが、その場合『ICD10コード F98.5 吃音症』と書いてはいけないと説明。理由はFコードを利用した時点で精神障害の部分になるからだ。身体障害者手帳を取得する場合は医師とよく話し合い吃音とは書かずに話せないことを表現する重要性を指摘した。

吃音はそもそも「Fコード」、ICD-10という診断基準の→F00-F99 精神及び行動の障害 > F90-F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害 > F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症するその他の行動及び情緒の障害 > F98.5 吃音症

を利用する。
しかし、このFコードの吃音を身体障害者手帳申請書類に明記してしまうと。その時点で自動的に審査で却下、受理されないということだ。

仙台の吃音裁判、吃音で身体障害者手帳がほしいという内容であった。
市側の主張は「国は吃音を発達障害者支援法に定義しているので」と主張していた。
身体障害者手帳申請書類で「吃音」を明記した時点で不受理の条件を満たしているということになる。過去の吃音者の事例で身体障害者手帳4級を取得している者がいるが、その場合診断書には「吃音」と明記せずに別の症状により言葉を発することが困難であると書いているのであろう。バカ正直に身体障害者手帳申請書類で「吃音」と明記してしまうと審査の段階で不受理になることを知っている医師がいるということになる。


吃音者が「自分は吃音で障害者手帳はもらえない」と自己診断・自己判断で諦めてしまうことも問題だと筆者は感じる。一般に言われる発達障害を診療する医師のところに行き、困っていることできないこと、吃音で嫌な経験をしたことをしっかり明記すれば吃音が軽度でも障害者手帳は取得できる可能性はある。一般に言われる発達障害者でも服薬やSST、ミスをしないためのアイテムの利用などを駆使し障害者手帳を持っているがそれを隠して一般枠で働く方もいる。自分は吃音が軽度だからという自己判断で試してもみないで諦めてほしくはない。並行して吃音を診療してくれる医師や病院へ情報発信をすることも大切だろう。

吃音を診療したいと思う、精神科医師や児童精神科医師の中には、吃音がそれを偽ることもできるのでウソの演技を見抜けないのではないか? と危惧する方もいる。厚生労働省が耳鼻咽喉科医師や脳神経系医師、精神科医師のために吃音診療ガイドラインを作成することも望まれる。
ガイドラインの作成により、『そもそも病院で吃音は保険診療可能である』と認知されれば自由診療のクリニックや医師のいないクリニックに高額な吃音診療費を支払うこともなくなる。また自立支援医療の精神通院が利用できるから多くの吃音者は1割負担で通院や言語聴覚士との訓練ができるはずなのだ。

2016年これからの未来は吃音当事者も障害者団体や発達障害者団体と協力し情報発信をしていく時代ではないだろうか? また吃音者は自分たち以外のことを知ることもとても大切なことだと強く思う。

2016年7月10日日曜日

吃音者や吃音当事者の家族にはレイシスト(差別主義者)がいる? 吃音を病気や障害と認められない人々の実態とは? そのワケ

吃音者や吃音者の家族・親戚縁者、学校の先生には吃音を病気や障害ではないと考える人もいます。
その理由は、簡単です。病気や障害がある人は劣っているからです。
彼らに人権は無く、幸せになる権利はないと思っているのです。

吃音の子どもを持つ保護者のみなさんは本当に注意してください。
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/11/blog-post.html



しかし逆に考えれば恐ろしい事です。
吃音者の世界を外部から見ればこのように見えます。
「吃音者って話すことが大変で困っているくせに、私たち●●障害、●●難病より優れていると思っているワケ? 白人至上主義のように吃音者至上主義とかあるのかな? 吃音者ってナチス・ドイツのように他の困っている人たちを下に見ているんだね。悲しいね」と話す人もいます。現在、吃音以外の障害や病気、難病がある人は徐々にですが、吃音者団体や吃音業界の異様さ、異質さ、特異さに気付いてきています。

吃音者は自分たちが障害者である、障害者手帳の交付対象であることを、とても嫌う人が多いです。その際必ず吃音者は他の障害者や難病の人たちが「幸せではない」、「結婚できない。子孫を残せない」、「国のお荷物、税金の世話になっている」、などと世迷い言を述べる人がいることも事実です。


集英社の週刊プレイボーイでもフジテレビのドラマラヴソングに合わせて、吃音の記事が全部で3回掲載されました。その中でこのような記事がありました。ラヴソングを監修した菊池良和医師によると吃音は身体障害者? 発達障害者?ということで揉めているのが吃音者業界とのことです。厚生労働省の考えでは2005年以降は吃音は発達障害として対応するとしています。ただ、吃音者がその現実に向き合うことができないのが問題の本質なのですが…。

もう1人、川端さんというラヴソングで演技指導をした大学生が述べています。
吃音が障害じゃない、差別が嫌だという人は、逆に他の人達を差別しているのではないか?




これから社会に出るにあたり、不安を抱える河合さんだが、吃音について理解される世の中になってほしいと願う半面、吃音が「障害」とみなされることには懸念があると述べる。
「『障害』って、一生治らないってことでしょう? でも、吃音はいつか治るかもって思っていたいから、だから『病気』って思いたい。見た目では健常者と変わらないし、『自分は他の人とは違う』って一線を引きながらも、健常者向けに作られた社会の中で健常者のフリをして生きていくしかないんです」
「吃音は障害か? 病気か?」をめぐっては、当事者の間でも意見が分かれている。吃音の症状はひとりひとり違い、症状が軽減する人もいれば、継続する人も存在し、症状の程度もグラデーションのように一様ではないためだ。
当事者間の認識も一枚岩とはいかず、「『障害者』だとひとくくりにされるのは抵抗がある」という意見の人もいれば、「障害だと認めて、配慮や支援を求めるべき」という意見もあり、両者の主張は平行線だ。
菊池医師は、医師としての立場から以下のように述べる。
「もちろん、当事者本人が自分で『これは個性や癖のひとつだ』と肯定的に捉えていただく分には構わないですし、私も診察室では『話し方の癖なんだよ』と説明することもあります。ただ、医学的・法律的にどこかで線引きをしないと、治療や支援の対象にならないため、米国精神医学会の診断基準(DSM-5)では、吃音は『小児期発症流暢障害』に分類されていますし、2005年に施行された『発達障害者支援法』の中では『発達障害』に含まれています」
また、仮に「障害者手帳」を取得するにしても「身体障害か、精神障害か」についても意見が分かれるという。過去に吃音が身体障害者4級として認められた事例もあり、「吃音は身体障害に含まれる言語障害だ」と捉えている当事者からすれば、精神障害や発達障害に分類されることに抵抗がある人も多い。
前編に登場した川端鈴笑(すずえ)さん(20歳・大学3年生)の場合、連発と難発の症状により、大学生活に支障が出ているため、障害者手帳を取得している。
「当事者がどんなに『困っている』と訴えても、障害者手帳のような公的な証明書がないと、大学側からは吃音で学校生活に支障が出ていると認めてもらえないし、合理的配慮も得られない。ただ現状は、吃音だけで障害者手帳を取得するのは難しいようです。私は発達障害の一種、ADHD(注意欠如・多動性障害)も併発しているので、精神障害者手帳で取得して、吃音について付記している状態です」
実は近年、川端さんのようにADHDなどの発達障害と吃音を併発する人々も存在することがわかってきた。
「『吃音は障害じゃない』『差別されるのが怖い』と言い張る吃音者もいますが、それって“逆差別”ではないでしょうか? 『障害者と一緒にしないで』って言っているのと同じですよね。だから、もし変えるなら『障害』に対する社会の意識を改革していくべきだと思いますし、私も当事者として、そこを伝えていきたい」(川端さん)
http://wpb.shueisha.co.jp/2016/06/13/66583/




この原因はなんでしょうか?
1.吃音の障害者認定絶対反対派の当事者団体に所属している。(大阪や東京に存在。その他にも少数の都市に) 吃音が障害や病気であって政府の世話になるなんて恥である。成功している吃音者は存在する! (間違えてこの団体に吃音で障害者手帳がほしいと相談にいけば、阻止されるのである)

2.吃音のある子どものお父さんお母さん、お祖父さん、お祖母さん、親戚縁者の勤務している官民問わず企業団体に吃音者が働いていない。働いていたとしても世間一般でいう「普通の生活」ができていない。吃音はバカにされる。

3.吃音のある子どものお父さんお母さん、お祖父さん、お祖母さん、親戚縁者の勤務している官民問わず企業団体に障害者が働いているが、障害者の給与は安い、ローンが組めない、ということは自分たちのように結婚して子ども産んでマイホームをローンで購入できない。吃音者も障害者も難病者もみな不幸だ。

4.仮に吃音が障害だとしても「精神障害(発達障害を含む)ではない。精神障害や発達障害のように吃音者は頭がオカシイわけではない。無差別殺人をするわけでもないし、統合失調症(精神分裂病)とは違うんだ! 吃音は身体障害者だ!」と発言してしまう人まで存在します。

5.近年の研究で吃音は遺伝することが判明しており、例えば、お父さんかお母さんが吃音。母方や父方の親戚縁者に吃音者がいる。故に、吃音という遺伝子を子どもに与えてしまった自分や家族を恨みつつ、その矛先を吃音の子どもや他の障害や難病で困っている人にぶつけてしまう。


このように色々な原因があります。

そうだ!!
吃音は病気でも障害でもないんだ!
私は吃音があっても堂々と吃る。でも、障害者手帳や国の税金の世話になんてならないぞ!
となる人もいるわけです。

お子さんが吃音者の場合は子どもを厳しく育てよう。吃音を治させよう。吃音があっても成功している人だけを見せよう。となってしまうのです。お父さんもお母さんも障害や病気、難病がある人を可哀想な人と教育されて大人になったかもしれません。その価値観と視点でみれば、子どもの吃音に厳しくあたるかもしれません。お父さんお母さんは将来子どもが人生で失敗するかもしれないときのために、住居の確保や生活費の確保もしておかなければいけないでしょう。就職活動に失敗するかもしれません。お父さんお母さんと同じ生涯賃金や生活レベルを維持することが困難かもしれません。

