2018年8月26日日曜日

鳥貴族が行っているタッチパネル式注文はもっと評価されてよい サービス業全般に広まってほしい

鳥貴族の売上が下がっていることを指摘するニュースがありました。
その中でタッチパネル方式が批判されていますが…。
このニュースに鳥貴族は負けないでほしい。
もっと自信を持って、タッチパネル式の良さ、タッチパネルがあることによって助かる人がいることも反論として使っていってほしいと思います。

まぐまぐというサイトに「MONEY VOICE」というビジネス系のニュースサイトがあります。この中に2018/08/19のニュースで下記のようなものがありました。
この記事は本当に健常者という社会の多数派の目線・価値観で書かれているなと残念に思います。障害や病気があって、口頭での注文ができない、苦手な人のことを想定していないのです。


ただの食い物屋になってしまった「鳥貴族」、客数と株価を落とした戦略ミスとは?=山田健彦 https://www.mag2.com/p/money/511933/


鳥貴族の株価が低迷している要因は、
・タッチパネルの導入でお客さんとのコミュニケーションがなくなった
・メディア戦略の間違い
・チグハグなマーケティングが混乱をもたらした
ことにあるのではないかと筆者は考えています。
本来のターゲット層は離反していないので、業績の下落はもうしばらくで止まるのではないかと思われます。
しかしマーケティングを見直さないと、混乱は続いたままになりそうな気がします。



―――タッチパネル式注文方式で助かるお客さんがいる
これは吃音、場面緘黙、言語障害、聴覚障害など、発話発語の障害症状がある当事者にとってはとても便利です。

障害症状として発話発語できないため、店員さんとうまく意思疎通できなくて、店員さんを呼んでの会話による注文ができない、または時間がかかってしまう場合があります。当事者によっては、それで悩み、本当は注文したかった物を注文せず諦めるという場合もあります。

この部分、タッチパネル方式だと安心して注文することができます。
また、タッチパネルが相手なので、気を使うこともなく、心の中で「はやく注文しないと待ってる店員さんに迷惑かな、お店は他のお客さんもいるし、とりあえずこれくらいでいいや」ということもあるかもしれません。このようなこともなく安心してゆっくり注文を考えることもできます。


―――タッチパネル式だと発達障害による聴覚過敏を持っている人も助かる

発達障害の当事者の中には、居酒屋やファミレスなど背後の音、他のお客さんの音、店内の音などにより、音声、発話発語によるコミュニケーションを苦手だと思っている人もいます。

店員さんがテーブルまで来て、口頭による注文がうまくできない場合もあります。
これもタッチパネル式だと、そういった心配がなく注文ができることになります。
また、発達障害当事者には視覚情報がわかりやすい、商品を見ながら、その商品の画像をタッチしてすぐに注文カートいれることができるのは便利という場合もあります。



―――鳥貴族社にはこの機会に、バリアフリーの視点を売りにしてはどうか?新しい提案として店舗で実行したらどうか?

まぐまぐの「MONEY VOICE」では鳥貴族社の売上や株価低迷が指摘されています。
しかし、タッチパネル式で助かっている人がいること。この視点、この部分から、バリアフリー店舗などの提案をしていくのはどうだろうかと筆者は思います。

鳥貴族の店舗には渋谷などに完全禁煙店舗があるなど、なかなか快適な空間を消費者に提案しています。鳥貴族のコンセプトや戦略としては飲食街にあるビルの高層階に出店するというのが多いですね。

そこを、障害や病気を持っており、そこまでアクセスできない人のことをもっと考えていくというのもアリだと思います。鳥貴族のお店には、実はすでに「車椅子対応」の店舗が少しあるため、鳥貴族社内にバリアフリーについて真剣に考えている職員の存在が見えてきます。


そこで、車椅子対応はもちろんのこと、それ以外の障害をもった人のためにももっと提案できることはあるのではないかと思います。例えば、欧米で行われている「クワイエットアワー」に対応したサービスもあれば嬉しいですね。もちろん鳥貴族社もビジネスですから、完全にそれを実行するのは難しいので、例えば、お店の中で静かな部分を調べて、そこに遮音や防音の設備をおいて、店内BGMや他のお客さんの声などが聞こえないようになどが考えられます。もしくは予約制にして、特定の日、特定の時間だけ対応するということも考えられます。


―――タッチパネル方式の注文は鳥貴族に限らず、もっと飲食店やサービス業全般で広まってほしいところ タッチパネルや券売機の導入がコスト面で困難ならば、iPhoneアプリ、アンドロイドアプリで、自由自在にカスタマイズできる『注文アプリ』があれば便利

発話発語による注文が難しい、苦手な障害や症状を持っている当事者としては、もっとこれは広がってほしいところです。吃音当事者の場合、吃ってしまうため、言いやすい言葉、言いやすい商品を注文するという場合もあります。本当はAという商品が食べたかったけど、発話発語しやすいBという商品を注文した。または一緒にお店にいった友人や同僚などが注文した商品を「私もそれで!」と言う場合もあります。


牛丼チェーン店の松屋の券売機・チケット方式はとても便利です。もっと言えば「つゆだく、ねぎだく、ねぎぬきなどのオプション」もこの券売機の時点で注文できれば便利です。


券売機、チケット販売機、タッチパネル方式はコスト面で導入が難しい場合も想定されます。2018年現在、スマートフォンの普及率は50%程度でしょう。

そこでiPhone用のアプリ、Android用のアプリとして、どのような業種やお店でも自由にカスタマイズして、タッチパネル方式の注文が実現できるアプリが登場してくるとこれはとても便利になるでしょう。

・お店側
アプリによるタッチパネル式の注文の「選択肢」を作成し登録する。

・お客さん側
(店舗側が事前に準備した「選択肢」のあるページを開く)
アプリによるタッチパネル式で注文をする。
それが「QRコード」に変換され、これをお店側が何らかの端末で読み取って、注文内容を把握する。


今、ハンバーガーで有名なマクドナルド社が事前注文アプリの実証実験をしているというニュースがありましたが(http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1802/23/news073.html
 実はこれも発話発語による注文が苦手な人には助かることだと思います。


―――さいごに
障害や病気というのは、健常者という社会の多数派が作ったルールに適応できない人(少数派)が、その機会を喪失していることが多いです。飲食店に限らずサービス業や小売などのお店でも一度、『これって健常者という多数派が作ったルールだよな。運営方式だよな。当たり前のように口頭で音声によるコミュニケーションで注文を受けたりするけど。別の方法もあるんじゃないか?』という例のように自社のサービスを見直すことができるようになれば、もっと世の中でそれを待っていた!という新しい消費者層が出てくるかもしれません。