吃音は精神障害・発達障害ではないと言いはる吃音者も存在しますが、この人達は日本政府にちゃんと障害者運動を起こしたのでしょうか? 2016年現在、40代、50代、60代、70代、80代、90代の吃音者の先輩方は 「吃音は程度に関係なく身体障害者手帳を取得できるように」と運動したのでしょうか? 実際はしていません。そのツケが2016年現在に回ってきているのです。2005年の発達障害者支援法に吃音が含まれていることを見落とすくらいなのです。もっと早く昭和の時代に吃音者が政治運動をしていればもっと別の結果があったはずです。

◆吃音業界に蔓延る 参考の発言例
「吃音は障害ではない」
「吃音は障害でも病気でもない個性。実際に活躍している先輩がたくさんいる。上手くできないあなたが悪い。」
「吃音が精神障害者保健福祉手帳の交付対象なのは許さん。吃音は身体障害だ」
「吃音が自閉症やADHDやLDなどと同じ発達障害だというのは許さない」
「精神障害者や発達障害者って頭がオカシイ人たちですよね。吃音がそれと同じと世間から思われたら困る」
「精神障害や発達障害は犯罪を起こしても無罪でしょ。よくニュースになるよね。吃音は違うよね」
「障害者はかわいそうな人。吃音のある人はかわいそうな人ではない」
「吃音は他の障害者より優れている。他の障害児者より吃音は上だ」
「吃音で困っているとか社会保障制度、障害者手帳や障害者雇用が
必要なら、新しい団体つくれば。言友会には困っている人はいない」
「吃音で困っているからといって、社会保障制度、障害者手帳、サービス受給者証、障害者枠雇用などなどを利用するのは恥である。逃げである」
「吃音が発達障害だなんて、(一般に言われる)発達障害の人たち方が困るよね。迷惑だよね」
「発達障害者支援法に吃音を厚生労働省が勝手に入れたんだ」
「吃音が発達障害(神経発達障害群)であることは世界を見てもそんなエビデンスのある報告をしている研究者は存在しない」
「吃音が発達障害者支援法に含まれていることが周知徹底されることは
不利益しかない。私の生活はどうなるんだ」
「勤務先から吃音があるから障害者手帳をもらってこいと言われたらどうすんだ!」
「職場で障害者雇用の発達障害がいるけど使い物にならない。吃音もそれと同じだと思われた困る」
「JDDネットに加盟するイコール吃音が発達障害だと認めることになってしまう。そんなことはさせないぞ。吃音は発達障害じゃない。」
「吃音は訓練して治すもの。社会の側がどうこうするものではない」
「吃音で困っている人がいても関係ない。私の生活が第一!吃音で困っている人なんかどうでもいい」
「吃⾳に⾒られる⾮流暢な発話の背景には⾃閉症スペクトラム障害、注意⽋陥多動性障害、学習障害で⾒られるような内的・⼼理的問題が存在していると⾔う誤解を招き、吃⾳に関する啓発を推進するための妨げとなる可能性があります。」と発達障害児者は内的・心理的問題持った人達だと決めつける言語聴覚士まで存在します。

◆吃音業界は今後どのようになっていくのでしょうか?

筆者の予測では、障害受容のできた障害者手帳を持った吃音者が今後増加すると思います。官民問わず企業団体の人事部は障害者手帳を所持している法定雇用率に計算できる吃音者を積極的に採用していきます。そしてその情報がどんどん採用する側で広まっていけば、吃音者も障害者手帳を取得しようと思う人が増えるからです。この人達がロールモデルとなり50歳60歳70歳くらいになったころには吃音業界の常識が変化しているかもしれません。

そして、1番大切なのは吃音者は吃音以外の障害者や病気、難病者と連携するべきです。そして、社会的障壁を持った人たちが幸せでないと感じるならば、連携して日本社会の法律やシステムを変化させるように行動すればよいのです。障害者の権利に関する条約の第4条にはそのことが明記されています。 吃音者の問題を吃音者だけで考えると暴走してしまいます。暴走どころか思考停止状態になることもあります。(2013年の北海道の吃音看護師さんが自殺したことは避けられたことなのです。発達障害者支援法に吃音が定義されているなら法律という武器があったのです)

現在、吃音のある言語聴覚士が増えていますが、今後は吃音のある社会福祉士や精神保健福祉士が増加すると予想します。そもそも吃音は障害であるし、医学モデル医療モデルとして吃音治す訓練をするよりも、適切な相談支援をできる社会福祉士や精神保健福祉士の仕事が増えるからです。吃音があったままでも生きていける社会モデルがこれからできあがっていくのです。
適切な相談支援(ソーシャルワーク)とは、吃音者やその家族に360度全ての生きる選択肢をみせる事です。自分の主義主張が吃音の障害者認定反対だから、相談に来た人が障害者手帳を取得したいと言っても諦めさせようとする。こういうことではダメなのです。全ての選択肢を提示して相談して決めていくことが求められるいくでしょう。


吃音があるけれど成功している吃音者の人は、その経験をアドバイスすることや体験談を話すことも重要です。しかし、1番大切なのは、成功しているあなたにしかできないこと。困っている吃音者や若い吃音者のために、もっとその道を開拓して拡げて整備することです。成功している吃音者の人はあなたの所属する組織の総務や人事に吃音の啓発をしましょう。吃音者を積極的に雇用するように働きかけましょう。説き伏せて口利きしましょう。自分自身の安息の地、安定した場所を他の吃音者に入ってこられたら困る!なんて考えは捨てましょう。吃音があって成功している人ほど、困っている吃音者や若い吃音者に間接的なアドバイスのみで済ませようとします。美談や努力で済ませようとします。それを改めましょう。本当に志があるのならば、所属する団体(職場の人事に)が吃音者を受け入れるように説明、あなたが経営者なら積極的に吃音者を雇用するようにしましょう。直接的な目に見える行動をしましょう。


今後の若い吃音者10代、20代、30代の吃音者には、もっと他の障害者や難病者など社会的障壁のある人たちと連携してほしい。絶対に吃音以外の社会的障壁を持った人を見下さないでほしい。社会的障壁のある人に不利益なことがあるならば障害者の権利に関する条約や日本の障害者に関する法律をよく勉強して、それこそ他の人達と連携して日本社会や政治を変えていってほしい。
吃音は障害じゃないし、困っている人は困っていればいいじゃん。関係ないよ。という価値観にならないでください。

そしてその若者たちの背中をお父さんお母さんは応援してほしい。お父さんもお母さんも本当はご自身が働く職場の社会的障壁のある人の現実を理解しているのでしょう? そうであるならば吃音から逃げるのではなく、吃音は他の人より優れているのだと思い込むのではなく、吃音と正面から向き合ってほしい。次の世代の吃音者の親、当事者に同じ辛い経験はさせたくないでしょう? 今からでも遅くありません。

2016年1月4日月曜日

【重要】ありとあらゆる場所に吃音を相談する場合 絶対にしてほしいこと

いま、この記事を読んでいる人に必ず覚えておいてほしいこと。
実行してほしいことを書きます。

これから、吃音者、その家族のみなさんは吃音の相談をどこかにしますね。
どこに相談に行きますか?

市区町村の障害福祉課ですか?
学校や先生ですか?
ハローワークの窓口ですか?
病院窓口ですか?
医師ですか?
幼稚園や保育園へですか?
都道府県別ごとにある XX言語聴覚士会ですか?
就職活動の応募先ですか?
今、働いている職場ですか?


先に伝えておきます。
吃音の相談をすると、とても辛い経験や嫌な思いをします。
人権侵害を受けることもあります。
残念ながら吃音当事者や当事者団体は政治運動、障害者運動などをしていなかったため、2016年現在でも吃音者やその家族を取り巻く環境はそうなのです。

それに泣き寝入りすることはありません。
法律に従ってビシっと反撃してください。
苦情や懲戒を求めるなど。
あまりに悪質な場合は地方議員や議会、国会議員に情報提供すること、新聞社に情報提供することも視野に入れてください。



★必ず 吃音の相談内容をボイスレコーダーやICレコーダーで録音してください
・電話の場合はスピーカーホンモード、ハンズフリーモードにして、双方の会話を録音してください。
・対面での相談は、「相手にわからないようにして録音」をしてください。
相談する部屋に入る前から、ずっと録音モードにしておきましょう。勝手にオフにならないようにホールドモード、固定モードにしましょう。

秘密録音については意見はありますが、行ってください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%98%E5%AF%86%E9%8C%B2%E9%9F%B3

ボイスレコーダーはSONY製品のスタンダードモデル以上がオススメです。また、ソニーの編集ソフトが使いやすいのも理由です。カカクコムで調べてください。


★Eメールなどメッセージで相談をする場合は、履歴を保存しておきましょう
メールやメッセージで相談する場合は送受信履歴を保存しておきましょう。
後々の管理の容易さから携帯電話のメールよりも、パソコンのメールアドレスやGmailなどがよいでしょう。



★★音声証拠や文字証拠を残さないといけない理由について
吃音の相談をする場合、なぜこんな面倒なことをしないとならないのでしょうか?
1番は「言った・言わない」問題です。
人間は平気で嘘をついたり、しらばっくれます。
例 学校に吃音の相談したとして、全ての先生に伝わっていると約束したのに。
伝わっていなかった例。それによって心に深い傷を残すかもしれません。

2番目は「2005年から始まっている発達障害者支援法に吃音が含まれていること、よって、他の発達障害者のように全く同様の公的支援や福祉、合理的配慮を受けることができること」を相談相手が知らない問題です。
2005年から始まっている発達障害者支援法については国や地方公共団体、公立や国立の病院や大学病院、学校。その他税金により運営されている団体において発達障害者支援法は、理解していないとなりません。わからないとか読んでないという回答は許されません。2016年現在にもなって知らないということは許されません。一般企業や私立の学校ならば仕方がないかもしれませんが。


その他、このような理由があります。
下に書くような、「ひどい扱い」を受けた時に、証拠として、地方議会や国会や都道府県庁や厚生労働省や内閣府に相談するときの証拠になるからです。

1.吃音のことを市区町村に相談したが
吃音は障害ではありません。吃音が障害者という法律はありませんと窓口で追い返される。

残念ながらこのような職員の方が存在します。
音声データが証拠になりますので。苦情を申し立てることや地方議員や議会に持ち込みましょう。


2.吃音を診療する病院を探しても探してもない
一向に見つからない。どこに相談しても、そのようなものは無いと言われる。地方公共団体、自治体、の職員に吃音を診る病院なんてないよと言われる。

2005年に始まった発達障害者支援法が守られていない 都道府県は発達障害(吃音も含む)を診療する病院を整備しなければならない。都道府県ごとに最低一つは吃音の専門病院がないといけないはず。2016年になっても存在しないなんておかしい。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO167.html
(専門的な医療機関の確保等)
第十九条  都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。
2  国及び地方公共団体は、前項の医療機関の相互協力を推進するとともに、同項の医療機関に対し、発達障害者の発達支援等に関する情報の提供その他必要な援助を行うものとする。
3.病院がみつかった
しかし電話窓口で「ウチは吃音を診療していますよ」と言ったのに、実際は吃音なんて診療していません。と病院に行ってから冷たく言われる際の証拠。

4.吃音を診療するという病院が見つかった
しかし病院に行ってみると、「ウチは吃音で障害者手帳なんて人は相手にしないから」 「ウチは吃音は訓練すれば治るってことだから」 「吃音で障害者手帳なんて甘えだ」 という理由で障害者手帳申請書類を書いてくれない病院・医師のドクターハラスメントに対抗するための証拠。吃音当事者の中にはやっとみつかった病院に行っても医師や言語聴覚士や看護師などからドクハラなどハラスメントを受けたという人もいます。

5.ハローワークで吃音のことを相談したが、まともに取り合ってくれない

発達障害者支援法が周知徹底されていない証拠。

6.就職活動で応募先に吃音の配慮を求めたが、まともに取り合ってくれない
または差別発言が出てくる。

発達障害者支援法が周知徹底されていない証拠。だが民間企業であれば丁寧に丁寧に説明したほうがよい。
 吃音者への差別事例
「吃音? なんだそれ?」

                『………どもることです…』 

「あぁー どもりか!! お、お、お、お、おにぎり食べたいんだな(笑) アレだろwwwww」
「うーん。言葉が上手く話せない人に仕事はないよ。」
「話さない仕事探したほうがいいんじゃない?」
「あなたのせいでさ、他の人の面接時間が奪われているんだけど理解できる?ねぇ?わかる?それ職場でもやるの?許されると思ってる?トヨタ生産方式のムリ・ムダ・ムラって理解できる?時間のムダって知ってる??」
「あなたが吃っている間に、こっちはずっと待っていろってこと?冗談じゃない!バカも休み休み言え!」
「どもるならウチでは不採用だね(笑)」
と言われた場合に対抗する証拠。
ただし、「給与を貰う立場」なので、あまりに権利を主張しすぎると、企業側に情報共有されてブラックリストに入るのでオススメしない。

7.幼稚園 保育園 小学校 中学校 高等学校 大学 専門学校 高等専門学校 などに吃音について説明する場合

教育課程では私立や国公立の違いはある。しかし教育現場で発達障害を知らないのは2016年現在だと異常である。国公立学校なら発達障害者支援法は理解していなければならない。

2016年現在、学校や学校の先生に吃音の説明や合理的配慮を求めようとして相談したが。
吃音のことをそもそも知らないという教職員が存在する。今は2016年である。
なぜ、吃音当事者や保護者養育者が0から100まで丁寧に説明しないといけないのだろうか?
よくインターネット上の相談に「学校に子どもの吃音の説明をしたが、とても苦労した。疲れた」という心労が書き込みされる。

だがこれは異常事態なのである。繰り返すが、今現在は 2016年 である。
発達障害者支援法は2005年から動いている。

本当ならば教職員は「吃音のいろは・利用できる公的な支援や福祉」について理解していて、「私にまかせてください!! それからお子さんへの合理的配慮はどれくらいにしますか?一つ一つの場面について話し合いましょう」と教職員は胸を張って言わないとなりません。

社会人になる前の、児童生徒学生の身分ならば、「お金を払う立場」なので権利を主張しすぎても大丈夫。モンスターペアレントにはならないように。


答え
発達障害者支援法が周知徹底されていない。
吃音は障害者ではない派の主義主張の染まりきっている教職員の場合。
の2点が考えられます。特に「吃音の障害者認定反対派」に洗脳されている偏向している教職員の場合は、証拠をもとに教育委員会に苦情の申したてをしたほうがよいでしょう。
教育現場は中立で公正公平でなければいけません。教職員が障害者認定反対だからといって、発達障害者支援法にもとづいて、行使できる公的な支援や福祉や合理的配慮があることの情報を当事者、保護者や養育者に教えないことは異常事態です。吃音当事者の人生の機会損失です。選べる道、選択肢はいつでも使えるという安心感を持ちつつ、失敗をしたり、挑戦すればいいのですから。それでも社会人になるとき・その2年前くらいに吃音で苦労するなら障害者手帳を取得すればいいのですから。



2015年11月4日水曜日

【必読】はじめて吃音を知った人へ 吃音・吃音業界と関わる上で絶対に知っておくべきこと 大切な吃音ガイドライン

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※関連記事です。時間があるとき下記リンクもお読みください。
実際に吃音の相談をする場合はこちらもご覧ください。
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/01/blog-post.html
【保護者・当事者必見】吃音者、吃音の子ども、病院にいくタイミングとは 障害者手帳を取得するタイミングとは デメリットは何?初診日問題について
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2016/12/blog-post_10.html
吃音至上主義(きつおんしじょうしゅぎ)とはなんですか? どんな差別主義ですか?
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/12/blog-post.html
【吃音Q&A】吃音は発話発語の障害 そして相手、聞き手の時間を奪う障害 吃音者への合理的配慮 障害者雇用か一般枠雇用か?https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/06/q.html 

吃音者と働く 職場で吃音者の合理的配慮がうまくいかないのはなぜか?
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吃音をカミングアウトしているという吃音者の先輩の就職体験談を聞くときに気をつけることとは?https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/05/blog-post_29.html 

園や学校でカミングアウトする場合と就職活動でカミングアウトする場合の違いhttps://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/05/blog-post_30.html

【吃音Q&A】就労移行支援事業所や高校・大学の進路指導や就職支援室やキャリア支援室、障害学生支援室は吃音者にどう対応すればいい?https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2016/12/blog-post.html
吃音のある人の就職活動ガイドライン 吃音者はなぜ就職困難者が多く、一方で成功している吃音先輩は後輩を助けないの? http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2019/


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あなたの属性は何ですか?

一般の方ですか?

吃音当事者ですか?

吃音者の家族ですか?

発達障害当事者ですか?

発達障害者の家族ですか?

幼稚園・保育園の先生ですか?

学校の先生ですか?

医師ですか?

看護師ですか?

言語聴覚士ですか?

臨床心理士ですか?

社会福祉士ですか?

精神保健福祉士ですか?

障害者支援者ですか?

行政職員ですか?

企業の経営者ですか?

行政・企業などの総務・人事採用担当ですか?

障害者雇用・障害者採用担当ですか?

新聞記者・マスコミの方ですか?



前置きが長くなりすみません。
この投稿ははじめて吃音を知った人に向けて書いていきます。
絶対に知っておくべきことです。
吃音者の派閥については関係者全員が知っておくべきことです。

◆1.吃音者には派閥抗争がある。
吃音者には派閥があります。大きく分類して3つです。
1.「吃音は障害者じゃない」という派閥。
2.「吃音はあるけど、上手く隠して生活している。そっとしておいてほしい」という派閥。
3.「吃音があって生きることに困っている。障害者としての選択肢もほしい」という派閥。

これらのどの派閥に染まるかにより、吃音当事者とその家族の吃音観・他の障害者や社会的障壁がある人、難病者へ価値観が生まれ育ちます。
吃音当事者・家族でない人はこのことをよく理解しておく必要があります。

なぜこのような派閥争いが発生しているのか? 結論を先に言うと吃音者のセルフヘルプグループには「適切なソーシャルワークとウェルビーイング」が実行されていないことが問題となります。
社会福祉や精神保健福祉の仕事、障害者支援の仕事をしている人ならわかると思います、教科書にも書いてあります。吃音者のセルフヘルプにはこれが全く無いのです。A派閥ならA派閥の考えに染まっていないといけない。A派閥の考えと違うことを言うと追い出される、または主義主張を無理やり変えるよう洗脳される、糾弾されるという結果になります。

障害者手帳や合理的配慮、障害者雇用を選択したいから方法を教えてほしいと相談しても、吃音当事者団体の主義主張がその考えに反対であれば厳しく追及・詰問された挙句に人格否定や人格攻撃を徹底して行われます。 こんなひどい目に遭った何も知らない吃音当事者や家族は、もう二度と吃音業界には近寄らないということになってしまいます。

この対立の結果としてどんどんどんどん『お前らとは考えが違うから団体を分けよう分裂させよう。一緒になんて活動できないから!』という歴史を歩んできたのが吃音業界です。 聴覚障害者の考え方の違いや発達障害者当事者団体が主義主張対立からすぐに分裂するのと同じような状態に陥っています。

吃音業界はソーシャルワークやウェルビーイングという言葉はあまりにも浸透していないのが現実です。吃音以外の障害者や社会的障壁のある人と接することがある人々は本当に驚くと思います。障害者雇用や就労移行支援事業などを担当している職員も驚愕すると思います。少なくとも、「障害受容や障害者認定も考えることができる吃音者団体」と接触することがセオリーでしょう。新聞報道やインターネットニュースや吃音当事者団体のホームページを読んで事前に情報収集をすることをオススメします。


●1は、そもそも吃音というのは病気でもないし、障害者でもないという主義主張です。
吃音は障害者じゃない。吃音があってもこうやって生きている先輩がいるからそれを見習え。大いに吃りなさい。吃音者に生まれたことを誇りに思いなさい。吃音でよかったと思いなさい。吃音は神様から貰ったギフト。などなどのトンデモ理論がまかり通っているのが現状です。未成年の吃音者や親御さんにそんなことを教えて吃音仲間を故意に増やしたいのかと勘繰ってしまいます。

病気でも障害でもないので、吃音に対して気を使われることはもちろんのこと、吃音は障害だよ。
発達障害(Neurodevelopmental Disorder)だよと教えても聞く耳持ちません。吃音が発達障害であり、精神障害者保健福祉手帳の交付対象なんて死んでも許せないのです。

吃音のある子どもの父親と母親、祖父祖母などからすればとても気持ちの良い教えです。
「あなたのお子さんは障害者じゃありません」この言葉は魔法の言葉でもあります。
「自分の子どもが障害者といわれることに」とてもアレルギーがある。

この自分の子どもが障害者といわれることに抵抗を持ってしまうのは、その父親と母親、祖父祖母、親戚縁者が障害者や社会的障壁がある人にとても厳しい価値観なのだと思います。父親と母親が成長する人格形成期に「障害者は可哀想だ。障害者は幸せではない。障害者なんて税金泥棒だ。障害者は怖い。障害者は気持ち悪い。精神障害者保健福祉手帳を持っている人は頭がオカシイ。」など価値観をもってしまったのだと思います。その視点で自らの子どもの吃音を評価しているのです。

別の視点もあります。障害者に厳しい価値観でなくても障害者に理解があったとしても、父親と母親が社会人として、現実の社会に関わった結果。やはり障害者は経済格差がある。自分自身が働いてる会社は障害者はあまり雇用していない・そもそもしていない・身体障害者しかいない。吃音者が自分の会社に就職活動で来たら採用なんて絶対されない。そんな社会に吃音の自分の子どもが一人で生きていくことができるか心配だ…。このような現実と戦う結果、迷ってしまう親や保護者もいるでしょう。


そうだ。吃音は障害者じゃないと思い込もう!一時ですが気持ちのよい経験ができるかもしれません。しかし吃音当事者は大人になって壁にぶち当たった場合に最悪な状態になります。
また残念なことに吃音は幼少期に早期発見早期介入により病院に行って適切に処置すれば将来吃音状態が良い方向に行くという事実があったとしても病院に行かない行かせない場合もあります。


この吃音が障害者じゃないと教えるのは。特に小学校中学校で多く見受けられる事案です。
小学校の先生も一緒になって吃音は障害者じゃないと教える場合があるので注意が必要です。
たしかに自分の子どもが障害者と言われるのは抵抗があるかもしれません。
成人するまでの一時は吃音の子どもも親も家族もそれで幸せかもしれません。
しかし現実の社会はとても厳しいものです。
2015年現在。就職活動の際に「私は吃音者です。でも頑張ります。」なんてエントリーシートや履歴書に明記すればその時点で「貴意に添えない結果」という名のお祈りメール、お祈り文章を貰うことになるでしょう。


この派閥は吃音が障害者と言われることにとても抵抗があるため、吃音が発達障害である。脳神経になんらかの問題があると周知徹底されることを拒否しています。2014年7月国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報支援センターが吃音を発達障害の定義に加えたことすら、内閣府の政府広報が吃音が発達障害であると告知したことすら、反感を持っています。


1の派閥の人と接するときは細心の注意を払うようにこころがけましょう。
そして今この投稿を読んでいる、どんな色にも染まっていない吃音者、その家族はこういう考えもあるのだな程度に距離感をもって接することをオススメします。間違えて1の派閥の吃音者、吃音者団体に「障害者手帳がほしい」なんて相談をすると、諦めさせられます。あなたの人格を否定されます。精神衛生上よろしくありません。絶対にここに連絡してはいけません。他の吃音者団体に連絡しましょう。2016年4月現在、フジテレビ系列にて放送している福山雅治、藤原さくらのドラマ「ラヴソング」を監修している、全国言友会連絡協議会ならば、障害者手帳取得の道を教えてくれるはずです。



●2の派閥は吃音があっても上手く生活できている人が好む派閥です。
はっきりいって吃音のことはそっとしておいてほしいのです。
2の派閥も吃音が発達障害者であり障害者であることが世の中に周知徹底されることを嫌います。
吃音を隠して働いている手前、会社で吃音のことを指摘されると困るのです。
「おい。お前さ、昨日テレビでやっていた、こないだ雑誌で読んだ、吃音なんじゃないの?どもるよね?」なんて会社で指摘されると死んでしまうのです。
挙句に会社に吃音であることが発覚し、発達障害者だとバレて出世街道コースから外れると困るのです。障害者手帳取ってこいよ!なんて言われた日には死んでしまいます。せっかく吃音を上手くバレないように入社して一般枠で仕事をしているのに!!なぜだ!!となるのです。

普段から、吃音が出そうになっても、上手く「言い換え」を行う。「わざと忘れたふりをして相手に言わせる」、「あのー えーっと あれ あれなんだっけ 」などを駆使しながら乗り切る人もいます。電話が鳴っても受けないという人もいます。

●3の派閥は吃音があって困っている人が集まっています。
その他に年配の吃音者で社会人経験をした2015年現在50代60代70代の方で、自分が会社に入社したときは吃っていても大丈夫だったが、今は吃ることは危険だ許されないだろう。と真実を知っている人もこの派閥にいます。

吃音があって困っているというのは、大人であれば就職できない。ひきこもりニートになっている。親のお金で生活している。生活保護を利用している。親の老齢年金で食いつないでいる。だがしかし、就職したい。だけど新卒で就職に失敗した。職歴が全くない。ハローワークに行っても応募できる仕事がない。応募しても書類選考で落ちる。などの状態です。

子ども・未成年者であれば、上手く発話できないことにより、友達ができない。いじめられる。学校にいけなくなってしまう。

本来勉強しなければいけない時期に吃音を一次障害として、二次障害でうつ病や社交不安障害などになってしまい学校に通学できない。結果として勉強すべきときに勉強に打ち込めず、中学卒業の学歴、高校中退の学歴、大学に進学はしたが就職活動を失敗してしまう。といったことが考えられます。

この場合、吃音は発達障害者支援法に定義されている障害者なので公的な福祉支援を使うことができます。学校であれば文部科学省が学校での合理的配慮を提供しています。大学でも発達障害学生支援のマニュアルができています。(2015年現在吃音についてのマニュアルはない。このブログで勝手に作成する予定です。)

成人していれば、障害者手帳取得もあります。

何れにせよ、日本の福祉というのは申請主義ですので、困っている吃音当事者家族は堂々と利用してよいものです。嫌ならば申請しなければよいのです。





派閥のまとめ
吃音にはこのような派閥がありますが。
まず、色々な考えがあるのだな。
ということを知ってください。そして偏った情報に流されないようにしてください。

吃音者の派閥抗争により、発達障害者支援法に吃音が含まれていることが周知徹底されず北海道で吃音看護師が自殺してしまいました。選択肢はあったのです。
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/2013.html


吃音当事者、家族であれば適度な距離感を持ちましょう。また、吃音当事者のライフステージや吃音の程度により、公的な福祉支援を使えるということも忘れないで下さい。いつでも自由に自分にあった選択肢を選べばいいのです。

重ねて書きますが「吃音は早期発見早期介入であれば、将来吃音の状態を良い方向にもっていくことができます」これを忘れないで下さい。幼少期に子どもを病院に行かせることができなかった。と後々後悔しないでください。

吃音者でない方は、吃音と関わるときに客観的な判断をするようにしましょう。
他の障害者や障害者団体だとどうだろうか?と思考することも大切です。

●吃音業界はもはや対立から抜け出せない?
吃音業界の派閥抗争は吃音業界以外の障害者団体、発達障害者団体、それらに関わる医療従事者からはとても白い目でみられています。
吃音が障害ではないことを比較するのに「XXX障害よりマシ。障害者は劣っている。障害者手帳や社会保障制度の利用は恥である」などと教える団体があるため、このような吃音業界と関わりたくない距離をおきたいという他団体や障害者、その家族はとても多いです。

吃音業界は日本の国政政党のように数多くなっています。
それぞれは元祖の本家本元から主義主張の対立、運営側、スタッフ側の喧嘩、意思疎通困難により。『じゃあ分裂だ。お前らとは一緒にいられない。新しい団体つくるから!』という歴史を1965年から2017年現在まで繰り返しています。

あれ?

でもそれって2005年以降の発達障害者の当事者会と似てない?発達障害の当事者会も、喧嘩とか対立とかして1年ももたないで団体が空中分解したり分裂したり、発展的解消とか言いながら、どんどん団体が増えていますよね?

はい。正解です。おそらく吃音業界の各団体を運営するスタッフなどにも吃音と発達障害の両方を持った人が多いのだと思います。それに加えて吃音業界は長いあいだセルフヘルプグループであることに誇りを持っており、医療従事者や支援者、ソーシャルワークができる人を参加させないことも影響しています。

発達障害児者の団体でも運営が上手くいっており継続しているところは、国家資格を持った人間がスタッフとして参加していたり団体の運営に関わっています。例えば「吃音は障害じゃない。障害者はかわいそう。障害者は劣っている」なんて発言を当事者会ですれば、即座に国家資格を持っている運営スタッフがそれを注意したり、暴走しないように静止します。これが吃音業界にはなかった。皆無だったというわけです。

吃音業界は本来は団結して、子ども、保護者、医療従事者、支援者、専門家、大学教授、研究者などが1つの団体にまとまっていれば、吃音者の人権、吃音者が使える社会保障制度などの環境が変化していたかもしれません。少なくとも2005年の発達障害者支援法を(意図的または本当に知らずに)見落とすこともなかったでしょう。

平成 28 年度厚生労働省障害者総合福祉推進事業. 指定課題15. 発達障害者の当事者同士の活動支援の在り方に関する調査報告書
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwj45Mrzys7UAhXCwLwKHU2rAM8QFggrMAE&url=http%3A%2F%2Fwww.rehab.go.jp%2Fddis%2F%25E7%2599%25BA%25E9%2581%2594%25E9%259A%259C%25E5%25AE%25B3%25E3%2581%25AB%25E9%2596%25A2%25E3%2581%2599%25E3%2582%258B%25E8%25B3%2587%25E6%2596%2599%2F%25E4%25BA%258B%25E4%25BE%258B%25E9%259B%2586%25E3%2583%25BB%25E4%25BA%258B%25E6%25A5%25AD%25E5%25A0%25B1%25E5%2591%258A%25E6%259B%25B8%2F%3Faction%3Dcommon_download_main%26upload_id%3D2878&usg=AFQjCNEEwswZfASEpqkXf9SD6fof4pvpwQ&sig2=9sapeoPA8ZajCdTmhF8toQ

厚生労働省にも既存の発達障害者の団体運営の困難の源流は吃音業界にあると、今後調査してもらえればと思います。

◆2.吃音・小児期発症流暢障害は発達障害者支援法に定義される障害者です。
・発達障害者支援法とは?電子政府の総合窓口イーガブより

・発達障害者支援法とは?国立障害者リハビリテーションセンター・発達障害情報・支援センターより

・発達障害者支援法における発達障害の定義が書かれている
17文科初第16号厚生労働省発障第0401008号平成17年4月1日
文部科学省と厚生労働省の事務次官通知

1)  定義について
 「発達障害」の定義については、法第2条第1項において「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう」とされていること。また、法第2条第1項の政令で定める障害は、令第1条において「脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもののうち、言語の障害、協調運動の障害その他厚生労働省令で定める障害」とされていること。さらに、令第1条の規則で定める障害は、「心理的発達の障害並びに行動及び情緒の障害(自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、言語の障害及び協調運動の障害を除く。)」とされていること。
 これらの規定により想定される、法の対象となる障害は、脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもののうち、ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)における「心理的発達の障害(F80-F89)」及び「小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F90-F98)」に含まれる障害であること。
 なお、てんかんなどの中枢神経系の疾患、脳外傷や脳血管障害の後遺症が、上記の障害を伴うものである場合においても、法の対象とするものである。(法第2条関係)


◆3.吃音とは何が原因で吃音状態になっているのか? 
よく吃音についてインターネット上の情報に「吃音は原因不明で全くメカニズムが明らかになっていない」と書かれているでしょう。吃音の当事者団体でもそのような情報を掲載している場合があります。とくに障害者認定反対派でよく使われる言葉です。吃音は原因不明だから、いろいろなアプローチがあっていいんだと考えているわけですね…。吃音の障害者認定反対派は「吃音者の脳に異常がある」なんて情報を聞いたらショック死するので慎重に接しましょう。

脱線します。
日本国内ではよく魔法の言葉として「吃音になりやすい体質の子どもがいる」という説明がありますが、これは「親からの遺伝」も含まれますので注意が必要です。その他の発達障害も遺伝の可能性を示す研究報告が出ているのですが、吃音業界では「吃音が遺伝も関係している」と言ってしまうと、吃音の子どもの親や親類縁者が「自分たちにの遺伝子に異常があったのかもしれない。なぜ結婚して子どもを産んでしまったのだろう…」とショック死する可能性があるためオブラートに包んでいるのです。吃音の子どもがいる場合、近親者にも吃音者がいることが多いです。ただ、障害受容ができていない人や障害者が劣っているとか、吃音は他の障害より優れているという優生思想や差別の心がある人がショック死するだけですので、多くの吃音当事者や家族は気にしないでください。


話をもとに戻します。
しかし2016年現在、吃音が全くの原因不明というのは間違いです。
現在、吃音は脳、神経発達の疾患であることはわかってきています。

吃音ドクターこと菊池医師が書籍で述べています。少し古い書籍ですが「吃音の基礎と臨床―統合的アプローチ」でも吃音と脳について当時の研究が掲載されています。

ゆえに発達障害である、神経発達障害(Neurodevelopmental Disorders)であるとされています。DSM-5(アメリカ精神医学会 2013年公開)にも神経発達障害群に吃音が分類されました。ちなみに神経発達障害群には、自閉症スペクトラム、注意欠如多動性障害、学習障害、トゥレット・チックも分類されています。吃音と一般に言われる発達障害が併発する人も見られるのはそういう意味なのです。



・菊池良和医師も「吃音は聴覚タイミングエラーで生じる-脳磁図と拡散テンソル解析-」2013年から2016年3月までこのような研究をしている
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-25861566/



・2014年にミシガン大学の Soo-Eun Chang氏(Ph.D.)が
【Research updates in neuroimaging studies of children who stutter.】という研究報告を発表しています。

ミシガン大学の紹介ページ
http://chgd.umich.edu/people/details/soo-eun-chang-ph-d-ccc-slp/

研究報告の要約
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24875668


研究報告によると現在、吃音は脳画像化技術の進歩により、脳の解剖的および機能的な異常の重要な発見が相次いでいるといいます。MRI(磁気共鳴画像装置)、fMRI(機能的MRI)、DTI(拡散テンソル画像法)などの利用により、吃音者の神経学的根拠の重要な手がかりが見つかっているのです。この研究のなかで吃音の子どもとそうでない子どもの脳内神経ネットワークの比較が出てきます。結局、吃音がある場合とそうでない場合は脳の発達に違いが見られるというのです。

この研究報告は子どもの時は吃音なのに、大人になると吃音が消失する場合、大人になっても吃音が継続する場合の判別ができるのではないかと可能性を述べています。例えばガンの腫瘍マーカーのようなものです。今後もよりいっそう、吃音の研究が進むことを願います。子どもの時は吃音なのにどうすれば治る方向に進むのかが判明しれば、どのような治療が必要なのか判明すれば、吃音で苦しむこともなくなるでしょう。

◆4.吃音が発達障害であることを日本政府が決めたわけではない。
吃音が発達障害というのは日本政府が決定したわけではありません。
海外の診断基準を利用しています。

http://matome.naver.jp/odai/2142139170911907401/2143530781869191803

◆5.吃音は治る人もいるし、治らない人もいる。
現在、吃音はたったひとつ「吃音」と言われています。
しかし、今後研究が進めば、吃音には分類があることが判明するでしょう。
A型吃音、B型吃音、C型吃音といった具合です。
そうでないと、幼少期は吃音だったが、大人になってから吃音がなくなった吃音者。
幼少期から大人になってもなお、ずっと、吃音がある吃音者。
吃音と一般的な発達障害の併発。
他人の吃音をマネしたら吃音になった。
吃音は遺伝するのか?家族や親戚縁者の吃音はどうなのか?
これらの説明ができないからです。

さて、結果として、吃音が治った吃音者は吃音の治らない吃音者に対してあれこれ説教をします。
「私はこうやって治した。あなたは努力が足りない。私を見習え。」こんな説教です。
挙句の果てに、自分流で吃音を治した方法を「コンプレックス商法」として吃音が治る方法を販売します。という山師が存在します。

吃音者に接する場合、吃音は治る人もいるし、治らない人もいる。
しかし、そのメカニズムや誰がそうで誰がそうでないのかはまだ現在医学では判明していないということを忘れないで下さい。

◆6.吃音を扱うコンプレックス商法や民間の吃音矯正所は意味が無い。
吃音を扱うコンプレックス商法ですが、皆さん不思議に思いませんか?
世界中で吃音者がいて困っている。
そんな中で吃音を治す方法を知ってる人がいる。
なぜ、医学論文を発表しないのでしょうか?
世界中の吃音者が助かるはずです。
ノーベル賞の医学生理学部門も受賞できるでしょう。
しかしそんなことはしない。

それは簡単です。
吃音者には吃音でずっと困っていてほしいのです。
そのほうがお金儲けができるからです。
本当の篤志家であればその情報を医学論文として発表するはずなのです。
そして世界中に存在する吃音で困っている当事者家族に光を与えるはずです。

吃音者は紀元前から存在するのですが、こうやって吃音者を食い物にする人たちがいるのです。

◆7.吃音は病院のどの科にいけばいいのか?
吃音は耳鼻咽喉科、精神科が一般的です。
しかし病院によっては吃音を治す訓練しかしないところがあります。
吃音は治すものだと思っているので障害者手帳申請書類を書いてくれない医師もいます。

◆8.吃音は保険診療できる。
吃音は保険診療できます。
発達障害者支援法に定義されているとなれば、自立支援医療の精神通院を利用して、所得にもよりますが1割負担で通院できます。

民間の吃音診療所や吃音クリニックは保険診療できません。
保険診療するためには「医師法」や「言語聴覚士法」で「医師の指示がないといけない」と書かれているからです。民間診療所には医師がいるのか?保険診療できるのか?をよく確認しましょう。

保護者が子どもの吃音を心配する心のスキマを狙った吃音症法(吃音商法)にはお金を使わないようにしましょう。

◆9.吃音を診療する病院はとても少ない。
吃音を診療する病院はとても少ないためどうやって見つければいいのかわかりません。
という場合、効果があるかわかりませんが…。
お住まいの都道府県にある言語聴覚士会に問い合わせ、吃音を診る病院はどこにあるか?
と質問してみましょう。※ただしこの場合紹介される病院は「吃音を訓練治療する」ことが多いでしょう。

★【重要】吃音を診療すると表明している病院リスト
http://stutteringperson.blogspot.jp/2016/07/blog-post_24.html


◆10.子どもの吃音を早期発見後、どこの病院に行けばいいのか?
「吃音は早期発見早期介入であれば、将来吃音の状態を良い方向にもっていくことができます」
と派閥の説明で書きました。これは国立障害者リハビリテーションセンター病院です。
ここに行ける人は行ったほうがよいでしょう。使えるメニューは使い切るべきです。

◆11.吃音を発達障害として診療する病院はどこか?
現状であれば国立障害者リハビリテーションセンター病院です。
ただし、条件があります。
必ず診察のときに『発達障害として診てほしい。障害者手帳がほしい』と伝えます。

民間の発達障害を専門に診ている医師も最近は吃音を発達障害として診断書や障害者手帳申請書類を書くところが東京で出現しています。ありがたいことです。


◆12.吃音は吃音だけだと障害者認定されないというウソ
これも現在インターネット上など間違った情報が拡散されています。
吃音で障害者手帳がもらえるのは「吃音 + ●●」がないといけないというのです。
二次障害が発生していないと取得できないという。これは全くの間違いです。
一般に言われる発達障害であるASDやADHDやLDやチック・トゥレットなどで障害者手帳を持っている人は、その障害名のみで障害者手帳を取得している人もいます。しかも障害者手帳を持っていることをカミングアウトせずに一般枠で頑張って障害特性と戦いながら仕事をしている人もいます。もちろんカミングアウトして障害者枠で働く人もいます。

ということは吃音者も吃音という障害のみで障害者手帳を申請できるのです。うつ病、社交不安障害、適応障害などが併発症とならなくても障害者手帳を申請できます。そもそも二次障害が発生してしまっている状態にまで陥ってしまった当事者がその道程を歩むことになってしまった環境が異常です。適切なソーシャルワークはあったのでしょうか?

結論。
吃音は吃音のみで障害者手帳を取得できる。


◆13.国立障害者リハビリテーションセンター病院は遠すぎる。
この場合は、政治の力に訴えるしかありません。
お住まいの自治体の都道府県議会に現実を伝え、発達障害者支援法に基いて吃音を診療する
病院を設置してほしいと運動を起こすしかありません。一人では歯がたたないので協力して行ったほうがよいでしょう。

発達障害者支援法第19条
(専門的な医療機関の確保等)
第十九条  都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。
2  国及び地方公共団体は、前項の医療機関の相互協力を推進するとともに、同項の医療機関に対し、発達障害者の発達支援等に関する情報の提供その他必要な援助を行うものとする。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO167.html


◆14.吃音を診療するために病院に行くとその日が初診日になってしまう。通院歴ができてしまう。
どんな障害にもついてまわるのが「初診日」です。
その名の通り、最初に自分で調子が悪いと思って、最初に行った病院です。
※吃音と正式に診断がついた日ではありません。医師が誤診していたとしても最初に行った病院です。
一般的な発達障害でも初診日問題が話題になります。障害者年金の受給可否について大きく影響します。

◆15.吃音は発達障害者支援法に定義されているため、生命保険や住宅ローンなどのサービスが受けられなく可能性が高い。
生命保険や住宅ローンの申し込みが難しくなります。健康状態を告知する商品全般です。
もちろん嘘をついて申し込むなんてもってのほかです。
吃音のために病院に行けばその時点でアウトです。
子どもの将来が心配であれば、絶対に1回も病院には行ってはいけません。
障害者認定反対派の親・保護者の方も子どもを絶対に病院に連れて行ってはいけません。

◆16.吃音を障害者ではないということは、他の社会的障壁がある人を差別していることになる。
2014年7月に国立障害者リハビリテーションセンター内部にある、発達障害情報支援センターが吃音が発達障害であるとHPに公開しました。2005年の発達障害者支援法ができてから9年後です。

さて、この発表の後。吃音は発達障害者じゃない!ましてや精神障害者保健福祉手帳の精神障害者だなんて死んでもゴメンだ!頭のオカシイ精神障害者!!犯罪行為が無罪になる精神障害者と吃音が同列なんて許せない!せめて言語障害の身体障害者だろ!!!という論調が見受けられるようになりました。

しかしこれは逆に考えれば、他の障害者を馬鹿にして見下していることでもあるのです。
なぜ、その他の社会的障壁のある人達と協力して、吃音は障害者じゃない・精神障害者じゃないとそう受け取ってしまう自分の感性や価値観を生み出した世の中を変化させようと考えないのか?と不思議です。障害者の人権や経済格差や社会参加の問題こそ単独の当事者で活動するよりも障害種別の垣根を越えた協力が必要なのです。

◆17.吃音者は他の障害者団体から怪訝な、訝しむ感情で見られている。
吃音者は戦後歴史上、派閥抗争を繰り返しています。
例えば障害者認定反対派の派閥であれば、徹底的に障害者は可哀想な存在だ、あなたの子どもは障害者じゃない、吃音があっても活躍している人がいる、私の人生を見習いなさい、吃音者は目も見えるし耳も聞こえる比べればどっちが幸せかわかるでしょう、吃音は神様から貰ったギフトと教えている団体が存在するわけです。

吃音の子どもと保護者は小学校や中学校で、その他の社会的障壁・障害がある子どもの保護者と交流する機会がありますが、「なにか変だな?障害者のこと差別しているのかな?」と思われるのです。そして徐々に距離感が生まれていきます。この道程を通った結果、吃音者とその他の障害者や社会的障壁がある当事者と価値観の違いが生まれます。吃音者と距離をとろうと判断されてしまいます。

◆18.若い世代の吃音当事者が今後の吃音情勢を変化させるかもしれない。
現在、吃音者当事者の中にも、学校教員、看護師、介護士、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士や言語聴覚士や医師の道を目指す若者がいます。彼らは学校で「発達障害」について学ぶ時間があるので、本当は吃音が発達障害であることは知っていますし、吃音以外の障害者や社会的障壁がある人の勉強もしています。障害者認定反対をする吃音者と使える制度を自分で選択して利用しているその他の障害当事者はなぜにこうも違うのかと思考するようになります。この若い世代が日本の吃音情勢を変化させるかもしれません。


◆19.吃音はその他の一般的な発達障害と併発する人もいる。
吃音は障害者ではない。という障害者認定絶対反対派の人には耳が痛いことです。
吃音は一般的な発達障害(ASDやADHDやLDやチック)と併発する人がいます。
何%かどうかはわかりません。

※このような研究報告もあります
【重要】吃音と発達障害の併存について日本音声言語医学会の学会誌より紹介
http://stutteringperson.blogspot.jp/2016/02/blog-post_23.html



吃音とアスペルガー症候群、高機能自閉症、広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、学習障害、チックなどを併発するのです。

発達性協調運動障害という不器用さを持っている吃音者も存在します。

吃音と発達障害の併発は深刻です。
吃音という発話の障害と、俗に言う発達障害の特性である、相手の考えを読めない、理解できない、自分の感情を上手く表現できない、報告連絡相談というホウレンソウが苦手、スケジュールを組むのが苦手、急な予定変更に対応できない、強いこだわりや執着がある、0か1でしか物事を判断できない、時間を守れない、他人と視線が合わない、目を見て話せない、曖昧な表現がわからない、他人との距離感がわからない、落ち着いて座っていられない、会話をしていても相手が話し終わる前に遮って発言する、聞かれていないことまで話し始める、動きまわってしまう、ケアレスミスが多い、マルチタスク作業ができない、計算が苦手、正義感が強すぎる、などなど。この中から吃音と何かが組み合わさるかもしれません。

吃音がある場合。その他の俗に言う発達障害が併発していないか?調べたほうがよいでしょう。
吃音による発話だけの困り事ではないかもしれません。

ちなみに吃音者の当事者団体にはASDやADHDを持った吃音者がいます。
とても強いこだわり執着が「吃音は障害者ではない論」につながる場合があります。
そして0か1でしか判断しないため、考え方が違う吃音者とすぐに対立します。
吃音者の団体が派閥抗争や分裂こ繰り返すのはこれが1つの原因かもしれません。
(一般的な発達障害の団体も喧嘩して分裂を繰り返すのと同様です。)
また、他の発達障害者の中にとてもIQが高い人がいるように吃音者にもとてもIQが高く学歴が高く一流企業で働いている人もいます。ただし現在40代?50代?以降の人です。過去のハードルが低い就職活動時代を経験した人に限ります。2015年現在の就職活動システムを経験していない人が学歴だけで入社している場合です。


◆20.人材を雇う企業側は「発達障害を発見する方法を知っている」
2015年現在、企業側は発達障害を発見する方法を知っています。
就職試験に性格診断のようなものが入っていると思います。あれは実は発達障害を発見することにも利用できます。また、発達障害者が障害特性で苦労するミスをしそうな面接やグループディスカッションなどもノウハウがあります。その他に最初から精神疾患・精神疾患発症リスクや発達障害を発見することを目的として採用活動をしている企業にそのようなサービスを提供する企業もあります。

吃音も発達障害者支援法を熟知している人事採用担当なら、発話の仕方から推測するかもしれません。

企業側もリスク人材(精神疾患発症や隠れた障害や会社を訴える行為などをするかもしれない)を採用しないように全力です。たとえ企業のトップが「うちの会社は障害者に理解あるよ」と話していても人事採用担当が全力でブロックします。実は吃音者にも障害者手帳をという派閥に年配の方(現役引退世代)がいるのはこの現実を理解しているからです。真実を知ってしまったからです。自分の世代と2015年現在の就職活動は異なる。しかも障害者を発見するようなことは確かに行っていると気付いているのです。であるならば障害者手帳を持って正面から勝負したほうが有利であると知っているのです。

2015年12月から厚生労働省がストレスチェックを義務化します。
となると、そもそも仕事に影響を与えるかもしれないリスク人材を採用時点でどれだけ入社させないようにするかと躍起になり、ありとあらゆる手段を使うのは目に見えています。

例えば「大いに吃れ、吃音であることを誇りに思え。堂々と吃音者であると打ち明けろ。」なんていう教えをバカ正直に信じて就職活動をすることはリスクが高い自殺行為です。


◆21.就職のとき公務員なら大丈夫だろうという勘違い。
吃音者には迷信があります。
公務員に就職すれば大丈夫だろうと。
確かに、吃音を上手く隠せるタイプの吃音者であればそれは正解です。
または一発目で合格できれば問題ありません。
しかし吃音の重い吃音者が筆記試験突破の後の面接段階で不合格になった場合は「その記録がずっと残ります。」

吃音者が公務員試験を毎年毎年受けるのですが、いつも面接で落ちるという。挙句の果てに「また来たの?」と言われる場合もあります。

でも公務員試験でそんな差別をするわけがないと吃音当事者も親御さんも信じているわけですから、新卒で就職しないままどんどん空白期間のある履歴書ができていきます。そして年齢制限になり現実に打ちのめされるのです。

◆22.就職活動前に吃音があれば、障害者手帳を取得したほうがよい。
高卒で就職するのか大卒なのか院卒なのかわかりませんが。
就職活動の一年半前には障害者手帳の取得をおすすめします。
一般枠の就職活動と障害者枠の就職活動両方を行いましょう。

◆23.履歴書の空白期間は致命傷。障害者枠でもいいから就職を
新卒という肩書は一生に1回しか使えません。
吃音のリスクマネジメントを考えるなら、一般枠と障害者枠の両方で就職活動を行いましょう。
そして就職しましょう。たとえ障害者雇用であっても社会で経験を積むことは重要です。

◆24.発達障害は精神障害者保健福祉手帳なので、雇用されにくい。されても非正規。
日本の法律で発達障害は精神障害者保健福祉手帳に含まれるとされています。
身体障害者と違い、精神障害者保健福祉手帳は二年ごとの更新制の手帳です。
そのため、もしかしたら障害手帳を取得できないかもしれない精神障害者保健福祉手帳所持者を企業側は正規職員として採用することは稀です。2018年から精神障害者保健福祉手帳所持者も雇用義務化の予定ですが、どのように変化するかはその時になってみないとわかりません。

吃音を持つ子どものお父さんお母さんは、ぜひご自身が働いている会社の人事採用担当の部門に吃音者きたら採用するか?吃音者が障害者手帳を持っていれば採用するか?精神障害者保健福祉手帳は採用対象か?と質問してみましょう。


◆25.吃音者は障害者の法定雇用率に計算できる。
企業の人事採用担当部門の方へ。
御社の方針はわかりません。障害者雇用はあまりしたくない。ましてや発達障害者や精神障害者が難しい。という本音もあるかもしれません。

しかし吃音者は障害者雇用ができます。2016年現在は発達障害として精神障害者保健福祉手帳を持っています。
吃音者にも純粋な吃音者と一般的な発達障害併発のパターンもあります。
扱いが難しいかもしれません。なんとか雇用の道を開拓してもらえないでしょうか?

日本政府も吃音は発達障害と認めています。
障害者雇用をする側が吃音者を雇うとホームページなので告知していけば、障害受容のできた吃音者が応募してくるはずです。
・政府広報オンライン
http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html


◆26.新聞記者、マスコミなどの方、吃音を取材するときは客観的に
吃音について取材するときに気をつけないといけないことがあります。
それは吃音者の派閥の考えをそのまま報道しないようにすることです。

例えば取材するときには吃音当事者団体のみではなく、厚生労働省の社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室にも取材を行います。そして吃音が「発達障害者支援法」と「17文科初第16号厚生労働省発障第0401008号平成17年4月1日」 により定義される発達障害者であるということを記事やニュースで伝えるようにしましょう。

その他にも、吃音を診療する病院が全都道府県に存在しない事実を報道することも大切です。
吃音を診療診察診断する病院がないことにより、そもそも受けられるはずの公的な福祉や支援を吃音当事者が使うことができないのです。

このような重要な情報を掲載しつつ、例えば吃音者にはそのまま頑張っている人もいる、社会人として活躍していると報道するのが良いことだと思います。また、逆に困っている吃音者やその保護者は「法律で認められた障害なんだ。助けてもらえるのね」というのが伝わるのです。

吃音を取材するときにも、ソーシャルワークやウェルビーイングという言葉を勉強してからのほうがいいかもしれません。本を読んでも理解できない場合は社会福祉学科や社会学を教えている大学の教員などにも取材をしたほうがよいでしょう。



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園や学校でカミングアウトする場合と就職活動でカミングアウトする場合の違い
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吃音をカミングアウトしているという吃音者の先輩の就職体験談を聞くときに気をつけることとは?
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新卒前に学生の身分で公費負担利用できる就労支援は今後必要になるか?http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2017/06/blog-post_7.html



◆◆吃音(きつおん・どもり)/小児期発症流暢障害(しょうにきはっしょうりゅうちょうしょうがい)はどのような障害なのか?


テキストだけで説明することは難しいのですが、出来る範囲にて書き起こします。

吃音障害は発話の障害です。
うまく言葉を発話できないのです。
また、無理やり言葉を発話するので吃音者は身体の表面上なんらかの意図しない行動が現れます。

◆1.吃音者は常に吃っている訳ではない 吃音=発話できない という認識は間違い
吃音とは「吃音状態」になることにより、吃音が発生します。
「吃音」になってしまう「スイッチ」が入ってしまう、ONになることで、吃音状態の話し方になってしまいます。ここは重要なのでよく覚えてください。これは本当に不思議なことなのですが、どのような状態や環境、人間関係であれば吃音が発生する、発生しないという原因は解明されていません。

よくある勘違いは、吃音者は、常にずっと、いつ何時、いかなる場合でも吃っているということです。吃音者は365日四六時中吃っている訳ではありません。吃音者がスラスラ話しているときと、吃ってしまい上手く話せないときの両方があるとよく覚えてください。非吃音者(健常者)からすれば、『今日はこの人上手く喋ってるな。まさか故意にやってるのか?』、『なんでいつも流暢に話しているのに今日はこんな人が変わったようにオカシナしゃべり方しているんだ?』と思うかもしれませんが、そういうものだと思ってください。吃音者はふざけていませんし、あなたを怒らせようとしているわけでもありませんし、無礼な態度をしているわけでもありません。吃音当事者は意識して吃っているわけではありませんし、吃りたくないのに吃っているのです。


吃音は緊張するから吃るというのもよくある勘違いです。
別に緊張していなくても吃ります。リラックスしている自宅で家族と会話する、恋人、配偶者と会話する場合でも吃ります。

吃音と緊張の関係ですが、鶏が先か?卵が先か?問題と同じかもしれません。
もしもこの世に生まれてから吃音のことを指摘されずに、吃音のことを笑われずに、治そうとされずに育った吃音者がいれば、そもそも緊張は無いはずです。吃音者の吃り方を指摘したことによって、その吃音当事者の記憶に深く刻まれ、怖い体験だとストレス体験だと学習してしまえば緊張につながることはあるかもしれません。


吃音者が吃ってるときは、「今日は調子が悪いんだな」程度の認識でいてもらえるととても助かります。いちいち、「今のしゃべり方はなんだ!?」とか怒らないでください。そういうものだと受け止めてください。学業や仕事の内容で評価をしてほしいと思います。


◆2.吃音者がどもることにより身体上に現れる症状

顔が歪むこと、表情が不自然になること、目を細めてしまうこと、顔がピクピクすること、口を尖らせてしまうこと、口から唾液を飛ばしてしまうこと、相手に唾液を浴びせてしまうこと、コンビニエンスストアのおでん注文で唾液を保温器に入れること、身体の手や腕や足などを不自然に動かすこと、身体のどこかでリズムをとること、眼球が白目をむいてしまうこと、鼻の穴が広がってしまうこと、息遣いが不自然なこと、があります。

あまり現れない吃音者もいれば、複数が当てはまる吃音者もいます。


◆3.連発性吃音(れんぱつせいきつおん)、難発性吃音(なんぱつせいきつおん)ブロック吃音とも、伸発性吃音(しんぱつせいきつおん)の3つがあると言われています。

連発の吃音は発話の際、一文字目が吃ります。
ありがとうございました→ あああああああああありがとうございました。

難発の吃音は発話の際、一文字目を出すのがとても難しくなります。
(口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)……………おはようございます。


伸発の吃音は発話の際、一文字目と二文字目のあいだを伸ばすことがとても多い吃り方です。
場合によっては一文字目と二文字目以外の言葉も伸ばすかもしれません。

いらっしゃいませ→ いーらっしゃいませ いーらっしゃーいまーせ

◆4.吃音障害の症状例

あ アンパンマン
 連 あああああああああ アンパンマン
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………あんぱんまん
 伸 あーーーーーーんぱんまん あんぱんーーーまーーーん あーーーんぱーーーんまん

い イカリング
 連 いいいいいいいいいいいい イカリング
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………イカリング
 伸 いーーかりんぐ いかーーーりんぐ いかりーんぐー

う 宇宙船
 連 ううううううううううう 宇宙船
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………宇宙船
 伸 うーーーちゅうーせーん うちゅうーーーーーせん うーーちゅーーせーーーん

え 江戸
 連 えええええええええええ 江戸
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………………江戸
 伸 えーーーーーーーーど えーーーーーーどーーーーーーー

お お母さん お父さん
 連 おおおおおおおおおお母さん おおおおおお父さん
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する) ……お母さん ………お父さん
 伸 おーーかさん おとーさーーん おかーーさんーーー おーーーとーーーさーーん

か 解凍
 連 かかかかかかかかか 解凍
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………解凍
 伸 かーーいとう かーーいとーーう かいとーう かーーいーとーう

き 帰社予定
 連 ききききききききき 帰社予定
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………帰社予定
 伸 きーーーしゃよてい きーーしゃーーよてい きーーしゃーーよーてーい

く 車で行きます
 連 くくくくくく車で行きます。
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………車で行きます
 伸 くーるーまーでいきーす くるまーでいきます くるまーでいきまーす

け 携帯電話
 連 けけけけけけけけけけ携帯電話
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………携帯電話
 伸 けーーーーーーいたいでんわ けーーいたーーいでーんーわ けいーーたいーーでーんわ

こ 高知県
 連 ここここここここここここ高知県
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………高知県
 伸 こーーちけん こーちーけん こーーちけーーーん

さ 刺し身ください
 連 ささささささささささささささ刺し身 くくくくくくくくくください。
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………刺し身ください
 伸 さーしみくーださい さーしーみーください さーしーみーくーだーさーい

し 小論文
 連 しょしょしょしょしょしょしょしょ 小論文
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………小論文
 伸 しょーー論文 しーよー論文 しょーろーんぶん

す 好きです
 連 すすすすすすすすすすす好きです。
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………好きです
 伸 好きでーす すーきーでーす すきーです

せ 先生
 連 せせせせせせせせせせせせせ 先生
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………先生
 伸 せんせー せーんせー せんーせー

そ その節はお世話になりました
 連 そそそそそそそそそそその説はおおおおおおおお世話になりました
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………その節はお世話になりました
 伸 そーのーせつはーおーせーわーになーりました そーのーせーつはおーせーわーになーりまーしたー

た 助けてください
 連 たたたたたたたたたたたたたたたた助けてください
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………助けてください
 伸 たーーーーすけてください たーーーすーーてーーくーだーさーい

ち 血が出てる
 連 ちちちちちちちちちちちちちちちちちちち 血が出てる
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………血が出てる
 伸 ちーがーでーてーる ちーがーでてるー ちーがーでてーる

つ 釣り銭間違ってます
 連 つつつつつつつつつつつ釣り銭 まままままままままま間違ってます
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………釣り銭間違ってます
 伸 つーりーせーんまちがってます つーりーせーんまーちがーってます

て 電車が止まってしまって
 連 でででででででで電車が止まってしまって
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………電車が止まってしまって
 伸 でーんしゃがとまーってしまって でーんーしゃーがーとーまーてーしまってー

と トマト
 連 ととととととととととととトマト
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………トマト
 伸 とーっまと とーまーと とーまーとー

な 生卵
 連 ななななななななななな生卵
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………生卵
 伸 なーまーたーまーごー なまーたーまーごー

に ニュースで見ました
 連 にゅにゅにゅにゅにゅにゅニュースで みみみみみみみみみみみみ見ました
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ニュースで見ました
 伸 ニューーースでーーみーまーしーた ニューーーースーーでーーみまーーしたー

ぬ 糠漬け
 連 ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ糠漬け
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………糠漬け
 伸 ぬーかーづーけー ぬかづーけー

ね ネルソン・マンデラ
 連 ねねねねねねねねねねねねねねネルソン ままままままままままままマンデラ
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ネルソン マンデラ
 伸 ねーるーそーん まーんーでーら

の 脳死
 連 ののののののののの脳死
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………脳死
 伸 のーうーし のうーし

は 歯医者
 連 ははははははははははは歯医者
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………歯医者
 伸 はーいしゃー はーいーしゃー

ひ ひつまぶし
 連 ひひひひひひひひひひひひつまぶし
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ひつまぶし
 伸 ひーつーまーぶーしー ひつまーぶし ひつまーぶーしー ひーつーまぶーし

ふ フェイスブック
 連 ふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇフェイスブック
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………フェイスブック
 伸 ふーぇいーすーぶっーく ふぇいーすーぶーっーく

へ 平安京
 連 へへへへへへへへへへへへへへ平安京
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………平安京
 伸 へーいーあーんーきょう へーいーあーんーきーょーう

ほ 保育園
 連 ほほほほほほほほほほほほほほ保育園
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………保育園
 伸 ほーいーくーえーん ほーいーくえーん ほーいくえん

ま 漫画
 連 まままままままままままままままま漫画
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………漫画
 伸 まーんーが まんーがー まんがー

み ミュート
 連 みゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅみゅミュート
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ミュート
 伸 みゅーとー みーゆーとー

む 蒸し焼き
 連 むむむむむむむむむむむむむむむむむ蒸し焼き
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………蒸し焼き
 伸 むーしーやーき むしーやーき むーしーやーきー

め 目薬
 連 めめめめめめめめめめめめめめめめめめ目薬
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………目薬
 伸 めーぐーすーり めぐーすーり めぐすーりー

も モナコ
 連 ももももももももももももももももももももももモナコ
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………モナコ
 伸 もーなーこ もなーこ もーなーこー

や 八重桜
 連 やややややややややややややややややややや八重桜
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………八重桜
 伸 やーえーざーくーら やーえざくら やーえーざーくら

ゆ ユビキタス
 連 ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆユビキタス
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ユビキタス
 伸 ゆーびきたす ゆーびーきーたーす ゆびーきたす ゆーびーきたーす

よ 楊貴妃
 連 よよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよ楊貴妃
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………楊貴妃
 伸 よーきひ よーうーきーひ

ら ライオン
 連 らららららららららららららららららららライオン
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ライオン
 伸 らーいおん らーいーおん らーいーおーん

り 林檎
 連 りりりりりりりりりりりりりりりりりりりりり林檎
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………林檎
 伸 りーんご りーんーご 

る ルーレット
 連 るるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるルーレット
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ルーレット
 伸 るーーーれっと るーーーーれーーーーっと

れ レンダリング
 連 れれれれれれれれれれれれれれれれれれれレンダリング
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………レンダリング
 伸 れーーんだりんぐ れーんーだーりんぐ れんだーりんぐ

ろ ローマ帝国
 連 ろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろローマ帝国
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ローマ帝国
 伸 ろーーーーーまていこく ろーーまーーていこく ろーまてーーいこーーーく

わ ワセリン
 連 わわわわわわわわわわわわわわわわワセリン
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)………ワセリン
 伸 わーーせりん わーーせりーーーん わーーせーりーん





ん ンジャメナ
 連 んんんんんんんんんんんんんんンジャメナ
 難 (口は何とか発話しようとパクパクする。または沈黙する)…………ンジャメナ
 伸 んーじゃめな んーじゃーめな んーじゃーめーな


◆5.吃音が発生する会話事例

1 ファミリーレストランの店員の事例
・どもらない人の会話

「いらっしゃいませ。お客様は何名様ですか? おタバコはお吸いになりますか?」

・どもる人の会話

「……………………いらっしゃいませ。おきゃおきゃおきゃお客様は何名様ですか?
おおおおおおおおおおおおおおタバコはお吸いになりますか?」

「いっいっいっいっいっ いらっしゃいませ。お客様は何名様ですか?おっおっおっおっおっおっおタバコはお吸いになりますか?」


・この事例は吃音者の店員である。
例えば、サービス業務、接客業務であれば、吃ること吃音が発生することは致命的である。
この事例ではお客様が入店した直後の例である。この事例以外にもオーダーを取りに行った際の注文を繰り返す場合や、できた料理をお客様に提供するときに商品名を読み上げるときに吃ってしまい唾液を飛ばしてしまうこともあるかもしれない。


2 会社内での電話応対の事例(外部からの電話応対は会社の顔、代表でもあります。)
・どもらない人の会話

「お電話ありがとうございます。 株式会社アルフォンソ海運、受付担当の山田でございます。」

「営業部の田中でございますね。少々お待ちくださいますか。」


・どもる人の会話

「………………………………お電話ありがとうございます。株式会社アルフォンソ海運、受付担当の山田でございます。」

「おっおっおっおっおっおっおっおっおっお電話ありがとうございます。かかかかかかかかかかかかかかかか、株式会社アルフォンソ海運、うううううううううううううううう受付担当のややややややや山田でございます。」

「営業部のたたたたたたたたたたたたたたたた田中でございますね。少々お待ちくださいますか。」

「…………………………………営業部の………………………田中でございますね。しょしょしょしょしょしょしょしょしょ少々お待ちくださいますか。」


・吃音者は会社で電話受付をすることがとても苦手な場合もある。
社内でもできるだけ電話応対をしないようにするため、同僚や上司から「なぜキミは電話にでないんだ!」と叱責されることも。

かといって電話応対をしたら吃ってしまい、相手に不快な感情や怪訝な感情、不安を与えるかもしれない。

電話応対は社外電話であれば会社の顔である。吃音者はどうすればよいだろうか?
また、電話応対ではなく館内放送も同様である。

3 学校での自己紹介の事例
・どもらない人の自己紹介

「徳川家康です。よろしくお願いします。」
「はじめまして。徳川家康です。よろしくお願いします。」
「松平中学校出身です。徳川家康です。みんなよろしくね。」

・どもる人の自己紹介

「ととととととととととととと徳川家康です。よよよよよよよよよよよよよよよよろしくお願いします。」
「……………………は、はじめまして。徳川家康です。よろしくお願いします。」
「松平中学校出身です。ととととととととととと徳川家康です。みみみみみみみみみんなよろしくね。」


・自己紹介のシーンは吃音者漫画である。「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」押見修造 著
がとてもリアルに吃音者描いているのでわかりやすい。本当にこの作品は気持ち悪いほど吃音を克明に表現している。
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